ホーム > こども・教育 > 教育委員会 > 「学校、今日行く!」~教育長の学校日記~ > 令和6年度(2024年度)発行号 > 6月19日 「教育長の学校日記」~先生と生徒たちで創り上げる授業~
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更新日:2024年6月24日
▲【数学】リンゴとミカンの数に注目します |
▲【数学】工夫した方法を共有します |
▲【保体】端末で試合の様子を録画します |
▲【保体】映像で振り返りをします |
▲【保体】話し合いの雰囲気も素晴らしい! |
▲【保体】片付けも協力して安全に行います |
第三亀戸中学校を訪問しました。今日は、江東区立中学校・義務教育学校後期課程の先生方が、教科毎に一堂に会して授業研究を行う、令和6年度第1回「中学校教科交流授業研究の日」でした。三亀中では、数学と保健体育の授業が行われ、城東地区の中学校の数学と保健体育の先生方が集まり、研究を深めました。
数学は、2年生の「連立方程式」の授業でした。連立方程式というと、「x」や「y」という複数の文字を用いて解を求めていくので、難しいと感じる生徒も多くなります。そこで、今日の授業では、先生がいくつかの工夫をされていました。
まず、生徒が連立方程式を解くことを身近に感じられるように、リンゴとミカンの値段を求めるという場面にして、さらに方程式の解き方に気付きやすいように、実際にリンゴとミカンの絵のカードを用意されていました。そして、その問題の解き方を考える場面をグループで行い、時間を少し長めにとっていました。数学が苦手な生徒も、生徒同士で聞き合ったり、教え合ったりすることを通して、理解を深めることができていました。先生がクラスの生徒たちのことをよくつかんでいて、さらに対話的な学びを大切にして授業を積み重ねてきている成果が出ているなと感心しました。
保健体育は、2年生のバレーボールの授業でした。私が体育館に行った時は、チーム毎に端末で撮影した試合の映像を見て振り返りをしているところでした。保健体育の授業では、録画して確認をすることはとても効果的です。これは、一人一台端末を導入できた大きな成果です。見ていてすぐ気付いたのは、どのチームも話し合いがすごくいい雰囲気なのです。チームは男女混合で、中にはバレーボールが苦手な生徒もいます。しかし、話し合っている様子は常に明るく、楽しそうです。試合が始まると、どのコートでも前向きな言葉が飛び交います。「いいよ!」、「ドンマイ!」、「ナイス!」、「ありがとう!」、「ファイト!」、「そうそう!」等々…。言葉だけでなく、ハイタッチをしたり、拍手をし合ったり、どのチームも笑顔があふれていました。そして、みんなかなり上手でした。
2つの授業に共通していたのは、授業、クラスの雰囲気がいいということです。生徒たちは、とても明るくて、授業に真面目に取り組んでいました。保健体育の時間に、生徒たちが前向きな言葉を発していたように、数学のグループの話し合いでも分からない生徒に対して、他の生徒が自分の考え方を丁寧に伝えていました。実は、鍵は先生なのです。数学の先生も、保健体育の先生も、生徒たちの気持ち、理解に寄り添った授業、温かい声かけをしているのです。授業における「心理的安全性」がしっかりと保たれていて、生徒たちは失敗を恐れることなく、前向きにチャレンジし、思考することができるのです。
授業の計画をするのは先生です。しかし、学習を進めていく主体者は、生徒たちです。先生は、生徒たちがわくわくしながら授業に臨むことができ、どの生徒も学ぶことが楽しいと感じられる一人一人を大切にした授業をしていかなければなりません。そして、そのベースにあるのは、先生と生徒たちの信頼関係、心のつながりです。いい授業、いいクラスは、そんな先生と生徒たちの温かいつながりを感じることができます。授業は、先生だけでなく、先生と生徒たちで創り上げるものなのです。
三亀中の先生方、そして生徒の皆さん、今日はいい授業をありがとうございました。そして、今日の授業に参加されたすべての先生方の授業に、今日の授業の成果が生かされることを期待しています!「みんな、かがやく!」授業を創っていきましょう!
江東区教育委員会 教育長 本多健一朗
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