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更新日:2022年1月21日

所信表明 平成26年2月19日発表分

本日、平成26年2月19日をもって、平成26年第1回区議会定例会を招集いたしました。開会にあたり、江東区政が直面する課題と、あるべき区政運営について、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。

平成26年度予算編成の大綱について

まず、平成26年度予算編成の大綱についてであります。
はじめに、国や都の状況についてですが、日本経済は、輸出が持ち直しに向かい、各種政策の効果が下支えするなかで、家計所得や投資が増加し、景気の回復基調が続くことが期待されております。しかし、海外景気の下振れとともに、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要及びその反動が見込まれ、景気は緩やかに回復しているものの先行きは楽観視できず、景気回復の実感は、未だ十分に浸透していない状況となっております。
こうした経済情勢の中、国は、経済成長につながる施策を果断に実行していくとともに、未来に向けて持続可能な制度を構築し、デフレ脱却・経済再生と財政健全化の好循環を達成していくことが必要であるとしております。

山﨑区長

平成26年第1回区議会定例会(平成26年2月19日)

国の平成26年度予算は、4月からの消費税増税と、それに伴う社会保障の充実や景気対策などを盛り込み、5兆5千億円の補正予算と一体的に編成されております。
この結果、一般会計総額は、前年度比3.5%増の95兆8,823億円となり、過去最大の予算規模となっております。
一方、税収不足を補う新規国債発行額は、41兆2,500億円で、税収見込み額の50兆10億円を2年連続で下回るものの、依然として公債依存度は43%と、厳しい財政状況が続いております。
次に、東京都でありますが、昨日プレス発表が行われ、「『世界一の都市、東京』の実現に向けて、新たな一歩を踏み出す予算」と位置づけ、知事不在中に編成された暫定案の当初予算と合わせて、新都知事の公約実現に向けた施策を盛り込んだ77億円の補正予算を編成し、当初予算と補正予算が一体となった予算案となっております。
企業収益が引き続き堅調に推移していることや地方消費税率の引上げの影響などから、都税収入は引き続き増収が見込まれるものの、景気変動の影響を受けやすいため、今後の税収動向を慎重に見極める必要があるとしております。
平成26年度一般会計の予算規模は、前年度比6.4%増の6兆6,667億円で、2年連続の増となっており、政策的経費である一般歳出においても、前年度比2.5%増の4兆7,087億円と、一般会計同様に2年連続の増となっております。
また、特別区の財政運営に影響を与える都税収入においては、前年度比9.1%増の4兆6,698億円となっております。
そのうち法人二税については、1兆6,124億円と、前年度と比べて14.2%の大幅な増となっております。
次に、本区を取り巻く財政状況についてであります。まず特別区民税については、納税義務者数の増加や、税制改正に伴う均等割の引上げなどがあることから、特別区税としては、447億円、前年度比4.2%増と2年連続の増加で、過去最大規模を見込んでおります。
また、特別区交付金につきましても、財源である固定資産税及び市町村民税法人分の増収が見込まれるため、478億円、4.6%の増と、特別区税と同様に2年連続の増加を見込んでおります。
このように、本区の歳入の根幹である特別区税、特別区交付金がともに増収となる状況にありますが、本区の財政基盤は景気動向に大きく左右される脆弱なものであります。
現在、景気回復の流れにあるものの、消費税増税や地方法人課税の見直しに伴う影響など、本区を取り巻く歳入環境は、中・長期的な視点から先行きを楽観視できる状況ではありません。これまでと同様に、国・都の補助制度を活用することはもとより、これまで培ってきた基金や起債の財政力を最大限有効活用し、将来も見据えたメリハリをつけた予算編成が必要であると考えております。
平成26年度一般会計の当初予算規模は、1,743億1,900万円で、前年度比、5.6%増となっており、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けたまちづくりなど、まちの魅力を更に引き出す予算として、「未来への輪をつなぐ 魅力向上予算」を編成いたしました。
以下、予算の特徴としては、「防災都市江東」の総仕上げとして、江東区中央防災倉庫の整備着工、木造密集地域における不燃化の促進、避難行動要支援者名簿の作成、罹災証明書の遅滞なき発行に必要な被災者生活再建支援システムの導入などの予算を計上いたしました。
また、26年度は長期計画(前期)の最終年度であることから、ハード事業である豊洲シビックセンターや豊洲西小学校などの整備を着実に実施するとともに、ソフト事業である放課後子どもプランでは、当初計画を上回る進捗など、長期計画(前期)の総仕上げとして、主要事業の着実な推進に向け、予算を計上いたしました。
さらに、東京五輪開催にあたり多くの競技施設が予定される本区としては、オリンピック・パラリンピックまちづくり基本構想の経費を計上するとともに、区の喫緊の課題である、待機児童の解消に向け、サテライト保育所などの保育所整備、区内産業活性化の推進、高齢者・障害者施設の整備や充実、環境施策の更なる促進など、区民生活に密接な施策に対し、ハード・ソフト両面において、きめ細かな展開をしてまいります。
一方、予算編成にあたっては、財政の健全性を確保し、将来に向け安定的かつ継続的な区民サービスを提供できる財政基盤を構築するため、外部評価や事務事業の総点検を行うとともに、江東区行財政改革計画に掲げる職員定員の適正化や、区民税の徴収対策をはじめとした歳入の確保策に積極的に取り組むなど、財政規律の堅持に努めたところです。
その結果、「新たな取組み」56件、「事業の拡充」21件の事業を予算に反映することができました。
次に、特別会計について申し上げます。
はじめに、国民健康保険会計の予算規模は、539億4,600万円で、前年度比1.4%の増であります。
これは、医療費の増により、保険給付費などが増となったためであります。
次に、介護保険会計の予算規模は、293億4,700万円で、前年度比10.0%の増となっております。
これは、介護サービス利用件数の増などにより、保険給付費が増となっていることによるものであります。
次に、後期高齢者医療会計の予算規模は、77億8,100万円で、前年度比6.6%の増となっております。これは、被保険者数の増などにより、広域連合納付金が、増となったためであります。
なお、後期高齢者医療保険料については、改定にあたり、引き続き一般財源を投入し、保険料を抑制しております。
なお、一般会計と三つの特別会計を合わせた総予算規模は、2,653億9,300万円で、前年度比5.2%の増となり、一般会計及び総予算規模において、これまでの最大の予算規模となっております。
平成26年度予算の大綱は、以上のとおりであります。

