令和5年5月11日号（こうとう区報）テキスト版1面

「みんなでつくる伝統、未来　水彩都市・江東」づくりに邁まい進した　山﨑孝明　前江東区長　逝去

山﨑区長2023051101

山﨑孝明前江東区長（79歳）が、区長在任中の令和5年4月12日に亡くなりました。

山﨑前区長は、南砂に生まれ育ち、江東区議会議員2期、東京都議会議員5期を経て平成19年4月に第五代の区長として就任以来4期16年にわたり、江東区の発展のためにご尽力されました。

区長在任中には、「意欲・スピード・思いやり」をモットーに常に区政の最前線に立って、様々な懸案事項に取り組まれました。

とりわけ、区にとって画期となった東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催にあたっては、多数の競技会場を有する自治体の長として、強力なリーダーシップを発揮し、大会後も、夢の島総合運動場におけるスケートボードパークの整備やパラリンピアンによる「心の教育授業」、有明アリーナにおける小学生ボッチャ大会など、ハード・ソフト両面からオリンピック・パラリンピックのレガシー継承に取り組まれました。

また、半世紀にわたる大きな課題であった「中央防波堤埋立地の帰属問題」では、その約8割を本区に帰属させました。さらに、「地下鉄8号線の延伸」についても、2030年代半ばの開業を目指すとともに、沿線のみならず全区にその効果を波及すべく新たなまちづくりの取り組みが進められており、今後の区の発展に大きな道筋をつける多大な功績を挙げられました。

そして、平成23年3月11日に発生した東日本大震災の際には、区内へ避難された被災者の方々に常に寄り添い、心身を支えるための様々な支援を行いました。

この他にも、保育待機児童の解消など子育て環境の改善や、昭和大学江東豊洲病院の開院、各種高齢者・障害者施設の整備、CITY IN THE GREEN（みどりの中の都市）の推進やゼロカーボンシティ江東区への取り組み、有明西学園をはじめとする小中学校等の教育環境の充実や教育におけるICT化の促進などあらゆる施策を講じ、区民生活の向上に心血を注がれました。

こうして江東区長としての職責を果たされる中、令和元年度には、東京23区の区長で構成する特別区長会会長に就任され、今年度から各区で実施となる所得制限なし・自己負担なしでの高校生相当までの医療費無償化を取りまとめるなど、本区のみならず、特別区全体の住民福祉の向上にも全力で取り組まれました。

他方、令和2年以降は、これまでおよそ3年間にわたり、新型コロナウイルス感染症との闘いを余儀なくされ、区政運営においても大きな制約を強いられることとなりました。

このような厳しい状況にあっても、山﨑前区長は、不屈の闘志をもって危機対応にあたり、全庁一丸となった感染症対策やワクチンの早期接種を促進するための様々な方策を講じられました。

また、山﨑前区長は、長引くコロナ禍が地域コミュニティの希薄化をもたらし、様々な分野に影響を及ぼしていることを憂慮していました。

日頃からの地域における様々な結びつきが、まちの活気をもたらし、また、災害時の助け合いなど、地域の課題を解決する際欠かせない大きな力となることから、感染症対策と両立しながら、その活性化を図っていくことを目指していました。

山﨑前区長は、昔から下町ならではの「人情とおせっかい」が息づくまち、「スポーツと人情が熱いまち　江東区」そして、区長在任の折、区民・区議全ての皆さんと共に策定した基本構想に掲げる「みんなでつくる伝統、未来　水彩都市・江東」の実現に向け邁まい進してこられました。

山﨑前区長は、江東区を、未来を担うこどもたちにも胸を張って誇ることができるまちとすることを自らの原動力とし、その実現に向け、生涯をかけて取り組まれました。

ここに謹んで区民の皆さまにお知らせいたします。

海の森202051101
中央防波堤埋立地の帰属問題を終結させ、「海の森」が誕生