「学校、今日行く！」～教育長の学校日記～

「未来へ！　つなぐ歴史　つなげる笑顔」　周年記念式典⑤

▲130周年記念歌「気球にのって」を歌う児童	▲笑顔で迎えてくれた「東仙人」
▲「東川和太鼓クラブ」児童の見事な演奏	▲「未来へ！」みんなの思いを乗せて

　東川（とうせん）小学校の開校150周年記念式典が行われました。先週の深川小に続き150周年です。本区では明治小を加えた3校が、学制発布を起源とする開校150年を超える歴史を有しています。東川小は、明治6年町内の有志の方によるご寄付で私塾「幼学院」として開校しました。明治8年に東川学校と改称され、現在までその名を継承しています。関東大震災、東京大空襲で2度にわたり校舎を焼失しましたが、その都度地域の皆様のご尽力により復興を遂げました。特に、東京大空襲では本校において多くの方が亡くなられています。毎年3月10日が近付くと慰霊台を設け、多くの方々が慰霊に訪れています。安田校長先生は、式典の式辞の中で東京大空襲を振り返り、「皆さんは、この痛ましい出来事を決して忘れず、生きたかったのに生きられなかった先輩たちの分まで、自分の命を大切にして生きていってください。そして、平和な世の中にするために自分にできることを考えていってほしいと思います」と児童に語りかけられました。

　「未来へ！　つなぐ歴史　つなげる笑顔」は、本校の150周年のスローガンです。本校は、「みんなでつくる『笑顔』あふれる学校」を目指して学校経営を行っており、学校中の笑顔が増えてきていると伺っています。その本校のよさでもある「笑顔」を未来へつなげていきたい、本校の150年の歴史を未来へつなぎたいという児童の思いが、150周年のスローガンに込められています。児童は、地域や学校の歴史を主体的に調べ、学びを深めました。そして、児童が中心となり、記念児童集会を開いたり、地域の方をお招きして150周年を祝う会を行ったりしてきました。式典当日の児童の姿や言葉、アトラクションでの様子を見ていても、「私たちがつくるんだ！」、「私たちがつなぐんだ！」という児童の思いがよく伝わってきました。児童が、150年という本校の歴史と伝統をしっかりと理解し、誇りに感じている証拠でしょう。

　周年に際して、児童・生徒がマスコットキャラクターを考えることは多くの学校で行われていますが、本校のマスコットキャラクターが特徴的なのは、「仙人」であるということです。その名は「東仙人（とうせんにん）」です。作成した児童（現在中学1年生）によると、東川小は歴史があるので、歴史から「仙人」をイメージしたとのことです。着物の青い帯のような物は本校の校章にもなっている、本校の周りを流れている川だそうです。そして、「東仙人」が満面の笑みを浮かべているのは、今までもそうであるように、いつまでも本校の児童が笑顔でいてほしいという願いが込められているとのことでした。「東仙人」は、今では、児童のみならず地域や保護者の皆さんにも愛され、学校のいたるところで笑顔を振りまいてくれています。

　改めて、東川小学校開校150周年おめでとうございます。開校150周年を祝う会、実行委員会、同窓会、PTA、地域、教職員の皆様、ありがとうございました。本校の150年という長く輝かしい歴史と伝統は、これまで本校を熱い思いで支え、愛してこられた多くの方々のご尽力でここまでつながれてきました。50年後の200周年では、今の児童がきっと本校を支える大きな力となり、その時の児童に地域や学校の歴史や伝統をつないでくれることと思います。本校では、100周年に作られた「東川音頭」、130周年にみんなで作った歌「気球にのって」が、今でも踊り、歌い継がれています。きっと150周年の「東仙人」も笑顔の伝道師として本校で活躍し続けるのではないでしょうか。何と言っても「仙人」ですからね。

江東区教育委員会　教育長　本多健一朗