重要課題とその取り組みについて

次に、本区の重要課題とその取組みについて申し上げます。
まず、築地市場の豊洲移転整備についてであります。
豊洲新市場は、平成27年度竣工の予定で整備を進めておりますが、施設建設については、入札不調により一部の工事で若干の遅延が生じており、今後の整備の進捗状況を注視してまいります。
また、市場に併設される千客万来施設については、現在の築地の賑わいを継承・発展させ、新たな観光名所となるよう求めてまいります。
引き続き、確実な土壌汚染対策、地下鉄8号線の延伸などの総合的な交通対策の実施、「豊洲グリーン・エコアイランド構想」に定める環境まちづくりへの最大限の配慮などを都に対して求めてまいります。
第2に、中央防波堤埋立地の帰属についてであります。
改めて申し上げるまでもなく、この埋立地は、長年にわたり、ごみの終末処理をすべて負わされてきた江東区民の犠牲の上に造成された土地であり、本区に帰属することは明白であります。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、中央防波堤埋立地でも馬術やマウンテンバイクなど、3つの競技場が整備される予定となっております。
円滑な競技場の整備、運営等はもとより、大会終了後の土地利用を見据えると、早急に本帰属問題を解決しなければならないと考えております。
今後も、区民・区議会のご理解とご協力のもと、積極的に大田区との話し合いを進めてまいります。
第3に、防災都市江東の実現についてであります。
「防災都市江東」の実現に向け、現在、江東区中央防災倉庫の整備や、避難所となる小中学校での応急給水施設の設置など「江東区地域防災計画」に基づいた各種対応を図っております。
来年度は、本区における地域防災力の更なる向上のため、「避難行動要支援者名簿」を作成し、高齢者や障害者等の円滑な避難支援体制の確保に取り組みます。また、避難所運営等を円滑に行うための地域連携体制の充実や、発災後の被災者生活再建を重視した支援体制の整備など、様々な対策を積極的に推進してまいります。
木造住宅密集地域への対策としては、北砂三・四・五丁目地区において、「不燃化特区」の指定を受け、現地ステーションの設置や多様な支援施策を展開することで、燃えないまちづくりを進めてまいります。また、民間建築物の耐震化については、引き続き都と連携し、特定緊急輸送道路沿道建築物を中心に耐震化を進めてまいります。
また、東日本大震災により被災した新木場地区等の道路復旧工事は、本年度で概ね完了し、来年度からは歩道を中心に復旧工事を行ってまいります。
次に、災害廃棄物の受入れについてですが、東日本大震災のがれき処理は、本区で積極的に受入れを行ったこともあり、本年度で処理がすべて終了いたします。一方、昨年10月の台風26号による被害により、大島町では町内で処理する一般廃棄物の約9年分に相当する災害廃棄物が発生しており、大島町のみで迅速に処理することが困難な状況となっております。このため私は、昨年末にいち早く区内民間事業者による受入れを行ったほか、今後、清掃一部事務組合の清掃工場における処理も含め、一日も早い被災地の復興に向け、引き続き支援を行ってまいります。
また、本区内の被災避難者の方への支援については、避難生活の長期化に伴い、孤立化防止に取り組んでおりますが、引き続き、避難者の方々の心身を支える支援を行ってまいります。
