更新日:2022年12月16日
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江東区教育委員会
「学校、今日行く!」~教育長の学校日記~
十七音きらり輝く師走かな
16日に、平久小学校を訪問し、本区の俳句講師と担任の先生による俳句授業を参観しました。ご存じのように、松尾芭蕉や小林一茶、石田波郷という俳人に縁がある本区は、俳句教育に力を入れており、すべての児童・生徒が、季節を感じながら、俳句に親しんでいます。今日は、3年生と5年生で俳句授業が行われていました。
3年生のクラスで、講師の先生が、「俳句について知っていることを教えてください」と言うと、たくさんの子の手が上がりました。「五、七、五」、「季語を入れて作る」、この二つがさっと答えられるだけでも立派ですが、そこで終わらないのです。「自然の様子を俳句にする」、「自分の思っていることを俳句にする」、「季語は二つ使わない」、「『楽しいな』とか『うれしいな』とか、気持ちをそのまま言わないで工夫する」等々…。さらには、「十二月」を使って俳句を作ろうと話をすると、「『十二月』は、六文字だけど『五』って数えるんだよね」、「そうそう、『音』で数えるんだもんね」、「十七音!」等と、いろいろなことを知っていてびっくりしました。本校が、これまでしっかりと俳句教育に取り組んできた成果だと思いますが、1年生から俳句に親しんでいる本区の児童・生徒の学びの積み重ねってすごいなあと感心しました。では、3年生の児童が「十二月」を季語にして作った俳句を少し紹介します。
○ いき白い走って帰る十二月 ○ お兄ちゃんじゅくをがんばる十二月
○ 弟はそろそろ一年十二月 ○ フットサルシュートをきめた十二月
その後、児童は授業中に詠んだ句の中から一番気に入った句を選び、クラスで句会を開きました。短い時間でしたが、児童はたくさんの句を作っていました。では、句会で児童の評価が高かった上位2句を紹介します。
1. 雪ふらすはんにんお前か冬しょうぐん 2. 十二月出番がふえるなべのふた
十七音に込められたその子の思いやその時の情景を想像するのも句会の面白さです。みんなから賞賛された後、名乗る時に見せる照れくさそうでうれしそうな表情も素敵です。まさに、「きらり」の瞬間です。5年生が詠んだ句も少し紹介します。
○ 自転車で坂道のぼる息白し ○ おばあちゃんセーターあんでる師走かな
○ 賀状書く去年のはがきと山二つ ○ 外見ると赤ちゃん手を振り冬ぬくし
17日には、江東区立俳句部の活動を参観するために、深川第七中学校を訪問しました。区立中学校・義務教育学校後期課程に在籍していれば誰でも参加できる部活動で、概ね月に1回土曜日に、主に拠点校となっている深川七中で活動しています。それでは、活動の中で俳句部員が詠んだ句を少し紹介します。
○ お寿司行き年末賞与太っ腹 ○ 三種類食べつくせるよおもちつき
○ 広いのに一つのふとんで年を越す ○ 除夜の鐘ただゴロゴロと聞き流す
○ 年用意家族集まり神社決め ○ 年賀状何度もポストのぞいてる
○ さいふ見て輝く五円師走かな △ 師走句会師も子も我も学ぶ友
今は中学1、2年生のみですが、みんな素敵な句を詠みますね。さすが小学校から俳句に親しんでいる江東区のこどもたちです。句を披露した後にみんなで感想を述べ合い、さらに工夫できる点等を話し合いました。講師の小山先生が「この句はその子しか詠めない句だよね」と話をされた時に、本区の俳句集の題を「きらり」とした時のことを思い出しました。俳句はどの子もきらりと輝けるものなのです。十七音の世界に、その子らしさ、その子の思いが広がっています。ちなみに△は仮入部した元中学生の私の句です。
俳句部への入部については、担任の先生にお話いただくか、教育支援課(3647-9307)までご連絡ください。これからもたくさんの「きらり」に出会いたいなと思っています!
江東区教育委員会 教育長 本多健一朗
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