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更新日:2017年1月19日

平成27年度予算案プレス発表(平成27年2月4日開催)

平成27年度予算の編成方針・概要

平成27年度当初予算案がまとまりましたので、その概要について説明させていただきます。
今回の予算は、「50万人都市・江東魅力発信予算」といたしました。
本区は、近年、人口急増を続けてまいりましたが、いよいよ人口が50万人を突破いたします。また、5年後の東京オリンピック・パラリンピックでは、多数の競技が本区内で実施されるとともに、来年11月には豊洲新市場が開場するなど、本区をめぐる環境は大きく変化いたします。
こうした大きな転換期にある本区では、様々な行政課題に的確に応えるべく、新たに長期計画の、後期5か年計画を策定いたしました。27年度はその第一歩となる年であります。

平成27年度予算案について説明する山﨑区長

平成27年度予算案について説明する山﨑区長

予算案の具体的な内容説明に入ります前に、本区の区政運営に関して、江東区のまちづくりに極めて大きな影響を及ぼす2つの重要課題について、お話しいたします。
1つは、築地市場の豊洲移転整備についてであります。豊洲新市場は、来年の11月初旬に、オープンが決定したということであります。豊洲に市場が来るということについて、この市場に関しては、「交通問題」や「環境問題」などを都に対して求めてきたわけですけれども、特に地下鉄八号線の整備を早く事業決定して工事に着手してほしいということが大きな課題であります。国・都・事業者等と連携し、一日も早い実現を目指してまいります。
もう1つは、中央防波堤埋立地の帰属問題についてであります。
毎回申上げているとおり、江東区民の犠牲の上に造成された土地であり、その土地は、全て江東区に帰属することが当然であると我々は主張しております。これを東京都に強く訴えて、早期に決着をつけるべく努力をしていかなければならないと考えております。

続いて、平成27年度予算案の概要を説明いたします。
一般会計の当初予算規模は、1,767億6,900万円で、前年度比、1.4%増となっております。
歳入のうち特別区税については、納税義務者数の増加や、所得環境の改善等により増となることから、466億円、前年度比4.3%増と3年連続の増加で、過去最大規模を見込んでおります。
歳出については、27年度は、長期計画(後期)5か年のスタートの年であることからも、主要事業の着実な推進に向け、予算を計上しております。
なお、予算編成にあたっては、財政の健全性を確保し、将来に向け安定的かつ継続的な区民サービスを提供できる財政基盤を構築するため、事務事業の総点検による事業の見直し、区民税等の徴収対策や広告事業の推進などの歳入確保策への積極的な取り組み、民間委託の推進など、行財政改革に着実に取り組むことで、財政規律の堅持を図っております。
なお、一般会計と3つの特別会計を合わせた総予算規模は、2,782億6,500万円で、前年度比4.9%の増となり、一般会計及び総予算規模において、これまでの最大の予算規模となっております。以上の結果、「新たな取り組み」60件、「事業の拡充」33件の事業を予算に反映することができました。
次に、具体的な実施事業ですが、本日ご紹介する事業は29事業で、新たな取り組みは22事業、事業の拡充は7事業です。予算は五つの分野、「防災・まちづくり」「子育て・教育」「健康・福祉」「緑・環境」「産業・生活」にまとめております。私からは、11の事業についてご紹介いたします。

防災・まちづくり

最初にご紹介するのは、防災・まちづくりの分野から、東京オリンピック・パラリンピック関連事業を二つ紹介します。
1つ目は「区の魅力を発信!ブランディング戦略を展開」です。競技会場が集中する江東区は、世界中の注目を集めます。この機をとらえ区の魅力を国内外に発信するために、区のブランドコンセプトを策定し、戦略的なPRの検討を行っていきます。ブランドコンセプトをわかりやすく表すものとして、新たなシンボルマークを作成します。区民の心がひとつになるようなシンボルマークを作成し、江東区を訪れるすべての人を歓迎する機運を高めます。このシンボルマークは、区の各種イベントで活用し、区民に親しまれるシンボルマークとしていきます。