第4に、オリンピック・パラリンピックを踏まえた新たな展開についてであります。
オリンピック・パラリンピックの東京開催決定は、平成17年に、当時の石原都知事が立候補を表明して以降、私としても積極的に招致活動を行ってきたこともあり、ようやく念願がかない、大変嬉しく思っております。
東京オリンピック・パラリンピックでは、多くの競技が本区で実施されますが、これは、江東区の存在を、日本全国はもとより、世界に知ってもらう絶好の機会であり、本区を訪れる選手や観客の皆さんを、区を挙げて、「下町の人情でおもてなし」したいと思っております。
また、大会の成功はもとより、大会後も見据えた、本区ならではのまちづくりを実現し、次の世代に残していきたいと考えております。
そこで、江東区の更なる発展を目指し、新たに、「オリンピック・パラリンピックを踏まえた新たな展開」を、区の重要課題に位置づけたところであり、今後、必要な施策に取り組んでまいります。

オリンピックアクアティクスセンター・ウォーターポロアリーナ

オリンピックアクアティクスセンター・ウォーターポロアリーナ(江東区辰巳建設予定)

重点プロジェクトについて

次に、6つの重点プロジェクトについて申し上げます。
第1は、南部地域における総合病院の整備についてであります。
平成20年11月に、病院整備構想の発表をもってスタートした本事業については、区民や区議会をはじめ、医師会など関係する方々の多大なご協力とご支援のもと、事業進捗に努めてまいりましたが、3月24日、昭和大学江東豊洲病院として開院を迎えることとなります。
私は、本区の医療資源の不足、とりわけ救急医療や周産期医療体制の窮状を目の当たりにし、これらを充実すべく病院の確保が早急に必要であるとの認識に立ち、私の政治信条である「意欲」「スピード」「思いやり」を前面に押し立てながら、本区の英知を結集して、本事業に取り組んでまいりました。

昭和大学江東豊洲病院

昭和大学江東豊洲病院(平成26年3月24日開院)

新病院は、「女性とこどもにやさしい病院」として周産期センターやこどもセンターの充実を図るとともに、地域の中核病院として二次救急医療や災害時の拠点病院としての役割も担ってまいります。
この病院が、新しいまち「豊洲」を象徴する、水と緑に囲まれた病院「パークホスピタル」「エコホスピタル」として多くの区民に信頼される病院となるよう、引き続き全力を傾けてまいります。

豊洲シビックセンター

豊洲シビックセンター(平成27年度オープン予定)

第2に、豊洲シビックセンターの整備についてであります。
今まで名称は仮称でしたが、昨年公募を実施し、地元区民のご意見を伺ったうえで、名称を豊洲シビックセンターと決定いたしました。
豊洲シビックセンターは、区南部地域における急激な人口増に対応するため、出張所、文化センター、図書館などの機能を備え、区民が集い、憩うにふさわしい施設となります。
出張所は、戸籍やこども関係の手続きなど、窓口業務の拡充を検討しております。文化センターは、新たに300席のホールを整備するほか、会議室等を増設いたします。図書館は規模を拡大し蔵書数を増やすとともに、こどもたちがくつろいで読書を楽しめる空間を設けます。また、災害時の備えとして、防災倉庫を整備いたします。
多くの区民に利用していただき、親しまれる施設となるよう、平成27年度のオープンに向けて着実に整備を進めてまいります。

