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更新日:2022年1月21日

所信表明 平成31年2月19日発表分

本日、平成31年2月19日をもって、平成31年第1回区議会定例会を招集いたしました。
今定例会の開会にあたり、江東区政が直面する課題と、あるべき区政運営について、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。

平成31年度予算編成の大綱

平成31年第1回区議会定例会(平成31年2月19日)ず、平成31年度予算編成の大綱についてであります。はじめに、国や都の状況についてですが、日本経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されていますが、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国経済の先行きなど海外経済の不確実性、金融資本市場の変動など、先行きを楽観視する状況にはありません。

うした経済情勢を踏まえ、国の平成31年度予算は、「新経済・財政再生計画」の下、歳出改革の取り組みを継続するとともに、全世代型の社会保障制度への転換や、消費税増税の経済への影響の平準化及び「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の3点をポイントに編成されております。

般会計総額は、前年度比3.8%増の、101兆4,571億円で、過去最大の予算規模となっております。財政状況については、税収が62兆4,950億円と5.8%の増、新規国債発行額は9年連続減の32兆6,605億円となり、一部改善の兆しは見られるものの、公債依存度が32.2%であるなど依然として厳しい状況が続いております。

に、東京都の平成31年度予算は、「東京2020大会を推進力とし、東京が成熟都市として新たな進化を遂げ、成長を生み続けられるよう、未来に向けた道筋をつける予算」として編成されており、一般会計総額は、前年度比5.9%増の7兆4,610億円で、過去最大の規模となっております。

た、都税収入は、前年度比5.2%増の5兆5,032億円で、過去最高に迫る水準となっております。しかしながら、景気変動や税制改正の影響を受けやすい不安定な構造であり、平成31年度の税制改正の影響は32年度以降に受ける見込みとなっていることから、自律的な都政改革を進め、社会構造の変化に対応し得る健全な財政運営を行っていく必要があるとしております。

に、本区を取り巻く財政環境についてであります。

ず、特別区税は、納税義務者数の増加や所得環境の改善により、527億2,100万円、前年度比4.3%の増、特別区交付金については、投資的経費の臨時的算定により、交付金総額で前年度比12.2%増の612億7,000万円としております。しかしながら、ふるさと納税による減収や、地方法人課税の見直しの影響など、中・長期的には先行きを楽観視できる状況ではありません。

うした中、平成31年度予算は、長期計画をはじめとする各種計画の策定のほか、東京2020大会の確実な成功に向けた施策を打ち出し、区民と共に未来を創り上げるため、「みんなでつくる江東区来への創造予算」として編成いたしました。一般会計は、東京2020大会の気運醸成を加速する取り組みや待機児童対策、防災対策などにより、2,054億700万円、前年度比6.5%の増となっております。

下、予算の特徴を申し上げます。

ず、東京2020大会に向けた気運醸成の取り組みとして、「KOTOスポーツキャラバンto東京2020」の拡充や区独自ボランティアの活動開始、障害者のパラリンピックに関するアート作品の巡回展示などを実施してまいります。また、今後の江東区政の道筋を描く「新長期計画」を策定するほか、都市計画マスタープランの改定にも着手いたします。

に、長期計画(後期)におけるハード事業では、有明地区と亀戸地区において地域の子育て拠点である子ども家庭支援センターの整備を新たに計画化するとともに、認可保育所の整備を積極的に進め、約1,300人の定員増を図ってまいります。ソフト事業では、「えこっくる江東」常設展示室のごみ戦争に関する展示を拡充いたします。平成31年度は、江東区長期計画の最終年度であり、10年間の集大成を図るべく、主要事業の予算を確実に計上しております。

の他の予算につきましても、教育施策では、区立小・中学校等の体育館に空調設備を設置して児童・生徒が安全に活動できる環境を確保いたします。防災対策では、防災基金へ20億円を積立てるほか、「洪水ハザードマップ」の改定や「高潮ハザードマップ」を新たに作成し、更なる防災対策の充実を図ってまいります。また、産業施策では、個店の集客力向上に向けた支援や区内商店や飲食店の多言語化の支援など、魅力ある商店街を創出してまいります。

