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更新日:2023年3月11日
令和5年第一回区議会定例会が2月15日から開会されています。会期日程は3月15日(水曜日)までの29日間で、「令和5年度一般会計予算」などの議案について審議されています。開会にあたり、山﨑区長は今年1年の所信を表明し、区民の皆さんと区議会に理解と協力を求めました。
国内で初の感染者が確認されてから3年が経過しましたが、区では、いち早く相談窓口を設置して以降、「区民生活」「区内事業者」「医療機関・従事者」を支えるさまざまな取り組みを常にスピード感をもって実施してきました。
また、新型コロナウイルスワクチン接種についても、昨年9月からオミクロン株対応のワクチン接種が開始されましたが、本区では接種日時を指定した接種券の発送などにより、23区でも上位の接種率となっています。
国においては感染症法上の位置づけを、5月8日から季節性インフルエンザと同じ「5類」へ引き下げることを決定しましたが、今後も区民の安全と安心を第一に、引き続き感染対策に全力で取り組んでいきます。
日本経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いていますが、一方、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引き締め等による世界的な景気後退懸念など、日本経済を取り巻く環境は厳しさを増しているとしています。
こうした経済情勢等を踏まえ、国の令和5年度予算は、歴史の転換期にあって、日本が直面する内外の重要課題の解決に道筋をつけ、未来を切り拓くための予算として編成され、一般会計総額は、前年度比6.3%増の、114兆3,812億円で、過去最大の予算規模となっています。
また、東京都の令和5年度当初予算は、「明るい『未来の東京』の実現に向け、将来にわたって『成長』と『成熟』が両立した光り輝く都市へと確実に進化し続ける予算」として編成され、一般会計総額は、前年度比3.1%増の8兆410億円で、過去最大の予算規模となっています。
本区を取り巻く財政環境ですが、特別区税は、所得環境の改善や納税義務者数の増加などにより、588億2,400万円、前年度比5.8%の増、また、特別区交付金は、公共施設改築工事費の臨時的算定などにより、交付金総額で前年度比7.0%増の623億3,300万円としています。
しかし、税源偏在是正措置の影響やふるさと納税による減収の拡大に加え、長期化する新型コロナウイルス感染症や物価高騰など区民生活にもたらす影響が依然として不透明であり、先行きを楽観視できる状況ではありません。
こうした中、本区の令和5年度予算は、未来を担うこどもたちを応援する子育て支援をはじめ、地域コミュニティの再生や活性化への取り組み、関東大震災から100年を節目とした防災・減災対策など、新たな時代へ成長する予算と位置づけ、「みんながつながり未来を描く 新たな時代への成長予算」として編成しました。一般会計は、2,370億400万円、前年度比3.8%の増で、過去最大規模となっています。
地下鉄8号線の延伸については、半世紀にわたり、区と区議会、区民の皆様が一つになって、粘り強く必要性を訴え、絶え間なく活動してきたことがようやく結実し、昨年3月に国土交通大臣から鉄道事業許可がなされました。
以降、都市計画素案説明会の実施など、必要な手続きが着実に進められ、路線整備や沿線のまちづくりについて、以前にも増して多くの期待の声が寄せられており、私も区長として、区民の皆様の思いにしっかりと応えていかなければならないと決意を新たにしました。
とりわけ、二つの中間新駅を含めた沿線地域のまちづくりをしっかりと進め、8号線延伸の整備効果を本区の発展に最大限結びつけることが、区にとっての重要な役割です。
そのため、沿線地域の基本的なまちづくりの方向性を示す「(仮称)地下鉄8号線沿線まちづくり構想」を本年3月に策定し、各駅周辺のまちづくりを順次進めていきます。来年度は、(仮称)枝川駅周辺のまちづくりに取り組み、地域と行政がまちの将来像を共有しながら、一体となって、沿線のまちづくりを推進していきます。
本区の豊かな河川や運河、親水公園などを効果的に活用し、水彩都市における賑わいや、環境に配慮したうるおいのある生活を実現していきます。
若洲公園のリニューアルにあたっては、経年劣化した風車を撤去し、こどもが主役になる都内最大級の大型遊具と、公園からの温室効果ガスの排出量実質ゼロを実現する再生可能エネルギー設備を導入する「親子で過ごす江東区版ゼロカーボンパーク」を整備していきます。また、Park-PFIを活用することで、民間活力の導入と財政負担の軽減を図っていきます。
(仮称)大島九丁目公園の整備については、区民と一緒にゼロからつくる公園をコンセプトに、区民参加イベントを行いながら、コミュニティ醸成につながる公園整備を進めていきます。
