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更新日:2022年1月21日

所信表明 平成25年2月20日発表分

本日、平成25年2月20日をもって、平成25年第一回区議会定例会を招集いたしました。開会にあたり、江東区政が直面する課題とあるべき区政運営について、私の所信の一端を申し述べたいと思います。

平成25年度予算編成の大綱について

まず、平成25年度予算編成の大綱についてであります。
国や都の状況についてですが、日本経済は、輸出環境の改善や経済対策の効果などを背景に、再び景気回復へ向かうことが期待されるものの、海外景気の下振れとともに、雇用・所得環境の先行き、デフレの影響等にも注意が必要であり、景気回復は、未だ不透明な状況となっております。
こうした経済情勢の中、国は政策の一丁目一番地を経済の再生と位置づけ、雇用と所得を拡大し、「強い経済」を目指すとしております。そのためには、大胆な金融政策、そして機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の「三本の矢」を同時展開していくとしており、「日本経済再生に向けた緊急経済対策」において、実質GDPをおおむね2%押し上げ、約60万人分の雇用の創出を目指すとしております。
国の平成25年度予算は、緊急経済対策を柱とする13兆円余の大型補正予算と一体的に切れ目のない財政出動を行うため、「15カ月予算」として、編成したとされております。
この結果、一般会計総額は、前年度比2.5%増の92兆6,115億円となり、過去最大の予算規模となっております。一方、税収不足を補う新規国債発行額は、42兆8,510億円で、税収見込み額の43兆960億円を4年ぶりに下回るものとなりましたが、依然として、国債依存型の厳しい財政状況が続いております。
次に、東京都でありますが、復興需要等による企業収益の持ち直しにより、都税収入は前年度に引き続き増収が見込まれるものの、依然として、景気変動の影響を受けやすい特徴的な構造であり、楽観視できる状況にありません。
平成25年度一般会計の予算規模は、前年度比1.9%増の6兆2,640億円で、5年ぶりに増となっており、政策的経費である一般歳出においても、前年度比1.6%増の4兆5,943億円と3年ぶりの増となっております。平成25年度予算は、「時流を先取りし、首都として国を動かし、支えていく原動力となるとともに、将来に向けて財政基盤を一層強化し、東京の輝きを高めていく予算」と位置づけております。
また、特別区の財政運営に影響を与える都税収入においては、前年度比3.9%増の4兆2,804億円となり、当初予算ベースにおいて、6年ぶりの増となっております。そのうち法人二税については、1兆4,121億円と、前年度と比べて14.0%の大幅な増となっております。
次に、本区を取り巻く財政状況についてでありますが、特別区民税については年少扶養控除の廃止や、特別区たばこ税における都区間の税源移譲により、区税収入は429億円、前年度比3.7%増と、当初予算ベースにおいて、3年ぶりの増加を見込んでおります。
また、特別区交付金につきましても、財源である固定資産税及び市町村民税法人分の増収が見込まれるため、457億円、3.3%の増と4年ぶりの増加を見込んでおります。
このように、本区の歳入の根幹である区税、特別区交付金が増収となる状況にありますが、本区の財政基盤は景気動向に左右されやすい脆弱なものであり、中・長期的に見た先行きは、確たる増収が期待できず、引き続き、国及び都の補助制度を積極的に活用するとともに、これまで培ってきた基金や起債の財政力を効率的、かつ効果的に活用することにより、バランスのとれた予算編成が必要であると考えております。
平成25年度一般会計の当初予算規模は、1,650億6,500万円で、前年度比2.2%増となり、「防災都市江東」の推進や区民生活に密接な施策を着実に実行するほか、スポーツ祭東京2013の開催、観光、環境施策の充実等まちの活気を創出し、区民を応援する予算として、「生活を守り まちの活気を感じる 区民応援予算」を編成いたしました。
以下、予算の特徴としては、(仮称)江東区中央防災倉庫の整備、災害時の初期消火対応力・給水体制の強化、防災無線子局の増設、東京都帰宅困難者対策条例の施行に伴う備蓄物資の整備経費など「防災都市江東」の推進にかかる予算を計上しました。
また、長期計画のハード事業においては、(仮称)第二有明小学校の整備や、小・中学校大規模改修事業など、主要事業の着実な実施に向け予算を計上しました。
そのほか、「スポーツ祭東京2013」の開催経費を計上するとともに、区の喫緊の課題である、中小企業を支えるための中小企業融資、若者の就労支援、保育所待機児童の解消、高齢者・障害者施設の整備、環境施策の充実や引き続き増加する生活保護予算の増額等を行い、ハード・ソフト両面において、区民生活を応援する施策を展開してまいります。
予算編成にあたっては、財政健全化を図るため、外部評価結果を予算に反映するとともに、将来に向けて安定的、継続的な区民サービスを提供できる強固な財政基盤を構築するため、江東区行財政改革計画に掲げる職員定員の適正化、区民税等の徴収対策や歳入の確保に取り組むとともに、全事務事業を例外なく総点検いたしました。
その結果、特別区債発行額を29億1,600万円、前年度比54.5%の大幅な減とし、後年度負担を軽減するとともに、「新たな取り組み」57件、「事業の拡充」26件の事業を予算に反映することができました。
次に、特別会計について申し上げます。
はじめに、国民健康保険会計の予算規模は、532億600万円で、前年度比2.4%の増であります。これは、保険医療費の増により、保険給付費などが増となったためであります。
なお、国民健康保険料については、平成23年度から2か年で実施した経過措置が終了するのに伴い、新たに住民税非課税者を対象に、一定率を控除する減額措置を実施いたします。
次に、介護保険会計の予算規模は、266億6,900万円で、前年度比8.5%の増となっております。これは、介護サービス利用者の増などにより、保険給付費が増となっていることによるものであります。
次に、後期高齢者医療会計の予算規模は、72億9,600万円で、前年度比3.8%の増となっております。これは、被保険者数の増などにより、広域連合納付金の見込みが増となったためであります。
なお、一般会計と三つの特別会計を合わせた総予算規模は、2,522億3,600万円で、前年度比2.9%の増となり、一般会計及び総予算規模において、これまでの最大の予算規模となっております。
平成25年度予算の大綱は、以上のとおりでございます。

