令和5年10月21日号(こうとう区報・パブリックコメント特集号)テキスト版1・2面
ゼロカーボンシティ江東区実現プラン(素案) 2050年までにCO2排出量を実質ゼロに パブリックコメント(意見募集)を実施
地球温暖化に伴う気候変動により、異常気象や大規模な自然災害が急増し、台風や豪雨による大規模水害や熱中症による死亡者の増加など、地球は今、深刻な危機に直面しています。
区では、地球温暖化の原因となるCO2の排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ江東区」の実現を目指し、「ゼロカーボンシティ江東区実現プラン」の策定作業を進めています。このたび、素案がまとまりましたので、その概要をお知らせするとともに、パブリックコメント(意見募集)を実施します。
▶策定スケジュール
10月21日(土曜日) | 意見募集開始 |
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11月15日(水曜日) | 意見募集締切 |
2024年3月(予定) | 策定 |
素案に対するご意見をお寄せください
素案の全文は、区ホームページ、こうとう情報ステーション(区役所2階)、温暖化対策課(区役所隣防災センター6階5番)、えこっくる江東(潮見1-29-7)で閲覧できます。寄せられたご意見や区の考え方は、後日、区報・区ホームページに公開します。なお、ご意見に対する個別回答は行いませんので、ご了承ください。
[意見募集期間]10月21日(土曜日)~11月15日(水曜日)必着
[意見の提出方法]区ホームページ、または1.氏名2.住所3.年代4.ご意見5.区外在住で区内在勤・在学の方は勤務先名・学校名・所在地を記入し、郵送(区報掲載のはがき等)・Fax・窓口で(電話受付は行いません)
【問合先】温暖化対策課環境推進担当☎3647-6124、℻5617-5737
ゼロカーボンシティ江東区実現プラン(素案)の概要
第1章 ゼロカーボンシティ江東区実現プランの基本的事項
- 区は2021年7月、2050年までに温室効果ガス(二酸化炭素(CO2))の排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ江東区」を目指すことを表明。これを踏まえ、2030年度におけるCO2排出量の削減目標を見直し、脱炭素社会に向けた取り組みを加速するため「ゼロカーボンシティ江東区実現プラン」を策定
- 世界的な目標である2050年のゼロカーボンの実現を見据え、国や都と同様に、2030年度までのCO2排出量の削減目標を設定し、計画期間は2024年度から2030年度までの7年間と設定
- 地球温暖化に伴う気候変動により、世界各地で異常気象と大規模な自然災害が発生しており、脱炭素社会の実現は世界的な喫緊の課題
- 日本では2020年10月に、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言し、脱炭素化の取り組みを加速化
- 都では2019年5月に、2050年にCO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現を宣言し、さらに2021年には都内温室効果ガス排出量を2030年までに50%削減(2000年比)するカーボンハーフを掲げ、対策を強化
第2章 江東区の特徴
- 人口および世帯数はともに増加傾向にあり、人口増加は都内でもトップクラスの高さ。都の将来人口推計では、2035年頃まで人口の増加が続く見込み
- 年間真夏日の日数は近年増加しており、1980年代の年間平均16.6日に比べ、2020年代は年間平均44.7日までに増加
- 2010年から2020年の10年間で事業所数は約10%減少したものの、事業所の延べ床面積は約20%増加し、大規模事業所の割合が高い
- 住宅数は2008年から2018年までの10年間で約25%増加し、増加分のほとんどが共同住宅。2018年の住宅に占める共同住宅の割合は約88%
- 製造品出荷額(計2,654億円)は、印刷・同関連業(633億円)、食料品製造業(431億円)、化学工業(342億円)の順に多い
第3章 江東区の現状と課題
- 区のCO2排出量は2013年度(3,360千t–CO2)から2020年度(2,626千t–CO2)にかけて緩やかに減少。2020年度の排出量は、下記のとおり
全 体 2,626千t–CO2
産業部門(製造業・建設業) 223千t–CO2(約8%)
家庭部門(一般家庭(自家用車除く)) 650千t–CO2(約25%)
業務部門(事務所・商業・サービス業施設など) 1,339千t–CO2(約51%)
運輸部門(鉄道・自動車) 338千t–CO2(約13%)
廃棄物部門(一般廃棄物処理) 76千t–CO2(約3%)
- 各部門の課題
産業部門:工場等への省エネ機器の導入促進だけでなく、最新技術等を活用したさらなるCO2排出量の削減が必要
家庭部門:新築・既築マンションの省エネ化、再生可能エネルギーの導入等、脱炭素化の推進が必要
業務部門:国や都とも連携し、事業所の省エネや再生可能エネルギーの導入等、さらなる取り組みの促進が必要
運輸部門:事業用自動車が多い特徴から、自家用車だけでなく、事業用車の次世代自動車への転換が必要
廃棄物部門:今後もごみの削減により、廃棄物部門におけるCO2排出量の削減が必要
- 都市公園や道路における街路樹等で算定された都市緑地における吸収量は2.6千t–CO2であり、江東区の約1,000世帯分の年間排出量に相当
- CO2排出量の将来推計(BAU(注釈)推計)では、2030年度のCO2排出量は2,527千t–CO2が見込まれ、2013年度比24.8%の削減にとどまる
(注釈)Business As Usualの略で、今後追加的な対策を講じないまま推移した場合の将来のCO2排出量
第4章 目指すべき姿とプランの目標
長期目標▶2050年ゼロカーボンの達成
中期目標▶2030年度CO2排出量を50%削減(2013年度比)
第5章 目標達成のための取り組み
目指すべきゼロカーボンシティ江東区の姿の実現に向け、取り組んでいくべき7つの柱を設定
柱 | 方向性 | 主な取り組み |
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1.再生可能エネルギーへの転換 | 区内の再エネ利用拡大、区外からの再エネ電力の調達 |
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2.建築物における脱炭素化 | 住宅・事業所におけるCO₂排出量の削減 |
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3.モビリティにおける脱炭素化 | 次世代自動車への転換及び自転車・公共交通の利用促進による運輸部門のCO₂排出量の削減 |
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4.産学官民一体の推進体制の構築 | 産学官民連携による脱炭素ライフスタイルの定着 |
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5.みどりの保全・育成 | 緑化の推進と質の向上によるヒートアイランド現象等の緩和とCO₂吸収源の確保 |
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6.気候変動の影響への適応 | 気候変動による影響への適応と被害への備え |
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7.公共施設における脱炭素化 | 区役所における脱炭素化の率先行動 |
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(注釈)ZEH(Net Zero Energy House)と、ZEB(Net Zero Energy Building)は、高効率な設備システムの導入等により大幅な省エネ化を実現したうえで、再生可能エネルギーを導入することにより、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物。ZEHは住宅、ZEBは住宅以外の建物を指す。
第6章 プランの推進、進捗 管理
- 区民・事業者と区が協働し、一体となって施策を推進
- 「江東区環境審議会」を第三者評価機関としたPDCAサイクルで管理
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