12月13日「教育長の学校日記」
「わかる!できる!たのしい!」児童が自ら育つ授業づくりに挑戦する先生方
▲今日のグループ学習の進め方を確認します |
▲しっかりと見て、同時に動画も撮ります |
▲撮影した動画を見ながらアドバイスします |
▲その子に応じた高さに、みんなで調節します |
▲自己の課題に気を付けながら跳び越します |
▲撮影した動画と見本動画を比較して確認します |
第四砂町小学校を訪問しました。5時間目に6年生の体育の研究授業が行われ、広くその授業が公開されるということでしたので、私も参観させてもらいました。今日の公開授業は、大きく3つの視点があるスペシャルなものでした。1つ目は、本校の先生方の校内研究としての視点。2つ目は、東京都教育委員会の指定を受けて本校が取り組んでいる教科担任制の視点。3つ目は、本日授業をされた先生が所属している東京教師道場としての視点です。ちなみに、東京教師道場は、東京都教育委員会独自の取組で、教職経験4~10年目程度の先生方が授業研究を通して授業力を高めていく制度です。
今日の授業は、器械運動の跳び箱運動でした。指導者は、昨年度まで義務教育学校後期課程で保健体育を担当されていて、今年度から本校の5・6年生の体育を担当している先生です。授業が始まる前も、始まってからも、とても和やかな雰囲気です。さすが、義務教育学校で前期課程の児童とも関わっていた先生ですね。配布された資料に、本校6年生全員に行ったアンケート結果が掲載されていましたが、「体育の授業は好きですか」という質問には、何と85%の児童が「体育が好き(好き62%・やや好き23%)」と回答していました。この数値の高さは、本校の教科担任制の成果、そして先生の優しいお人柄と児童にとって、わかる、できる、楽しいと感じる授業が影響しているのではないでしょうか。
授業の目標は、「仲間と協力しながら自己の課題を見付けて、解決方法を考えよう」です。ちょっと難しいように思えますが、児童はよく理解していて、グループで協力しながら目標達成に向けてどんどん取り組んでいきます。大人の皆さんも経験があると思いますが、跳び箱運動は、得意不得意、能力差も大きい種目です。本校は丁寧に指導されているからか、他校の傾向より好きな児童が多いようですが、それでも跳び箱運動についてのアンケートでは、好き64%(好き28%・やや好き36%)、嫌い36%(やや嫌い19%、嫌い17%)となっています。好きな理由は、「高い段を飛べるとうれしくて楽しい」、「達成感が好き」、「何回も挑戦できるから」等となっており、嫌いな理由は、「失敗したときに、何か言われたら恥ずかしい」、「落ちるのが怖い」、「跳べないから」、「けがをしたことがあるから」等となっています。これらのことを踏まえて、授業は計画されています。
とにかく児童同士が優しいんです。グループで協力してその子の目標に合った段数に変えたり、アドバイスをしたりする姿がとてもいいなと思いました。「いいよ、いいよ」、「お~、すごい!」、「ドンマイ!ドンマイ!」等、励まし合い、認め合う言葉が飛び交っていました。周りを見ると、指導している先生をはじめ、見守っている本校の先生方が、皆さん優しい表情をされていました。児童の学びに大切な心理的安全性には、児童にとって身近な人的環境である先生の温かさ、優しさが重要です。
器械運動が難しいと言われてきたことの一つに、自分が技に取り組んでいる姿を自分で見ることができなかったということがあります。しかし、今は一人一台端末があります。今日の授業でも、友達同士で動画を撮り合い、自分の空中姿勢や着地の仕方等を確認していました。今回、先生方が工夫されたことの一つに、端末の中で見本の動画と自分の動画を比較できるようにしたことがあります。デジタル(端末の活用)とアナログ(友達同士の関わり、声かけ)のよさが生きた授業でした。
太田校長先生に校内研究や教科担任制の成果を伺うと、「先生方の結束力が高まってきましたし、授業でこどもたちのグループワークや話し合う活動が効果的に行えるようになってきました。教科担任制により、教材研究も深く行うことができ、授業を楽しみにしているこどもたちも増えてきています。何より、こどもたちを多角的な視点で見られるようになって、こどもたちの変化に早く気付くことができています」と話してくださいました。最後に「今日、どうだった?」と児童に聞くと、「想像より先生方の数が多かったけど、いつもどおり、楽しくできました!」と笑顔で答えてくれました。児童や先生方、頑張っているみんなに「あっぱれ!」です。
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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