○江東区競争入札参加有資格者指名停止措置要綱

平成28年3月31日

27江総経第3281号

(趣旨)

第1条 この要綱は、江東区における契約事務の厳正な執行を確保するため、有資格者(地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の5第1項及び第167条の11第2項の規定により、告示により区長が契約の種類及び金額に応じて定めた一般競争入札及び指名競争入札の参加資格を有する者をいう。以下同じ。)に対する指名停止に関し、必要な事項を定めるものとする。

(取扱いの範囲)

第2条 区長は、有資格者が別表に掲げる要件のいずれかに該当する場合は、当該有資格者について次条に規定する手続を経て、一般競争入札の参加停止及び指名競争入札の指名停止(以下「指名停止等」という。)を行うものとする。

2 前項の規定により指名停止等を行ったときは、契約担当者(江東区契約事務規則(昭和39年3月江東区規則第11号)第2条第5号に規定する者をいう。以下同じ。)は、指名停止等の期間(以下「指名停止期間」という。)が満了するまでの間、当該指名停止等に係る有資格者を入札に参加させ、又は指名してはならない。

3 区長は、第1項の規定により指名停止等を行った当該指名停止等に係る有資格者の入札参加を現に認めているとき又は現に指名しているときは、これを取り消すものとする。

4 区長は、別表に掲げる要件に該当する事由が軽微なものであるときは、指名停止等に代えて、書面又は口頭で警告又は注意喚起を行うことができる。

(手続等)

第3条 区長は、江東区指名業者選定委員会要綱(昭和40年11月30日江総財発第625号)に規定する江東区指名業者選定委員会(以下「委員会」という。)の協議を経て、指名停止等を行うものとする。ただし、有資格者が別表の1又は4の(1)に掲げる要件に該当するときその他特に必要があるときは、委員会の協議を経ることなく、当該有資格者について、委員会の協議を経るまでの間、指名停止等を行うことができる。

(対象の特例)

第4条 区長は、別表の2又は3に掲げる要件により指名停止等を行う場合において、次の各号のいずれかに該当するときは、当該指名停止等の原因となった事実又は行為に係る業種に関する契約についてのみ指名停止等の取扱いとし、その他の業種に関する契約については指名停止等を行わないことができる。

(1) 業種ごとの有資格者の責任体制が明確な組織で、かつ、その責任者として役員(執行役員を含む。)を充てている場合

(2) 社内責任体制のあり方等を総合的に勘案して、前号に規定する場合に準ずると認められる場合

2 区長は、別表の2、3又は4の(6)に掲げる要件により指名停止等を行う場合において、当該指名停止等について責めを負うべき有資格者である下請負人等があることが明らかとなったときは、当該下請負人等についても指名停止等を行うものとする。

3 区長は、別表の4の(1)又は(2)に掲げる要件により指名停止等を行う場合において、当該指名停止等の対象となる有資格者又は指名停止等の取扱いを受けた者が、合併、会社分割、営業譲渡等により他の有資格者へ移行する場合又は指名停止等の対象となる有資格者の一部若しくは指名停止等の取扱いを受けた有資格者の一部が他の有資格者へ移行する場合は、移行先の有資格者に対しても指名停止等を行うことができる。

4 区長は、江東区が発注した工事又は製造の請負、業務の委託、物品の調達及びその他契約において、別表の4の(1)に掲げる要件により指名停止等を行う場合は、有資格者である個人、法人の役員又は使用人が役員等(使用人を除く。)となっている他の有資格者についても指名停止等を行うことができる。

5 区長は、共同企業体が別表に掲げる要件に該当するときは、当該共同企業体の構成員についても指名停止等を行うものとする。

6 区長は、事業協同組合等について指名停止等を行うときは、当該事業協同組合等の構成員についても指名停止等を行うことができる。

7 第5項及び前項の規定により、共同企業体又は事業協同組合等の構成員について指名停止等を行うときは、明らかに当該指名停止等の責めを負わないと認められる構成員については、指名停止等を行わないものとする。

(期間)