方、予算編成にあたっては、持続可能で強固な財政基盤を構築するため、現行事業の必要性とその効果、コストの妥当性と後年度負担について、行政評価結果を踏まえた事業の総点検等を実施いたしました。また、区民税等の収納対策、民間委託の拡大など、行財政改革にも積極的かつ着実に取り組み、予算に反映いたしております。

に、特別会計について申し上げます。

民健康保険会計の予算規模は、512億200万円で、前年度比5.6%の減となっております。これは、後期高齢者医療への移行などに伴い被保険者数が減少することによるものであります。国民健康保険事業については、引き続き、制度の動向を注視しつつ、ジェネリック医薬品の使用勧奨により医療費削減を図るなど、的確に事業を実施してまいります。

に、介護保険会計の予算規模は、355億1,000万円で、前年度比3.0%の増となっております。これは、主に保険給付費が増加したことによるものであります。介護保険事業については、今後も各種給付事業を着実に実施していくほか、地域包括ケアシステムの実現、介護予防施策の充実を図ってまいります。

に、後期高齢者医療会計の予算規模は、100億5,200万円で、前年度比4.2%の増となっております。これは、被保険者数の増によるものであります。後期高齢者医療制度については、保険者である広域連合と十分に連携しつつ、本区としても収納率の向上に引き続き努めるなど、適切な事業運営を行ってまいります。

お、一般会計と3つの特別会計を合わせた総予算規模は、3,021億7,100万円、前年度比3.7%の増となっております。

成31年度予算の大綱は、以上のとおりであります。

本区の重要課題とその取り組み

中央防波堤埋立処分場全景に、本区の重要課題とその取り組みについて申し上げます。

1に、築地市場の豊洲移転整備についてであります。

洲市場は、昨年10月11日に開場いたしました。築地で培った伝統を豊洲市場でも継承し、本区の発展に繋がるよう、本区としても取り組んでまいります。一方、地下鉄8号線の延伸や千客万来施設の整備等、未だ本質的な解決には至っておりません。これらの課題は市場受け入れの前提条件であり、豊洲市場はもとより、本区の発展においても、不可欠な事項であります。今後も、区議会の皆様とともに、課題の早期実現に向け、取り組んでまいります。

2に、中央防波堤埋立地の帰属についてであります。

京都の自治紛争処理委員から提示された調停案を大田区が拒否すると同時に、本区を相手に訴訟を提起したことから、昨年より、東京地方裁判所において、口頭弁論を行ってまいりました。

み問題による江東区民の犠牲と負担の上に造成されてきた歴史的な経緯から、本埋立地が本区に帰属することは極めて当然であります。次の口頭弁論は今月22日に行われる予定ですが、本区の主張が確実に実現されるとともに、早期解決を図ることができるよう、引き続き、全力を挙げて取り組んでまいります。

7つの重点プロジェクト

に、7つの重点プロジェクトについて申しあげます。

1は、オリンピック・パラリンピック開催への準備についてであります。

年度は、オリンピック・パラリンピック競技の体験イベントを区内5会場で巡回して実施する「KOTOスポーツキャラバンto東京2020」の開催など、区全域で気運醸成を図ってきたところであります。

会開催がいよいよ来年に迫り、本番を迎える準備は最終段階となってきております。本区としては、大会に向けた区独自ボランティアの活動を開始するなど、これまで以上に気運醸成とスポーツ・文化の振興に向けた取組みを積極的に展開し、大会を成功へと導く施策を力強く推進してまいります。

2に、南部地域における公共施設の整備についてであります。

区では、南部地域の人口増に対して、公共施設の整備を着実に進めてまいりました。有明地区での大規模な住宅建設に併せ、幼保連携型認定こども園の整備とともに、子ども家庭支援センターの整備を、平成32年4月の開設に向けて進めてまいります。