2つ目は、「江東区 東京オリンピック・パラリンピック基金を創設」です。この基金は、区が行う東京オリンピック・パラリンピック関連事業の財源確保や収支の明確化を図るとともに、これを財源に大会開催に向けた各種事業を展開する事により、まちに活気を導き、区民の意識の高揚を図ります。具体的には、平成31年度までの間、毎年3億円を基金として積み立てます。先ほどのシンボルマークを作成するブランディング戦略の策定や、商店街のメニューや看板の多言語表記を促進するための補助など、各種関連事業に活用してまいります。

次は、「江東区中央防災倉庫が完成」です。災害に強いまちづくりの推進に向けて、区内初のターミナル型防災倉庫が完成します。ターミナル型とは応急物資や資機材を保管するだけではなく、区外からの救援物資等の集配所としての機能を持つ防災倉庫です。大災害の被害を受け、他の自治体から届く支援物資のうち、主に水と食料の輸送拠点として、効率的な供給につなげます。東日本大震災をはじめ、過去の災害の教訓や、新たな被害想定への対応から、災害時の救援物資の集積、仕分け作業を行う施設として、本年8月に竣工する予定です。

子育て・教育

子育て・教育の分野からは、4項目ご説明いたします。
少子高齢化が全国的に言われている中で、本区の大きな特徴は「めざましい人口増加」が挙げられます。平成22年1月1日から平成27年同日までの5年間で、人口は約27,000人。0歳から5歳の乳幼児が約2,800人、6歳から14歳の学齢児が約4,100人と、急激な増加は現在も続いております。

1つ目は、「豊洲西小学校の体育館棟を地域へ一般開放」です。豊洲西小学校は、この人口の増加に対応するために、本年4月に開校予定の本区45校目の小学校です。区立学校としては始めての室内温水プールを設置しましたが、この温水プールをはじめ、体育館、トレーニング室のある体育館棟を、学校が使用しないときに地域に一般開放いたします。区立学校施設として温水プール、体育館、トレーニング室の3つを一体として一般開放するのは、23区ではじめての試みです。温水プールはスロープを設置し、バリアフリー仕様で誰でも安心して利用できるほか、未就学児や高齢者を対象とした水泳教室も開催します。

平成27年4月開校の豊洲西小学校

平成27年4月開校の豊洲西小学校

2つ目は、「(仮称)第二有明小学校・中学校を新設、南陽小学校ほか3校を増設」です。これも人口の増加に伴い、急増する児童・生徒に対応するために取り組むものです。有明地区は区内人口急増地域の一つで、平成23年度には有明小、中学校を新設しましたが、更なる人口の増加に対応するため、今回(仮称)第二有明小学校及び中学校の実施設計に取り組みます。既に設計にはいっており、建物は区の地場産業である木材を、可能な範囲で使用し、施工において建物の木質化に加えて、区では初の試みとなる建物の一部を木構造といたします。
この他にも、区内の集合住宅建設に伴う、児童の増加に対応するため、南陽小学校、東雲小学校、有明小学校、北砂小学校の校舎を増築し、平成28年4月からの使用開始を目指します。

3つ目は、人口の増加もあり、急増を続ける保育需要に迅速に対応するために、「認可保育所の整備を計画」します。子ども・子育て新制度の本格実施を踏まえて、地域の状況に応じて、民設民営の認可保育所を整備し、新たに1,000人程度の定員を確保します。この1,000人の定員増は、来年度から5年間に渡り実施する予定で、今後5年間で新たに5,000人程度の保育施設の定員を確保してまいります。私が区長に就任以来この7年間で、認可・認証を含め、4,400人を超える定員増を行いました。来年度の保育施設は160を超え、総定員は約12,000人となります。この4月には、全国初の江東湾岸サテライト保育園の2か所目を開園します。今度は分園を、大型スーパーであるイオン東雲店内に開設すると伴に、有明の本園には、環境に配慮し、災害にも強い機能を付加しており、保育園児をはじめ保護者、地域住民、大学と一緒に、目に見える環境・防災教育を実践するスマート保育園です。

