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教育委員会

更新日:2022年10月31日

「学校、今日行く!」~教育長の学校日記~

小学校以降の学びに確かにつながる「協同性」の育成

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▲年長組 本を見ながら海賊船のイメージを共有

▲年中組「一緒にやってみるのが楽しいな」

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▲年長組「今日のニュース」での質問のやり取り

▲他園でもすぐに活用したくなる研究リーフレット

 元加賀幼稚園を訪問しました。今日は、江東区教育委員会研究協力園として本園が3年間取り組んできた研究成果を発表する、研究発表会の日でした。コロナ禍ではありますが、幼児が遊びに取り組む姿、環境の構成や先生方の援助の様子を直接見ていただきたく、本園までお越しいただくとともに同時配信のハイブリッドスタイルで発表会を行いました。

 本園の研究主題は、「友達と遊ぶことを楽しむ ~協同性を育むための環境の構成と教師の援助~」です。この研究主題は、本区で策定している、小学校以降の学びにつながる【幼児期に必ず体験する内容】を示した『就学前教育スタンダード』を基にしたもので、幼児にとってとても大切なことです。「協同性」について、幼稚園教育要領の「幼児期の終わりまでに育って欲しい姿」の中では、「友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げるようになる」と示しています。本園は、幼児にとって大切な「遊ぶこと」そして、それを「友達と楽しむこと」を通して「協同性」を育むことを目指し、「幼児の育ちの道筋」等を明らかするとともに、効果的な「環境の構成と教師の援助」を探る研究に3年間に渡って取り組んできました。

 本園の研究は、まさにこのコロナ禍の中で行われてきました。感染症対策を講じながらも、幼児の成長に大切な活動を先生方が工夫しながら進めるのはとても大変なことであったと思います。しかし、そのような状況であったからこそ、チーム元加賀幼稚園として、先生方自身がまさに「協同性」を育みながら、実践を重ね、保育力をさらに高めることができたのだと思います。本園の研究の素晴らしさは、協同性について「主体的な遊び」と「学級活動」という、幼稚園の主たる活動に分けて、特に「主体的な遊び」では、「自己発揮」と「友達との関わり」という視点を明確にして研究を進めてきたこと、そしてその成果をとても分かりやすくまとめたことです。本園の研究リーフレットは、他園でもとても参考になるものになっており、ぜひ多くの園で活用してもらいたいです。

 公開保育では、年長児も年中児も、それぞれに同じ思いをもった子たちが、遊びを深めている姿を見ることができました。例えば、本園の研究では、年長児のこの時期の「主体的な遊び」では、「自己発揮」においては【あんな風になりたいな、自分も頑張るぞ】というキーワードが、「友達との関わり」においては【いろいろな友達と思いを伝え合って一緒に遊ぶのが楽しいな】というキーワードが記されています。園庭で「海賊船ごっこ」をしている年長児たちが、ビールケースに海賊船のシンボルともなる旗がうまく立てられず相談をしている姿がありました。友達同士で思いを出し合いながら、折り合いを付けながら遊びを深めていきますが、行き詰まるところでは、先生が一人一人の実態を受け止めながら援助をしていました。研究で明らかになった育ちの道筋や援助が、まさにそこにありました。

 本園の研究リーフレットには、至る所に「一人一人」という言葉が出てきます。どれだけ先生方が幼児の個性、個の育ちを大切にしているかが分かります。降園前の活動で、年長組で歌っていた歌が素敵でした。「みんなの色があつまれば、ステキな色が描けるよ」、「みんな自分の色があるよ、他人とはちがう自分の色、いろいろあってかがやいている」、そう、その歌は『みんな色の世界』です。「協同性」につながるなあと思いながら、素敵な歌声を聞いていました。本園の園児たちが、身に付けた「協同性」は小学校以降の学びにしっかりとつながっていくことでしょう。

 江東区教育委員会 教育長 本多健一朗

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