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更新日:2023年2月24日

所信表明 平成29年2月21日発表分

本日、平成29年2月21日をもって、平成29年第1回区議会定例会を招集いたしました。
今定例会の開会にあたり、江東区政が直面する課題と、あるべき区政運営について、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。

平成29年度予算編成の大綱

まず、平成29年度予算編成の大綱についてであります。はじめに、国や都の状況についてですが、日本経済は雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されています。ただし、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動など、先行きを楽観視する状況にはありません。こうした経済情勢を踏まえ、国の平成29年度予算は、「経済・財政再生計画」2年目の予算として編成されております。一般会計総額は、一億総活躍社会の実現、働き方改革の推進等を盛り込んだ結果、前年度比0.8%増の97兆4,547億円で、過去最大の予算規模となっております。財政状況については、税収が57兆7,120億円と0.2%の増、新規国債発行額は7年連続減の34兆3,698億円となり、一部改善の兆しは見られるものの、公債依存度が35.3%であるなど依然として厳しい状況が続いております。
次に、東京都の平成29年度予算は「『新しい東京』の実現に向けた改革を強力に推し進め、明るい未来への確かな道筋を紡ぐ予算」として編成されております。

区長

平成29年第1回区議会定例会(平成29年2月21日)

一般会計総額は、過去最高となる382件の新規事業を立ち上げる一方で、全事業の総点検により、無駄の排除を徹底した結果、前年度比0.8%減の6兆9,540円で、5年ぶりの減となっております。また、特別区の財政に影響を与える都税収入は、前年度比2.3%減の5兆911億円で、6年ぶりの減に転じるものの、3年連続で5兆円台を確保しております。元来、都税収入は景気変動や税制改正の影響を受けやすい不安定な構造であることから、都債の発行抑制や基金残高の確保など、将来負担を見据えた強固で弾力的な財政基盤の堅持に努めたものとなっております。
次に、本区を取り巻く財政環境についてであります。まず、特別区税は、ふるさと納税の影響による減収があるものの、納税義務者数の増加や、収納対策の強化による収入歩合の引き上げにより増となり、500億1,500万円、前年度比2.1%の伸びを見込んでおります。また、特別区交付金については、市町村民税法人分の減により、特別区全体の普通交付金が前年度比で2.3%の減となるものの、本区では、投資的経費の大きな伸びにより基準財政需要額が増加することに加え、これまでは年度途中での歳出需要を想定し、当初予算計上を保留していた交付見込額の一部について、全て当初予算計上することとしたため、交付金総額で前年度比十5.3%増の570億9,000万円としております。このように、景気動向については予断を許さないものの、本区歳入の根幹を成す特別区税、特別区交付金において、多種多様な区民ニーズに応えることが出来る一定の財源が確保されていることから、「50万人都市」としての課題への対応や、オリンピック・パラリンピック開催に向けた万全な準備のほか、時代の潮流を捉え、チャレンジスピリットを持った施策を充実させるなど、「未来の江東づくり」の正念場を迎えるにあたり、積極果敢な予算編成に取り組んでまいりました。その結果、平成29年度予算は、「夢へカウントダウン新たなステージへのチャレンジ予算」として、オリンピック・パラリンピックに向け、全庁一丸となり、情報発信力を高めつつ、さらに大会後のまちづくりを見据え、区民と共に夢の実現に向かって前進していく予算を編成いたしました。一般会計は、1,996億4,200万円、前年度比5.8%増で、過去最大の当初予算規模となっております。以下、予算の特徴を申し上げます。
まず、オリンピック・パラリンピック開催に向けた気運醸成の取組として、江東区民まつり中央まつりをオリンピック開幕の1000日前にあわせて開催し、カウントダウンイベントを実施いたします。さらに、カウントダウンパネルを区内各所に設置し、区民まつりと連動することで、1000日前を大きく盛り上げ、「スポーツと人情が熱いまち江東区」を盛大にPRいたします。また、本区の魅力を国内外に強力に発信するべく、ブランディング戦略として、PR動画コンテストの開催やロゴマークの更なる活用を図るほか、「こうとう情報ステーション」の全面リニューアルを行い、情報発信力を強化いたします。あわせて、外国人観光客も含めた来訪者が、平常時だけでなく災害時でも安心して情報入手できるよう、拠点避難所となる全公立小中学校68校および観光スポットにフリー・Wⅰ‐Fⅰを整備し、600に及ぶ区内の公共サインについても、多言語対応など統一化に向けたガイドラインを作成するなど、さらなる国際化への取組を推進してまいります。同様に、ボランティアの養成についても、高校生ジュニアリーダーの海外派遣や英会話などの「おもてなし講座」の開講により、来訪者を笑顔でやさしくおもてなしできる準備を整えてまいります。その他、オリンピック・パラリンピック開催の中心地に相応しいまちづくりとして、会場周辺の区道に遮熱性舗装を実施し、暑さ対策を行うほか、安全で快適な歩行空間確保に向け、引き続き無電柱化の取組を進めてまいります。
次に、長期計画(後期)におけるハード事業では、国家戦略特区を活用した木場公園内での保育所整備など、引き続き保育施設の整備を進め、約千人の定員増を図ってまいります。あわせて、私立保育所への運営費補助の拡充や人材確保支援により、保育需要に迅速に対処してまいります。児童・生徒の収容対策では、平成30年4月に開校となる(仮称)第二有明小・中学校の整備や、既存校における増改築を進めてまいります。また、防災対策では、不燃化特区内である旧小名木川保育園跡地において、地域防災に資する公園を平成31年度に整備することとし、区民によるワークショップ開催などにより、地域と一体となった公園づくりを進めてまいります。さらに、災害発生時のトイレ問題の解消を図るため、全拠点避難所に男性四人が同時使用できる組立式トイレを導入し、利便性と衛生面の向上を図り、防災対策を充実させてまいります。
次に、ソフト事業については、「江東きっずクラブ」を新たに6校で開設し、全区立小学校での事業実施といたします。これは当初の計画よりも2年前倒しでの達成となりますが、引き続き安全で安心な居場所・生活の場の提供により、こどもたちの健やかな成長を図ってまいります。このように、平成29年度も多様な行政課題に対応し、持続的な発展を図るため、主要事業の予算を確実に計上しております。そのほか、福祉施策では、障害者・高齢者施設に非常通報装置や防犯カメラなどの設置費用補助を行い、利用者の安全対策を充実するほか、介護従事者の人材発掘・定着支援のための補助や、高齢者のみが対象であった住宅あっせんを、障害者やひとり親家庭等に拡充するほか、不動産団体の協力店舗で相談可能な体制の構築など、「お部屋探しサポート事業」を推進し、だれもが安心して江東区に暮らすことのできる環境を構築してまいります。
一方、予算編成にあたっては、一部の事業について、短期間での終了・効果検証を予定した「サンセット方式」を採用したほか、自律・安定的な財政基盤を構築するため、事業の新陳代謝の徹底、行政評価結果を踏まえた事業の総点検による見直しを実施いたしました。また、区民税等の収納対策、広告事業の更なる推進、民間委託の拡大など、行財政改革にも積極的かつ着実に取り組み、予算に反映いたしております。
次に、特別会計について申し上げます。はじめに、国民健康保険会計の予算規模は、631億9,900万円で、前年度比1.5%の増となっております。これは、雇用環境の改善や後期高齢者への移行に伴い、被保険者数が減少するものの、保険料率や医療費が増加することによるものであります。国民健康保険事業については、引き続き、ジェネリック医薬品の使用勧奨により医療費削減を図るほか、平成30年度に予定される財政運営の都道府県単位化の動向を注視しつつ、的確に事業を実施してまいります。
次に、介護保険会計の予算規模は、313億9,700万円で、前年度比3.3%の増となっております。これは、引き続く介護サービス利用件数の増や、介護予防・日常生活支援総合事業及び地域支援事業の更なる展開に伴うものであります。特に、地域包括支援センターについては、区内21か所に拡大し、高齢者の住み慣れた地域での自立した生活をサポートできるよう、地域包括ケアシステムの実現に向け、相談支援や介護予防などの機能強化を図ってまいります。
次に、後期高齢者医療会計の予算規模は、91億3,100万円で、前年度比8.0%の増となっております。これは、被保険者数の増や医療給付費の増によるものであります。後期高齢者医療制度については、広域連合と十分に連携しつつ、本区としても収納率の向上に引き続き努めるなど、適切な事業運営を行ってまいります。
なお、一般会計と3つの特別会計を合わせた総予算規模は、3,033億6,900万円、前年度比4.7%の増で、全会計を合わせても過去最大の規模となっております。平成29年度予算の大綱は、以上のとおりであります。

本区の重要課題とその取組

中央防波堤埋立地

中央防波堤埋立地

次に、本区の重要課題とその取り組みについて申し上げます。
第1に、築地市場の豊洲移転整備についてであります。
本区は、東京都知事の「安全性への懸念」等を理由とした移転延期の決定以降、都における検証作業の動向を注視してきたところであります。こうした中、先月公表された地下水モニタリングの調査結果では、全201の調査箇所のうち72箇所から国の環境基準を上回る有害物質が検出されました。この結果は暫定値であるものの、多くの区民の不安を増長させるものであること、また、豊洲地域全体の風評被害に及ぶ恐れがあることを大変危惧しております。
本区が土壌汚染対策問題を最重要課題として、徹底した対策を求めてきたにも関らず、こうした事態に陥ったことは極めて遺憾であります。都に対しては、区民の不安を払拭すべく、速やかに原因究明を行うとともに、移転の決断に当たっては、万全な安全対策のもとに、知事の責任で安全宣言を行い、市場用地の安全・安心を担保することを強く求めてまいります。同時に本区がこれまで市場の受入れにあたって要望してきた地下鉄8号線延伸を含む総合的な交通対策、併設される千客万来施設の早期整備・開業、環境まちづくりへの配慮についても、確実な対応が図られるよう求めてまいります。

第2に、中央防波堤埋立地の帰属についてであります。
本帰属問題の解決に向けて、昨年4月から大田区との協議を再開させ、これまで協議を重ねており、双方の主張内容を確認した上で、反論・反駁を行い、理解を深め、論点の整理を行っているとの報告を受けております。一方で、昨年末には、本埋立地にある海の森水上競技場がオリンピック・パラリンピックの舞台となることが正式決定いたしました。円滑な競技会場の整備、運営等はもとより、大会終了後の土地利用を見据えると、開催前までにはこの課題を解決しておく必要があります。今後も区民、区議会のご理解、ご協力のもと、本区の主張内容の実現に向け、毅然とした強い姿勢で取り組んでまいります。

7つの重点プロジェクト

次に、7つの重点プロジェクトについて申し上げます。
第1は、オリンピック・パラリンピック開催への準備についてであります。
大会開催準備にあたり、区を挙げて計画的に取り組む必要があることから、昨年3月に江東区オリンピック・パラリンピック開催準備プランを策定し、取り組みを進めております。本年度は、リオデジャネイロ大会の開催を好機と捉え、オリンピック競技のパブリックビューイングや、江東区ゆかりのメダリストの祝賀パレードを実施するなど、気運醸成に取り組んできたところであります。今後も、本プランに基づき、「東京オリンピック・パラリンピック基金」を積極的に活用しつつ、スポーツの振興、文化プログラム、競技会場周辺のインフラ整備の推進など、様々な分野において本区の将来的な発展につながる施策の推進に取り組んでまいります。

有明体操

 

有明体操競技場

 

第2に、南部地域における公共施設の整備についてであります。
本区では、南部地域における大規模開発等に伴う人口増に対応するため、公共施設の整備に取り組んでまいりました。平成30年度開校予定の(仮称)第二有明小・中学校の着実な整備を進めるとともに、有明地区内に大規模な住宅建設が計画化されたことから、開発事業者等と協議を重ね、事業計画地内に幼児教育・保育需要に対応した幼保連携型認定こども園の整備を、平成32年度の開園に向けて進めてまいります。今後も人口動向を注視しながら、認可保育所や子育て支援施設、小中学校、保健・福祉施設など必要な公共施設の選定や、整備時期、民間活力の活用も含めた効率的・効果的な整備手法等について検討を進めてまいります。
第3に、緑化・温暖化対策の推進についてであります。
「江東区CIGビジョン」を基に緑化を着実に推進し、区民や事業者の皆さんとの協働を進め、みんなが緑の豊かさを実感しながら生活できる緑の中の都市、「CITY IN THE GREEN」の実現を目指してまいります。温暖化対策については、昨年パリ協定が発効し、世界の国々が温室効果ガスの排出抑制を図る中で、それらの動向や国等の対策を見極めながら、「江東区環境基本計画」に基づき、省エネルギー、CO2削減を進めてまいります。また、木材の利用促進については、(仮称)第二有明小・中学校を木質化、木構造化するなど、本区の特色を生かした取り組みを進めてまいります。
第4に、子育て・教育環境の整備についてであります。
認可保育所をはじめとする保育施設の整備については、私が区長に就任した平成19年以降、99施設、6,111名の定員増を図ってまいりました。長期計画後期5カ年においても、引き続き認可保育所を積極的に整備し、待機児童の解消を目指してまいります。また、(仮称)第二有明小・中学校の着実な整備を進めるとともに、9年間の一貫した学びの充実を目指し、区内初となる小中一貫教育の導入を進めてまいります。
第5に、高齢者・障害者関連施設の整備についてであります。
介護基盤の整備では、昨年、塩浜一丁目に、区内15か所目の特別養護老人ホーム「故郷の家・東京」を開設いたしました。今後も、高齢者等が住みなれた地域で、必要な施設サービスを受けられる環境を整備するため、16か所目の特別養護老人ホームの整備を進めてまいります。また、高齢者や児童向け施設等を併設する、新たな複合施設の整備についても検討してまいります。
第6に、南北交通の利便性の向上についてであります。
区の悲願である地下鉄8号線豊洲―住吉間の延伸については、昨年、国の交通政策審議会の答申において、「国際競争力の強化に資する鉄道ネットワークのプロジェクト」と位置付けられ、「事業化に向けて費用負担のあり方や事業主体の選定等について合意形成を進めるべき」とされました。これを受け、都や東京メトロ等の部長級が参画する「東京8号線(豊洲~住吉間)延伸に関する懇談会」において進めてきた整備計画の深度化や、沿線まちづくりの検討が、いよいよ最終段階まで来ております。今年は、事業化に向けた関係機関の合意形成が是非とも図られるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。
第7に、災害に強いまちづくりの推進についてであります。
「防災都市江東」の推進を図るため、防災施設の整備と拠点避難所における資機材の拡充を図ってまいります。大規模水害時における住民への情報伝達や避難方法等については「江東5区広域避難推進協議会」において、具体化に向けた検討をさらに進めてまいります。木造住宅密集地域への対策については、これまでの不燃化特区推進事業における、現地相談ステーションを核とした建替え等の相談や老朽建築物の除却等の各種助成を着実に進めてまいります。また、地元住民による「まちづくり協議会」などと連携し、まちづくり方針を策定するとともに、旧小名木川保育園跡地における、防災に資する公園整備の検討など、住民視点を取り入れたまちづくりを進めてまいります。その他の木造住宅密集地域については、地域の実態調査やこれまでの事業で得られた知見を活用して、不燃化に向けた取り組みを検討してまいります。
次に長期計画(後期)における5つの施策の大綱に沿って、来年度の主な取組みを申し上げます。

水と緑豊かな地球環境にやさしいまち

昨年の環境フェアの様子

昨年の環境フェアの様子

まず、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」についてであります。区立公園・児童遊園は、森下公園・北砂四丁目第二児童遊園など4園で全面改修を行い、耐用年数に達した遊具や施設の一部を対象とした小規模改修を、城東公園・塩浜二丁目児童遊園など8園で実施いたします。「水辺・潮風の散歩道」整備事業では、曙北運河の潮見二丁目で「潮風の散歩道」を整備し、水辺と緑のネットワークづくりを充実してまいります。旧中川照明灯整備事業では、江東新橋から中川大橋までの旧中川河川敷沿いに照明灯を3年間かけて順次整備してまいります。区立公園監視カメラ設置事業では、公園内における事件の発生や遊具などのいたずらを抑制し、安全性を高めるため、平成29年度は、35公園に監視カメラを設置してまいります。

 

温暖化対策事業では、区立全小学校が参加している「カーボンマイナスこどもアクション事業」と、環境学習情報館えこっくる江東で実施している「環境フェア」が、共に来年度で10周年を迎えることから、内容を充実させて実施してまいります。また、「江東区みどり・温暖化対策基金」を活用しながら、地域における地球温暖化対策を一層推進してまいります。
環境美化事業では、「みんなでまちをきれいにするポスターコンクール」の小学生部門区長賞作品を啓発シートにして、JR亀戸駅に掲出するとともに、歩きタバコ・ポイ捨て防止を都営バスの車内放送でアナウンスし、環境美化の推進をより一層図ってまいります。
清掃リサイクル事業では、今年度中に「江東区一般廃棄物処理基本計画」を改定いたします。新計画に基づき、引き続き「持続可能な資源循環型地域社会の形成」に向け、ごみの減量とリサイクルの推進に取り組むとともに、新たに、資源・ごみ分別アプリを配信し、課題である若年層単身者や外国人住民への資源・ごみの排出に関する情報発信を強化してまいります。また、羽田空港の機能強化に伴う新飛行経路については、昨年、騒音対策を更に講じるよう国に申し入れを行いましたが、引き続き国への要請を続けてまいります。

未来を担うこどもを育むまち

次に、「未来を担うこどもを育むまち」についてであります。区では、子育て環境の改善に向けて、保育所の整備と子育て家庭への支援の充実に、積極的に取り組んでまいります。保育所の整備では、本年4月時点で約1,000名を超える認可保育所の定員増となるところです。さらに、都立木場公園において、平成30年4月の開園を目指し、既に事業着手するなど、区自ら様々な手法を駆使し、施設整備に積極的に取り組んでまいります。また、量の拡大とともに、安全で質の高い保育サービスの提供がなされるよう、区内全ての認可・認証保育所に対し、指導等検査を実施してまいります。待機児童の解消に向けて、保育所の整備と併せて必要となる保育人材の確保については、民間保育施設における保育士の処遇改善や宿舎借り上げ補助の実施に加えて、今年度から補正予算により保育園就職フェアを開催するなど、区内保育所への就職を後押ししており、来年度もさらに拡充してまいります。また、認可外保育施設の保護者負担軽減事業において、多子世帯に配慮した見直し等、負担軽減の拡充を図ってまいります。

2月に初開催された保育園就職フェア

2月に初開催された保育園就職フェア

 

オリンピック・パラリンピック教育では、新たに「オリンピック・パラリンピック教育推進事業」を立ち上げるとともに、「江東区オリンピック・パラリンピック教育推進計画」を策定します。また、中学校の部活動では、全校を対象に外部指導員を増員し、より専門的な競技・技術に関する練習を取り入れるなど、本区の恵まれた環境を生かした江東区独自の取組を効果的に進めてまいります。
教育の情報化に関する環境整備では、「学校ICTモデル事業」の検証結果に基づき、校内に無線LAN環境を整備するとともに、タブレット端末の導入を行います。
学校施設の整備では、(仮称)第二有明小・中学校の整備のほか、平久小学校、扇橋小学校の2校で、暫定増築の実施設計に着手いたします。校舎等の改築は、第五大島小学校で工事を実施し、香取小学校では今年度に開催したワークショップの結果を取り入れながら、実施設計に着手いたします。また、改修は、2校2園で実施設計を、3校で工事に着手いたします。
特別支援教育では、学習支援員を増員し、ひまわり教室や在籍学級での指導を充実させてまいります。また、専門性の高い就学相談アドバイザーを増員し、児童、生徒および保護者に寄り添いながら、個別のニーズに応じた適切な指導・助言を行います。
子育て家庭への支援では、現在、2歳から小学生までのこどもを対象とした、こどもショートステイ事業を1施設において実施しておりますが、来年度から、さらに個人の協力家庭宅において1歳から中学生まで対象を拡大いたします。
児童相談所については、都から特別区への移管を進めるべきと考えておりますが、移管の時期は拙速になることなく、十分な準備期間を設け、子どもたちの最善の利益につながるように努めてまいります。
青少年センターは、4月に「江東区青少年交流プラザ」としてリニューアルオープンいたします。青少年の活動支援に特化した施設として、青少年一人一人に寄り添い、家庭や学校に続く、第3の居場所としての役割を充実させてまいります。また、現在、相談業務を中心に実施しているひきこもりの若者への支援事業「こうとうゆーすてっぷ」を、ひきこもり以外の課題、悩みにも対応する青少年総合相談事業として拡大し、庁舎および青少年交流プラザの2か所を主な窓口として相談日を増やし実施してまいります。さらに、東京2020大会でのボランティアを養成するため、高校生のジュニアリーダーを海外のボランティア先進都市に派遣し、国際感覚を養うとともに、ボランティア意識やコミュニケーション能力の向上などをめざしてまいります。

