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更新日:2022年1月1日

令和4年新年特集号(1月1日)(こうとう区報)テキスト版2・3面

 山﨑区長新春対談 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長 橋本聖子さんを迎えて

橋本聖子さん

はしもと せいさん

1964年北海道生まれ。スピードスケートでは4回冬季オリンピックに出場し、1992年のアルベールビルオリンピックでは日本人女性初の銅メダルを獲得したほか、自転車競技でも3回オリンピックに出場するなど、「五輪の申し子」、「二刀流アスリート」として大活躍。

現役引退後は、国会議員として精力的に活動し、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣など要職を歴任。昨年2月には、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長に就任し、東京2020大会の開催に尽力した。

みんなでつくりあげた東京2020大会

新春対談メイン写真

司会 本日は、オリンピックの銅メダリストであり、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の橋本聖子さんをお招きしました。よろしくお願いいたします。

橋本聖子会長(以下、橋本) よろしくお願いいたします。

司会 早速ですが、今回の東京2020大会、どのように振り返られますか。

橋本 あっという間に4か月が経ち、江東区の皆さん、そして東京都の皆さんに、大会のレガシーをもっともっと素晴らしいものに作り上げて、そしてどのように継承していただくか、そして発展させていくかということを考える大事な1年を迎えたなというふうに思っています。

司会 区長は、東京大会をどのように振り返りますか。

区長 東京で開かれた2回目のオリンピック・パラリンピックをどうやって将来の日本、東京都、江東区のために活かしていくかが大事なので、これからが勝負です。「面白かったね」で終わってしまうのはもったいない。私たちがどうやって区民の皆さんと一緒に作り上げていくかが大切なことだと思っています。

司会 開催都市として決定してから、江東区としても、多彩な取り組みを行われてきましたが、その取り組みの中で印象に残っていることはありますか。

区長 2013年、東京に決まったときは、みんな大喜びしました。7年後のためにボランティアを集めたり、気運醸成のためにさまざまな競技のイベントを行うなどして盛り上げてきました。ところが、新型コロナウイルスの流行によって、応募いただいた1,800人ものボランティア「江東サポーターズ」の方々の多くが、お手伝いする場所がなく、本当に残念でした。

ブラインドサッカー
ブラインドサッカーを体験するこどもたち

司会 当初思い描いていた大会との関わり方とは違ってしまいましたよね。

区長 学校連携観戦を行うか直前まで迷いに迷って、校長先生や教育委員会と議論し続けました。最後は諦めざるを得ないということで、悔しい思いで決断しました。江東区は競技場が多いので、約3万5,000人のこどもたちが観戦する予定でした。競技場の目の前にある学校に通うこどもたちが、競技場に行って観戦できなかったことは大変辛く、悔しく、悲しいことでした。しかし、こどもたちは大会に向け、花いっぱい運動や各国旗ののぼり旗を作ったり、国旗や国歌などを勉強しました。これはレガシーとして、今後いろいろな形で成果が出てくると考えています。

のぼり旗

区立小学校等で制作した応援メッセージ入りのぼり旗

司会 区長をはじめ、多くの皆さんがさまざまな準備をされてきたと思いますが、そういった自治体やそれらの力というものはどのように感じていますか。

橋本 自治体の皆さん、ボランティアの皆さん、そしてこどもたちの協力があって、この大会をやり遂げることができました。本当に感謝しています。特に、江東区は競技会場が一番多かった場所でもあり、レガシーが詰まっていると思います。思い出に残っているのはアサガオ(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が実施した「フラワーレーンプロジェクト」。競技会場の入口等をこどもたちが育てたアサガオの鉢で彩ったもの。)ですね。こどもたちが選手や監督などすべての方をまず最初に受け入れてくれた、その優しい心と、アサガオのつるにこどもたちの結束の力が表れているような気がして、会場に行くときアサガオと同時にこどもたちが立っている感じがしました。一つ一つのメッセージを見て、その思いに応えられるようたくさんのアスリートがメッセージを書いてくれました。そういった思いをこれから一緒に温め、こどもたちを中心に次の世代にこの大会のレガシーを伝えていきたい、そんな思いでいっぱいです。

有明アリーナ

1.有明アリーナ(Photo by Tokyo 2020/Uta MUKUO)

有明アーバン

2.有明アーバンスポーツパーク(Photo by Tokyo 2020/Ken Ishii)

世界に示した“東京モデル”

司会 新型コロナウイルスの影響で1年の延期、無観客開催など歴史上経験したことのない大会になったと思いますが、どのような苦労がありましたか。

橋本 組織委員会の会長として、すべてがコロナ対策だったと思います。国民の皆さんの7~8割に近い方が中止すべき、あるいは再延期すべきということで、非常に苦しい決断を迫られていた時期がありました。プレイブックを3回改訂し、世界の関係者に理解をしていただくことができ、コロナを正しく恐れ、見える化していくということによってご理解いただけると思いました。全体で100万回を超えるスクリーニング検査をし、全体で0.03%の感染率に抑えこむことができました。国民の皆さんを含めワンチームになってやり遂げることができたので、世界から非常に高い評価をいただき、これも一つの東京モデル、レガシーだと思っています。

本文中橋本さん

司会 橋本会長は過去に選手としても参加されていましたが、アスリートの立場から、コロナ禍においてアスリートの難しさはどのように感じていましたか。

橋本 自分自身が競技に集中すると同時に、コロナへの配慮にも集中しなければいけないという選手の気遣いというのは、想像を絶するほど大変だったのではないかと思います。しかし、選手たちは「しっかりとルールを守りさえすれば、絶対に大丈夫なんだ」という思いはあったように感じます。