第3に、緑化・温暖化対策の推進についてであります。
緑化の推進については、「江東区CIGビジョン」をもとに、公共緑化に加えて、区民や事業者の皆さんとともに、質の高い緑化を着実に前進させ、緑の中の都市「CITY IN THE GREEN」の実現を目指してまいります。
温暖化対策の推進については、平成22年度から31年度の10年間を計画期間とする「江東区環境基本計画」が策定後5年目となることから後期に向けた改定を行います。この間、東日本大震災の発生や土壌汚染対策法及び廃棄物処理法の改正、再生可能エネルギーの固定価格買取制度の開始等があり、社会状況は大きく変化しております。これらを踏まえ、長期計画の実現に向けた実効性のある環境基本計画へと改定を行ってまいります。

横十間川親水公園 水門橋

横十間川親水公園 水門橋(マイクロ水力発電設備を設置予定)

また、マイクロ水力発電については、導入に向けた設置調査が概ね終了し、来年度は発電設備を設置してまいります。マイクロ水力発電の設置は、23区初の取組みであり、再生可能エネルギーに関する区民の環境学習施設として活用を図るとともに、「水彩都市江東」の新たなシンボルと位置づけ、観光資源としても区内外にPRしてまいります。
第4に、子育て・教育環境の整備についてであります。
まず、保育所の待機児童解消については、これまでも区の最重要課題のひとつとして積極的に認可・認証施設の整備に取り組んでまいりましたが、保育需要の急激な増加に伴い、平成25年4月の待機児童は416名と、残念ながら前年度を大きく上回る状況となりました。この状況を踏まえ、この1年間、全庁をあげて、緊急対策を進め、(仮称)江東湾岸サテライト保育をはじめとした認可保育所10園、認証保育所7園を整備したほか、公立保育園の定員を見直すなど、新たに1,200名を超える定員枠を確保いたしました。
これは、単年度の整備事業としては、過去最大の定員枠拡大となるもので、地域的にもほぼ区内全域にわたるほか、待機児童の大半を占める低年齢児への積極的な対策を行ったところであります。
しかしながら、今後も、人口増加に伴う新たな保育需要に加え、1年半後に実施が予定されている「子ども・子育て支援新制度」の開始により、質・量ともに保育サービスの一層の充実が求められてくるものと考えており、引き続き適切な整備計画と多様な整備手法を活用しながら、待機児童解消への取組みをさらに加速してまいります。
良好な教育環境の整備については、まず、臨海部を中心とする児童・生徒の増加に的確に対応するため、平成29年度の竣工に向け、(仮称)第二有明中学校の新築設計を行うとともに、平成27年度の竣工に向け、南陽小学校、東雲小学校及び北砂小学校の増築設計を行います。
さらに、校舎等の改築については、第二亀戸小学校・幼稚園で工事に着手し、第五大島小学校では基本設計を進めてまいります。また、改修については、2校1園で工事に着手し、3校1園で設計を行うなど、学校施設の計画的な整備に努めてまいります。
放課後支援事業では、平成22年度から開始した「江東きっずクラブ」を、来年度、新たに5校で開設いたします。事業開始から5年目を迎え、当初計画を上回る26校での実施となりますが、今後とも、放課後等のこどもたちの安全で健やかな居場所・生活の場を提供していくため、できるだけ早期に全校設置を達成できるよう、取り組んでまいります。
第5に、高齢者・障害者関連施設の整備についてであります。
介護基盤の整備については、本年4月、旧三大小跡地に、区内初となる介護専用型ケアハウスや都市型軽費老人ホームを併設した、区内4か所目の特別養護老人ホーム「あかつき苑」を開設いたします。
ここには、地域の方が利用できる地域交流スペースや、区内初の歩行浴プールで介護予防事業などを行う健康増進スペースも設置いたします。
さらに、区内15か所目となる特別養護老人ホームの整備を塩浜一丁目において進めてまいります。
六点目、南北交通の利便性の向上についてであります。
区の悲願である地下鉄8号線豊洲―住吉間の延伸に向け、昨年度開催された事業化検討委員会の提言を踏まえ、現在、整備計画案の精査を図るとともに、国土交通省、東京都、東京メトロ等、関係機関の部長級が参画する「東京8号線延伸に関する懇談会」を開催し、整備に向けた調整を進めております。
今後は、関係機関との合意形成に全力を尽くすとともに、事業化に向けた手続き準備に入ってまいります。
さらに、建設基金の積立てを継続し、一日も早い整備着手を目指してまいります。

