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更新日:2017年5月4日

平成29年度予算案プレス発表(平成29年2月2日開催)

平成29年度予算の編成方針・概要

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催まで3年あまりとなりました。多くの競技会場が整備され世界中から注目を集める本区は、魅力あふれるまちとして、さらなる発展を目指してまいります。また、本区特有の人口増加を要因とする学校収容対策や保育待機児童の解消をはじめ、防災対策、子育て・高齢者及び障害者支援など、区政各般にわたり施策を図ることはもちろん、平成29年度も新たな施策を積極的に予算化いたしました。

予算案の具体的な内容説明に入ります前に、本区の区政運営、そして区のまちづくりに極めて大きな影響を及ぼす2つの重要課題について、お話しいたします。

まずは、築地市場の豊洲移転整備についてであります。都知事の「安全性への懸念」等を理由とした豊洲への移転延期の方針決定以降、本区は都における検証作業の動向を注視してきたところであります。先日、地下水モニタリングの最終調査結果が公表され、全201の調査箇所のうち、3割を超える72か所から環境基準を上回る有害物質が検出されました。この結果は暫定値であるものの、公表されたことに伴い、多くの区民の不安が高まっており、豊洲地区全体に風評被害が及ぶ恐れがあることを大変危惧しております。本区としては、長年にわたる都区間の協議において、土壌汚染問題を最重要課題として、徹底した対策を求めてきたところです。今回の調査結果をふまえ、都に対して、第一に区民の不安を払拭すべく、速やかに原因究明を行うとともに、万全な安全対策を講じることを改めて求めてまいります。また、こうした取組みを通じて、豊洲への移転を決断する場合には、都知事の責任において安全宣言をおこなうことがなければ、市場の安全・安心は担保されたものとは捉えられず、本区は受け入れることができないものと認識しております。

次に中央防波堤埋立地の帰属についてであります。本帰属問題の解決に向けて、昨年4月から大田区との協議を再開させ、これまで協議を重ねているところです。これまでの間、双方の主張内容を確認した上で、反論・反駁(はんばく)を行い、理解を深め、論点の整理を行っているとの報告を受けています。一方で昨年末、本埋立地に整備予定の海の森水上競技場が東京オリンピック・パラリンピックの舞台となることが正式決定いたしました。円滑な競技会場の整備・運営はもとより、大会終了後の土地利用を見据えると、オリンピック・パラリンピック開催前までには本件を解決しておく必要があります。

 

平成29年度当初予算案について説明する山﨑区長

平成29年度予算案について説明する山﨑区長

続いて、平成29年度予算案の概要を説明いたします。
平成29年度予算につきましては、チャレンジスピリットをもって夢の実現に向けて新たな施策を打ち出し、区民とともに前進していくため「夢へカウントダウン 新たなステージへのチャレンジ予算」としました。

一般会計の当初予算規模は、1,996億4,200万円で、前年度比、5.8%増となっております。一般会計と国民健康保険・介護保険・後期高齢者医療の3つの特別会計を合わせた総予算規模は、3,033億6,900億円で、前年度比4.7%の増となり、総予算規模において区政史上初の3千億円台の予算規模となっております。
以上の結果、「新たな取り組み」48件、「事業の拡充」33件の事業を予算に反映することができました。主な事業を5つの分野、「防災・まちづくり」「子育て・教育」「健康・福祉」「緑・環境」「産業・生活」にまとめております。私からは、13の事業についてご紹介いたします。

防災・まちづくり

最初は、防災・まちづくりの分野から、2つ紹介します。
1つ目は「公共サイン統一化に向けたガイドラインを作成」です。区内では、公共施設や観光施設に案内誘導するサインや住居表示案内板などの公共サインを約630か所に設置しています。今回、公共サイン統一化に向け、ガイドラインを作成するとともに、効果的な配置箇所を検討して整備を進めてまいります。区民や国内外から本区を訪れる人にとって分かりやすいサインに再整備することで、区内の案内誘導を適切に行うとともに、景観に統一性をもたせます。公共サインの統一化を図ることで、東京2020オリンピック・パラリンピック開催時だけではなく、外国人をはじめ江東区を訪れる人が安心して区内を歩くことができるように、多言語の対応や多機能化を図り、利用者に分かりやすいサインを整備してまいります。

2つ目は「不燃化特区に防災に資する公園を整備」です。区には、密集市街地のうち大地震等が発生した際に、特に大きな被害が想定される地域として、北砂三・四・五丁目地区が、東京都の「不燃化特区」に指定されています。この地区は、延焼被害対策としてのオープンスペースの確保や消防活動を円滑にする防火水槽などの防災施設の設置・検討が求められています。そのため、居住環境の向上はもとより防災力を高めることを目的として、旧小名木川保育園跡地に公園を整備するものです。今回の公園整備にあたっては、まちづくり協議会をはじめとした住民によるワークショップを開催するなど、地域とともに防災に資する公園づくりを進めてまいります。

