ホーム > こども・教育 > 教育委員会 > 「学校、今日行く!」~教育長の学校日記~ > 令和3年度(2021年度)発行号 > 1月12日 作品の制作の過程における、幼児の思いや成長
ここから本文です。
更新日:2022年1月12日
▲元加賀幼・一亀幼の作品の展示 |
▲五砂幼・大島幼の作品の展示 |
---|
今、区役所の2階に江東区立元加賀幼稚園、第一亀戸幼稚園、大島幼稚園、第五砂町幼稚園の幼児の作品が展示されています。2月4日まで展示していますので、区役所にお越しの際には、ぜひご覧いただければと思います。
保護者の皆様は、展覧会や作品展、廊下での掲示等、こどもたちの完成した作品をご覧になる機会が多いと思います。しかし、制作の過程も知ってもらいたいというのが、先生方の思いです。ぜひ、作った時の気持ちや工夫したこと等について、お子様と話してみてください。作品に隠されたお子様の思いや成長を感じることができると思います。
今回の展示では、「就学前教育スタンダード」との関連や制作の過程についても詳しく説明してありましたが、素敵な作品からもこどもたちの思いが伝わってきましたので、各園の作品を私なりに解説したいと思います。制作時の幼児の言葉をタイトルに、各園が大切にしたかったことをサブタイトルにしてみました。
【元加賀幼稚園】「ちょっとすっぱかったけど、おいしかったね」
~園で実ったミカンをとって食べた(自然に触れる)経験や気付きを表現する~
ミカンの断面をこんなに上手に描けるんだと感動してしまいました。見ているだけで、口の中が甘酸っぱさでいっぱいになりました。ミカンが大きくなるのを毎日楽しみにしていた幼児にとって、自分でとって食べたミカンの味は格別だったはずです。ミカンへの思い入れがあるからこそ、丁寧にしっかりとよく見て描けたのだと思います。
【第一亀戸幼稚園】「わあ、すごい!こんなふうになるんだね」
~表現することを通して、新たな技法や道具の使い方を身に付ける~
幼稚園では、はさみやのり等、様々な道具の使い方を覚えます。今回、年長組は紙版画、年中組は穴あけパンチを使って「こんな作品作りたい」という思いを実現しました。特に年長組さんは、刷り上がりを見た時の感動や、新しいことを経験できたことから、成長した自分を感じ、自己有能感をもつことができたのではないでしょうか。
【大島幼稚園】「どんなものだったら、よろこんでくれるかな?」
~相手の気持ちを考えながら制作し、「ありがとう」と言われるうれしさを感じる~
年長組さんはいつだって憧れの存在。でも、年下の子たちにプレゼントを作る時は、喜んでくれるかどうかは、やはり気になります。年中組さんの子たちの気持ちをよく考えて作り、渡します。そして、「ありがとう」の言葉にほっとします。この経験を基に、年長組さんも年中組さんもまたひとつ成長します。年中組さんは、来年何を作るのでしょうか。
【第五砂町幼稚園】「えっ、これむずかしい!でもちょっとがんばってみる」
~少し難しいことに挑戦して、失敗をしながらも諦めずにやり遂げる~
幼児の「やってみたい」という思いは、制作には不可欠です。そして、「頑張ればできるかも」という思いは、少し難しいことに挑戦させたい時に必要な感情です。幼児は、失敗を重ねながらも諦めずに繰り返し努力し、やり遂げることを通して、自信をもち、自己肯定感を高め、成長していきます。「よく頑張ったね」と認めてあげたいですね。このページの写真では分かりづらいかもしれませんが、素敵な作品の制作の過程や幼児や先生の思いが伝わりましたでしょうか。念のため、私なりの解説が間違っていないか、各園の先生に確認しましたが、無事に「OK」をいただきました。
※現在、江東区立幼稚園では入園の追加募集を行っています。全園で一人一人を大切にした教育をしています。見学や相談も随時行っておりますので、各園に直接ご連絡ください。
江東区教育委員会 教育長 本多健一朗
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください