「学校、今日行く！」～教育長の学校日記～

『明珠在掌』夢の実現を目指して！

▲校内にある「堀米雄斗選手応援コーナー」	▲授業におけるICT機器の活用は不可欠です
▲2年生の移動教室に向けた事前学習の成果	▲ハンドベル「A Whole New World」の練習

　砂町中学校を訪問しました。本校は、東京2020オリンピック競技大会において、区内の有明アーバンスポーツパークで行われたスケートボードストリートで金メダルを獲得した堀米雄斗選手の母校です。今年の2月に本校をふらっと訪れてくれたようで、その時の様子が本校のホームページで紹介されています。世界で活躍する堀米選手は、砂中生の憧れで、自慢の先輩でしょう。本校は、オリンピック・パラリンピック教育に熱心に取り組んできたことを評価され、リオデジャネイロ・オリンピック閉会式のフラッグハンドオーバーセレモニーに、生徒たちが校庭で作った人文字の写真が採用されました。堀米先輩の東京での活躍につながったと言っても過言ではないでしょう。

　池田校長先生に今年度の学校経営についてお話を伺うと、「本校で受け継がれている校訓『明珠在掌』の精神を大事にしながらも、今、教育に求められていることを踏まえ、教育目標を新たなものにしました」と話してくださいました。本校の新たな教育目標で目指す生徒像は、「自ら進んで学習し、創造性に富んだ人」、「心身を鍛え、勤労と責任を重んずる人」、「みんなと協力して、持続可能な社会をつくる人」です。まさに、学習指導要領が目指す方向性と合致します。そして、さらに今年度取り組んでいることが、「教育のユニバーサルデザイン化」とのことでした。全ての生徒が学びやすい授業、過ごしやすい教育環境をつくっていくことはとても重要なことです。

　5・6校時に、全クラスの授業を見せていただきました。どの学年、どのクラスでも大型モニターでデジタル教科書や動画を提示する等、工夫が見られました。1年生は中学校生活にも十分慣れ、落ち着いて学習に取り組んでいました。1年生の教室には、年度当初に作成した自己紹介が掲示してありました。将来の夢の欄には、多岐にわたる職業が書かれていて、感心しました。声優、医師、先生、サッカー選手、警察官、助産師、食品企画者、司書、トリマー、パン屋等々…。そんな中、「みんなを幸せにできる人」という夢を書いている生徒がいました。素敵ですね。皆さんの夢が叶うことを願っています。

　2年生は、英語と数学の授業がそれぞれ少人数で行われていました。生徒たちがより主体的に学び、対話の機会の充実を図るためにも、丁寧な少人数での学習は効果的です。3年生のクラスでは、掲示してある年度当初の目標にも受験を意識した言葉が多くありました。今日の授業でも、2日後に迫った定期考査に向けて意識を高めている姿がありましたが、音楽のギター実技や美術での修学旅行で見た仏像のレポート作成にも熱心に取り組む姿がありました。3年生の何事にも力いっぱい取り組む姿勢は、後輩たちに受け継がれていくことと思います。

　6時間目は、特別支援学級の生徒たちが移動教室で発表するハンドベル演奏の練習を見せていただきました。演奏曲は、ディズニーの「A Whole New World」です。普通に楽器で演奏するのも私はできませんが、20名で心を合わせ、それもハンドベルでの演奏はさらに難しいです。先生がクラベスで刻むリズムに合わせて演奏する形での練習でしたが、友達同士支え合い、声をかけている姿も印象的でした。演奏終了後には生徒たちに声をかけさせていただきました。発表当日、演奏が大成功することを祈っています。

　『明珠在掌』は、「みょうじゅたなごころにあり（みょうじゅざいしょう）」といい、「大切なもの（宝）は既にあなたの手の中にあります」という意味だそうです。生徒たちにとっては、「夢を叶える可能性はあなた自身の中に、チャンスはあなたの近くにあり、その可能性やチャンスに気付くことが大切です」と言い換えることができるかもしれません。堀米先輩が夢を実現したことと結び付くのではないかと思います。砂中生の活躍に期待しています！

江東区教育委員会　教育長　本多健一朗