重要課題とその取り組みについて

次に、本区の重要課題とその取り組みについて申し上げます。
まず、築地市場の豊洲移転整備についてであります。
昨年11月に、都が豊洲新市場の施設計画と、にぎわいの場として市場に併設される千客万来施設の基本方針案を策定しました。
また、本年1月には、市場整備スケジュールの1年延期が発表され、竣工は平成27年度の予定となりました。
竣工時期の延期は、豊洲埠頭全体の開発計画等にも影響するため、遺憾ではありますが、食の安全を守るため、土壌汚染対策を確実に実施することは最優先であり、受け入れざるを得ないものと考えております。
引き続き、本区との十分な協議は当然のこと、確実な土壌汚染対策、豊洲-住吉間の地下鉄8号線の延伸など総合的な交通対策の実施、新市場と一体となった魅力溢れる新たな観光名所となるにぎわいの場の整備、さらに「豊洲グリーン・エコアイランド構想」に定める環境まちづくりへの最大限の配慮などを都に求めてまいります。
第2に、中央防波堤埋立地の帰属についてであります。
改めて申し上げるまでもなく、この埋立地は、長年にわたり、ごみの終末処理をすべて負わされてきた江東区民の犠牲の上に造成された土地であることは明白であります。
私は、この問題を区民の皆様に知っていただくため、昨年10月の区報一面に本区の主張を掲載いたしました。さらに、区報への掲載をきっかけに、マスコミがこの問題を大きく取り上げ、歴史的背景の正しい認識と本区の主張の正当性が、より一層区民の間に浸透したものと考えております。
今後も、あらゆる局面で、区民・区議会の理解と協力の下、毅然とした姿勢で、本区の主張の実現に向け、取り組んでまいります。
第3に、防災都市江東の実現についてであります。
「防災都市江東」の実現に向け、現在、防災対策の基本となる「江東区地域防災計画」の修正を進めているほか、災害協力隊に対するスタンドパイプの配備や避難所となる小中学校への自動ラップ式トイレの設置など、様々な対応を図っております。
来年度は、更なる充実を図るため、「防災施設の整備」を新たに主要事業に位置づけ、ターミナルとなる防災倉庫の整備に着手するほか、防災無線子局の増設を図るなど、防災関連施設の整備を積極的に推進してまいります。
さらに、帰宅困難者のための備蓄物資の見直しや、全庁的な組織である事業継続管理委員会において、職員訓練の実施などによる震災BCPの進行管理を行い、災害対応力を強化してまいります。
民間建築物の耐震化については、特定緊急輸送道路沿道建築物を中心に、都との連携強化を図るとともに、町会等の協力を得て、各地域で開催している耐震相談会を継続する一方、新たに、老朽建築物の除却助成制度を設け、地域の危険を減らし、防災力向上を目指してまいります。
また、東日本大震災により被災した新木場地区等の道路については、震災直後からの応急復旧に引き続き、今年度から本格的な復旧工事を行っているところですが、来年度で延長約3.7キロメートルの復旧工事を終了し、これにより被害の大きかった路線は、おおむね復旧するものと考えます。
次に、被災地への支援でありますが、被災地には、未だ多数のがれきが残されており、これらが復興に向けての大きな妨げとなっております。これまで私は、清掃一部事務組合による処理だけでなく、東京都と区内事業者とのスキームによるがれき処理も積極的に受け入れ、被災地の復興支援に努めてまいりました。今後も引き続き、東京都との連携を図り、一日も早い被災地の復興のために、がれき処理の支援をしてまいります。
また、本区内の被災避難者の方への支援については、避難生活の長期化に伴い、孤立化防止が喫緊の課題となっております。今後は、社会福祉協議会等関係機関との連携をより一層密にし、これまで以上に避難者の方々の心身を支える継続的な支援を行ってまいります。