子育て・教育分野の最後は、不登校状態の児童・生徒への支援充実策として、「セーリングやカヌー体験を通して、学校復帰や進学を支援」します。本区は不登校状態の児童・生徒に対応し、学校復帰を目指す施策として、相談学級とブリッジスクールという、2種類の教室を設置しています。ここに通う児童・生徒を対象に「エンカレッジ体験活動」として、セーリング体験やカヌー体験、校外学習や職場体験を実施することで、生きる力を育む支援を行います。エンカレッジとは、元気づける、自信を与えるなどの意味があります。学校復帰や進学には、本人が自信を持ち、適応力を高めていく必要がありますが、この活動では様々な体験を通して、自己有能感や達成感を味わうことができます。この積み重ねで徐々に自信がつき、適応力が育ちます。こどもたちが一日でも早く不登校状態から脱し、学校復帰や進学ができることを願い、応援していきたいと思います。

健康・福祉

1つ目は、「認知症ガイドブックの作成、認知症カフェ運営費を補助」です。認知症ガイドブックは、認知症に関係するサービスを、わかりやすく説明するために作成します。認知症を発症してから進行して行く中で、進行状況にあわせて、いつどこで、どのようなサービスを受ければ良いのか、標準的なサービスの流れを認知症ケアパスと言いますが、これを確立したうえで掲載すると同時に、認知症についてわかりやすい説明も掲載します。従来の「事後的な対応」から、早期に発見し、その後の症状の進行を見据えた「早期・事前的な対応」に流れを変えていきます。
また、認知症に対する理解を深めるために、認知症の方や家族をはじめ、誰でも気軽に参加できる、認知症カフェの設置を普及、促進するため、カフェ実施の事業者に対して、運営に関する費用の補助を行います。

2つ目は、「重度の障害児、障害者を介護する家族等を支援」です。日常的に医療的ケアが必要な重症障害児(者)の自宅に、訪問看護ステーションなどの看護師を派遣し、日常介護している方に代わってケアします。看護師が伺いますので、人工呼吸器の管理や栄養剤注入などの医療的ケアを、自宅で受けることが可能になります。介護の一番つらいことは、休みのないことです。この支援により、一時的にではありますが介護を離れ、休養やリフレッシュをしていただき、介護者の負担を軽減するとともに、ご家族の福祉の増進を図ります。

緑・環境

区が公務で使用する自動車に、燃料となる水素を電気エネルギーに変えて走る「燃料電池自動車を導入」します。現在、区が所有するガソリン車について、購入から相当の期間が過ぎ、買い替え時期となったため、大気汚染物質を排出しない、燃料電池自動車、2台を導入することとしました。これは23区で初めてとなります。

燃料電池自動車(イメージ)

燃料電池自動車(イメージ)

産業・生活

まず、豊洲シビックセンターの整備に関する事業を3つ紹介します。
1つ目は、「区南部地域の拠点となる、豊洲シビックセンターを開設」です。豊洲シビックセンターは、区南部地域における急激な人口増に対応するため、出張所、文化センター、図書館などの機能を備えた、区民が集い、憩うにふさわしい複合施設です。地上12階、地下1階で、豊洲駅前に位置します。文化センターにおいては、外の景色が見える開閉パネルを備えた300席のホールを整備するほか、音楽練習室を新設するなど施設を拡充します。また、建物周囲や壁面だけではなく、8階から屋上にかけては、階段状に緑を配し、連続した豊かな緑化空間を設けるとともに、太陽光パネルや雨水利用などを備え、高水準の環境性能を有する施設となります。今年9月のオープンに向けて整備を進めております。

建設中の豊洲シビックセンター

建設中の豊洲シビックセンター

次は、豊洲シビックセンター内の「豊洲出張所の取扱業務を拡大し、区民の皆さんの利便性を向上させます」。出生届や婚姻届などの戸籍の届出や、児童手当の申請や保育園入園相談などの、こども関係の手続きなど、他の出張所では取り扱っていない業務を拡充し、開設時間も毎週水曜日は午後7時まで延長するなど、区役所本庁舎と同様とします。これに伴い名称も、豊洲出張所から、豊洲特別出張所と変更いたします。
また、外国人を含め多くの来所者が見込まれることから、出張所としてははじめて、フロアマネージャーを配置します。外国語対応可能なフロアマネージャーの案内で、きめ細かな窓口誘導や、申請書の記載案内などの補助業務を行い、より一層の区民サービスの向上を図ります。