第5条 区長は、有資格者が別表に掲げる要件に該当する場合は、事情に応じて同表に掲げるところにより期間を定め、当該有資格者に対し指名停止等を行うものとする。

2 区長は、有資格者が別表に掲げる要件の2以上に該当した場合は、これら2以上の要件に係る指名停止期間のうち、最も長い期間を指名停止期間とする。

3 区長は、指名停止期間中の有資格者が別表に掲げる要件に該当することとなった場合は、その時点から重複して、当該要件に定める期間について指名停止等を行うものとする。

4 区長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、別表に定める期間の範囲内で、同表に掲げる標準期間に加算して指名停止期間を定めることができる。

(1) 有資格者が、別表の1又は4の(3)に掲げる要件に係る指名停止期間中又は指名停止期間満了後3年を経過するまでの間に、再び、同表の1又は4の(3)に掲げる要件に該当することとなったとき。

(2) 有資格者が、別表の3に掲げる要件に係る指名停止期間中又は指名停止期間満了後3年を経過するまでの間に、再び同表の3に掲げる要件に該当することとなったとき。

(3) 有資格者が、別表の4の(1)又は(2)に掲げる要件に係る指名停止期間中又は指名停止期間満了後3年を経過するまでの間に、再び同表の4の(1)又は(2)に掲げる要件に該当することとなったとき。

(4) 有資格者が、別表の4の(4)に掲げる要件に係る指名停止期間中又は指名停止期間満了後3年を経過するまでの間に、再び同表の4の(4)に掲げる要件に該当することとなったとき。

(5) 有資格者が、別表の4の(1)から(5)までに掲げる要件に該当する場合で、当該違反行為において有資格者である個人又は法人の代表権を有する役員(代表権を有すると認めるべき肩書を付した役員を含む。以下「代表役員等」という。)が主導的役割を果たしたとき又は当該違反行為が極めて広域的に行われたとき。

(6) 前各号に掲げるもののほか、特に必要であると認められるとき。

5 区長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、別表に定める期間の範囲内で、標準期間よりも短縮して指名停止期間を定めることができる。

(1) 別表の2又は3に該当する場合で、事後処理が適切になされたと認められるとき。

(2) 前号に掲げるもののほか、特に必要があると認められるとき。

6 区長は、悪質な事由、斟酌すべき事由等がある場合は、別表に定める期間の範囲にかかわらず、委員会と協議の上、指名停止期間を定めることができる。

7 区長は、指名停止期間中の有資格者について、必要があると認めるときは、別表に定める期間の範囲内で、指名停止期間の変更を行うことができる。

8 区長は、第4条第2項の規定による下請負人等の指名停止期間については、元請負人の指名停止期間の範囲内で事情に応じて定める。

(解除)

第6条 区長は、指名停止期間中の有資格者が、指名停止等の原因となった事実又は行為について責めを負わないことが明らかとなったときは、当該有資格者に係る指名停止等の解除を行う。

(通知)

第7条 区長は、第2条第1項の規定により指名停止等を行ったとき、第5条第7項の規定により指名停止期間を変更したとき及び前条の規定により指名停止等を解除したときは、当該有資格者に対し遅滞なく通知する。

(公表)

第8条 区長は、第2条第1項の規定により指名停止を行ったときは、有資格者名、理由、指名停止期間等を公表するものとする。

2 区長は、第5条第7項の規定により指名停止の期間を変更したときは、変更内容に応じ、前項の規定により公表した内容を変更する。

3 区長は、第6条の規定により指名停止を解除したときは、公表を取りやめる。

(随意契約の相手方の制限)

第9条 契約担当者は、指名停止期間中の有資格者を随意契約の相手方としてはならない。ただし、やむを得ない事由により、あらかじめ区長の承認を得たときは、この限りでない。

(下請等の禁止)

第10条 契約担当者は、指名停止期間中の有資格者が区が発注する工事、委託等の一部を下請けし、又は受託することを承認してはならない。

(指名停止等の特例)

第11条 区長は、地方自治法施行令第167条の2第1項第2号の規定による随意契約であって、指名停止期間中の有資格者しか当該契約を履行することができず、かつ、履行開始まで十分な期間が無い場合は、委員会の協議を経ることなく、指名停止期間中の有資格者であっても指名停止等の取扱いとしないことができる。この場合において、区長は契約後速やかに委員会に協議を行うものとする。