重点プロジェクトについて

次に、6つの重点プロジェクトについて申し上げます。
第1は、南部地域における総合病院の整備についてであります。
本事業については、平成20年11月に、病院整備構想を発表して以来、区が新たに挑戦するプログラムとして、私の政治信条である「意欲」と「スピード」と「思いやり」を前面に押し立てて、全庁挙げて取り組んでまいりました。来年3月には、いよいよ新病院が開院を迎えるという大きな成果となって結実する時を迎えることとなります。
新病院の名称は、昭和大学江東豊洲病院で、地下1階、地上10階建て、免震構造を採用した建物となります。学校法人昭和大学との事業協定に基づき、「女性とこどもにやさしい病院」として、周産期センターやこどもセンターの充実を図るとともに、地域の中核病院として、二次救急医療や災害時における拠点病院としての役割も担ってまいります。
また、地域医療との連携体制の早期構築に向け、引き続き医師会など関係機関とともに鋭意、検討・協議を進めてまいります。
新しい豊洲のまちを象徴する、水と緑に囲まれた病院「パークホスピタル」「エコホスピタル」として、多くの区民に選ばれ信頼される病院を目指し、約1年後に迫った開院に向け、引き続き着実な整備を図ってまいります。
第2に、区南部地域の拠点施設となる(仮称)シビックセンターの整備についてであります。
区南部地域における急激な人口増に対応するため、出張所、文化センター、図書館などの機能を備え、区民が集い、憩うにふさわしい施設を新たに整備するものであります。
出張所は、戸籍やこども関係の手続きなど、窓口業務の拡充を検討しています。文化センターは、新たに300席のホールを整備するほか、会議室等を増設いたします。図書館は規模を拡大し蔵書数を増やすとともに、こどもたちがくつろいで読書を楽しめる空間を設けます。また、災害時の備えとして、防災倉庫を整備いたします。
今月、着工したところであり、平成27年4月のオープンに向けて着実に整備を進めてまいります。
第3に、緑化・温暖化対策の推進についてであります。
緑化の推進については、水と緑豊かな地球環境にやさしいまちを目指し、昨年7月に策定した「江東区CIGビジョン」をもとに、公共緑化に加え、区民や事業者の皆さんとともに、質の高い緑化を加速させることにより、緑の中の都市「CITY IN THE GREEN」の実現を目指してまいります。
また、地域のシンボルや誇りとなる緑を推薦、顕彰する「江東区の杜」オンラインフォトコンテストを開催し、暮らしやまちに根ざした緑を育んでまいります。
温暖化対策の推進については、「水彩都市・江東」の特徴である区内河川を活用した「マイクロ水力発電の導入」に向けた調査・検証を実施いたします。マイクロ水力発電は、今年度の職員提案において、最優秀賞を受賞した事業で、23区では初となる取り組みであります。設置目的は、自然エネルギーに関する環境学習の場の提供と区民の環境意識の向上を図るもので、設置が可能となれば、若洲風力発電施設とともに、本区の新たな環境のシンボル施設として、大きな期待が寄せられるものとなります。
第4に、子育て・教育環境の整備についてであります。
保育所の待機児童の解消は、区の最重要課題のひとつとして積極的に取り組んできており、私の区長就任以来、6年間で約3,700名の定員増を図ってまいりました。しかしながら、昨年6月の新砂保育園開設後においても、待機児童数は224名を数える状況であり、今後も、長期計画による認可・認証保育所の整備を中心に、待機児童の解消を目指してまいります。
また、待機児童の解消を加速させるため、23区では初となる保育送迎ステーションを視野に入れ、その効果を検証するための調査を、来年度に進めていく予定であります。
良好な教育環境の整備については、まず、臨海部を中心とする児童・生徒の増加に的確に対応するため、平成30年度の開設に向け(仮称)第二有明小学校の新築設計を行います。また、第一亀戸小学校、有明小学校の増築設計を行い、第二辰巳小学校、浅間竪川小学校の増築工事に着手いたします。
