「学校、今日行く！」～教育長の学校日記～

みんなで「笑顔」の学校をつくる

▲5年算数　活発に考えを述べ合う少人数授業	▲2年音楽　楽しくて笑顔があふれる授業
▲1年国語 「友達との学び合いも任せて！」	▲3年国語　美しく、分かりやすい板書

　東川小学校を訪問しました。安田校長先生に今年度の取組について伺うと、今年度は「みんなでつくる『笑顔』あふれる学校」を目指して、「主体的・協働的に生きる子の育成」に取り組んでいるとのことでした。来年度の150周年に向けて、「こどもたちが主体的に学校を創り上げる」ことを重視した取組を進めていて、こどもたちはもとより、保護者や地域の皆さんからも意見をいただき、教育目標の見直しも行っているとのことでした。まさに、来年4月に施行される「こども基本法」を踏まえた「こども真ん中」の視点で、みんなで学校づくりに取り組んでいるのですね。

　「笑顔あふれる学校」を目指す本校は、「自分の考えをもち、互いのよさを生かす児童」という研究主題の下、特別活動の研究にも取り組んでいます。今日、私が訪問した4時間目には、3クラスが学級活動で学級会を行っていました。どのクラスでも、児童が自分たちで決めた議題について、真剣に話し合っていました。それぞれ、議題の提案理由は違いますが、自分たちで計画する会についての話合いでした。

　1年生のクラスでは、「学げいかいおつかれかいをしよう」という議題でした。「学芸会でよく頑張ったよね」という思いがあったのでしょうね。板書された提案理由は、「学げいかいをしてよかったなとすっきりしたいから」となっていました。1年生らしくていいなと思いました。1年生ですから、自分たちで司会や板書、記録をしたりする経験もまだ全員ができているわけではないと思います。しかし、司会の子も、発言する子も、みんなが一生懸命頑張っていて、1年生とは思えないほど素晴らしかったです。どんなことをすることに決まったのかは、ここでは内緒で…。3年生の議題は「お楽しみ会の計画を立てよう」で、提案理由は「みんなと楽しく遊んで、え顔になりたいから」でした。3年生の子たちも「笑顔」を大切にしていました。仲よし学級の話合いで印象的だったのは、みんなの意見が1つにまとまらなかった時のことです。先生が、児童自ら解決策を見つけ出せるまで、じっくりと待ってあげていたのです。待つことって、とても大切なんです。「こうすればいいのか！」と分かった時の児童の満面の笑顔も、また素敵でした。

　今日は、他にもたくさんのクラスの授業を見せていただきました。どの授業でも、児童が集中して取り組み、自分の考えをしっかりと述べていました。学びが自分事になっている証拠です。それにも増して印象的だったのは、どのクラスの授業でも、児童が楽しそうに学習をしていたことです。2年生の音楽では、自分が考えたリズムをグループでつなげて「おまつりの音楽」を作り、手拍子を打っていたのですが、みんなとっても楽しそうで笑顔があふれていました。そして、みんな上手でした。

　学校から帰ろうとして昇降口に行くと、笑顔の高学年の児童4人が立っていました。「何しているの？」と声をかけると、「はい、放送委員です！これから、お昼の放送をします」、「はい、体育委員です！」と明るく答えてくれました。体育委員の児童は、なぜ自分がここにいるのかについて、私が分からないだろうと思ったのでしょう、「『マッスルあいさつ運動』というのをやるので、その呼びかけをするんです！」と、すぐに付け足してくれました。私は放送の時間までいられないので、「あいさつ運動が盛り上がるといいね、頑張ってください！」と声をかけました。安田校長先生に伺うと、朝の挨拶に元気がないと考えた体育委員会の児童が、「あいさつ運動」をしようと考え、体育委員会なので、「マッスルあいさつ運動」と名付けたようです。元気な挨拶の声、そして笑顔であふれる登校の様子が目に浮かびます。

　「笑顔あふれる学校をみんなでつくるんだ！」という最上位目標を共有し、みんなが主体的に動き出した本校のこれからがますます楽しみです。期待しています！

　江東区教育委員会　教育長　本多健一朗