(仮称)大島九丁目公園整備イメージ
地球温暖化対策では、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするためのロードマップとして、「ゼロカーボンシティ江東区実現プラン」を策定し、区民や事業者とともに取り組みを進めていきます。
資源回収では、容器包装プラスチックに加えて、新たに製品プラスチックの資源回収を令和5年10月より開始し、これまで燃やすごみとして出されてきたごみの減量を図ることで資源循環型社会の形成を進め、二酸化炭素排出量の削減を加速させていきます。
全国的に出生率が低下し、本区においても乳幼児人口が減少する中、少子化対策、子育て支援は一刻の猶予もない喫緊の課題です。
保育サービスの提供については、さまざまな緊急対策の実施により達成した「待機児童ゼロ」の継続に向けて、地域ごとの保育需要に応じた適切な定員確保策を講じていきます。
子育て家庭への支援では、区独自に所得制限なしで、18歳以下のこども一人につき3万円の電子クーポン等を支給し、子育て世帯へのさらなる生活支援を実施します。
また、中学生までを対象としてきた子ども医療費助成を、所得制限なし、自己負担なしで、高校生相当まで拡大して実施します。
さらに、子育てで孤立しやすいひとり親家庭に対して、子育ての負担軽減や産後うつの未然防止を図るため、家事育児サポーターを派遣するサービスを実施します。
児童虐待対応では、区の目指す児童相談体制や児童相談所の基本理念、施設整備の基本的な方針などをお示しするため、「区立児童相談所基本計画」の策定に着手します。
ヤングケアラーへの支援では、実態調査の結果を踏まえ、支援ネットワークの強化など、早期発見と、適切な支援につなげるための体制を強化していきます。
さらに、不登校やヤングケアラー等の状況にある児童・生徒への支援を強化するため、スクールソーシャルワーカーによる学校巡回型の支援体制を整備していきます。
教育施策では、成績優秀で学習意欲があるこどもが、家庭の経済状況に左右されずに、学業に専念できる環境を整備するため、高校等へ進学する中学3年生を対象に、23区初の学資金を含めた区独自の給付型奨学資金制度を創設します。
部活動振興では、休日の活動を見直し、生徒がより主体的にスポーツ・文化活動に親しむことができるよう、文化コミュニティ財団、健康スポーツ公社と連携し、部活動の地域移行に向けた体制整備に取り組んでいきます。
また、物価高騰の長期化が見込まれる中、学校給食無償化の検討に着手するとともに、令和5年度も保育所等給食費および学校給食費における緊急支援を実施します。
地域においては、コロナ禍で拍車がかかった地域コミュニティの希薄化や、活動を支える担い手の高齢化・次世代の担い手不足が深刻な課題となっており、さまざまな取り組みを連動させながら、地域コミュニティと地域経済の活性化を図っていきます。
あわせて、本区が差別や偏見のない、多様性を認め合う社会となるよう、より一層、人権尊重の意識啓発に取り組むとともに、多様な性に対する理解を促進していきます。
まず、地域活動の推進では、コロナ禍でさまざまな地域イベントの中止や自粛が続いたことで、弱体化してしまった地域コミュニティの再生と活性化を図るため、新たな町会・自治会活動の支援を行っていきます。
また、コミュニティ活動支援では、協働を推進するための環境整備として、本年4月に「江東区ボランティア・地域貢献活動センター」を開設し、地域貢献活動団体等の活性化に努めていきます。
有明スポーツセンターのレストラン施設跡地を活用してこども向け図書館を整備するとともに、24時間どこからでも本を借りられる電子図書館サービスを導入します。
(仮称)有明こども図書館絵本コーナーイメージ
中小企業支援では、引き続き融資あっせんにおける事業者の利子負担等の軽減を図り、コロナ禍や原油価格・物価高騰の影響を受ける事業者の経営を支援していきます。
また、社会環境の変容による創業ニーズの増加に対応するため、セミナーの開催等、創業者への支援を拡充していきます。
商業振興では、プレミアム率30%の区内共通商品券を紙および電子で発行し、物価高騰等の影響を受ける家計の応援と、未だ回復途上である地域経済の活性化に取り組んでいきます。
電子商品券での支払いイメージ
観光施策では、「旧渋沢家住宅」の移築・公開に向けた機運醸成を図るとともに、令和6年度上期に予定される新しい日本銀行券の発行を契機に国立印刷局と包括連携協定を締結し、渋沢栄一ゆかりの地や区内の観光スポット等に仕掛けたヒントを頼りに宝箱を探し出す「謎解きスタンプラリー」を開催するなど、本区の魅力を知ってもらうことで観光振興を図っていきます。
一人ひとりの尊厳が守られ、地域でともに支えあい、誰もが笑顔で安全に暮らせるまちの実現に向けて、「江東区地域福祉計画」に基づき、地域・関係機関などとのさらなる連携・協働を推進していきます。
まず、高齢者施策では、亀戸九丁目都有地を活用し、区内16か所目となる特別養護老人ホーム並びに都市型軽費老人ホーム、介護専用型ケアハウスの整備を進めます。
