○江東区指定障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱

令和元年8月1日

31江福施第543号

(趣旨)

第1条 この要綱は、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号。以下「総合支援法」という。)に規定する指定障害福祉サービス事業者、指定障害者支援施設の設置者、指定一般相談支援事業者及び指定特定相談支援事業者、児童福祉法(昭和22年法律第164号)に規定する指定障害児通所支援事業者及び指定障害児相談支援事業者並びに江東区障害者移動支援事業実施要綱(平成18年9月29日18江保障第2842号)第13条及び第15条の規定に基づく登録の決定を受けた事業者(以下これらを「指定障害福祉サービス事業者等」という。)に対して、江東区(以下「区」という。)が実施する指導及び監査について、必要な事項を定めるものとする。

(指導及び監査の目的)

第2条 指導及び監査は、総合支援法、児童福祉法その他の法令、東京都(以下「都」という。)の条例及び規則、区の規則等で定める最低基準、指定基準等(以下「基準等」という。)に対する適合状況等について、個別に明らかにし、必要に応じて助言、指導又は是正の措置を講ずることにより、指定障害福祉サービス事業者等のサービス内容の質の確保及び自立支援給付に係る費用等の支給の適正化を図り、区における障害者(児)福祉の増進に寄与することを目的とする。

(指導方針)

第3条 区長は、指定障害福祉サービス事業者等に対し、基準等に定めるサービス内容及び自立支援給付に係る費用等の請求等に関する事項について周知徹底を図るとともに、改善の必要があると認められる事項については、適切な助言及び指導を行うことを主眼として指導を実施する。

(指導形態)

第4条 指導は、次の各号に掲げる形態に応じ、当該各号に定める内容とする。

(1) 集団指導 対象となる指定障害福祉サービス事業者等に対し、必要な指導の内容に応じ、一定の場所に集めて講習等の方法により行う指導

(2) 実地指導 次のいずれかの方法により対象となる指定障害福祉サービス事業者等の事業所又は施設において実地で行う指導。ただし、実地指導を効率的かつ効果的に行うため、必要に応じて一定の場所において個別に指導を行うことができる。

 一般指導(区が単独で行う指導をいう。)

 合同指導(区が都等と合同で行う指導をいう。)

(指導形態の選定基準)

第5条 区長は、重点的かつ効率的な指導を行う観点から、次に掲げる選定基準に基づいて指導対象となる指定障害福祉サービス事業者等の選定を行う。

(1) 集団指導の選定基準は、次のとおりとする。

 おおむね事業開始1年以内にサービスを開始したこと。

 に掲げるもののほか、集団指導を行うことが適当と認められること。

(2) 実地指導の選定基準は、次のとおりとする。

 通報、苦情の申し立て、自立支援給付に係る費用の請求等の状況等により、その運営の状況を確認する必要があると認められること。

 過去の実地指導において、指摘事項の改善が図られていないこと。

 過去の指摘事項の改善状況の確認が必要であること。

 事業開始後、実地指導を実施していないこと。

 前年度又は前々年度において、集団指導を実施したこと。

 業務管理体制の整備に関して必要があると認められること。

 からまでに掲げるもののほか、実地指導を行うことが適当と認められること。

(指導の実施方針及び実施計画)

第6条 区長は、指導を効率的かつ効果的に実施するために、指導の重点事項等を掲げる指導実施方針及び当該年度の実地指導等の実施時期等を定めた実施計画を毎年度定めるものとする。

(指導の実施方法)

第7条 区長は、次の各号に定める指導形態に応じ、当該各号に定める方法により指導を行うものとする。

(1) 集団指導 次に掲げるところによる。

 指導通知 指導対象となる指定障害福祉サービス事業者等を決定したときは、あらかじめ集団指導の実施日時、実施場所、出席者、指導内容等を文書により、当該指定障害福祉サービス事業者等に通知する。

 指導方法 自立支援給付に係る費用等の支給関係事務、請求内容、制度の改正内容及び過去の指導事例等について、講習等の方式で行う。

(2) 実地指導 次に掲げるところによる。

 指導通知 指導対象となる指定障害福祉サービス事業者等を決定したときは、あらかじめ実地指導の根拠規定、実施日時、実施場所、指導担当者、出席者、準備すべき書類等を文書により、当該指定障害福祉サービス事業者等に通知する。ただし、緊急に指導を実施する必要があると判断した場合には、指導の開始時に通知を行うことができるものとする。

