「学校、今日行く！」～教育長の学校日記～

次の100年に向けた、しなやかで確かな一歩

【1年】校長先生へのインタビューを端末で動画撮影	【1年】こちらがこれまでの校長先生の写真です
【4年】端末のスライドで観察記録を作ります(理科)	吹き抜けがあり、明るくてみんな大好きな図書室

　香取小学校を訪問しました。「うわ～、いい香り～！」木の香あふれる昇降口で、思わず深呼吸をしてしまいました。大規模改修工事を終えて4年目となる本校ですが、まだまだ新築のような木の香りがしてびっくりしました。ぜひ、本校を訪問されたら、私と同じように深呼吸をしてみてください。自然と笑顔があふれてきます。古くから木材を地場産業としてきた江東区では、校舎の木質化を進めています。

　木の香に包まれて校内に入ると、仲よし学級の教室が廊下の両側にあります。どの教室でも、意欲的に学ぶこどもたちの姿、先生方の丁寧な指導を見ることができました。日光移動教室に行く6年生は、その準備として、お土産調べをしていました。決められたお小遣いでお土産をどのように購入したらよいかを教科横断的に、算数の学習と合わせて学んでいます。先生方が事前に準備した、実際のお土産の写真と金額をChromebookで確認しながら、何を買えばいいか、よく考えていました。先生方の綿密な教材準備が素晴らしいなと感心しました。こどもたちの学習意欲、そして日光に行きたい思いが高まっているのを感じました。

　大森校長先生と校長室でお話をしていると、小さなお客様の訪問がありました。生活科の学校探検の学習で訪れた1年生の子たちです。校長室をさらによく調べたい子が、校長先生にインタビューをしに来たようです。それも、Chromebookを持っています。友達がインタビューをしている様子をお互いに動画で撮影しています。まだ入学したばかりなのに、慣れたものです。「なんで、かとりしょうのこうちょうせんせいになったんですか？」「それはね、こどもたちが大好きだからです。そして、私が育ったところと似ている、この香取小学校が大好きだからです」こどもたちは笑顔で聞いていました。これまでの学校探検では、メモをとることが多かったのですが、この時期の1年生はまだたくさんのことをメモすることはできません。せっかく多くの気付きがあっても、書き留められなければ友達にも伝えられませんし、自分の学習としても残すことができません。そこで、動画撮影の活用です。何度も繰り返し見られますし、教室で他のこどもたちの前で発表をするときも活用できます。これも先生方の教材研究の成果ですね。どんな仕事をしているか、好きなこと、好きな食べ物は何か等、こどもたちの様々な質問に、大森校長先生も笑顔で優しく丁寧に答えていました。「もし、うまく撮れていなかったら、また来ていいですからね」と大森校長先生が声をかけると、こどもたちは満足気な表情で「ありがとうございました！」と元気に帰っていきました。ちなみに、こどもたちは、帰る前に校長室をさらに探検し、歴代の校長先生、PTA会長さんの写真があること、校長室から校庭の様子がよく見えることにも気付いていました。しっかり写真も撮り、深い学びになっていました。

　大森校長先生は、「しなやかで たくましく かしこい」こども、教職員を育てたいと話してくださいました。「しなやかさ」というのは、今のこどもたちにとっても重要とされている非認知能力の中の一つで、レジリエンスと言われるものです。レジリエンスにつながっていく自己肯定感、自己有用感を様々な活動を通して高めることを目指していくとのことでした。また、学習面においては、「なぜだろう？」「知りたい！」「学びたい！」「伝えたい！」という『？！』を大切にしているそうです。今、こどもたちが主体的に学ぶこと、そして問題解決的な学びが求められていますが、そのカギとなるのが、まさにこどもたちの『？！』です。1年生の学校探検、特別支援学級の学習、その他の授業でも、こどもたちの『？！』が大切にされていました。

　本校は、昨年度、開校100周年を迎えました。今年度からは、次の100年に向けたスタートです。今日、訪問をして、明るい学校の雰囲気やこどもたちの笑顔、先生方のこどもたちに寄り添う姿を見て、これまで本校が大事にしてきた「えがお げんき おもいやり」が脈々と受け継がれ、そして、新たな、しなやかな一歩を確かに踏み出したことを実感しました。「101周年おめでとう！」

江東区教育委員会　教育長　本多健一朗