「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」について

次に、長期計画における5つの施策の大綱に沿って、来年度の主な取組みを申し上げます。
まず、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」についてであります。
区立公園の改修については、北砂水上公園など4園で全面改修を行うとともに、耐用年数に達した遊具や施設の一部を対象に行う小規模改修を、亀戸南公園など8園で実施いたします。
仙台堀川公園整備事業については、老朽化した親水公園の更新時期にあわせ、隣接する道路と一体的に整備し、安全な遊歩道・自転車道の機能を備えた緑豊かな憩空間を創出いたします。環境、レクリエーション、防災と多様な機能を有し、地域の特色を生かした魅力ある公園の整備に向け、来年度は基本計画を策定してまいります。
水辺・潮風の散歩道の整備事業については、汐見運河の、塩浜一丁目に「潮風の散歩道」を整備し、水辺のネットワーク化を図ってまいります。
清掃・リサイクル事業については、区民の利便性向上と、一層の5R推進のため、現在月1回行っている古着回収事業を拡充し、潮見にある清掃事務所を常設回収場所とすることで、日曜日以外はいつでも回収できるようにいたします。

「未来を担うこどもを育むまち」について

次に、「未来を担うこどもを育むまち」についてであります。
まず、子育て家庭への支援策として、子育て支援情報の提供について、より一層の充実に取り組んでまいります。
本年5月から新たに実施する「こんにちは赤ちゃんメール」配信事業は、産前産後の子育てをサポートするため、出産予定日までは毎日、出産後は週2回、母子の健康管理に関する助言や地域情報をきめ細かく届けるものであります。
また、近年、制度の充実とともに複雑化している乳幼児の予防接種について、お子さん一人ひとりに合わせて予防接種のスケジュールを管理できる「予防接種情報提供サービス」を実施いたします。
いずれも、子育て情報ポータルサイトで、携帯電話やスマートフォンなどから一括で利用の登録ができ、子育てファミリーへの効果的なサポートになるものと考えております。

俳句の授業

俳句の授業

また、今年度の区民協働事業として、地域のNPOと進めている「家庭訪問型子育て支援」については、協働期間中、区の関係機関との連携が着実に構築され、孤立した子育て家庭への支援の一助となってきております。今後、実施団体の自立性、区事業としての位置づけを検証しつつ、ファミリーサポートの協力会員など地域で子育て支援活動に取り組んでいる方々との協働の輪を広げてまいります。
一方、児童虐待への取組みでは、23区が東京都に求めている児童相談所の区移管について、都との協議に臨むにあたり、各区において課題等の検討を行うこととなったことから、本区においても昨年12月に検討組織を立ち上げ、検討を開始したところであります。
また、将来の区移管に向け、児童相談所の業務を習得するため、本年4月から児童相談所に職員を派遣するなど、現制度下での更なる連携強化に取り組んでまいります。
教育分野については、江東区で学ぶすべてのこどもたちのために、本区の教育振興基本計画である「教育推進プラン・江東」に基づき、教育施策を総合的に推進してまいります。
「どの子も伸びる 学びのまち こうとう」の実現を目指して実施している「こうとう学びスタンダード」に、新たに「国語」「数学」「英語」が加わります。昨年から始まった「学び方」「算数」「体力」と合わせ、6つのスタンダードが完成しました。スタンダードの確実な定着を図るとともに、更なる学力・体力の向上を目指し、全小・中学校に「学びスタンダード強化講師」を配置いたします。
また、昨年天皇皇后両陛下にご覧いただいた本区独自の俳句教育をさらに推進するため、俳句講師の派遣を充実させるとともに、こどもたちの優秀作品を収めた俳句集の作成や、俳句大会を開催いたします。
さらに、教育の情報化推進と授業の質の向上を図るため、小・中学校各1校において、児童・生徒用タブレットパソコンや無線LANを用いて授業を行う「学校ICTモデル事業」を実施いたします。

