更新日:2024年1月23日
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江東区教育委員会
「学校、今日行く!」~教育長の学校日記~
江東区中の3万3千のこどもたちの「きらり」
江東区は俳句に歴史的な縁があること等から、すべての区立小・中学校・義務教育学校で俳句教育に取り組んでいます。江戸時代には、松尾芭蕉が深川に居を構え、多くの名句を詠んだことは有名で、江東区常盤には芭蕉記念館があり、史跡も多く残されています。昨年末には、「奥の細道サミット」が本区で行われました。また、小林一茶も大島で生活しており、愛宕神社には句碑もあります。昭和の時代には、石田波郷が砂町に暮らし、戦後の様子を俳句にするとともに、『江東歳時記』を著しました。砂町文化センター内には、石田波郷記念館もあります。
もともと各校で取り組まれていた俳句教育でしたが、江東区として、こうとう学びスタンダードの国語スタンダードに、「季節を感じ、俳句に親しみます」と俳句への取組を位置付け、俳句講師を派遣して行う俳句の授業等の充実を図ってきました。今では、多くの学校に俳句掲示板があったり、校内で俳句の表彰をしたりする等、取組が浸透しています。また、江東区立中学校俳句部を設置し、深川七中を拠点として活動を行っています。さらに、江東区の全小・中学校のこどもたちが作った俳句を集めた俳句集「きらり」を発行するとともに、「きらり☆こうとう俳句祭」というイベントを開催しています(新型コロナウイルスの感染拡大により昨年度と今年度は中止)。
今日は、今年度の俳句祭で最優秀俳句(区長賞・区議会議長賞・教育長賞)に選ばれた俳句を紹介します。どの句も、こどもたちの感性あふれる素敵な句です。
【区長賞】区長賞は、ユーモアがありながら、多彩で豊かな心が表現され、江東区のこどもたちは、このように育ってほしいと思えるような句を選んでいます。
☆ スプーンですくってみたい夕焼けを 枝川小 5年児童
☆ 太陽の光を通る渡り鳥 深川四中 2年生徒
【区議会議長賞】区議会議長賞は、毎日の暮らしの中で、自然や生活を素直な心で見つめ、心に感じた表現ができている句を選んでいます。
☆ あきのひにほんをよんだらゆうごはん 四大小 1年児童
☆ 夕焼や投げ捨てられた大都会 二大中 2年生徒
【教育長賞】教育長賞は、学校生活の中でかけがえのない一瞬を発見し、青春と言えるその一瞬を表現できている句を選んでいます。
☆ さるすべり3年2組からみえる 水神小 3年児童
☆ ペンの音部屋に静かに林檎の香 亀戸中 3年生徒
「きらり」という題は、17音できる短い詩である俳句には、それぞれのこどもたちの感性が「きらり」と輝いていること、そして、どんな子でも「きらり」と輝くことができるという思いが込められています。各学校で俳句の授業を見ていると、たくさんの「きらり」に出会うことができます。
なお、俳句集「きらり」には、各校から選ばれた代表句や俳句部の生徒の俳句等、約1300句を掲載するとともに、きらり歳時記や俳句の楽しみ方、江東区の俳句教育や芭蕉や波郷の紹介や選者の先生の選評も掲載しています。俳句集「きらり」は、区内の図書館でご覧いただけます。また、俳句が掲載されたお子様のご家庭にはお配りしますので、楽しみにしていてください。
江東区立学校のすべてのこどもたち、3万3千の「きらり」。今日もどこかの学校で輝いていることでしょう。
江東区教育委員会 教育長 本多健一朗
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