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更新日:2023年6月21日

「学校、今日行く!」~教育長の学校日記~

プロ教師は、TeacherからFacilitatorへ

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【社会】電子黒板で学習課題に迫る資料を提示

【社会】端末の資料を基に自らの考えを深める

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【国語】端末で意見交流をし、学びを深める

【国語】端末を使って協議を深める先生方

 江東区立中学校・義務教育学校後期課程の先生方が、教科毎に一堂に会して授業研究を行う、令和5年度第1回「中学校教科交流授業研究の日」が行われました。今回は12校で、全教科16名の先生方が授業を行い、その他の先生方は各教科の会場にChromebookを持って参加し、授業後にはジャムボードというアプリを使って協議会を行いました。授業者、そして指導助言者の先生方、会場校の皆様、ありがとうございました。

 私は、第二亀戸中学校で行われた国語と社会の授業を参観しました。私も経験がありますが、授業者の先生方は、他校の多くの先生方に注目される中、かなり緊張されたことと思います。どちらの授業も、とてもよく準備、工夫をされており、先生の熱量が伝わってきました。そして、お二人とも日頃から授業でChromebookをよく使っているようで、生徒たちも上手に使いこなしていました。今回、江東区中で16名の先生方が授業提案をしてくださいましたが、このようなチャレンジが先生方自らの授業力を高めることになります。参加された先生方も授業を通して学ぶことが多かったと思います。授業は、人に見られる機会、評価される機会が多いほど、より洗練され、質を高めていくことができます。当然のことですが、先生が授業力を高めることは、生徒たちにとってもよいことです。今日の授業研究を通して、江東区中の中学校・義務教育学校後期課程の先生方は、授業力をさらに高めることができたはずです。

 私は、採用されたばかりの初任者の先生方によくこんな話をします。「先生方はプロ教師ですか?」すると、先生方は戸惑った表情をします。私は、「先生方は教師をして給料をもらっているわけですから、プロ教師です。ただ、プロ野球選手の中にも1億円を稼ぐような一流選手もいれば、入団したての2軍にいるような選手もいます。採用されたばかりの皆さんはそんな2軍にいる選手のような存在かもしれません。でもプロ教師であることに変わりありません。大事なのは、日々努力して、授業力、指導力を高めていくことです」と話をします。今年度の初任者の先生方には、「失敗」という文字を見せて、「何と読みますか?」と聞きました。全員の先生が、「しっぱい」と答えました。私は、「違います。これは『せいちょう』と読みます。失敗は次にしなければ、それは成長したということですよね。失敗は成長につながる貴重な経験です。むしろ失敗(しっぱい)を恐れて挑戦しない方がだめですよね」と話をしました。表情が緩み、笑顔になった初任者の先生方がたくさんいました(後で、故野村克也さんの言葉をお借りしたということは言い添えました)。

 今、授業には、「児童・生徒が主体的、対話的に学び、その学びが深いものであること」、「個人の能力や個性が生きる個別最適なものであること」等が求められています。言い換えれば、「児童・生徒が自ら学びたい、知りたい」と思い、「児童・生徒が学ぶ方法やその追究の計画を決める」ことができ、さらに「友達とのやり取り等を通して学んだことをさらに生かし、広げていく」ことができるような授業であることが大切だということです。先生が一方的に学ぶことを決めて、先生のみが知っている一つの答えを、児童・生徒が先生の評価を気にしながら恐る恐る発言するような授業ではいけないのです。

 私は若い頃、先輩の先生に、「教師の発問、話は少ない方がいい。こどもの発言で授業が成り立つことが望ましい」、そして、「大事なのは、こどもが『学びたいこと』、『学ぶべきこと』を自らつかんでいること、そのためにどんな事象提示、導入をするかが重要」とも言われました。若い頃は、しゃべり過ぎてしまうことが多く、日々反省していました。実は、真に「よい授業」は昔からあまり変わりは無いのです。今、教師はTeacher(教える人)からFacilitator(進行する人)になることが求められています。教師は、一方的に長々と説明し、知識を与えるのではなく、児童・生徒の主体的な発言や活動で授業が創り上げられるように、効果的に相槌や称賛の言葉でつなぎ、児童・生徒と「ともに」学びを深めようとする姿勢が必要です。江東区立学校の先生方は、Challenge Wednesday等を活用し、プロ教師として、授業力向上に努めています。

江東区教育委員会 教育長 本多健一朗

お問い合わせ

教育委員会事務局 庶務課 教育政策調整係 窓口:区役所6階1番

郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

電話番号:03-3647-8542

ファックス:03-5690-6911

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