「学校、今日行く！」～教育長の学校日記～

私の夢は、みんなの夢になり…、そして実現する＜後編＞

▲アンコールに応えてくださいました	▲三大小の階段には、こんな言葉が

　三大小5・6年生のこどもたちは、今日、佐藤ひらりさんに会えることは知っていました。事前に動画を見たり、それぞれに調べたりして、今日の授業をわくわくして迎えたはずです。私も、自分でひらりさんのことを調べ、動画も見てきました。夢を抱き、努力を重ね、実現してきたそのパワー、そして今も新たな夢に挑戦されているひらりさん、心の底から「すごい！」と感じましたし、「私も頑張らないと！」と思いました。

　こどもたちの前でひらりさんは、「夢を実現すること」について、直接話してくださいました。「私は8年間、『東京パラリンピックで国歌を歌うのが夢です』と言い続けてきました。すると、次第に私の夢が、たくさんの人たちの夢になって、たくさんの人たちが応援してくれるようになりました。そして、夢がたくさんの人に伝わって、実現することができました。皆さんも、自分の夢や目標を、言って叶わなかったらどうしようと考えるのではなくて、声にして言い続けてください！言い続けることが大事です」夢を実現したひらりさんの言葉は、説得力が違います。

　そして、ここでこどもたちへのサプライズが浦野校長先生からありました。「実は、佐藤ひらりさんに、皆さんが口ずさめる学校の応援歌のような、スクールソングをつくってもらえることになりました！」こどもたちは大喜びで、歓声が上がりました。

　そこで、5・6年生のこどもたちが、ひらりさんが歌をつくれるように三大小のことを伝えようということになりました。こどもたちは次々と意見を言ってくれました。「歴史がある」、「来年100周年」、「給食がおいしい」、「広い校庭に芝生がある」、「あいさつが元気にできる」、「下級生とも仲良くできる」、「行事がたくさんある」、「明るくて楽しい」、「友達がいっぱいいる」等々…。「学校からの景色とかはどう？」と先生が言うと、「校庭から見ると青空がいっぱいに広がっていて、屋上に上がるとすずしくて、まわりの景色がきれいに見えます」、「近くには川が流れています」、「木がいっぱいあって、緑が豊かです」とさらに意見が出てきました。ひらりさんは、こどもたちの一つ一つの意見をしっかりと受け止め、優しく言葉をかけてくださっていました。ひらりさんは、こどもたちの言葉だけでなく、声や雰囲気等、伝わってくるものを大事にしているのだそうです。きっと心の目で、三大小を、三大小のこどもたちを見ていらっしゃるのでしょう。授業が終わって、こどもたちが体育館から教室に戻る時のことです。ひらりさんは、退場して体育館内の控室に入られていたのですが、自然と「ありがとうございました」と大きな声で言いながら退場して行く子が何人もいるのです。その声もきっと、ひらりさんに届いていたことと思います。自分の思いを自然と行動に移せる、それも本校のこどもたちのよさですね。こどもたちの発言やひらりさんの話を聞いている時に、自然と拍手をしていたのも印象的でした。

　大人たちから始まった夢が、こどもたちにバトンタッチされました。ここから、こどもたちは、ひらりさんのスクールソングづくりに関わっていきます。多くの人たちの手によって夢が実現していくことを、体験を通して実感していくことと思います。教室に戻ったこどもたちは、早速自分たちの夢について語ったり、スクールソングについて話したりしていました。どんなスクールソングになるのか、楽しみです。

　素敵な授業に参加させてもらったお礼に、私からもこどもたちにサプライズで、ひらりさんとこどもたちをつなぐものとして、東京パラリンピックの聖火トーチを持っていきました。ひらりさんにも触っていただきました。「夢は、言い続けること」そして、「私の夢が、みんなの夢になり、実現していくこと」こどもたちは、この言葉をしっかりと心に刻んだことと思います。三大小のスローガンは、「Dream夢をもって Dynamic生き生きと Dramaticワクワクする」です。私は、皆さんの次の夢への挑戦、そして実現を期待していますし、皆さんを応援しています！まさに、「みんな、かがやく！」

江東区教育委員会　教育長　本多健一朗