6月5日「教育長の学校日記」
たいせつなものが、ここにはある③~「!」から生まれた「?」、そしてまた「!」や「?」が…~
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▲ツマグロヒョウモンの振り返り | ▲しっかり伝わったようです |
ひと月前に、「幼虫が、チョウかガになったら教えてね!」と約束した、つばめ幼稚園の年長組の先生から連絡がありました。蛹になっていたツマグロヒョウモンが羽化したので、こどもたちが先生に、私に連絡してほしいとお願いしてきたとのことでした。「!」がたくさんあった中で、「?」もあるということで、急遽オンラインでやり取りをすることになりました。
私は、昆虫学者ではありませんが、根っからの昆虫少年だったことと、理科の教員だったことから、お役目を引き受けさせていただきました。まず、1つめの「?」は、「さなぎが、ちょうちょになってる!」という「!」から生まれた、「あかい『ち』みたいなのがあるけど、なんだろう?」でした。完全変態をする昆虫の、特に蛹から成虫への変化ってすごいですよね。蛹の中で成虫の体を作り上げていく営みは、本当に神秘で崇高です。まずは、こどもたちが「赤い血みたいなもの」に気付いたことをほめました。こどもたちは、自分たちで会議を開いてみんなで考えを出し合ったそうです。それも、すごいですよね。こどもたちとの詳しいやり取りは割愛しますが、「チョウになって飛ぶ時には、軽い方がいい」ということに気付かせてあげて、「赤い液体は血ではなく、チョウにとっていらない物」であり、ケガをしているわけではないことを伝えて、安心させてあげました。
2つ目は「!」です。「ストローみたいなのがある!」、「それでみつをすうんだよ!」…。自分たちの経験から、会議の中で概ね解決していたようですが、これもまた、よく観察したこどもたちをほめました。実は昆虫の口は、分類上でもとっても大事です。こどもたちのこれまでの昆虫との関わりを踏まえて、カブトムシやトンボ、バッタの口の写真を見せながら、食べる物と口の形の関係についてお話をしました。また、チョウとは違う真っ直ぐで固い物でも刺すことができるストローについて、これから姿を現すセミを例に挙げて説明をしました。そうそう、こどもたち(ヒト)の口についての話もしました。こどもたちは、これから昆虫を見付けたら、きっと裏返して口を見てくれることでしょう。
そして、さらにこどもたちが「!」と「?」について、話をしてくれました。「『め』がおおきい!」、「あぶないものが、みえるためかな?」、「はながどこにあるか、みつけるためかな?」、「おおきくみえるんじゃない?」…。こどもたちは、昆虫の大きな目、複眼に気付いたようです。トンボの写真を見せながら、小さな目(単眼)もあることを教えてあげて、今度は先生に虫メガネを貸してもらって見てごらん、と次の「!」や「?」につながる投げかけをしておきました。これから暑くなってくると、こどもたちはもっと様々な昆虫に出会えることでしょう。今度は、どんな「!」や「?」を教えてくれるでしょうか?
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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