司会 江東区では、新型コロナウイルス対策としてはどのようなことをされてきましたか。

区長 区では1日200人もの感染者がでる日もあり、保健所を先頭にみんなで頑張りましたが、それでも入院ができない方には自宅療養をお願いし、ご迷惑をおかけしました。現在は第6波に備えて準備を進めています。

共生社会の実現を加速させた大会に

司会 ダイバーシティや共生社会といった大会のテーマについても広く浸透したように感じました。今大会の成果について、橋本会長はどのように感じていますか。

橋本 日本や東京都のすばらしさを世界に発信することができたのではないかと思っています。たくさんの方がオリンピック・パラリンピックで選手の活躍をテレビで見たいと思ってくださったことも、一つの大きな成功への鍵となったと思っています。また、こどもたちがパラアスリートと触れ合う教育を自治体が長年にわたってしてきたことや、ユニバーサルデザインのまちづくりを徹底してやってきた積み重ねが、東京大会でさらに加速し成果をあげたと思います。これで終わらずに、どのように継承していくかということが非常に重要だと思っています。

新たなスポーツの普及

司会 江東区出身の選手も、江東区で活躍してくれましたね。

区長 オリンピックが始まってすぐ、堀米選手がスケートボードで金メダルを取りました。パラリンピックでは、カヌーで瀬立モニカ選手が7位入賞を果たしましたし、選手たちはみんな頑張ってくれました。

橋本 今区長がおっしゃったスケートボード、今若者に大人気のスポーツになっていて、堀米選手が区長へ表敬訪問をしたときのお話を聞いたのですが、江東区にスケートボードパークを作ることにしたんですよね。これは素晴らしいです。東京大会のレガシーですね。

区長 今年の秋にはオープンしたいと思っています。

橋本 そうですか。それは皆さん喜びますね。

区長 ただ、周囲の人の迷惑にならないようにしてもらいたいという思いもあります。スケートボード場を作るにあたって、マナーやルールについてみんなで考えていきたいと思います。

本文中区長

スポーツを通じ、心も体も健康な社会を次世代へ

司会 今大会を今後どのようにつなげていくか、レガシーの継承についてはどのようにお考えですか。

橋本 自国開催で得られたものはたくさんありますが、今回その中で選手がここまでやってくることができた背景には、食の文化あるいは持続可能性や、環境への配慮など多くの新しい取り組みがあります。それを一つ一つ掘り起こしながら東京モデルという形でレガシーとして継承していきたいと考えています。

司会 区長は今大会をどのようにつなげていきたいと考えていますか。

区長 施設は残ったけれどもそれだけではなく、どう活用するかが我々の大きな責任です。区では健康チャレンジという、ウォーキングなどでポイントをためるイベントの参加者を募集し、定員1,000人のところ3,000人以上の申し込みがありました。みんなが体を動かして健康維持しようということに、オリンピック・パラリンピックによって気がついた部分もあると思います。これだけの大会を開いていただいたので、建物が残っただけではなく、それを活用することと、普段の生活の中でスポーツを取り入れ健康について考えるなど、すべての区民にそういう意識を持ってもらいたいと思います。そのことによって健康寿命も延び、健康寿命が延びることで医療費が下がれば国の財政も助かります。さまざまな意味で、区民の皆さんが健康を意識して、そして元気に毎日生活ができるようにしていくのはオリンピック・パラリンピックのレガシーにつながることだと思っています。

橋本 今のお話のように、健康寿命延伸のために大いにオリンピック・パラリンピックの施設を使っていただく政策、これをぜひお願いしたいと思います。

区長 そうですね。こどもたちは、アクアティクスセンターなど施設の見学会に行っているので、いつかここで泳いでみたいと思ってくれたら嬉しいです。

橋本 そうですね。アスリートたちが記録を出した場所で、泳ぎたいと思いますよね。ぜひ実現してほしいと思います。

区長 区の水泳大会を6年前から、水泳のメッカと言われている辰巳国際水泳場で行っています。こどもたちはそこを目指して頑張って、そういう施設で泳げたことはすごい感動だそうです。こどもたちにそういうチャンスを与えることが我々大人の責任だと思います。

司会 橋本会長からご覧になって、今大会が国民の健康への意識やスポーツへの意識を高めたという認識はございますか。

橋本 特にパラリンピックのアスリートの頑張りに、多くの方から感動したとの声を寄せていただきました。あれだけのことができるのであれば、自分も何かやらなければいけないというふうに気づきを与えていただいたのがパラリンピックだったなというふうに思っています。こういったチャンスを多くの皆さんが活かせる環境を作っていくことによって、さらにオリンピック・パラリンピックの価値が上がっていくと思います。

区長 やっぱりこどもたちがパラアスリートの懸命な努力をしている姿をみることがどれほど大きな力になるかわからないと思うんですよ。そうした選手たちと身近で触れ合って話を聞くような機会を区では一生懸命作りました。こどもたちはそういう姿を見て、きっと将来苦しいことも乗り越える力が出てくるのではないかなと思います。

司会 最後に橋本会長から、今年の抱負をお聞かせください。

橋本 今年は2月に冬季北京オリンピック、3月にはパラリンピックが開催されます。選手たちはまた一生懸命に頑張っていますので、こどもたちに感動をお届けできるような大会になるようにサポートしていきたいと思います。また今年が素晴らしい年になるようしっかりと頑張っていきたいと思っております。

司会 橋本会長ありがとうございました。

橋本 ありがとうございました。

聖火台
青海と有明を結ぶ夢の大橋に設置された聖火台

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