子育て・教育

子育て・教育の分野からは、4項目です。
1つ目は「認可保育所の整備を計画」です。区の乳幼児人口は増加を続けていますが、保育需要に迅速に対処するため、民設民営による認可保育所の整備などにより、1,000人を超える定員の増を図ります。私が区長に就任後、平成28年4月までの間、新たに99か所の保育所を開設し、定員についても6,111人の定員増を図りました。平成28年度においても積極的な施設整備に取り組んできた結果、今年4月には首都高速道路株式会社の協力を得て、深川地区の冬木に定員200人の保育所を整備するなど、認可保育所の定員について、新たに1,000人を超える増を図ることができました。さらに平成30年4月に向けては、国家戦略特区制度を活用し、都立木場公園内に定員130人規模の認可保育所を整備する予定です。

都立木場公園内保育所 完成イメージ

都立木場公園内保育所 完成イメージ

2つ目は「(仮称)有明北3-1街区 認定こども園を整備」です。南部地域における年少人口増加に伴う幼児教育・保育需要の増に対応するため、平成32年度の開園に向け、有明二丁目の有明北3-1街区内に私立の幼保連携型認定こども園を整備します。有明にキャンパスを有する、学校法人武蔵野大学が運営を行い、定員は310人を予定しています。

3つ目は「(仮称)第二有明小・中学校を新設」です。マンション等が急増する有明地区に、現在、工事を進めています新設校の(仮称)第二有明小学校及び中学校ですが、区内初となる小中一貫校として平成30年4月に開校いたします。平成23年度に有明小・中学校を新設し、施設一体型校舎での連携教育を実施して一定の効果が実証され、さらに大きな成果が期待できる新たな制度として小中一貫教育を導入し、こども達の健全な育成に努めてまいります。区の地場産業である木材を可能な範囲で使用する「江東区らしい学校施設」とするため、内装・外装に木材を使用することに加えて、区としては初の試みとして、建物の主要構造部に木材を使用する木構造が特徴です。

4つ目は「江東区独自のオリンピック・パラリンピック教育を推進」です。これは「江東区オリンピック・パラリンピック教育推進計画」に基づく独自の教育活動を実施するもので、事業内容としては部活動で頑張る中学生の夢を応援するために「部活動☆夢応援プロジェクト」として、オリンピアン・パラリンピアンやその道の専門家等を部活動に招き、生徒が直接指導を受けます。また、小学5年生・6年生が、オリンピックやパラリンピックについて一人ひとりが考え、行動して学べる設備がある有明の「パナソニックセンター東京」で、オリンピック・パラリンピックや世界の国々について学習するとともに、区内の競技会場予定地をバスで巡ります。

健康・福祉

健康・福祉の分野からは、4項目です。
1つ目は「青少年期の悩みに対応するワンストップ相談窓口を設置」です。専門相談員が、ひきこもりや不登校、人間関係などの青少年期の悩みに幅広く対応するワンストップ相談窓口を設置します。相談は、区役所や平成29年4月にリニューアルオープンする「青少年交流プラザ」などで毎週3回実施します。

2つ目は「区内21か所にある地域包括支援センターを開設」です。高齢者がすこやかに暮らすためのあらゆる相談に対応する地域の総合相談窓口である「地域包括支援センター」が区内には12か所ありますが、これを今年4月に21か所まで拡充し、高齢者5,000人に対して1センターを配置する、23区でもトップクラスの相談支援体制とします。高齢者が住み慣れた江東区で安心して暮らし続けられるよう、地域包括支援センターの体制を早期に確立します。

3つ目は「区内介護事業所等への就労を支援」です。区内介護事業所へ就労した方に、3万円の就労準備金を支給します。さらに、就労後、介護職員初任者研修を受講した方には、対象者が負担した受講費用の9割、または7万円のうち、いずれか低い額を助成します。介護従事者確保支援として就労へのきっかけを与え、さらに無資格者等が介護職員初任者研修を受講してスキルアップすることで、就労意欲を高め、介護人材育成と定着化を図ってまいります。

4つ目は「障害者・高齢者施設に非常通報装置等の設置費用を補助」です。区内の障害者・高齢者施設に対し、非常通報装置や防犯カメラの設置等の安全対策に要する費用について補助を行います。昨年7月に発生した神奈川県相模原市の障害者施設における殺傷事件を踏まえ、あらためて障害者・高齢者施設における利用者の安全の確保を図るものです。