(施行期日)

1 この要綱は、平成28年4月1日から施行する。

(工事請負業者指名停止基準の廃止)

2 工事請負業者指名停止基準(昭和46年11月24日江総財発第201号)は、廃止する。

別表(第2条、第3条、第4条、第5条関係)

要件

期間

1 贈賄

 

(1) 次のア、イ又はウに掲げる者が、江東区の職員に対する贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで起訴された場合

逮捕又は起訴を知った日から

ア 代表役員等

12か月以上24か月以内(標準期間24か月)

イ 有資格者である法人の役員、執行役員、支店を代表する者又は営業所を代表する者(常時契約を締結する権限を有する事務所の長をいう。)で、アに掲げる者以外のもの(以下「一般役員等」という。)

9か月以上24か月以内(標準期間18か月)

ウ ア又はイに掲げる者以外の者(以下「使用人」という。)

6か月以上18か月以内(標準期間12か月)

(2) 次のア、イ又はウに掲げる者が、東京都の区域内における江東区以外の公共機関(刑法(明治40年法律第45号)その他の法律により、贈収賄に関する規定の対象となる機関をいう。以下同じ。)の職員に対する贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで起訴された場合

逮捕又は起訴を知った日から

ア 代表役員等

6か月以上18か月以内(標準期間12か月)

イ 一般役員等

4か月以上12か月以内(標準期間9か月)

ウ 使用人

3か月以上9か月以内(標準期間6か月)

(3) 次のア、イ又はウに掲げる者が、東京都を除く関東地方の区域内における江東区以外の公共機関の職員に対する贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで起訴された場合

逮捕又は起訴を知った日から

ア 代表役員等

4か月以上12か月以内(標準期間9か月)

イ 一般役員等

3か月以上9か月以内(標準期間6か月)

ウ 使用人

1か月以上5か月以内(標準期間3か月)

(4) 次のア、イ又はウに掲げる者が、東京都及び関東地方以外の区域における江東区以外の公共機関の職員に対する贈賄の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで起訴された場合

逮捕又は起訴を知った日から

ア 代表役員等

4か月以上12か月以内(標準期間9か月)

イ 一般役員等

1か月以上6か月以内(標準期間4か月)

ウ 使用人

1か月以上3か月以内(標準期間2か月)

2 契約(物品の買入れに関するものを除く。)履行上の事故

 

(1) 江東区発注の契約履行上の事故

 

ア 事故を発生させ、公衆に死者を出し、又は広範囲にわたる公衆が被害を受け、社会的及び経済的に損失が大きい場合

2か月以上6か月以内(標準期間4か月)

イ 事故を発生させ、公衆に傷害を与え、又は事故周辺の公衆が被害を受けた場合

1か月以上3か月以内(標準期間2か月)

ウ 事故を発生させ、従業員その他の関係者(下請負人の従業員を含む。以下同じ。)に死者又は多数の負傷者を出した場合

1か月以上3か月以内(標準期間2か月)

(2) (1)以外の契約において事故を発生させ、公衆又は従業員その他の関係者に多数の死傷者を出す等社会的及び経済的に損失が著しく大きい場合

1か月以上5か月以内(標準期間3か月)

3 契約履行成績不良等

 

(1) 江東区発注の工事契約において、江東区工事成績評定要綱(平成20年1月31日19江総経第2151号)に定める工事成績評定が著しく不良であると認められる場合

1か月以上12か月以内

40点未満(標準9か月)

40点以上50点未満(標準期間6か月)

50点以上55点未満(標準期間3か月)

55点以上60点未満(標準期間1か月)

(2) 江東区発注の工事契約において、施工に当たり、工事を粗雑にしたと認められる場合

1か月以上12か月以内(標準期間9か月)

(3) その他江東区発注の契約において、その履行に際し著しく適正を欠く行為があったと認められる場合

1か月以上6か月以内(標準期間3か月)

4 契約に関連する違法行為等による社会的信用失墜行為

 

(1) 次のア、イ又はウに掲げる契約において、有資格者である個人、有資格者である法人の役員又は使用人が、談合又は競売入札妨害で刑法又は私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)に違反した容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで起訴された場合

