10月24・25日「教育長の学校日記」
「時を越え芭蕉と句会式部の実」
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| ▲久染健夫さんの講演 | ▲「ムラサキシキブ(紫式部)」で一句 |
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| ▲皆さんの句は輝いています! | ▲時を越え、芭蕉も祝う⁈ |
10月24日、土曜日。江東区立中学校俳句部の活動が、深川第七中学校でありました。今日は、江東区在住で、江戸・東京郷土史研究者であり、本区の深川江戸資料館や中川船番所資料館でも勤務経験のある、久染健夫さんが、「松尾芭蕉が暮らした深川とその時代」と題して講演をしてくださるということで、私も馳せ参じました。
松尾芭蕉が、深川に居を構え活躍されたことは、ご存じの方が多いと思います。松尾芭蕉は、寛永21年(1644年)の生まれですので、令和7年(2025年)に生きていれば、381歳ということになります。久染さんの話では、伊賀国(三重県)で生まれた芭蕉は、1680年に深川に移り住んだそうです。36歳の頃です。1682年には火災で芭蕉庵が焼けてしまいますが、翌年に門人により深川芭蕉庵が再建され、再び深川に戻ることになります。有名な「古池や蛙飛びこむ水の音」は、1683年に深川の地で詠まれた句ですから、芭蕉が深川に戻ることがなかったら、この句も生まれていなかったかもしれません。今日の久染さんの講演では、当時の江戸や深川の地図を見せていただきながら、徳川家康が江戸を開いた話、小名木川や江東区の当時の姿など、とても興味深い話ばかりでした。まるでNHKの「ブラタモリ」を間近で見ているようでした。俳句部の生徒たちにとっても、学ぶことが多かったと思いますし、松尾芭蕉をさらに身近に感じることができたのではないでしょうか。
俳句部は、江東区立中学校・義務教育学校後期課程に在籍していれば、誰でも参加することができます。毎月1回、土曜日に深川七中を拠点として活動しています。猿江恩賜公園へ吟行に行くこともあります。今日は、久染さんの講演の前には、俳句講師の先生が持ってきてくださったムラサキシキブ(紫式部)を見ながら句を詠み、句会も行いました。俳句部は常時部員を募集しておりますので、各校で先生にお伝えいただくか、教育支援課までご連絡ください(03-3647-9307)。
10月25日、日曜日。芭蕉記念館で、第24回深川芭蕉小中学生俳句大会の表彰式が行われました。芭蕉が活躍した深川ならではの歴史ある俳句大会で、今年から投句を小学3年生以上にしたにも関わらず、2万を超える投句がありました。入賞した句は、どれも素晴らしいものばかりでしたが、ここでは大賞受賞句のみを紹介します。
≪芭蕉大賞≫ 第五砂町小3年「じいちゃんとはたけでえらぶなすの牛」
深川三中3年 「宵祭はじける泡の如きもの」
<江東区長賞> 有明小3年 「夏休みはじまってからねむくない」
東陽中2年 「言えぬまま風鈴の音風の中」
<教育委員会賞>豊洲小3年 「バスの中桜の花びらついてくる」
深川五中3年 「朝顔に負けじと開く参考書」
<芭蕉記念館賞>第二亀戸小4年「はまらないジグソウパズル若葉雨」
東陽中3年 「袖先をぎゅっとにぎった初浴衣」
<深川神明宮賞>第二大島小4年「おのみちの海辺のかいだんカニだらけ」
深川四中3年 「産声と共にきこえる遠花火」
<青年会議所賞>第一亀戸小4年「ぞうさんが鼻をぶんぶん梅雨晴れ間」
深川五中3年 「数学の座標に一つ汗の跡」
芭蕉記念館での表彰式。会場に笑顔の松尾芭蕉がいるように感じた瞬間がありました。江東区立小・中学校、義務教育学校、約33500人のすべてのこどもたちが授業で俳句に取り組み、これだけ素晴らしい句を詠んでいることに、381歳の松尾芭蕉は何と言うでしょうか。令和の名句で思いを述べてくれるかもしれませんね。大賞以外にも、優秀賞や佳作等、多くのこどもたちの句が表彰されています。皆さん、おめでとうございます!これからも、たくさん俳句を作ってくださいね!
江東区教育委員会教育長本多健一朗
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