「区民の力で築く元気に輝くまち」について

次に、「区民の力で築く元気に輝くまち」についてであります。
中小企業対策では、まず、区内の製造業における技術や製品について、その優秀性・卓越性を区が認定し、積極的にPR等の支援をすることにより、工業の活力を取り戻す「江東ブランド推進事業」を展開してまいります。
また、東京オリンピック・パラリンピック開催決定を機に、江東さざんかカード事業の新たな展開として、カードを提示しなくても誰もが登録店舗からのサービス等が受けられる「江東お店の魅力発掘発信事業」を実施し、区内外のお客様を「おもてなし」するとともに、区内のお店の魅力を発信し、商業の活性化を図ってまいります。
中小企業における雇用支援では、すでに90名の雇用実績がある「中小企業若者就労マッチング事業」を継続し、若手人材の確保を支援してまいります。
スポーツ分野では、東京オリンピック・パラリンピックの会場整備に伴う区民スポーツへの影響を精査した上で、代替施設の確保などについて、東京都など関係団体と適切に協議・調整を行ってまいります。また、新たに「江東区スポーツ推進計画」を策定し、区民がより一層スポーツに親しめる環境の整備を着実に進めてまいります。
男女共同参画社会の実現については、区民及び事業者に対し、男女共同参画に関する意識実態調査を実施し、その結果を平成27年度に策定する新たな「男女共同参画行動計画」に反映させてまいります。
観光振興については、江東区観光協会と連携し、文化観光ガイドなど、「江東区ならでは」の観光メニューの更なる充実を図るとともに、近隣自治体等との広域連携により、区内外に向け江東区の魅力を発信し、区全体の観光振興を積極的に進めてまいります。
また、昭和の大横綱であり、国民栄誉賞を受賞された大鵬幸喜さんの偉大な功績を称え、深川江戸資料館内に「横綱大鵬顕彰コーナー」を設置いたします。

江東シーサイドマラソン大会

江東シーサイドマラソン大会

「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」について

次に、「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」についてであります。
まず、区民の健康を守る取組みとして、がん対策を総合的に推進いたします。来年度、がん対策は新たな計画のもと、「予防」、「早期発見」、「医療連携」を3つの柱として推進してまいります。「予防」においては、がん教育をはじめとする普及啓発事業により、正しい生活習慣を定着させるとともに、がん検診の受診率と質を向上させることで「早期発見・早期治療」を実現してまいります。また、たとえがんになっても区民が適切な療養生活を送れるよう医療連携体制の構築に向け、関係機関と検討・協議を進めてまいります。
食の安全確保については、区民の意見を反映させた食品衛生監視指導計画に基づいて、区独自に導入した測定器による放射性物質の検査や腸管出血性大腸菌等による食中毒の予防対策などを実施してまいります。
高齢者施策では、平成27年度から3か年の「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の策定を行います。国では介護保険制度の大幅な改正を予定しており、その動向を注視するとともに、昨年実施した高齢者実態調査の結果を踏まえ、施策の充実や体制の強化などを盛り込んだ計画を策定してまいります。
福祉会館の運営については、本年4月から千田福祉会館・児童館において、異世代交流の促進や施設全体の一体運営による効率化を図るため、指定管理者制度を導入し、現在行っている事業の継続を基本に、更なる利用者サービスの向上を図ってまいります。
障害者福祉の分野では、昨年実施した障害者実態調査の結果をもとに、平成27年度から3年間のサービス見込み量と目標値を盛り込んだ、第4期江東区障害福祉計画を策定し、障害者が自立した地域生活をおくれるよう、引き続き支援してまいります。
また、言葉や運動機能、知的な発達に遅れがある児童を対象とした「こども発達センターCoCo」を障害児支援の中核的施設に位置づけ、保育所等との連携や相談体制の強化を図ってまいります。
さらに、通所している障害者の高齢化、重度化に伴い、医療的なケアが必要な方が増加していることから、安全に安心して施設を利用することができるように、施設の受け入れ体制を整備してまいります。
区民生活を守る最後のセーフティネットである生活保護制度の役割は、益々重要となっております。今後とも、必要な人には確実に保護を実施するとともに、自立に向けた支援を積極的に推進してまいります。特に、庁舎内に設置したハローワーク常設窓口を有効に活用し、生活困窮者の就労支援にも力を入れ、切れ目のない支援を行ってまいります。