同じく豊洲シビックセンター内の図書館においては、「機能を拡充して豊洲図書館を整備」します。現在の豊洲図書館よりも規模を拡大し、外国語の絵本や児童書をはじめとした、各種蔵書を増やすとともに、9階は静かな環境の一般のフロア、10階は自由なスタイルで読書のできる児童とティーンズのフロア、11階は読書と遊びが楽しめるキッズのフロアとします。屋外には、みどりに包まれながら読書ができるテラスも設置します。さらに自動貸出し返却システムや、予約資料の自動受取りシステムを導入するなど、すべての年代のみなさんが、快適に読書に親しめる工夫をしています。

最後は「2020年東京パラリンピックに江東区出身のカヌー選手を輩出」です。江東区は周囲を川と海に囲まれ、内部河川も縦横に流れる水彩都市として、水辺のスポーツである「カヌー」に力を入れています。私が作った中学校カヌー部は創部4年で国体選手を輩出しました。また、23区で唯一、小学生を対象としたこどもカヌー大会も開催しています。地域では、シニアを中心にカヌー倶楽部が活発に活動しております。このような環境の中で、2020年東京パラリンピックの開催が決定し、江東区は多数の競技会場が配置される大会の中心地として、障害者スポーツの普及促進やパラリンピックムーブメントの推進を図ってまいります。具体的には、現在、東京パラリンピックのカヌー競技で、金メダルの獲得を目標に頑張っている、本区在住の選手を支援するとともに、障害者向けのカヌー体験教室を開催し、区と地域が連携して、選手の発掘・育成に努めてまいります。この事業により、障害者スポーツへの区民の理解を深め、身近に感じてもらうとともに、地元出身選手の活躍に夢と希望を抱くことができると考えています。江東区で行われるパラリンピック競技で、江東区出身の選手が金メダルを獲得する。壮大な夢への挑戦が始まります。

その他

2020年東京オリンピック・パラリンピック開催まであと5年あまりです。いくつかの競技場に流動的な部分はありますが、本区がまさに東京オリンピック・パラリンピックの開催中心地であることに変わりはありません。まちづくりや交通網など、都や国への要望や計画の策定を積極的に行うとともに、今回の基金創設やブランディング戦略のように、区としてできることは、柔軟な発想を持って積極的に実行していく考えです。これからも「意欲」と「スピード」と「思いやり」をもって、チーム江東で区政の課題に取り組むよう、リーダーシップを発揮してまいります。

質疑応答

(記者)
2020年東京パラリンピックカヌー競技の選手育成についての取り組みを教えてください。
(区長)
既に2人の選手がいるんですよ。大島中学校でカヌー部に入っていた女の子がね、高校に行って体育の授業で怪我をして下半身不随になりました。その子は、カヌーをやっていたので、今度はパラリンピックを目指そうとやる気になり、頑張っていますよ。
それから区の職員で車椅子の青年がいまして、彼に「やらないか」と言ったら「やります!」と言い、二人とも今、一生懸命練習をしています。カヌー競技の第一人者の方といい勝負しているようで、ことによると、リオのパラリンピックに出られるかもしれません。
スポーツには、感動と夢などを選手自身を始め多くの人に与える力がある。彼ら2人に、頑張ってもらって、多くの人に感動や夢を与えてほしい、障害を持っている方にも頑張ればここまでできるんだということを伝えてほしいというのが、私の願いです。

(記者)
地下鉄8号線延伸に向けた今後の取り組みについて教えてください。
(区長)
長い間運動してきましてね、当初は、松戸までの建設を要望し続けてきたわけですが、それは到底無理だということで、その第一段階として、豊洲ー住吉間をということを関係自治体の市長・区長さんのご了解を得て、江東区が先頭に立って豊洲ー住吉間の延伸の運動を始めたわけです。私が区長になってからは、基金も毎年積んでおります。来年度には、運輸政策審議会があります。その前に何とかしたいとことで、国交省や都に通っております。

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