障害者施策では、区内初となる障害者入所施設が本年4月に開所します。住み慣れた江東区で安心して暮らせる環境づくりを進めていきます。
医療的ケア児への支援では、保育園や幼稚園、きっずクラブにおいても医療的ケア児の受け入れを開始するとともに、必要な情報を一元的に記載したガイドブックを作成します。
特別養護老人ホーム外観イメージ
妊娠出産の支援では、まず、国の「出産・子育て応援交付金」を活用し、令和4年4月1日以降に出産した産婦等に対して、総額10万円相当の「出産・子育て応援ギフト」を支給します。ゆりかご面接、新生児・産婦訪問指導後に、それぞれ5万円相当のギフトを支給することで、経済支援と相談支援の両面から、すべての妊産婦の方が安心して出産・子育てができる環境を整備していきます。
さらに、区民の利便性および面接率の向上を図るため、豊洲特別出張所において妊婦に対するゆりかご面接を開始します。
予防接種については、50歳以上の区民に対する帯状
関東大震災から100年の節目を迎える本年、首都直下地震への備えはもとより、大規模水害対策も含めた防災対策について、いざという時に区民の生命・安全を守るため、改めて見直し、強化すべき時を迎えています。
そのため、令和5年度を「新・防災都市江東元年」と位置づけ、防災対応力の一層の向上を図っていきます。
まず、昨年5月に公表された首都直下地震等の新たな被害想定を踏まえ、本年10月を目途に「江東区地域防災計画」を改定します。併せて、「江東区事業継続計画」の改定や避難所開設運営に特化した実践的な訓練の実施などにより、区の防災力の底上げを図っていきます。
大規模水害時の緊急避難先としての民間マンション活用に向けた協定締結の促進や、防災カタログギフトの全戸配付、火災危険度の高い地域を対象とした感震ブレーカーの配付など自助・共助の取り組みを推進していきます。
防災カタログギフトを全世帯に配付
マンション対策として、今年度改定する「江東区マンション建設方針」に基づき、現下の課題であるワンルームマンションや浸水対策、持続可能性向上に重点を置いて建設を誘導するとともに、「江東区マンション管理適正化推進計画」の策定を進め、マンション管理水準の向上を図っていきます。
木造住宅密集地域への不燃化の促進については、北砂三・四・五丁目地区において、防災性の向上と住環境の改善を図るため、防災生活道路および不燃化小規模空地の整備を進めていきます。
老朽化する戸建て住宅等への対応については、来年度、「江東区老朽空家等対策計画」を策定し、総合的かつ計画的に対策を実施していきます。
本区出身の堀米雄斗選手が、オリンピックで金メダルを獲得したことを契機としたスケートボードへの関心の高まりを受け、昨年11月に夢の島総合運動場内にスケートボードパークを開設しました。誰もが安全にスケートボードを楽しめる初級・中級者向けの施設として整備し、多くの利用者から好評をいただいています。
今後は、他のレガシー施設も有効活用し、スポーツを通した区民の健康づくりの促進や、こどもたちの体力向上を積極的に進めていきます。
夢の島スケートボードパーク
本区の臨海部は、東京2020大会のレガシー施設を含め、豊洲、有明などで大規模な開発が続くとともに、海の森では新たなパークエリアの整備が進められるなど、今後も、まちづくりに影響を与える著しい変化が続いていくことが想定されます。
都市計画マスタープランにおいては、「未来の臨海部のまちづくり」を重点戦略に掲げ、スポーツ、テクノロジー、自然が共生する湾岸軸を形成することとしています。そこで、臨海部の都市交通のあり方等を示すビジョンを策定し、関係機関や交通事業者等と共有することで、臨海部へのアクセス性や回遊性の向上を図るなど、ベイエリアの魅力を最大限活かした夢のある将来のまちづくりを進めていきます。
開発が進む臨海部
誰もがデジタルの恩恵を受けられる社会の実現を目指し、「江東区情報化推進プラン」に基づき、オンライン申請の拡充など、ICTを活用した区民サービスを一層向上させるとともに、先端技術の活用による効果的・効率的な行財政運営を図り、本区のDXを、より一層推進していきます。
また、「江東区行財政改革計画」を着実に推進しつつ、外部評価を活用した事務事業の見直しや、新たな施策の創出などを通じ、長期計画の着実な推進を図っていきます。
新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの見直しにより、今後、あらゆる面でウィズコロナへの転換が加速していくことが想定されます。原油価格・物価高騰など、区民生活の日常回復への懸念材料もありますが、これらにもしっかりと対応し、区民の誰もが安全・安心と支えあいを実感できる江東区づくりにまい進し、区民の負託と信頼に、意欲・スピード・思いやりを持って応えていきます。
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