 指導方法 区長が別に定める指導基準等に基づき、関連書類を閲覧し、関係者との面談方式で行う。

 指導の結果 指導の結果、改善を要すると認められた事項については、後日、文書により指導内容の結果を通知する。

 改善報告書の提出 当該指定障害福祉サービス事業者等に対して、文書により指摘した場合は、原則として指導の結果通知の発送日から30日以内に改善報告書の提出を求めるものとする。

 指導体制 実地指導は、2名以上の職員により指導班を編成して実施する。

 必要書類等の提出 実地指導の実施に当たっては、当該指定障害福祉サービス事業者等に対し、あらかじめ指導に必要となる書類の提出を求めることができる。

 その他 区長が必要と認めるときは、総合支援法第11条の2の規定に基づき、指導及びこれに係る事務の一部を指定事務受託法人に委託することができるものとする。

(実地指導後の措置)

第8条 区長は、実地指導の結果、指摘した事項について改善が不十分な指定障害福祉サービス事業者等に対しては、必要に応じて、再度、実地指導等を行う。

2 区長は、実地指導の結果、第10条に定める監査の選定基準に該当すると判断した場合は、速やかに次条から第11条までに定めるところにより監査を行う。

3 区長は、実地指導の結果、指定障害福祉サービス事業者等のサービス内容又は自立支援給付に係る費用等の請求等に関し、不当な事実を確認したときは、当該指定障害福祉サービス事業者等に対し、自立支援給付に係る費用等の自主返還等を行うよう指導する。

4 区長は、実地指導の結果のうち、文書による指摘事項及び改善状況について、利用者保護の観点から必要と判断した場合、区のホームページへの掲載などにより、区民へ情報提供することができる。

(監査方針)

第9条 区長は、指定障害福祉サービス事業者等のサービス内容又は自立支援給付に係る費用等の請求等に関する事項について不正又は著しい不当が疑われる場合等において、事実関係を的確に把握し、公正かつ適切な措置を取ることを主眼として監査を実施する。

(監査の選定基準)

第10条 区長は、指定障害福祉サービス事業者等が、次のいずれかに該当する場合に監査を行うものとする。

(1) サービス内容に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

(2) 自立支援給付に係る費用等の請求に不正又は著しい不当があったことを疑うに足りる理由があるとき。

(3) 基準等に係る重大な違反があると疑うに足りる理由があるとき。

(4) 度重なる実地指導によってもサービス内容又は自立支援給付に係る費用等の請求に改善が見られないとき。

(5) 正当な理由が無く、実地指導への協力を拒んだとき。

(監査の実施方法等)

第11条 区長は、次の各号に掲げる内容について、当該各号に定める方法により監査を行うものとする。

(1) 事前調査 原則として、監査を実施する前に自立支援給付に係る費用等の請求等に係る書面について調査を行うとともに、必要と認められる場合には、指定障害福祉サービス事業者等のサービスを受けた障害者及び障害児並びにその保護者等に対する聞き取り調査を行う。

(2) 監査の実施等 監査を実施する必要があると認めるときは、指定障害福祉サービス事業者等に対し、監査実施通知書を交付した上で、報告若しくは帳簿書類の提出若しくは提示を命じ、出頭を求めて関係者に対して質問し、又は当該指定障害福祉サービス事業者等の事業所に立ち入り、その設備若しくは帳簿書類その他の物件の検査を行うものとする。

(3) 監査調書の作成 監査を実施したときは、当該監査に係る調書を作成するものとする。

(4) 監査体制等 次に掲げるところによる。

 監査の実施に当たっては、原則として、実地指導を行う職員を中心として2名以上の監査班を編成し実施する。

 にかかわらず、監査は、その必要があると認められるときは、原則として副参事以上の職にある者を長とする職員(検査員)3名以上で監査班を編成して実施する。

(監査後の措置)