緑・環境

緑・環境の分野では「東京五輪会場周辺の区道に遮熱性舗装を実施」です。東京2020大会の会場周辺の区道において環境対策型舗装の一種である遮熱性舗装を整備します。遮熱性舗装は、路面温度の上昇を約10度抑制できるもので、夏に開催される東京大会の暑さ対策として車道に遮熱性舗装を実施し、観客等へより快適な歩行空間を提供します。整備地区は、潮見・辰巳・東雲・有明地区の延長約4キロとなります。

産業・生活

産業・生活の分野からは2項目です。
1つ目は「カウントダウンイベントを実施、カウントダウンパネルを設置」です。今年10月28日は、東京2020オリンピック競技大会開幕の1,000日前にあたります。10月28日と29日の土曜日・日曜日に開催する「江東区民まつり中央まつり」で、カウントダウンイベントを開催します。予定しているイベントは、オリンピアン・パラリンピアンのトークショーや握手会のほか、カウントダウンにあわせて、オープニングパレード参加者1,000人が一斉に風船を飛ばすなどのイベントで盛り上げます。また、カウントダウンパネルを区役所本庁舎ほか区内各所に設置し、東京2020大会開催に向けて、オリンピック開幕の1,000日前からカウントダウンをスタートします。

派遣先で現地の方と交流(イメージ)

派遣先で現地の方と交流(イメージ)

最後は「高校生ジュニアリーダーを海外のボランティア先進都市に派遣」です。東京2020大会でのボランティアを養成するため、高校生のジュニアリーダーを海外に派遣し、ホームステイやボランティア活動、キャンプ活動などを体験してもらいます。ボランティア先進都市であるアメリカのポートランドにおいて、ホームステイやボランティア活動などを通じ、国際感覚を養い、ボランティア意識やコミュニケーション能力の向上などを目指します。

平成29年度に向けて

平成29年度江東区予算案の主な事業の説明は以上となります。東京2020大会に向け、江東区は今、未来に向けて大きく飛躍する千載一遇のチャンスを迎えています。「SPORTS & SUPPORTS KOTO City in TOKYO スポーツと人情が熱いまち 江東区」をブランドコンセプトに、区のアピールとイメージアップを目指し、平成29年度はギアをトップに上げて、積極的な施策展開を推し進めてまいります。

質疑応答

(記者)
区内で初めての小中一貫教育について、公立でつくる意義について教えてください。
(区長)
小1プロブレムや中1ギャップなど、いろいろな問題があります。そのようなことを乗り越えていくには、小中一貫の学校の良さというものも評価しております。なかなか小中一貫をやろうとしても、今まで校舎は全て別々でした。そのような意味で今回、小中が一つ校庭・建物ということになりますので、せっかくこのような校舎ができた以上は、一度挑戦してみようと思いました。これをモデルケースとして、この効果を検証して、良ければ取り組んでいこうとなりました。

(記者)
待機児童対策として、定員1,000人増を実現できた理由について教えてください。
(区長)
定員を1,000人増やしたことは、保育担当課の職員が不動産屋さんじゃないけれども、必死になって街中あちこちを見て回って、交渉して歩いて、駆けずり回って、やっと場所を探したり、事業者を探したり、並大抵の苦労ではありませんでしたが、ここまで頑張って1,000人増やしました。

(記者)今後の地下鉄8号線の延伸の実現に向けて、区長の考えを聞かせててください。
(区長)湾岸エリアの今後の発展やその他を考えると、南北交通が必要だと言うことは絶えず言い続けてきました。今まで出した研究から、新たにもう少し詳しく研究・調査を進めて、データを現在出しているところです。これによって、また東京都に働きかけを行います。ただ、築地市場の豊洲移転の受入れの際に、地下鉄8号線の建設を要望したとき、副知事から「東京都も全力でやります。頑張ります」とお言葉をいただいております。なんとか8号線を延伸させたいと思っていまして、当然、私も国土交通省にしても国にしても、東京都に足しげく通って、いろいろな方にお願いをしています。

(記者)豊洲市場関連で、豊洲ぐるり公園など出来上がっていながら使われていない施設について、区長の考えを聞かせててください。
(区長)この前、私も豊洲ぐるり公園を歩いてみましたが、素晴らしい公園です。これをこのまま1年も2年も放っておくのは、それこそ小池都知事がおっしゃる「もったいない」精神に反する。ですから、一日も早く豊洲市場とは別に、公園の移管をしてほしいと現在申し入れているところです。豊洲市場の街区に引っかかる部分もあるので非常に難しいでしょうが、早く開放してあげたいと思っています。これから東京都としっかりと話を進めていきたいです。豊洲市場と別立てでやってもらわないと、それこそもったいないです。

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郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

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ファックス:03-5634-7538

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