定例記者会見 令和元年11月20日分
台風第19号について(防災備蓄品の整備について)
10月12日から13日にかけて、台風第19号が関東地方を襲いまして、大変な被害を及ぼしました。今でもまだ避難生活を強いられている方々もいらっしゃるようで、特に東北のほうは大変な状況でございます。
荒川流域の総雨量が600ミリになる予測だという旨の連絡を12日の朝に受けまして、最悪の場合は、荒川下流域において氾濫が想定される状況になったため、被害発生の可能性が高い亀戸、大島、東砂の全域と北砂6、7丁目に、区として初めてとなる避難勧告を発令し、小中学校に避難所を開設しました。
心配した荒川の水位は、結果的に荒川・砂町水辺公園の高水敷まで上昇することはありませんでしたが、北区の岩淵水門の観測所において、避難勧告の目安となる避難判断水位を超える7.17メートルという観測史上三番目の水位を記録しており、改めて、本区内において大きな被害がなかったことに胸をなでおろしたところです。
この台風第19号への対応で、避難所で使用した備蓄食料や毛布などを補充するため、今回、令和元年度の補正予算第3号にて予算を計上したところです。
避難勧告を出して、多くの方が避難所に避難をしたという経験は初めてのことでして、反省点や再検討しなければならない点など、いろいろと気がついたこともございましたので、そうしたことをこれから早急にしっかりと検討して、議会の皆さんの意見を聞きながら、防災対策の充実に努めていきたいと思っております。
質疑応答
(1)「江東5区大規模水害広域避難計画」の評価と課題は
【区長】
5区で検討して、万が一の際は広域避難をしようと決まっていたところですが、実際に今回の台風を受けて、それができるかどうか、風雨の状況などを見極めながら、何度も電話のやりとりをいたしました。そうした中で、鉄道の計画運休が発表され、移動手段が自家用車しかない状況において、道路の混雑や避難途中での事故などを考慮した結果、発令には至りませんでした。
私自身は、広域避難ということについては、この計画策定の際の会議でも申し上げていますが、これはなかなか難しいことだと考えており、実際に250万人が避難するということは困難なことであると思っています。
私は、まず何といっても住民の生命を守るのが第一だと考えています。そのためには遠くへ逃げることができれば一番ですが、それができない人のために、まず垂直避難を考えて、そしてその後の水が引いた後の対応、例えば、食料とか飲料水とか、そういった問題への対応を今後考えるべきだというのが私の考えです。
したがって、広域避難ができるということで、5区全ての考え方が一致しているとは思っていません。少なくとも私はそう思っていますからね。
行政がリードして避難させるということについての責任はどこにあるのか、その責任を負える状況ではないのではないかと思っており、もう少し検討しなければならない大きな問題だと考えています。
(2)江東区は江東5区がまとまった形での広域避難を検討しないということか。それとも課題が解決すれば、「江東5区大規模水害広域避難計画」の枠組みは維持するということか
【区長】
この問題については、近々に5区の区長が集まって議論しなければいけないと思っています。私は、「広域避難は難しい」と当初から申し上げているので、私と同意見だという方も出てくるかもしれません。これは、今後の話し合いいかんで、どうなるかまだわかりません。
青海ふ頭で発見されたヒアリへの対応について
特定外来生物であるヒアリは、攻撃性が強く、刺されると強い痛みやアレルギー症状が生じる場合があることから、注意が必要な外来生物として皆さんにも知られているところです。
令和元年10月10日までに、14都道府県で計45事例が確認されました。本区においては6月、9月、10月の3事例が、いずれも青海ふ頭において確認されています。今のところ青海ふ頭だけで確認されていますが、一度定着を許すと、駆除するということは大変難しくなりますので、しっかりガードして内陸部のほうに入らないようにしなければなりません。
国においても定着阻止に向けた取り組みを進めておりますが、本区においても、越冬する可能性を考慮して対応を行うことといたしました。令和2年2月26日には、区南部地域のこども関係施設、教育施設の管理者を対象に、ヒアリの対応研修を実施いたします。
また、暖かくなってヒアリが活動を始めると見込まれる来年4月から、南部地域の施設敷地内で点検をしたいと考えております。絶対に内陸部に入れないという強い覚悟を持って、対応をしなければならないと思っております。