さらに、昨年11月に取りまとめた、「小・中学校の改築・改修に関する基本的な考え方」に基づき、1校1園の改修設計と、6校1園で改修工事に着手するなど、学校施設の適正整備に努めてまいります。
放課後支援事業では、「江東きっずクラブ」を来年度新たに5校で開始し、合計21校で実施いたします。安全で安心して放課後等を過ごせる場として、平成31年度までに、全ての小学校に設置してまいります。
第5に、高齢者・障害者関連施設の整備についてであります。
介護基盤の整備については、旧三大小跡地に整備を進めている特別養護老人ホームに加え、区内15か所目となる特別養護老人ホームの整備を、塩浜一丁目において着手するとともに、認知症高齢者グループホームの整備も進めてまいります。旧三大小跡地の特養には、区内3か所目となる都市型軽費老人ホームを併設し、低所得高齢者の住まい対策を図るとともに、区内初の介護専用型ケアハウスを併設いたします。
また、障害者関連施設の整備については、地域生活移行への基盤となるグループホーム・ケアホームの整備を推進してまいります。
6点目、南北交通の利便性の向上についてであります。
区の悲願である地下鉄8号線豊洲―住吉間の延伸に向け、現在、学識経験者3名、国土交通省関東運輸局、東京都、東京地下鉄株式会社、鉄道・運輸機構の部長級等で構成される「東京8号線事業化検討委員会」において、整備計画案の最終調整を鋭意進めております。
このような中、猪瀬新知事のもと、本年1月に策定された「2020年の東京」実現のための「アクションプログラム2013」においても、地下鉄8号線の延伸が新たに位置づけられたところです。
今後は、この事業化検討委員会においてとりまとめる整備計画案をもとに、実現に向けた関係機関との具体的協議・調整に入ってまいります。
また、建設基金の積立てを継続し、区の早期整備に向けた積極姿勢を東京都と連携しつつ、関係機関に強く訴えてまいります。
次に、長期計画における5つの施策の大綱に沿って、来年度の主な取り組みを申し上げます。

「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」について

まず、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」についてであります。
いよいよ来月16日に、「旧中川・川の駅」が開業いたします。江戸への玄関口としての船番所が、現代の水辺のにぎわい施設として生まれ変わります。都内初となる水陸両用バスの運航をはじめ、水辺の散策やカヌー等の利用者の休憩・活動場所として、また観光拠点として、内外に「水彩都市・江東」をアピールしつつ、地域の活性化も推進してまいります。
区立公園の整備については、大島七丁目に建設予定である、特養ホーム隣に(仮称)新大島公園を新設整備いたします。この公園には、高齢者が地域の人々とふれあえるように、健康遊具や幼児用遊具のほか、地元の皆様から要望を受けた芝生広場や、公園が見渡せるステージを設置いたします。
区立公園の改修については、現在、リニューアル工事を進めている竪川河川敷公園に、新たにフットサル場4面とキャッチボール広場4面を開設いたします。また、北砂第二公園など4園で全面改修を行うとともに、耐用年数に達した遊具や施設の一部を対象に行う小規模改修を、亀高公園など8園で実施いたします。
水辺・潮風の散歩道の整備事業については、平久川の、時雨橋から平久橋間の「水辺の散歩道」と、砂町運河の、潮見さざなみ公園南から七枝橋間の「潮風の散歩道」が、それぞれ完成いたします。
また、環境にやさしいまちづくりの一環として、新たに、「(仮称)江東区エコポイント制度」を開始いたします。区民・事業者で構成するエコポイントモニターを設け、モニターによる実証実験を行うとともに、その検証をエコライフ協議会において実施してまいります。
清掃・リサイクル事業については、本年4月に施行が予定されている「使用済小型電子機器リサイクル法」に基づき、区内21か所に設置した回収ボックスで拠点回収を行うことで、5Rの一層の推進を図ってまいります。

