パブリックコメントについて
パブリックコメント手続の概要
「意見提出手続」とも呼ばれています。区民生活に広く関わりのある区の基本的な計画等を決定するときに、事前に案を公表し、区民の皆さんのご意見をいただき、考慮して決定するとともに、寄せられたご意見とそれに対する区の考え方を公表する手続です。
江東区パブリックコメント実施要綱(解説)
全文
解説
第1条(目的)
この要綱は、パブリックコメントに関し必要な事項を定め、区民生活に広く関わりのある区の計画等を策定する過程において、区民が自由に意見を述べることができる機会を設けることにより、区の行政運営における公正の確保及び透明性の向上を図り、もって区政への区民参画の促進及び開かれた区政運営を実現することを目的とする。
【解説】
従来も、広報紙や説明会等で意見を頂いていましたが、「パブリックコメント」として統一した手続方法をとり、区民の皆さまが自由に意見を述べることができる制度として、要綱を定めました。
「パブリックコメント」という名称は、カタカナ語で分りにくい面もありますが、平成11年3月23日の閣議決定(注釈)以降、各行政機関や自治体において実施され、一般化も進みつつあるため、そのまま採用しました。
(注釈)「規制の設定又は改廃に係る意見提出手続」(平成11年3月23日閣議決定)
規制の設定又は改廃に伴い政令・省令等を策定する過程において、国民等の多様な意見・情報・専門的知識を行政機関が把握するとともに、その過程の公正の確保と透明性の向上を図ることが必要である。このような観点から、規制の設定又は改廃に当たり、意思決定過程において広く国民等に対し案等を公表し、それに対して提出された意見・情報を考慮して意思決定を行う提出手続(いわゆるパブリックコメント手続)を、以下のとおり定める。・・・
第2条(定義)
この要綱において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) パブリックコメント 次に掲げる一連の手続をいう。
ア 区民生活に広く関わりのある区の計画、方針、条例案等(以下「計画等」という。)の策定に当たり、当該計画等の趣旨、目的、内容等の必要な情報を公表すること。
イ アにより公表したものに対する区民等からの意見及び情報(以下「意見等」という。)を考慮して意思決定を行うこと。
ウ 意見等に対して、区の考え方を公表すること。
(2) 実施機関 区長、教育委員会、選挙管理委員会及び監査委員をいう。
(3) 担当課 江東区組織規則(昭和48年5月江東区規則第19号)第7条に規定する課その他これらに準ずるもの及び会計管理室で、計画等を所掌する部署(複数の部署が分掌するときは、主に分掌する部署)をいう。
(4) 区民等 次に掲げるものの総称をいう。
ア 区内に住所を有する者
イ 区内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体
ウ 区内に存する事務所又は事業所に勤務する者
エ 区内に存する学校に在学する者
オ 当該パブリックコメントに係る事案に直接的な利害関係を有すると認められる者
【解説】
(1)
ア 「計画等」は、計画・指針・大綱等、名称は問わず、あくまでも「区民生活に広く関わりのある」ものを指します。
ウ 従来も、計画等の策定過程で意見募集を行なうことはありましたが、パブリックコメントは、意見等に対する区の考え方を公表することが、大きな特徴です。
(4) 意見を提出するときには、第7条第3項により、この規定による提出者の範囲を特定できる事項を明示していただきます。
第3条(対象)
パブリックコメントの対象となる計画等の策定等は、次に掲げるものとする。
(1) 区の総合的な施策に関する計画の策定及び重要な改定
(2) 各行政分野の施策の基本方針又は基本計画の策定及び重要な改定
(3) 区政運営に関する基本的な方針等を定める条例又は各行政分野の基本方針等を定める条例の制定、改正及び廃止
(4) 前3号に掲げるもののほか、実施機関が必要と認める計画等の策定等
【解説】
計画等が「区民生活に広く関わり」があり、手続を適用するか否かは、計画等を所管する担当課や政策経営部が、本要綱の趣旨に基づいて判断します。
第4条(適用除外)