ヒアリ相談ダイヤルのポスター(環境省作成)
区独自ボランティア「江東サポーターズ」の活動状況について
区独自ボランティア「江東サポーターズ」を募集しておりまして、個人登録者数が先月1,000人を超えました。
これまでもスポーツ体験イベント「KOTOスポーツキャラバンto東京2020」の運営補助やフランス・オーストラリアのトライアスロンチームの通訳の補助、区民まつり中央まつりなど数多くの活動に従事しています。
11月9日、10日には、ららぽーと豊洲で実施した「KOTOスポーツキャラバンto東京2020」では、自転車競技のBMXやスケートボード、あるいはテニスの競技体験ブースの運営補助をしていただきました。皆さん、非常に熱心にサポートをしていただいておりまして、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会本番に向けての大変いい訓練の場となり、経験を積んでいただけたと思っています。
また、江東シーサイドマラソン大会においても、100人を超える「江東サポーターズ」のみなさんに、コース整理や給水等のボランティア活動をしていただくことになっております。
江東シーサイドマラソン大会の開催について
11月24日に、第39回目となる江東シーサイドマラソン大会を開催いたします。夢の島競技場のリニューアル後、初めての大きなイベントとなりまして、毎年多くの方が全国から参加してくださいます。
今回も、区内の3つの警察署の協力によりまして、ランニングポリスがランナーと一緒にコースを走ることになりました。
第39回江東シーサイドマラソン大会スタートの様子(令和元年11月24日開催)
障害者多機能型入所施設の整備について
障害者多機能型入所施設の整備については、障害がある方やそのご家族から強くご要望いただいておりました。一度、整備に向けた動きを進めた事もございましたが、その際は実現には至らず今日まで来てしまいました。
今回、塩浜福祉プラザ南側の都有地を買い取ることが決まりまして、そこに障害者多機能型入所施設を整備することになりました。長い間の懸案でありましたけれども、ようやく開設のめどがついたところです。
運営事業者については、現在公募型プロポーザル方式による選定を行っているところで、設計についても今年度末までに着手しようという段階です。
施設機能は、施設入所45人に加えて、日中活動の場として生活介護60人のほか、短期入所、相談支援事業、地域交流スペースなどを設ける予定で、本人の生活環境を整えて、グループホームなど地域生活への移行を目指す施設として整備をしてまいります。
1年でも早く開設したいと思い努力してまいりましたが、開設まで時間がかかってしまったことは申し訳ないと思っております。
その他の質疑応答
(1)東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会後に残る競技会場のレガシーを活かしたまちづくりについて
【区長】
おかげさまで江東区内には、東京アクアティクスセンターや有明アリーナ、夢の島公園アーチェリー場といった競技会場が残ることになります。これら自体がレガシーですから、多くの都民、区民に活用していただくために、これから考えていかなければいけないと思います。
まちづくりといっても、例えば、夢の島公園アーチェリー場の周囲は、夢の島公園競技場や熱帯植物園、あるいは新江東清掃工場や夢の島マリーナなどがあって、既にまちができ上がっています。こういったところを開発するわけにはいかないので、今のところ、その地域地域での計画が、まだそこまで進んでいるわけではありません。ただ、こういった施設を多くの人が利用しやすいようにすることは、大切なレガシーにつながるんだろうと思っています。
(2)中央区の都心臨海地下鉄新線構想に対する受け止めは
【区長】
この問題は、まだまだ検討が必要で、そう簡単に進むはずがないと考えています。羽田空港に繋がったり、つくばエクスプレスに繋がったりと、夢として考えればそれは素晴らしいことなんですが、考え方として検討は進めてもいいと思いますけれども、そこへたどり着くまでは、大変なことだろうと私は思います。
私どもとしては、地下鉄8号線に関して、何としても事業認可を取れるような段階に進めていくというのが一番の目標ですから、その後の話だと思っています。
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