【「未来を担うこどもを育むまち」について】
次に、「未来を担うこどもを育むまち」についてであります。
保育サービスの充実を図るため、現在延長保育を実施している区立保育園20園全園を対象に、保護者の急な残業等に対応できるよう、新たな制度として、4月からスポット延長保育を実施いたします。
子育て家庭への支援では、新たに「家庭訪問型子育て支援」に取り組みます。この事業は、育児に不慣れで悩みを抱えがちな保護者のお宅に、ボランティアが訪問し、悩みを伺いながら元気づけるもので、子育ての悩みをうちあけられずに孤立しているお母さん方を中心に支援を行うものであります。これまで区内で、民間有志の方々が自主的に活動してこられた事業を、区民協働事業として新たに実施するもので、保健所や子ども家庭支援センターなどの関係機関と、より一層の連携強化を図ってまいります。
また、児童虐待への取り組みとして、平成19年に発行した「虐待防止マニュアル」を改訂するとともに、「子育てハンドブック」にモバイル機能との連携を新たに加え、改訂してまいります。
なお、昨年、法律が制定された「子ども・子育て新システム」については、国の動向を注視しながら、区民の皆様に混乱が生じることのないよう進めてまいります。
教育分野については、江東区で学ぶこどもたちのために、本区の教育振興基本計画である「教育推進プラン・江東」に基づき、どの子も伸ばす教育施策を総合的に推進してまいります。
すべてのこどもたちに身に付けさせたい「こうとう学びスタンダード」の取り組みが、全校で始まります。「学び方」「算数」「体力」の各スタンダードをもとに、江東区のこどもたちの学力・体力を向上させます。
また、いじめ・不登校の早期発見・対応を目指し、スクールカウンセラーの配置拡充を図るなど、教育相談体制の充実を図ってまいります。
さらに、登下校中における痛ましい事故が各地で相次いだことから、通学路の安全対策として、道路管理者、警察、教育委員会、学校関係者が合同で通学路の緊急点検を実施いたしました。今後は、関係機関と連携し、危険箇所に応じた安全対策を行い、児童の安全確保に努めてまいります。

「区民の力で築く元気に輝くまち」について

次に、「区民の力で築く元気に輝くまち」についてであります。
中小企業対策では、展示会出展費用や環境認証取得費用等の助成を拡充し、中小企業の販路開拓の支援を図るとともに、商店街活性化のための各種補助事業を効果的に展開してまいります。
なお、商工業の実態を把握し、新たな施策展開を図るため、来年度は、区内産業の実態調査を実施いたします。
また、就労対策として、中小企業と若年者を結びつける中小企業若者就労マッチング事業の更なる充実を図り、中小企業における若手人材確保の支援を行ってまいります。
さらに、消費者関連事業については、各世代に応じた有益な情報を発信していくなど、消費者教育を積極的に推進してまいります。
スポーツ分野では、「スポーツ祭東京2013」の開催にあたり、本区で実施される4競技の円滑な運営を目指すとともに、大会開催を通じて、一層のスポーツ振興と地域の連帯感醸成が図れるよう、区民、関係団体と一体となって、取り組んでまいります。
また、図書館機能の強化として、来年度から、ICタグに対応したIC図書館システムを導入し、図書資料の無断持ち出し防止対策を図るほか、貸出手続の簡素化やプライバシー保護など、利用者サービスのより一層の向上を目指してまいります。
男女共同参画社会の実現については、「男女共同参画KOTOプラン」の江東区配偶者暴力対策基本計画に基づき、配偶者暴力相談支援センターの機能の整備を行い、DV被害者の支援を充実させます。
観光振興については、昨年の東京ゲートブリッジや東京スカイツリーといった新観光名所の誕生で、観光による地域活性化への期待が高まるなか、「水彩都市・江東」の地域特性を生かした舟運観光や文化観光ガイドなど、これまでも人気が高い「江東区ならでは」の観光メニューの更なる充実を図ってまいります。加えて、新たに発足する江東区観光協会と歩調を合わせた観光推進体制を構築し、区全体の観光振興を積極的に進めてまいります。