区民の力で築く元気に輝くまち

月曜図書館開館

月曜開館が試行的に導入される江東図書館

次に、「区民の力で築く元気に輝くまち」についてであります。さらに、東京2020大会でのボランティアを養成するため、高校生のジュニアリーダーを海外のボランティア先進都市に派遣し、国際感覚を養うとともに、ボランティア意識やコミュニケーション能力の向上などをめざしてまいります。また、雇用支援では、「こうとう若者・女性しごとセンター」において、女性や新卒学生等の若者を中心とする求職者と中小企業とのマッチングによる採用と、その後の人材の定着支援を推進してまいります。
創業支援では、「地域クラウド交流会」を開催し、起業家の応援や企業の交流等を通じた地域の活性化や、2020年に向けたイノベーション等の気運醸成を図ってまいります。商業振興では、商店街や商店に対する多角的な支援を行い、特に「江東お店の魅力発掘発信事業ことみせ」では外国人向け情報発信等の充実を図ってまいります。2020年に向けて、国内外から多くの方が本区を訪れることから、区が設置している公共サインについて、統一化や多言語対応を図るなど、わかりやすいサインに再整備するため準備を進めてまいります。

さらに、水彩都市・江東の豊かな水辺を生かしたスポーツ振興に向けて、砂町地区に区内4か所目となるカヌー乗り場を新たに整備するなど、「江東区スポーツ推進計画」に基づき、区民の誰もが「いつでも、どこでも、いつまでも」スポーツに親しめる環境の充実を図ってまいります。観光振興では、「江東区観光推進プラン(後期)」に基づき、江東区観光協会と連携して区内外に本区の魅力を発信し、区全体の観光振興を積極的に進めてまいります。また、オリンピック・パラリンピック開催に向け、江東区文化プログラム実施に関する基本的な方針を策定し、本区独自の文化プログラムを展開してまいります。
図書館では、これまでも業務委託を進めてまいりましたが、より効率的な運営を行うため、平成31年度からの指定管理者制度導入に向けた準備を開始いたします。また、区民サービス向上のため、江東図書館において、10月より試行として月2回の月曜開館を実施いたします。

ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち

次に、「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」についてであります。これまでも、「がん対策推進計画」に基づき、積極的な施策の展開を図っておりますが、来年度からは新たに、胃がんが発生しやすい状態であるかを血液検査で判定する、胃がんリスク層別化検査を区内の医療機関で実施し、有リスク者については早期に医療受診へ誘導いたします。今後も、がんの早期発見やがんを予防するための生活習慣の改善など、がん対策の充実に取り組んでまいります。
民泊については、周辺住民より騒音など数多くの苦情が寄せられていることから、旅館業の営業許可を取得していない民泊営業者に対し、引き続き指導を徹底してまいります。また、昨年条例を改正し、住民周知・フロント等の設置を義務付け、「区民の安全・安心」の確保に努めております。旅館業法の一部見直しなどの国の動向を注視し、今後も適正に対応してまいります。

