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更新日:2023年1月1日

令和5年新年特集号(1月1日)(こうとう区報)テキスト版2・3面

 山﨑区長新春対談 東京メトロ代表取締役社長 山村明義さんを迎えて

区報令和5年新春特集号2・3面メイン
 

区報令和5年新年特集号2・3面山村社長写真

やまむら あきよしさん

1958年生まれ静岡県出身。1980年に大学を卒業後、帝都高速度交通営団(現在の東京メトロ)に入り、人事部人事課長や鉄道本部鉄道統括部長などを経て、2011年から取締役、2015年6月から専務、2017年6月から代表取締役社長。




区報令和5年新春特集号2・3面東京メトロロゴ

〈会社概要〉

正式名称は東京地下鉄株式会社。東京都心部を中心に地下鉄を運営していた特殊法人「帝都高速度交通営団」(営団地下鉄)が2004年に民営化して設立。

土木の大切さ

司会 本日は、東京メトロ代表取締役社長の山村明義社長をお招きしました。よろしくお願いいたします。

山村明義社長(以下、山村) よろしくお願いいたします。

司会 早速ですが、山村社長のこれまでの鉄道人生の中で、特に印象深い思い出はありますか。

区報令和5年新年特集号2・3面山村社長本文中写真

山村 私は、こどもの頃に見た映画「黒部の太陽」に大変感銘を受け、大きなトンネル工事をやってみたいと思い、土木の道を志して大学で学びました。東京メトロに入社後は、トンネル工事の仕事ではありませんが、メインテナンスの仕事を使命感と誇りを持って務めてきました。印象に残る出来事は、団塊世代の大量退職です。経験のある社員が少なくなり、技術力の継承が大きな課題となりました。そこで、江東区新木場に総合研修訓練センターを設け、地下鉄の営業線とほぼ同じ施設を使用し、社員がいつでも失敗を恐れず、本番さながらの経験ができるようにしています。

区長 私が座右の書にしている「国土学事始め」という本があります。政治家や行政マンにとって、非常にためになる本です。例えば、戦国武将は自分の領土を守るために、大土木事業を成し遂げてきましたよね。これは、現在のような災害がいつ起きるかわからないときに、土木という仕事がいかに大事かということを示唆しています。土木の道を志したという話を聞いてうれしくなりましたね。

山村 土木工学は英語ではシビルエンジニアリングといいまして、市民の生活というか、社会の基盤を作る仕事だと思いますので、人々の暮らしに役に立つということが当社の基本にあると思います。

区長 東京メトロさんは地下を縦横に走り回っていますが、地下を掘るという苦労は、皆さんわからないですよね。

山村 今までの新線建設において、特に軟弱地盤では水との戦いや土の崩落との戦いなど、大変な試練を乗り越えています。今度の新線建設においても、ルート上は軟弱地盤になっており、これまでの新線建設で培った技術や経験を活かして挑戦することになると思います。地盤改良をしたり、シールドマシンで地盤の崩落を防ぎながら掘り進めたりと、さまざまな技術を駆使し周辺環境に配慮しながら安全に工事を進めていきます。

地下鉄8号線延伸の開業に向けて

地下鉄8号線整備予定区間           

区報令和5年1月1日号2面・整備予定区間司会 令和4年3月に、地下鉄8号線の延伸事業について、国土交通大臣から東京メトロに対して許可が下りました。江東区にとっては長年の悲願だったと思いますが、開業に向けた山村社長の意気込み、思いを聞かせてください。

山村 3月に事業許可をいただき、8月に都市計画素案の住民説明会を開催しましたが、区民の皆さんの地下鉄に対する非常に高い期待を感じることができました。現在は、工事計画を作るために、各インフラ埋造物の試掘調査や、トンネル構造物の設計などを進めています。

司会 非常に高い期待が寄せられていると思いますが、大体いつごろ開業予定でしょうか。

山村 2030年代半ばを目標に、着々と準備を進めています。

司会 区長はこの延伸事業の許可が下りたということを聞いた時、どのような気持ちでしたか。

区長 それは本当にうれしかったですね。半世紀にわたって江東区もいろいろな運動を続けてきましたし、区民の皆さんも期待をしてきたわけですから。

山村 清澄白河駅ができて、古民家カフェなどいろいろなものが集まってきました。新しい駅にはいろいろな人やビジネス、経験の場を引きつける要素があると思います。まちづくりの方とも連携しながら、区民の皆さんの期待に応えていきたいと思っています。

区長 清澄白河駅ができて、あの地域は大きく変わりましたね。また振り返ってみると、東西線ができた頃、私は大学生でしたが、門前仲町や東陽町、南砂町にしても、大きくまちの活性化が図られました。

山村 東京には鉄道がまちをつくってきた歴史があります。鉄道ができ、駅ができ、まちができ、そして暮らしができ、ビジネスができ、という発展をしてきています。

区長 鉄道各社が苦労しながら作り上げてきた鉄道網が、東京の今日を作り上げている。世界中で地下鉄は走っていますが、東京ほど細かく走っている都市はないと思います。

山村 そうですね。東京メトロも東京23区エリアを中心に、びっしりとネットワークを張り巡らせています。総路線距離は195キロで180の駅があり、郊外と相互直通運転をしていますので、合計約550キロの壮大なネットワークを構成し、人々の暮らしやビジネスを支えていると思います。

