11月1日「教育長の学校日記」
~ユニバーサルデザインと心理的安全性で授業を創造する~
▲本校のシンボル的な校舎中央の大階段 |
▲1年音楽表示も掲示も指示も分かりやすい |
▲2年国語安心感のあるグループ活動 |
▲3年美術互いの作品のよさや美しさを共有 |
▲学びが多かった参加者による分科会協議 |
▲講師の先生から学びを深めた全体会 |
江東区教育委員会研究協力校として、第二大島中学校が2年間取り組んできた研究成果の発表会を行いました。研究主題は、「生徒一人一人に寄り添った教育活動の充実~特別支援教育やユニバーサルデザインの視点から~」です。学習指導要領では「主体的・対話的で深い学びの実現」を、中教審答申では「個別最適な学びと協働的な学びの実現」を目指しています。そして、今年度の江東区立学校・幼稚園と江東区教育委員会では「みんな、かがやく!」の実現を目指しており、本校が取り組んでいる「生徒一人一人に寄り添った教育活動の充実」は、すべての実現に向けてとてもタイムリーであり、重要なことです。
特に本校の研究のキーワードとも言えるのが、「ユニバーサルデザインの視点」と「心理的安全性」です。この2つは、そもそも教育のために考え出されたことではありませんが、現在学校現場においても重視されており、こども真ん中で、「みんな、かがやく!」学校教育・授業をしていく本区の先生方には、しっかりと理解していただきたいことです。
本校では、ロナルド・メイスが提唱したユニバーサルデザインの7原則について、講師の先生の御指導の下、学校教育に合わせて取り組んできました。『原則1・利用の公平性…使う人が誰であろうと、公平に使えること』、『原則2・利用するときの柔軟性…使うときの自由度が高いこと』、『原則3・簡単で直感的な使用法…使い方がとても簡単であること、ひと目見ただけでもすぐに使い方が理解できること』、『原則4・わかりやすい情報…知りたいことがわかりやすく説明されていること』、『原則5・誤りに対する寛容性…間違って使っても安全安心であること』、『原則6・身体的負担の軽減…使用中、身体への負担が少ないこと、少ない力でも使用できること』、『原則7・使いやすい大きさと十分な使用空間…誰にも使える大きさや広さがあること』の7つを基本に、研究を進めてきました。
「心理的安全性」は、『原則5・誤りに対する寛容性』を基に、学級経営において「心理的安全性二大中モデル」を作成し、生徒たちが「失敗しても、間違えても大丈夫」という安心感が抱ける学級経営に努めました。先生方は、授業中も「心理的安全性」の高い環境をつくること、生徒たちの自己肯定感が高まるような声かけに努められていました。その成果は、全国学力・学習状況調査の生徒質問紙調査で、自己肯定感の指標となっている「自分にはよいところがありますか」の回答の大幅な向上にもつながっています。
今回の研究発表会でよかったことの1つに、参加された先生方に本校の研究を話題にして話し合っていただく分科会毎のグループ協議の時間をとったことがあげられます。中学校のみならず、小学校の先生方も多く参加されていて、各学校での特別支援教育やユニバーサルデザインの視点に関する取組を共有し合い、本校の研究についても多くの意見をいただくことができました。私の実感は、「江東区の先生方は、素晴らしい」ということです。協議会で出された様々な意見は、本校のこれからの研究に生かすとともに、参加された先生方や江東区の先生方と共有できればと思っています。
改めて、開校70周年の取組をしながら研究を進め、素晴らしい提案をしてくださった本校の先生方に敬意を表します。江東区のすべての先生方、「ユニバーサルデザインの視点」と「心理的安全性」で、「みんな、かがやく!」教育を創っていきましょう!
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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