後も、東京2020大会後のまちづくりなど、人口や開発の動向を見極め、必要な公共施設の選定や、効率的・効果的な整備手法等について検討を進めてまいります。

3に、緑化・温暖化対策の推進についてであります。

化対策については、「江東区CIGビジョン」をもとに、公共施設の緑化を着実に推進するとともに、緑の中の都市、「CITYINTHE GREEN」の実現を目指してまいります。

4に、子育て・教育環境の整備についてであります。

可保育所等の整備については、私が区長に就任した平成19年以降、122施設、7,862人の定員増を図ってまいりました。引き続き保育施設を積極的に整備し、待機児童の解消を目指してまいります。

らに、待機児童解消の一助として区立幼稚園における3歳児保育、預かり保育の実施に向け準備を進めてまいります。

た、こどもの健やかな成長を総合的に支援するため、児童会館の敷地を活用して児童向け複合施設を整備するとともに、亀戸地区及び有明地区において子ども家庭支援センターの整備を新たに計画化いたしました。

育環境の整備では、収容対策としての増築や校舎等の改築・改修を着実に実施してまいります。

5に、高齢者・障害者関連施設の整備についてであります。

齢者施設の整備については、特別養護老人ホームの施設老朽化への対応や定員増を図るため、児童会館の敷地を活用した移転整備を進めるとともに、深川2丁目でも新たに移転整備を計画化いたしました。

後も、高齢者や障害者が住みなれた地域で、必要なサービスを受けられるよう、関連施設の整備を推進してまいります。

6に、南北交通の利便性の向上についてであります。

願である地下鉄8号線豊洲―住吉間の延伸については、昨年5月より、国土交通省の「東京圏における国際競争力強化に資する鉄道ネットワークに関する検討会」において、最新の人口推計等を用い、改めて地下鉄8号線の事業性に関する検討の深度化を進めているところであります。

た、昨年6月には、東京都より、「今年度中を目途に、事業スキームの構築に取り組んでいく」との方針が示され、実現に向けた進展がみられたところであります。区としても、その確実な履行を都に強く求めるとともに、地下鉄8号線の一日も早い実現に向け、全力で取り組んでまいります。

7に、災害に強いまちづくりの推進についてであります。

造住宅密集地域への対策については、北砂3・4・5丁目地区において、旧小名木川保育園跡地を、地域の防災性向上と多世代交流を生み出す広場のある公園として整備し、災害に強く、魅力的なまちづくりを進めてまいります。

た、地震時の道路の安全性を確保するため、道路に面した危険性の高いブロック塀等について撤去工事費を一部助成する制度を開始いたします。

水と緑豊かな地球環境にやさしいまち

現在のえこっくる江東のごみ戦争の展示に、長期計画(後期)における5つの施策の大綱に沿って、来年度の主な取り組みを申し上げます。

ず、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまち」についてであります。

台堀川公園整備事業では、護岸撤去や水路の基盤整備等、本格的に工事を実施してまいります。

暖化対策事業では、地球温暖化防止設備の導入助成に、集合住宅共用部のLDE照明への改修を加え、さらなる地球温暖化防止に努めてまいります。

た、環境学習情報館「えこっくる江東」のごみ戦争に関する展示を拡充し、区民にとどまらず世界も視野に入れた多くの人々に向けて、より強い環境保全のメッセージを発信してまいります。

未来を担うこどもを育むまち

安心して産み、育てられる環境づくりに、「未来を担うこどもを育むまち」についてであります。

機児童解消に向け、公有地を活用した認可保育所整備などを行い、約1,300人の定員増につなげてまいります。

た、多様な保育サービスのひとつとして病児保育事業の拡充を図るほか、在宅子育て家庭への支援では、大島子ども家庭支援センターを拡張整備し、子育てひろば機能の拡充やリフレッシュひととき保育の定員増を図ってまいります。

らに、こども・子育て支援事業計画の次期計画を、多様な調査・分析に基づき、乳幼児から青少年期までを対象とする、子ども・子育て支援に関する総合計画として策定してまいります。

クールカウンセラー派遣事業では、対面や電話による相談に加え、悩みを抱えやすい夏休み末に、中学生がSNSを通じてカウンセラーに相談できる期間を設け、相談体制の充実を図ってまいります。