第12条 区長は、次の各号に掲げる監査後の措置につき、当該各号に定める方法により行う。

(1) 通知 監査の結果、総合支援法に基づく指定障害福祉サービス事業者若しくは指定障害者支援施設等の設置者又は児童福祉法に基づく指定障害児通所支援事業者が次のいずれかに該当するときは、その旨を都及び当該監査を行った事業者に対し、通知する。ただし、都及び区が同時に監査を行う場合は、通知を省略することができる。

 総合支援法第49条第6項、第50条第2項、同条第3項、第51条の28第6項又は第51条の29第3項に規定する場合

 児童福祉法第21条の5の22第5項又は第21条の5の23第2項に規定する場合

(2) 勧告 監査の結果、総合支援法に基づく指定特定相談支援事業者又は児童福祉法に基づく指定障害児相談支援事業者(以下「指定特定相談支援事業者等」という。)が次の又はに掲げる場合に該当すると認めるときは、当該指定特定相談支援事業者等に対し、期限を定めて、文書により当該又はに定める措置をとるべきことを勧告することができる。

 総合支援法第51条の28第2項 同項各号に定める措置

 児童福祉法第24条の35第1項 同項各号に定める措置

(3) 報告 前号の規定よる勧告(以下「勧告」という。)を受けた指定特定相談支援事業者等は、期限内に文書により報告を行うものとする。

(4) 公表 勧告をした場合において、その勧告を受けた指定特定相談支援事業者等が期限内に勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。

(5) 指定の取消し等 監査の結果、指定特定相談支援事業者等、江東区障害者移動支援事業実施要綱第13条及び第15条の規定に基づく登録の決定を受けた事業者(以下「移動支援登録事業者」という。)が、次の各号のいずれかに該当する場合において必要と認めるときは、当該各号に定める措置(以下「指定の取消し等」という。)をとるものとする。

 総合支援法第51条の29第2項各号に該当する場合 同項の規定による指定の取消し又は指定の効力の全部又は一部の停止

 児童福祉法第24条の36各号に該当する場合 同条の規定による指定の取消し又は指定の効力の全部又は一部の停止

 江東区障害者移動支援事業実施要綱第18条の各号に該当する場合 同条の規定による登録の取消し

(6) 指定の取消し等以外の措置 監査の実施により、前号に定める場合に該当しないと認める場合において区長が必要と認めるときは、監査の対象となった指定障害福祉サービス事業者等に対して、実地指導その他適宜の方法により、必要な指導又は助言を行うものとする。

(7) 聴聞等 監査の結果、指定特定相談支援事業者等又は移動支援登録事業者に対して、勧告又は指定の取消し等の処分を行う場合は、監査後、当該事業者に対し、行政手続法(平成5年法律第88号)第13条第1項各号の規定に基づき、聴聞又は弁明の機会の付与を行う。

(8) 経済上の措置 次に掲げるところによる。

 監査の結果、監査の対象となった指定障害福祉サービス事業者等に対して、サービス内容又は自立支援給付に係る費用等の請求に関し偽りその他不正の事実が認められ、これに係る返還金が生じた場合は、総合支援法第8条第2項又は児童福祉法第57条の2第2項に基づく不正利得の徴収を行うことができる。

 により不正利得の徴収を行うときは、その徴収額に加え、総合支援法第8条第2項又は児童福祉法第57条の2第2項の規定により、返還額に100分の40を乗じて得た額を支払わせることができる。

 サービスの内容又は自立支援給付に係る費用等の請求に関し、不正又は不当の事実が認められた場合における当該事項に係る返還期間は、5年間とする。

(都への報告)

第13条 区長は、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める事項について、都に報告するものとする。

(1) 毎年度における実施計画を策定した場合 当該実施計画

(2) 指定障害福祉サービス事業者等に対して実地指導しようとする場合 当該実地指導を行う旨

(3) 前号に定める実地指導を行った場合 実地指導の結果の概要

(連携)

第14条 区長は、指導及び監査に当たっては、都等及び他の関連部署との連携を図り、効果的に実施するよう努める。

(委任)

第15条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、障害福祉部長が別に定める。

この規程は、令和2年4月1日から施行する。

江東区指定障害福祉サービス事業者等指導及び監査実施要綱

令和元年8月1日 江福施第543号

(令和2年4月1日施行)