2月27日「教育長の学校日記」
たいせつなものが、ここにはある⑦
~就学前教育スタンダード「自分でよく考える」~
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▲「きゅうしょく、おいしかったよ」 |
▲水族館も完成間近です! |
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▲「これが、桃の花です」 |
▲「お金を持っていくのは、誰ですか?」 |
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▲「おかしな目玉焼き」に歓声が! |
▲「もものはな、あった~!」 |
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▲桃の花は玄関にも飾りました |
▲遊びや生活を意識した絵本 |
これまでの寒さがうそのような暖かい日になりました。会議が終わって、慌てて着替えて、いつものマイエプロンを持って辰巳幼稚園に向かいました。私が園に着いたときは、好きな遊びの時間でした。桃の節句にちなんで、ひな人形を作っている子もいれば、先日遠足で行った葛西臨海水族園をイメージして、水族館作りをしている子もいます。今年度末で休園となる本園の年長組さんは5人です。みんな仲がよくて、明るくて、とっても優しいんです。私もあっという間に、みんなと仲よくなりました。
本園は辰巳小学校と併設されており、幼小の連携は辰巳の伝統となっていて、その実践は連携教育が盛んな本区においても、先進的です。特に5年生と年長さんの交流は、今では交流のスタンダードですが、辰巳幼・小がパイオニアと言っても過言ではありません。今でも、日常的に「55たいむ」として交流をしたり、行事に参加し合ったりしています。「わたしたち、きゅうしょく5かいもたべたんだよ!」と言って、廊下にある給食の写真の説明をうれしそうにしてくれました。小学校との交流が当たり前になっているこの子たちには、4月からの小学校生活がしっかりとイメージできています。
好きな遊びの時間が終わって、みんなが集まりました。今日は、これからみんなでお買い物です。買う物は、「桃の花」と「ひなあられ」。先生に桃の花の写真をタブレットで見せてもらって、誰が何を買うか役割を決めて、絵本バッグを持って、お金の確認をして、お財布を持って…、先生は細かく指示をするのではなく、こどもたちに自分で考えることを促します。人数を確認したり、お金を確認したりするのは、小学校の算数につながります。ここでも、先生はこどもたちが自分たちで考えられるよう、自然と数に触れていきます。「お花を買う人は2人で、ひなあられを買う人は1人だから…」と先生がつぶやくと、「じゃあ、買う人は…、3人だね」とこどもたちが楽しそうにやり取りをしています。
さあ準備OK!みんなで出発です。途中、辰巳小の給食室の前を通ると美味しそうな香りがしてきました。辰巳小の給食室は校庭から調理の様子を見ることができます。みんなでじっと見ていると、給食室内の調理師さんが窓越しに今日のデザートを見せてくれました。「わあ~!」小学校の給食では人気メニューの「おかしな目玉焼き」です。今日の辰巳小は、「6年生を送る会」があったので、お楽しみメニューだったようです。
お店に行く間には、大事な交通安全の学習です。もうすぐ1年生となる年長さんにとっては、とても大事なことです。ここでも、自分で考えることを大事して、一人一人が考えながら安全確認をして横断歩道を渡ります。5人の年長さん、完璧です。お店では、桃の花もひなあられもしっかりと買うことができました。園に戻ってからも、こどもたちは体験をとおした学びに取り組みます。花瓶を用意して、お水を入れて、それもどれ位入れたらいいかを考えて、しっかりと持って、花瓶がぬれてしまったら…、さあどうしましょう?また、そこで一人で、そしてみんなで考えて解決していきます。
今日の短い時間を一緒に過ごす中でも、こどもたちが小さな階段をしっかり確かめながら、自分の力で昇っている姿をたくさん見ることができました。江東区立幼稚園では、意図的・計画的な保育で、こどもたちの確かな成長を支えています。
国が示している、幼稚園教育要領や保育所保育指針等には、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」が示されています。江東区ではその姿と重ねて、小学校以降の学びにつながる「幼児期に必ず体験する内容」を、「就学前教育スタンダード」として取り組んでいます。今日の保育の中で大切にされていたのは、「就学前教育スタンダード」の【自分でよく考える】で、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の【自立心】につながります。
「小学校に行ったらまた会おうね!」と約束をして、園を後にしました。辰巳幼稚園と辰巳小学校の幼小連携の取組は、「江東区保幼小連携教育プログラム」に生かされていますし、これからもずっと江東区のすべての園と小学校でつないでいきます。
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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