「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」について

次に、「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」についてであります。
健康づくりを総合的に推進する取り組みとして、新たに「健康増進計画・食育推進計画」を策定いたします。新計画の目標は、国や東京都の健康課題を区の実情に合わせるとともに、区の行っている健康診査・検診・各種相談、健康センターでの健康増進事業などに関連づけて、具体的に実現可能なものを設定いたします。
次に、区民の健康を守る取り組みとして、各種がん検診を実施しておりますが、受益者負担の適正化及び今後の事業展開を見据えて、これまでの乳がん・前立腺がんに加え、全てのがん検診事業に利用者一部負担金を導入いたします。なお、一部負担金については、受診率の低下を招かず、かつ区民の理解を得られやすい金額とするため、検診単価の1割相当とするとともに、新たに減免など低所得者対策も図ってまいります。
食の安全確保については、区独自に導入した測定器による放射性物質の検査や腸管出血性大腸菌による食中毒の予防対策などを実施してまいります。
高齢者施策では、今年度から平成26年度までの「高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」の基本理念に掲げる「ともに支えあい、健やかに生き生きと暮らせる地域社会の実現」を目指して施策の充実・強化を図ってまいります。
まず、地域包括ケアシステムの構築に向け、地域包括支援センターをその中核として、地域密着型サービス、居宅介護支援事業者などの介護部門と、病院、訪問看護ステーションやかかりつけ医など医療部門との連携を図り、介護を必要とする高齢者とその家族支援を強化してまいります。
本年度中に深川南圏域に8か所目の地域包括支援センターを開設し、高齢者の総合相談窓口の拡充を図るとともに、地域包括支援センターに併設する在宅介護支援センターを一体化することで、高齢者にわかりやすく、利用しやすい施設となるよう努めてまいります。
また、認知症の高齢者とその家族支援のため、医療介護連携の体制づくりをさらに進めるとともに、判断能力が十分でない人が地域で安心して生活していけるよう権利擁護推進事業の促進に引き続き努めてまいります。
福祉人材の確保・定着では、ハローワーク木場との連携を強め、福祉のしごと相談・面接会での人材の確保を図るとともに、介護従事者向けの研修を区が主催し、人材の育成、定着、支援に取り組んでまいります。
障害者福祉の分野では、新たな取り組みとして、障害のある方々に対し、災害時や緊急時に備え、緊急連絡先や必要な支援内容が記載された「ヘルプカード」を都のガイドラインに沿って作成し、配布いたします。
また、障害者虐待防止法に基づき設置した江東区障害者虐待防止センターにおいて、虐待に関する相談や通報への迅速な対応、虐待防止に関する広報に努めてまいります。
さらに、地震による迅速な避難が困難な高齢者や重度障害者のため、住宅の倒壊から身を守る方策として、防災ベッドの設置に対して、費用の一部を助成する制度を新たに開始し、その事業効果を検証してまいります。
また、区民生活の最後のセーフティネットである生活保護制度の適切・適正な運用により、最低生活の保障を図るとともに、自立への支援を積極的に実施してまいります。