逮捕又は起訴を知った日から

ア 江東区発注の契約

6か月以上24か月以内(標準期間12か月)

イ 江東区発注の契約を除く関東地方におけるもの

4か月以上12か月以内(標準期間6か月)

ウ イの区域外のもの

2か月以上6か月以内(標準期間3か月)

(2) 次のア、イ又はウに掲げる契約において、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律に違反((1)の場合を除く。)し、契約の相手方として不適当であると認められる場合

 

ア 江東区発注の契約

3か月以上12か月以内(標準期間6か月)

イ 江東区発注の契約を除く関東地方におけるもの

2か月以上12か月以内(標準期間4か月)

ウ イの区域外のもの

1か月以上6か月以内(標準期間2か月)

(3) 次のア、イ又はウに掲げる契約において、公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)に違反(契約に関わるものに限る。)し、契約の相手方として不適当であると認められるもの

 

ア 江東区発注の契約

3か月以上12か月以内(標準期間6か月)

イ 江東区発注の契約を除く関東地方におけるもの

2か月以上12か月以内(標準期間4か月)

ウ イの区域外のもの

1か月以上6か月以内(標準期間2か月)

(4) 次のア、イ又はウに掲げる契約において、建設業法(昭和24年法律第100号)に違反し、国土交通大臣又は都道府県知事から営業停止処分を受けた場合

 

ア 江東区発注の契約

3か月以上9か月以内(標準期間4か月)

イ 江東区発注の契約を除く関東地方におけるもの

2か月以上6か月以内(標準期間3か月)

ウ イの区域外のもの

1か月以上3か月以内(標準期間2か月)

(5) 次のア、イ又はウに掲げる契約において、有資格者である個人、法人の役員又は使用人が、契約に関わる法令違反の容疑により逮捕され、又は逮捕を経ないで起訴された場合

 

ア 江東区発注の契約

3か月以上12か月以内(標準期間6か月)

イ 江東区発注の契約を除く関東地方におけるもの

2か月以上12か月以内(標準期間4か月)

ウ イの区域外のもの

1か月以上6か月以内(標準期間2か月)

(6) 上記(1)から(5)までに掲げる場合のほか、次のア又はイに掲げる違法行為等を行うことにより、社会的信用を著しく失墜したと認められる場合

1か月以上9か月以内

ア 税法違反(法人税法(昭和40年法律第34号)違反、所得税法(昭和40年法律第33号)違反、消費税法(昭和63年法律第108号)違反及び地方税法(昭和25年法律第226号)の規定中法人事業税又は個人事業税違反)及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(平成12年東京都条例第215号)の規定中自動車又は建設作業機械等からの排出ガスに含まれる粒子状物質等の量を増大させる燃料の使用禁止違反

(標準期間2か月)

イ ア以外の違法行為等

(標準期間1か月)

5 入札参加における虚偽記載等

江東区発注の契約に係る一般競争入札又は指名競争入札において、当該入札に係る競争入札参加資格確認申請書、競争入札参加資格確認資料その他の調査資料に虚偽の記載(電子入札による虚偽の入力を含む。)をし、契約の相手方として不適当であると認められる場合

1か月以上9か月以内(標準期間3か月)

6 入札参加資格申請における虚偽申請

東京電子自治体共同運営により、江東区に入札参加資格申請を行う場合において、申請に際し、虚偽の入力をし、又は添付書類に虚偽の記載をし、契約の相手方として不適当であると認められる場合

1か月以上12か月以内(標準期間6か月)

7 不誠実な行為

江東区発注契約に係る一般競争入札若しくは指名競争入札において落札者と決定された者又は随意契約において契約の相手方として決定された者が、正当な理由がなく契約を締結しない場合

1か月以上12か月以内(標準期間6か月)

8 その他不正な行為

4に掲げる場合のほか、これらに準ずる不正な行為をし、契約の相手方として不適当であると認められる場合

1か月以上12か月以内

江東区競争入札参加有資格者指名停止措置要綱

平成28年3月31日 江総経第3281号

(平成28年4月1日施行)