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更新日:2022年12月21日
「川上とこの川下や月の友」
これは、元禄6年の秋、松尾芭蕉が船に乗り、現在の猿江2丁目の小名木川沿いにあった名所「五本松」の辺りで月を見ながら、自分と同じく風雅の心を有する友を想って詠んだ句です。
この句が詠まれた江戸時代から、江東区内の河川では、船の交通が盛んであり、また、こうした地域的な特色を背景として、区内では船を造る「船大工」の技術も受け継がれてきました。
私もこどもの頃には、船大工さんが近所に住んでいて、時折船を造っている様子をそばでじっと見ていたこともありました。
区ではこの「船大工」の技術を無形文化財として登録するとともに、平成8年には櫓ろ漕こぎ和船の「ゆりかもめ」を製作し、ボランティア団体「和船友の会」の協力を得て、横十間川親水公園での無料乗船体験や櫓漕ぎ体験のほか、さくらまつりのイベントで使用してきました。
一方で、「ゆりかもめ」は製作から25年以上が経過し、専門家による修理・点検が必要となったことから、今年度、「船大工」の技術を有する区内潮見の佐野造船所において大規模修理を行い、先頃完了したところです。
なお、修理費用の一部に充てるため、今回、ふるさと納税によるクラウドファンディングを活用し、これまで多くの皆様からご寄付をいただきました。
改めて、御礼申し上げます。
区では今後とも、地域の文化財である「船大工」の技術を未来へ保存継承するとともに、「ゆりかもめ」を含め、区が保有する6艘そうの和船を区内のイベント等で活用するなど、観光振興や水辺の環境整備と連携し、「水彩都市・江東」の魅力を全国に発信してまいります。
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