10月12日「教育長の学校日記」
たいせつなものが、ここにはある⑤~「これまで」の積み重ねと、「ここ」からつながっていく「これから」~
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【年長】はじめのことば | 【年少】フルーツポンチを作ろう |
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【年中】並んで待つ姿も立派 | 【年長】リズムの完成度は見事! |
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【年長】力強い走りは圧巻 | ▲大活躍の東陽中の生徒たち |
今年の運動会は、雨に悩まされ続けています。春はほとんどの土日が雨でしたが、秋も…、でしょうか。天候不順のため日曜日に順延となった南陽幼稚園の運動会を訪問しました。本園の運動会は、毎年、北側のお隣の南陽小の校庭をお借りして行っています。本日が雨の場合は、南側のお隣の東陽中の体育館で行うことになっていました。小学校、中学校の間にある本園ならではですね。これも恒例となっていますが、運動会では東陽中の生徒たちがボランティアで、用具係として大活躍してくれました。
本園は、今年度開園50周年を迎えます。幼児たちは、幼稚園が50歳になることを先生から教えてもらっていますので、様々なタイミングで、幼稚園の50歳をお祝いしたい、ありがとうって言いたい、という幼児の思いを生かして、活動につなげています。運動会も「50年のありがとう未来にはばたけ!ゴーゴーゴー!!」というスローガンの下、取り組んできました。
10月10日の五砂幼の学校日記にも書きましたが、江東区立幼稚園の園行事は、毎日の保育とのつながり、幼児の主体的な取組を大事にしています。運動会においては、各学年の競技や演技が日頃の保育とつながっているのは当たり前ですが、会場を彩った万国旗等の装飾も幼児の思いや活動がつながっています。年長組は、環境として掲示してあった万国旗に触発され、絵本等でさらに様々な国旗を調べ、その旗の特徴や色を学びながら万国旗作りに取り組みました。年中組は、折り染めで色がじわじわと広がっていく様子や広げた時の模様の美しさを味わった経験を生かして、自分だけの旗を作りました。
4月に入園した年少組さんも半年の成長はとても大きなものがありますが、年中組、年長組と一緒に並ぶと、年長組のこれまでの2年半での幼稚園での成長の大きさを実感します。年長組の開会式でのプラカードを持っての行進やはじめの言葉、各種目の司会、リズムでの隊形移動やダイナミックな踊り、そしてみんなで揃えるところ等を見ていると、思わず感動してしまいます。特に、今回、リレーに臨む幼児の姿、何より力強い走りっぷりには驚かされました。全員が、自分の力いっぱいを出し切っていました。
年長組にとってのリレーは、年少組、年中組の頃に見た、その時の年長組の姿への憧れから始まっています。そして、年長組になった直後の「リレーやりたい!」という思いから始まったリレー遊びが、ここまでつながってきています。夏休み明けに学年でリレーに取り組むようになり、ルールの大切さに気付き、どんなルールが必要か話し合う等してきたそうです。人数を揃えたり、走る順序が分かるようにゼッケンを着けたり、勝つために話し合ったり、協力したり、勝って喜んだり、負けて悔しい思いをしたり、そんな経験を重ねながら、今日の運動会に至ったんだろうなということが、一人一人の力いっぱいの走り、チームで声を掛け合い、応援している真剣な表情から伝わってきます。
先生が、リレーが始まる前に、ルールを会場の皆さんにしっかりと説明していたのは、これまで幼児たちがルールを考え、しっかりとルールを守ってリレーに取り組んできたこと、その真剣な姿へのリスペクトでもあったんだろうなと思いました。「ルール違反があった場合は競技を止め、もう一度最初からやり直しをします」、まさかとは思ったことが、スタート直後に起こりました。競り合いの中で、一人の子が転んでしまいました。すかさず、先生がレースを止めました。転んだ子も「がんばれる!」と先生に思いを伝え、再レースをすぐに行うことができました。幼児たちの眼差しや姿、そして、先生の適切な判断から、ここまでのリレーへの取組の大きさが感じられました。
これまでの取組の積み重ねが、今日の運動会につながっています。そして、ここは単なるゴールではなく、これからにつながっていく通過点でもあります。きっと、週明けには、年中組はリレー遊びを始めるでしょう。そして、年長組は年中組の子たちに、自分たちが経験したことを教えてあげるのでしょうね。年少組も運動会ごっこを始めるかな?
(※写真は、一部加工してあります。)
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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