前条の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する場合は、計画等の策定等に当たり、パブリックコメントを適用しないことができる。
(1) 計画等の策定等が迅速性若しくは緊急性を要する場合又は軽微な場合
(2) 地方税及び保険料の賦課徴収並びに分担金、使用料、手数料等の徴収に関する条例の制定、改正又は廃止に係る場合
【解説】
(1) 「迅速性又は緊急性を要する場合」とは、事務処理に係る時間の経過により、計画等の効果が損なわれるなどの理由でパブリックコメント手続を経るいとまがない場合を言います。
(2)地方自治法第74条第1項において、「地方税の賦課徴収並びに分担金、使用料及び手数料の徴収に係る条例の制定・改廃」が、直接請求の対象外となっていることを踏まえ、本要綱でも対象外としました。
第5条(公表の時期等)
実施機関は、第3条各号に掲げる計画等の案(以下「計画案」という。)を立案しようとするときは、最終的な意思決定を行う前の適切な時期に公表しなければならない。
2 実施機関は、前項の規定により計画案を公表するときは、原則として次に掲げる情報を公表するものとする。
(1) 当該計画案及びその概要
(2) 当該計画案を作成した趣旨、目的及び背景
(3) 当該計画案に関連する資料
【解説】
1「適切な時期」とは、計画そのものの策定スケジュールや、第7条の意見提出期間(3週間以上)等を考慮したものとします。
2 区民の皆さまが、計画案に対して積極的に意見を提出できるようにするために、必要かつ充分な量の分かりやすい資料を用意します。
- 当該計画案
- 計画案の概要
- 趣旨、目的及び背景
- 関連する資料(例)
- ア 根拠法令
- イ 計画の策定及び改定にあっては、上位計画の概要
- ウ 当該施策等の案の実現によって生じることが予測される影響の程度及び範囲
- エ 当該施策等の案を立案するに際して整理した論点
第6条(公表の方法等)
実施機関は、計画案の情報を公表しようとするときは、次に掲げる方法により行うものとする。ただし、広報紙への掲載は、概要のみとすることを妨げない。
(1) 区ホームページへの掲載
(2) 担当課窓口への備付け
(3) 区の情報公開コーナーへの備付け
(4) 広報紙への掲載
(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が適当と認める方法
【解説】
関心をもつ区民の皆さまが情報を入手しやすいよう、複数の方法により広く周知を行ないます。
(1) 区の公式ホームページに、第5条第2項各号の内容(下記)をページを掲載します。
- 当該計画案
- 計画案の概要
- 趣旨、目的及び背景
- 関連する資料
(2)(3) 担当課窓口・情報公開コーナーでも区民の皆さんが閲覧等できるよう、第5条第2項各号の内容を、備え付けます。
第7条(意見等の提出)
意見の提出期間は、計画案の概要を掲載した広報紙の発行の日から起算して3週間以上とする。
2 実施機関は、意見等の提出期間、提出方法その他意見等の提出に係る必要な事項について、計画案を公表するときに明示しなければならない。
3 意見等を提出する者(以下「提出者」という。)は、意見等を提出するときは、次に掲げる事項を明示するものとする。
(1) 氏名(法人その他の団体にあっては、名称及び代表者氏名)
(2) 住所(法人その他の団体にあっては、区内に存する事務所等の所在地及びその名称)
(3) 区内に住所を有しない者にあっては、区内に存する勤務先又は通学先の所在地及びその名称
(4) 区内に住所、勤務先又は通学先を有しない者にあっては、計画案に直接的な利害を有するとする理由
(5) 前各号に掲げるもののほか、実施機関が指定する事項
4 意見等の提出方法は、次に掲げる方法による。
(1) 郵便、ファクシミリ等
(2) 担当課窓口へ直接提出
(3) 電子メール
(4) 前3号に掲げるもののほか、実施機関が適当と認める方法
【解説】
1.実施機関は、情報公表後、区民の皆さまが意見等を提出するのに必要な期間として、3週間(以上)の期間を確保します。
2.計画の公表時に実施機関は、意見等が提出できる期間の他、4項に定める以外の提出方法がある場合はその旨を明示します。
3.意見等を提出するときには、住所、氏名又は団体名等を明示していただきます。