学校の部活動では、部活動指導員を配置し、教員の勤務負担軽減はもとより、部活動の運営体制の充実を図ってまいります。

区民の力で築く元気に輝くまち

展示会を開催するなど、江東ブランドをPRに、「区民の力で築く元気に輝くまち」についてであります。

小企業支援では、江東ブランド推進事業において、区内企業の国内外の販路拡大のため、動画制作や多言語化によるWEBサイトの機能拡張を行います。

業振興では、東京2020大会の気運醸成のため、商店街へ応援フラッグを掲揚するとともに、新たに、各お店が行うイベントや新商品の開発など、お店の集客力向上に資する事業に対し支援してまいります。

術文化振興においては、東京2020大会に向け、文化コミュニティ財団と連携しながら、区独自の文化プログラムにより江東区の魅力を発信してまいります。

ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち

検診で各種疾病の早期発見や健康状態をチェックに、「ともに支えあい、健康に生き生きと暮らせるまち」についてであります。

康増進事業では、「江東区健康増進計画」、「食育推進計画」、「がん対策推進計画」を統合した新計画を本年3月に策定し、ライフステージに応じた健康づくりを進めてまいります。

がん検診事業では、来年度から新たに胃内視鏡による胃がん検診を導入いたします。

児健康診査事業では、聴覚障害の言語発達への影響が最小限に抑えられるよう、新生児聴覚検査を開始いたします。

齢者施策では、生活機能の改善を目的とした元気アップトレーニングを、新たに区内約30箇所の整骨院・接骨院に拡充して実施いたします。

害者施策では、パラリンピックに関するアート作品を募集・巡回展示する、「kotoパラリンピックアート計画」を実施し、障害への理解や障害者の社会参加の促進と、東京2020大会の気運醸成を図ってまいります。

住みよさを実感できる世界に誇れるまち

7bousaisoukosinnに、「住みよさを実感できる世界に誇れるまち」についてであります。

市計画マスタープランについては、新長期計画の策定を踏まえ、本区の都市計画に関する新たな基本方針として、改定に取り組んでまいります。

道駅のバリアフリー推進については、鉄道事業者が実施するホームドア整備費用の一部を区が助成し、人に優しいまちづくりを推進してまいります。

災対策では、災害発生時の備蓄品等の避難所への輸送を円滑化するため、区内24箇所の防災倉庫における備蓄物資の再整備と、新たな管理システムの導入に着手いたします。

防対策では、想定し得る最大規模の洪水や高潮による、災害想定や区民がとるべき避難行動を示した、洪水ハザードマップの改定と高潮ハザードマップを新規作成いたします。

長期計画の実現に向けての取り組み

後に、「長期計画の実現に向けての取り組み」についてであります。

成32年度から始まる新たな長期計画の策定に向け、区民をはじめ様々な方々からいただいているご意見やアイデアを踏まえ、全庁一丸となって策定に取り組んでまいります。

上、本区が直面する課題について、長期計画(後期)に沿って、所信の一端を申し述べました。

年は天皇陛下が御退位され、皇太子殿下が御即位されます。平成から次の新しい時代の幕開けの年であるとともに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を翌年に控え、その最終準備を行う極めて重要な年であります。

や世代、文化を越えた交流を通じ、人々に夢や希望、成長の機会を与えるとともに、大会を契機としたまちづくり、人づくりが将来にわたり本区発展の原動力となるよう、有形・無形のレガシーを未来に残していかなければなりません。

しい時代においても、引き続き50万区民の負託と信頼に応えるべく、全力を傾注してまいる所存でありますので、議員各位のより一層のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

お、本定例会には、平成31年度当初予算及び平成30年度補正予算をはじめ、事件、契約、条例案などあわせて31件を提案いたしております。よろしくご審議の程お願い申し上げ、私の所信表明といたします。

お問い合わせ

政策経営部 企画課 企画担当(庶務) 窓口:区役所4階1番

郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

電話番号:03-3647-9167

ファックス:03-3699-8771

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