11月5日「教育長の学校日記」
江東区の伝統工芸を学ぶ②~木工(彫刻)~
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| ▲様々な木に触れる | ▲作品に思わず見入る |
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| ▲渡邉さんへの質問タイム | ▲構図を考えて写真を撮る |
今日は、江東区の伝統工芸の出前授業の内、木工(彫刻)の授業が行われる扇橋小を訪問しました。講師の先生は、江東区無形文化財保持者であり、扇橋小の地域にお住まいの児童の大先輩でもある渡邉美憲さんです。本校には、渡邉さんが彫られた校章があります。また、森下文化センターには、渡邉さんが彫られた「のらくろ」像もあります。高さ110㎝もあり、とても立派な木彫像です。森下文化センターの25周年に際してつくられ、「未来につなぐ飛脚のらくろ」と名付けられ、お腹の中には来館者から募集した未来に向けたメッセージも納められています。
今日、授業を受けたのは本校の4年生です。冒頭、渡邉さんは、「知っている木の名前を教えてください」とこどもたちに聞きました。すると、出るわ、出るわ。スギ、ヒノキ、シラカバ、ブナ、サクラ、アカシア、メタセコイア、マツ、クヌギ、ニセアカシア…。こどもたち、すごいです。木の名前が止まりません。次に、「木へんの漢字、書けますか」と聞くと、ここでもたくさん手が挙がりました。こどもたちがホワイトボードに書いた漢字は、松、梅、柿、榎、柊、椿、栃、桜…。なかなか難しい漢字も書けてしまうこどもたちに感心しました。こどもたちが書いたのは、みんな木の名前でした。木へんに春、夏、冬が書けたこどもたちに渡邉さんは、「木へんに『秋』もあるんだよ」とも教えてくださいました。ちなみに、「楸」はヒサギと読み、これも木の名前です。
また、渡邉さんは、児童にたくさんの種類の木を触らせてくださいました。児童は香りをかいだり、手触りを確かめたり、名前を知ったりして、それぞれの特徴を比較しました。「やっぱり、ヒノキはいい香りだな~」と、感想を述べる子が多かったですね。また、たくさんの作品も見せていただきました。実際に近くで見た児童たちは、その素晴らしさ、細かいところまで丁寧に彫られていることに感心し切っていました。
質問コーナーになると、またまたたくさんの手が挙がりました。「作るのにどれ位の時間がかかりますか?」という質問には、「簡単な物は1時間でできてしまうものもありますが、1か月、3か月、1年位かかるものもあります」と、答えられました。やはり大きな作品には長い時間がかかるようです。「いつから、作り始めたのですか?」という質問には、「高校生の頃です。お父さんも職人さんだったんだけど、お父さんが作っている姿をじっと見て、真似をして、作りました。作るのが好きだったんです。」と答えられました。やはり、伝統工芸の技術というのは、「見て、学ぶ」ことが大事なんですね。「大切にしていることは何ですか?」という質問には、じっくりと考えながら、「注文してくれた人に、喜んでもらえるように仕事をすることです」と答えられました。まさに、「思いを込めて作る」ということですね。その他にも、たくさんの質問に答えてくださいました。
最後に児童は、渡邉さんの作品を自分の端末を使って、写真を撮りました。担任の先生が、「国語の『アップとルーズ』で学んだことを生かして撮るんですよ」と声をかけると、みんな即座に反応していました。教科横断的に学んだことを生かす先生、そしてそれを実践できる児童、素晴らしいです。どのように、学習のまとめができるのかも楽しみですね。
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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