「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」について

次に、「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」についてであります。
江東湾岸エリアにおけるオリンピック・パラリンピックまちづくり基本計画の策定に向け、現在、学識経験者を含めた委員会を設置して、具体的な施策を検討しており、来年度は、検討結果を踏まえ、その実現を都に強く要望してまいります。
また、平成24年11月から開始したコミュニティサイクルの実証実験は、順調に利用者数を伸ばしておりますが、更なる利用者の利便性向上等のため、来年度末まで延長いたします。今後は、エリア内の自転車台数を増やすなど、本格実施を目指した取組みを展開してまいります。

コミュニティサイクル

コミュニティサイクルの実証実験

住宅施策については、今後のマンション施策検討の基礎資料とするため、マンション実態調査を実施いたします。また、高齢者世帯への民間賃貸住宅情報提供について、紹介物件の拡大を図るなど、より一層の居住支援に努めてまいります。
都市計画道路の整備については、引き続き補助115号線の用地取得を進めるとともに、土壌汚染調査を実施してまいります。加えて、横十間川等の周辺環境と調和した質の高い空間を創出するため、東京都との協議を進めてまいります。
区道の無電柱化については、道路環境の総合的な改善を図りつつ、計画的に進めているところですが、昭和大学江東豊洲病院前の路線では、来月に予定されている開院に合わせて整備が終了し、来年度は、亀戸地区の整備を引き続き進めてまいります。
橋梁の改修については、江東区橋梁長寿命化修繕計画に基づき、来年度は、三石橋、平野橋の架替に引き続き、新たに三島橋の架替に着手いたします。
自転車対策については、本年度、放置自転車撤去手数料の改定を行ったところですが、来年度より、歳入確保の観点から、撤去した放置自転車のうち、これまで廃棄処分していた一部の自転車を売却するとともに、豊洲駅自転車駐車場については、来年度末の竣工に向け整備を進めてまいります。

長期計画の実現に向けての取り組み

最後に、長期計画の実現に向けての取組みについてであります。
東日本大震災を契機に、改めて、地域で活動する団体と区が、協力して地域の課題解決にあたる協働の必要性が高まっています。協働の取組みを一層推進するため、コミュニティ活動支援サイトの利用促進や、新たに採択した「江東区内災害時、歩行困難者・避難所のバリアフリー調査事業」「こども読書活動に関わる人材育成事業」を着実に実施するとともに、市民活動団体と行政との仲介となる「中間支援組織」の整備について、より具体に進めてまいります。

長期計画(後期計画)の策定

以上、本区が直面する課題について、長期計画の展開に沿って、所信の一端を申し述べました。
さて、平成22年度に策定した江東区長期計画は、平成26年度で前期計画期間が終了となるため、来年度は、平成27年度から31年度を期間とする後期計画を策定いたします。
後期計画の策定にあたっては、人口推計や行政評価制度の見直しを行うとともに、オリンピック・パラリンピック開催などの社会情勢の変化や多様化する区民ニーズに的確に対応した計画としてまいります。
私は、基本構想に掲げる世界に誇れるまち、未来のこどもたちに美しいまちを残すため、48万区民の信頼と負託に、意欲とスピードと思いやりを持って応え、区政運営にまい進してまいります。今後とも、より一層の議員各位のご理解、ご協力をお願い申し上げます。
なお、本定例会には、平成26年度当初予算及び平成25年度補正予算をはじめ、事件案、条例案などあわせて25件を提案いたしております。
よろしくご審議の程お願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

お問い合わせ

政策経営部 企画課 企画担当(庶務) 窓口:区役所4階1番

郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

電話番号:03-3647-9167

ファックス:03-3699-8771

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