「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」について

次に、「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」についてであります。
景観形成については、亀戸及び深川門前仲町地区内に、新たな景観重点地区を指定いたします。来年度は、こどもを対象とした景観フォトコンテスト等を実施し、景観重点地区のPRや景観形成に向けた意識・機運の醸成をすすめ、より魅力のあるまちづくりに向け、区民の皆様の自主的な取り組みを誘導してまいります。
また、豊洲埠頭を環境先端拠点として位置づけ、「豊洲グリーン・エコアイランド構想」の具現化を引続き積極的に進めてまいります。この具体的施策の一つとして、都内最大規模の試みとなる「コミュニティサイクル」の実証実験を、昨年11月より開始したところであり、順調に利用者数を伸ばしております。今後、区民の皆様はもとより、江東区を訪れた観光客の方々などにも、利用しやすい運営を目指しながら、本格実施に向けての検討を鋭意進めてまいります。
また、住宅施策については、昨年、江東区居住支援協議会の事業として開設した、高齢者世帯への民間賃貸住宅情報提供窓口において、住宅あっせん、契約成立件数ともに着実に成果を上げております。今後も住宅・福祉部門の連携強化を図り、不動産事業者や住宅貸主への一層の事業周知を行うなど、高齢者等で住宅確保に特に配慮を要する方への居住支援に努めてまいります。
都市計画道路の整備については、引き続き、補助115号線の用地取得を目指すとともに、横十間川等、周辺環境との質の高い空間を創出するため、東京都との協議を進めてまいります。
無電柱化については、道路環境の総合的な改善を図る観点から、引き続き、亀戸香取勝運商店街及び昭和大学江東豊洲病院の整備に合わせ、計画的に進めてまいります。
橋梁の改修については、江東区橋梁長寿命化修繕計画に基づき、コスト縮減を図りつつ、計画的な橋梁の架替・修繕を進めてまいります。来年度は、平野橋の架替に着手いたします。
自転車対策については、豊洲駅前広場の地下空間を活用し、2,000台収容の自転車駐車場の建設に着手いたします。
また、自転車走行空間のネットワークに向け、東京都とも連携を図りながら、自転車利用環境の整備に努めるとともに、自転車走行ルールやマナーの更なる向上、自転車事故の防止に向けた取り組みを強めてまいります。
安全・安心への取り組みでは、安全・安心パトロール団体の支援体制や江東区パトロールカーによるパトロール活動を一層強化し、地域と連携した取り組みを進めてまいります。

長期計画の実現に向けての取り組み

最後に、長期計画の実現に向けての取り組みについてであります。
地域で活動する団体と区が協力して、地域の課題解決にあたる協働の取り組みが重要でありますが、東日本大震災以降、あらためて地域の力の大きさを認識いたしております。協働の取り組みを、なお一層推進するため、コミュニティ活動支援サイトの充実や、新たに採択した「家庭訪問型子育て支援事業」を着実に実施するとともに、市民活動団体と行政との仲介となる「中間支援組織」について、検討を進めてまいります。
行財政運営にあたっては、引き続き、「江東区行財政改革計画」を着実に推進しつつ、外部評価を活用した事業見直しや、新たな施策の創出などを通し、長期計画の着実な推進を図ってまいります。
また、安定的な財政基盤の確立に向け、来年度から、区民税等に新たな収納方法を導入し、収納機会の拡大を図ってまいります。
以上、本区が直面する課題について、長期計画の展開に沿って、所信の一端を申し述べました。

2020年オリンピック・パラリンピック招致について

さて、2020年オリンピック・パラリンピック招致につきましては、いよいよ本年9月7日に開催されるIOC総会で開催都市が決定されます。
東京におけるオリンピック・パラリンピックの開催は、スポーツ振興や国際親善につながるばかりでなく、東日本大震災への復興支援に感謝を示す絶好の機会となるものであります。
そして、なにより、ロンドンオリンピック・パラリンピックでも証明されたように、スポーツには、人々に、大きな感動や夢をもたらす力があります。私は、次世代を担うこども達に、こうした感動を是非、間近で体験し、夢や希望をもってもらいたいと願っております。
区民の皆様やオリンピック・パラリンピック招致議員連盟、区内事業者をはじめとする関係者のご協力により、開催機運を一層盛り上げ、東京招致のために全力を尽くしてまいります。

私は、基本構想に掲げる世界に誇れるまち、未来のこどもたちに美しいまちを残すため、48万区民の信頼と負託に、意欲とスピードと思いやりを持って応え、区政運営にまい進してまいります。より一層の議員各位のご理解、ご協力をお願いするしだいであります。
なお、本定例会には、平成25年度当初予算及び平成24年度補正予算をはじめ、契約案、条例案あわせて39件を提案いたしております。
よろしくご審議の程お願い申し上げまして、私の所信表明といたします。

お問い合わせ

政策経営部 企画課 企画担当(庶務) 窓口:区役所4階1番

郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

電話番号:03-3647-9167

ファックス:03-3699-8771

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