地域包括ケア全体会議

江東区地域包括ケア全体会議の様子

高齢者施策では、「江東区高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定作業を進めるとともに、地域包括ケアシステム構築をさらに推進してまいります。障害者施策では、障害を有する方、家族および障害者団体の意見を踏まえながら、次期障害者計画及び第五期江東区障害福祉計画を策定してまいります。また、昨年7月に、神奈川県相模原市の障害者支援施設において発生した、許しがたい事件を受け、障害のある方や高齢者が安心して施設を利用できるよう、区内の障害者(児)及び高齢者施設に、非常通報装置や防犯カメラの設置等の安全対策に要する費用を補助し、施設の安全性の向上を図ってまいります。
区民生活を守る最後のセーフティネットである生活保護制度は引き続き適切・適正に運用してまいります。また、生活困窮者自立支援法に基づき、生活保護に至る前の生活困窮者に対する相談窓口を活用し、生活困窮者に対し早期の支援を行う自立相談支援事業や、貧困の連鎖を防止するため、生活保護受給世帯の生徒等に対して実施する学習支援事業などの生活困窮者自立支援事業を充実させてまいります。

住みよさを実感できる世界に誇れるまち

29コミュニティサイクル

ポートも増え、より便利になったコミュニティサイクル

次に、「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」についてであります。住宅施策では、区営住宅において、計画的な長寿命化やバリアフリー化の推進を図ってまいります。さらに、今後行われるマンション建設については区民ニーズや区の状況を踏まえ、良好な住環境構築を促進するよう、事業者に対する指導を行ってまいります。また、オリンピック・パラリンピックも見据え、ハードの整備だけではなく、困っている人を見かけたら自然に声をかけられる心を育むことで、「心のユニバーサルデザイン化」を推進し、誰もが安前・安心・快適に暮らせる、ユニバーサルデザインのまちづくりを拡充してまいります。
コミュニティサイクル実証実験は、平成29年度で実証実験期間が終了予定のため、本格実施への移行も含め、必要な検討を行ってまいります。また、昨年2月から開始した、他区との広域連携は、更にエリアが拡大しているため、今後も東京都を含めた関係機関との調整を図ってまいります。そして、2020年に向け、全ての公衆便所に最低1基の洋式便器を設置する公衆便所洋式化事業は、来年度も着実に進めてまいります。

区道の無電柱化は、防災上及び景観上有効な施策であり、東雲及び辰巳地区内の会場周辺路線において、電線共同溝本体工事に着手いたします。区道の遮熱性舗装は、オリンピック・パラリンピック開催に向けた暑さ対策の一つとして、競技会場周辺における区道において、工事に着手いたします。橋梁の改修は、江東区橋梁長寿命化修繕計画に基づき、来年度は、引き続き雲雀橋の改修を進めるとともに、新たに新高橋の改修に着手いたします。民間建築物の耐震化促進は、耐震診断が完了した物件に対して、耐震改修の働きかけを強め、まちの安全性向上に努めてまいります。防犯対策は、街頭防犯カメラの設置推進や、防犯パトロール資機材の支給、リーダー研修会の実施などにより、犯罪の抑止及び地域の防犯力向上を図って参ります。また、こうとう安全安心メールでのタイムリーな情報発信に努めるなど、行政・警察・地域が連携した取り組みをさらに推進して参ります。

長期計画の実現に向けての取り組み

最後に、長期計画の実現に向けての取り組みについてであります。2020年に向けて、区民の皆さんに区に対する誇りと愛着を持っていただくこと、及び、区を訪れる来訪者の方々に区の魅力を感じていただくことを目的に、昨年3月に江東区ブランディング戦略を策定し、周知に努めております。また、行財政運営にあたっては、来年度も引き続き、「江東区行財政改革計画」を着実に推進しつつ、外部評価を活用した事業見直しや、新たな施策の創出などを通し、長期計画の着実な推進を図ってまいります。
以上、本区が直面する課題について、長期計画(後期)に沿って、所信の一端を申し述べました。東京2020年オリンピック・パラリンピック大会まで、あと3年となりました。世界に誇れるまち、未来のこどもたちに美しいまちを残すため、50万区民の信頼と負託に、意欲とスピードと思いやりを持って応えるとともに、基本構想が目指す江東区づくりにまい進してまいりますので、議員各位のより一層のご理解、ご協力をお願い申しあげます。
なお、本定例会には、平成29年度当初予算及び平成28年度補正予算をはじめ契約案、条例案などあわせ26件を提案いたしております。よろしくご審議の程お願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

お問い合わせ

政策経営部 企画課 企画担当(庶務) 窓口:区役所4階1番

郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

電話番号:03-3647-9167

ファックス:03-3699-8771

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