「学校、今日行く！」～教育長の学校日記～

児童・生徒が輝く体育的行事、「ともに」の思いで支える大きな力

▲東雲小　会場に来られない方は、映像配信で	▲有明西学園　5～9年生で創り上げるSports Day

　5月から6月にかけて、区内の多くの学校で体育的行事、いわゆる運動会が行われました。内容を工夫し名称も変更した学校、進行を工夫し時間短縮を図った学校、秋に実施する学校もあります。これまでの課題の改善を図り、体育的行事の改革は、児童・生徒を中心に進められています。今回、東雲小、有明西学園、南砂中、三砂中、二砂中の体育的行事を参観し、また他校のホームページや学校だよりの体育的行事の記事を見て、いわゆる運動会というこの大きな行事について、共通して次の3つのことを感じました。

　 【1】児童・生徒が主体的に取り組み、自分たちの思いを生かした行事となっている

　 【2】一人一人の児童・生徒を大切にする、先生方の熱い思いがどの学校にもある

　 【3】PTA、地域学校協働本部等の皆様の大きな力が行事を支えてくださっている

　 【1】どの学校でも、児童・生徒は輝いていました。開会式を4つの会場で見ましたが、ある学校の実行委員長の生徒の言葉は胸を打つものでした。コロナ禍でこれまで思うように行事ができなかったこと、今回実施できることについての様々な方への感謝の思い、そして、自分たちの学校ならではの行事を創り上げようという力強いメッセージ。終わった後に、「どうだった？思いは遂げられましたか？」と聞いてみたかったです。中学校、義務教育学校後期課程では、最上級生の3年生、9年生にとっても本格的な体育的行事は初めてなのです。生徒たちの今回にかける思いは、並々ならぬものであったことと思います。

　 【2】多くの学校で、開会直前に本部テント前に集まって、先生方が最終確認をしています。4つの会場でその場に遭遇しましたが、どの学校でも先生方の真剣な表情がありました。ある学校では、一人一人の生徒のことを先生方がしっかりと共有しており、当日の競技への参加状況等を確認し合っていました。先生方の個に応じた丁寧な配慮が、児童・生徒の一人一人の輝きを支える大きな力になっています。先生方の児童・生徒の活躍を「ともに」喜び合う姿、離れたところから心配そうに見つめる姿が印象的でした。

　 【3】会場の広さや児童・生徒数によっては、保護者の皆様のスペースが少なく、コロナ対策もあり、入れ替え制でご覧いただいた学校も多かったようです。どの学校でも、PTAや地域学校協働本部等の皆様が、受付や誘導等、協力してくださっていました。またある学校ではおやじの会の皆様が、端末をズラッと並べて映像配信の協力をしてくださっていました。多くの皆様のご協力、大きな力が体育的行事の成功を支えてくださっていることを改めて実感しました。心より感謝申し上げます。

　参観してくださっている保護者の皆様も行事を創り上げる大きな力です。感染症対策のため大きな声は出せませんが、児童・生徒は見てくださっているご家族の存在、温かい拍手は励みになります。しかし、一番の励みはご家族が常に児童・生徒の心に寄り添って応援してくださっていることです。体育的行事では、当日の勝ち負けや出来栄えよりも、そこまでの取組、過程にこそ大きな意味があります。そこも理解してくださっている保護者の皆様の存在が、「ともに」の思いが、児童・生徒の成長を支える大きな力です。

　「コロナ禍だからできない」というような考え方ではなく、「これからの時代を生き抜く児童・生徒に大切な資質能力を確かに育むために改革する」という考え方に基づき、行事も新たな形を探っていくことが、今、学校には必要です。どの学校も進化途上ではありますが、それぞれの学校が、自校の状況に応じたよりよい形を追求していきますので、今後ともご理解ご協力のほど、よろしくお願いいたします。こどもたちは、行事を通して確かに成長し、多くのことを学んでいきます。

江東区教育委員会　教育長　本多健一朗