(1) 氏名。法人及びその他の団体の場合は、その名称及び代表者の氏名。
(2) 住所。法人及びその他の団体の場合は、それらが存在する区内事務所の所在地や事務所等の名称。(区内の場合)
(3) 区内に在住しない在勤・在学の者の場合は、勤務先又は通学先の所在地とその名称。(在勤・在学)
(4) 上記(2)(3)に該当しない者は、案に対する利害があるとする理由。
4.意見等の提出方法は、郵便、電子メール、ファクシミリ等の「文書」によるものとします。(電話では、誤解等トラブルの要因となる可能性が大きいため)
電子メールによる意見の提出は、本区ホームページの専用フォームからのみ提出することができます。(暗号化通信により送信情報の保護を図ります。)
第8条(意思決定に当たっての意見等の考慮及び公表)
実施機関は、区民等から提出された意見等を考慮し、意思決定を行うものとする。
2 実施機関は、前項の規定により意思決定を行ったときは、次に掲げる事項を公表しなければならない。
(1) 意見等
(2) 意見等に対する区の考え方
(3) 計画案を修正して意思決定をしたときは、当該修正の内容
(4) 前3号に掲げるもののほか、実施機関が適当と認める事項
3 前項の規定による公表については、第6条の規定を準用する。
【解説】
1.実施機関は、提出された意見等を考慮し、計画案についての意思決定を行います。ただしパブリックコメント手続は、いわゆる住民投票のように、計画案の賛否を問うものではありません。
2.
(1) 区民等からの意見等(意見及び情報)の公表は、類似した意見ごとにまとめ適宜整理して公表いたします。
(2) 賛否の結論を示しただけの意見等に対しては、区の考え方を省略させていただきます。
第9条(意見等の取扱い及び個人情報の保護)
実施機関は、前条第2項の規定にかかわらず、提出された意見等を公表することが第三者の正当な権利利益を害するおそれがあると認めるときは、当該意見等の全部又は一部を公表しないことができる。
2 実施機関は、第7条第3項の規定により提出者に明示させた氏名、住所その他の個人情報を、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の規定に基づき、適正に管理しなければならない。
【解説】
意見等の提出に伴って区民の皆さまから明示していただいた個人情報については、法律に基づき適正に管理します。
第10条(意思決定過程の特例)
実施機関は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項に規定する附属機関その他これに準ずる機関から、この要綱に定める手続に準ずる手続を経て計画等を策定した場合、答申等に基づき実施機関が計画等を立案する場合、その他計画等の立案に関し、この要綱に規定する事項について他に特別の定めがある場合は、この要綱に定める手続を行わないで計画等の策定の意思決定を行うことができる。
2 実施機関は、法令により縦覧等の手続が義務づけられている計画等の策定に当たっては、この要綱と同等の効果を有すると認められる範囲内において、この要綱の手続を行ったものとみなし、その他必要な手続のみを行うことで計画等の策定の意思決定を行うことができる。
【解説】
- 区が附属機関等の答申等を受けて計画案の決定をする際、附属機関等で既に本手続に準じた行為を行っている場合は、効率性と費用対効果の観点から、同種の手続回避を可能としました。
- 例えば法定縦覧手続など、案の公表、区民等の意見提出が法令で定められている場合、提出された意見及びこれに対する実施機関の考え方を公表することで、本手続を実施したこととするものです。
第11条(一覧の作成)
実施機関は、第5条第1項の規定による公表を行っている計画案及び第8条第2項の規定による公表を行っている計画等の一覧を作成し区の情報公開コーナーに備え付けるとともに、区のホームページに適宜掲載するものとする。
【解説】
「意見募集のために公表した計画案(第5条第2項各号)」と「寄せられた意見等(第8条第2項各号)」をそれぞれ「一覧」にし、備えておくことを規定しています。
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