区長 生活が便利で快適ということは、鉄道各社の苦労の上に成り立っていると思いますね。

山村 ありがとうございます。

沿線まちづくり構想の策定に向けて

区報令和5年新年特集号2・3面ワークショップ
将来のまちづくりを話し合いました(ワークショップ)

司会 江東区も沿線まちづくり構想の策定に取り組んでいるところですが、新しい駅について、山村社長はどのように考えていらっしゃいますか。

山村 新しい駅を作ると、駅の周辺にいろいろな人がビジネスや暮らしで集まってきます。「駅まち一体開発」により、皆さんにとって住みやすい、暮らしやすいまちづくりに地下鉄がお役に立てるようにしていきたいと思っています。

司会 江東区としてはまちづくり構想の策定に向けてどのような取り組みをしていますか。

区長 ワークショップなどを開いて区民の皆さんの声を聞き、それを沿線まちづくり構想にどう生かしていくか、検討しているところです。私もいろいろなイベントに行って、まちづくりの意見をたくさんいただきました。皆さん、期待をふくらませながら、まちづくりを考えてくださっています。

区報令和5年新年特集号2・3面メイン夢まちトーク
たくさんのご意見をいただきました(地下鉄8(エイト)夢まちトーク!)

司会 地下鉄8号線の延伸のほかにも、東京メトロと江東区は関わりがたくさんあるそうですね。

山村 区内には、東西線、有楽町線、半蔵門線3路線9駅のほか、総合研修訓練センター、車両基地、社員寮、運動場もあります。また、地元とのつながりもあり、深川親子地蔵尊に東陽町駅の社員が、毎月清掃とお参りを欠かさず行っています。

区長 身近に運動場があって、地元の学校などが利用させていただいてます。区民の皆さんも知られていないところで深いつながりがあることがわかったと思います。

こどもたちをいい子に育てる

区報令和5年新年特集号2・3面小学校出前講座
こどもたちも将来のまちを考えました(小学校出前講座)

司会 鉄道事業だけではなく、アスリートによる教室なども行っているそうですね。

山村 日本サッカー協会と連携した「夢の教室」というものを行っています。実際に夢の実現に近づいたアスリートの方たちに、ルールやチームワークの大切さ、夢に向かって進んでいくことの大切さ、自分が何を好きで何を得意としているかを想像して、そのイメージに近づくためにはどうしたらいいかを学んでもらう場を設けています。

司会 アスリートからのメッセージで、こどもたちに夢を見る大切さを伝えることにも関わっているということですね。

山村 これからの時代を切り拓く、若い人たちの力を引き出すお手伝いができるということは、大変ありがたいことだと思っています。

司会 江東区でもお子さんたちに対しての取り組みをいろいろ行っているそうですが、いくつか教えていただけますか。

区長 それはもう切りがないぐらいあります。区長になってすぐに、海が近いので小中学生のセーリング部を作り、国体出場選手をたくさん輩出してきました。また、川が多いのでカヌー部も作り、去年も世界選手権大会にカヌー部出身の高校生を送り出しました。その他にも、区内に女子サッカー部がなかったので、区内どこの中学校の生徒でも入れる女子サッカー部を作りました。このように、こどもたちがいろいろなスポーツをするチャンスを広げてあげることが、我々大人の仕事です。先日夢の島スケートボードパークをオープンさせましたが、こどもたちを公園から追い出すのではなくて、できる場所を提供することが、大人の対応だと思いますね。

山村 なるほど。おっしゃるとおりです。

司会 小さなお子さんたちが夢を持って元気にがんばっていると、それが私たち大人にも伝わって、まちも元気になっていきますよね。

区長 こどもたちをいい子に育てるのは大人の責任ですよ。みんなでがんばっていい子をつくっていかないといけません。

区報令和5年新年特集号2・3面スケートボードパーク
初心者から楽しめる「夢の島スケートボードパーク」

江東区をより魅力あるまちに

司会 今後の東京メトロの注目してほしい取り組みや、ここに期待してくださいというところを教えてください。

山村 江東区は、まちの魅力や個性が非常に豊かなものがあると思います。東京メトロは、このようなまちの魅力をさらに高めていくことに力を入れていきます。また、地球環境がさまざまな問題を起こす状況になってきていますので、サステナビリティ(持続可能性)への取り組みにも力を入れていきたいと思っています。

司会 江東区も東京メトロの取り組みと一緒に、より魅力のあるまちに発展していけそうですね。

区報令和5年新年特集号2・3面区長本文中写真

区長 そうですね。江東区もゼロカーボンシティの宣言をしまして、地球環境に配慮した政策をこれからも取り入れていきたいと思っています。また、地下鉄8号線の事業許可が下りて、これからいよいよ工事が始まりますが、地下鉄が、まちとまち、人と人をつなぎ、それが地域全体の発展につながっていくことを期待しています。

司会 最後に山村社長から新年の抱負についてお聞かせください。

山村 住民説明会を開催して、区民の皆さんの新線に対する期待の高さを感じました。準備を着々と進めて、江東区や東京都の発展に資するような路線にしていきたいと思っています。引き続き、区民の皆さんと連携して取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

区長 よろしくお願いいたします。

司会 山村社長ありがとうございました。

山村 ありがとうございました。

お問い合わせ

政策経営部 広報広聴課 広報係 窓口:区役所2階22番

郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

電話番号:03-3647-2299

ファックス:03-5634-7538

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