四十八願名号 祐海書
阿弥陀仏の四十八願(しじゅうはちがん)を表した名号(みょうごう)です。四十八願とは、阿弥陀如来が法蔵比丘(ほうぞうびく)と称した修行時代に、一切の衆生(しゅじょう)を救うために立てた48の誓願のことです。中央に祐天(ゆうてん)の筆跡を模した「南無阿弥陀仏」の名号が大きく書かれ、その右側に「観世音菩薩」、左側に「大勢至菩薩」と書き、それぞれの下に蓮台(れんだい)、上部には光明、下部には瑞雲(ずいうん)を描き、三尊像の形式になっています。その周囲には小さな「南無阿弥陀仏」の名号が48個書かれ、その下には蓮台が描かれています。文字は全て金泥(きんでい)で書かれています。名号を書いたのは祐天寺(現・目黒区)の祐海(ゆうかい)です。祐天寺は、将軍家から庶民に至るまで広く信仰を集めた祐天を開山とする浄土宗の寺院で、実際に祐天寺を開き、二世となったのが祐海です。本紙の銘から、宝暦6年(1756)、祐海が75歳の時に製作されたことがうかがえます。この名号は亀戸の旧家に伝えられたものです。この家では祐天に縁のある来迎図(らいごうず)も所有しており、同家の信仰の一端をうかがうことができます。
なお、祐天寺でも同様の名号を所蔵しており、現在確認されているものとしては、これが2例目となります。
郵便番号 | 136-0071 |
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住所 | 亀戸9 |
地区 | 城東 |
所在地(所有者) | 個人蔵 |
登録年月日 | 2022年1月4日 |
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