○江東区浄化槽指導要綱
平成13年8月7日
江環清発第114号
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、浄化槽法(昭和58年法律第43号。以下「法」という。)、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「基準法」という。)、江東区浄化槽法施行細則(平成18年3月江東区規則第47号。以下「規則」という。)その他浄化槽関係規程に定めるもののほか、公共用水域等の水質の保全等の観点から浄化槽によるし尿及び雑排水の適正な処理を図り、生活環境の保全及び公衆衛生の向上に寄与するため、浄化槽の設置基準及び手続並びに維持管理等に関し浄化槽関係者が行うべき必要な事項を定める。
(用語の定義)
第2条 この要綱における用語の意義は、法、基準法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)に定めるところによるもののほか、次に定めるとおりとする。
(1) 合併処理浄化槽 し尿と併せて雑排水(厨房、浴室、洗濯排水等の生活排水)を一括して処理する浄化槽で、別表第1に定めるものをいう。ただし、第3条第2項第2号但書では、建設省告示第1292号第13に基づき国土交通大臣の認定を受け、かつ生物化学的酸素要求量10mg/l以下、生物化学的酸素要求量除去率90%以上及び、全窒素10mg/l以下の処理性能を有する浄化槽をいう。
(2) 単独処理浄化槽 し尿のみを処理する浄化槽をいう。
(3) 浄化槽管理者 浄化槽の所有者、占有者その他の者で当該浄化槽の管理について権原を有するものをいう。
(4) 法定検査 法第7条第1項の規定による設置後等の水質検査(以下「7条検査」という。)及び法第11条第1項の規定による定期検査(以下「11条検査」という。)をいう。
(5) 維持管理 浄化槽の保守点検、清掃、法定検査等、浄化槽の性能・機能を正常に維持するための管理全般をいう。
(6) 技術管理者 法第10条第2項に定める浄化槽の保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当する者をいう。
(7) 浄化槽関係団体 浄化槽清掃業者等が構成する団体をいう。
第2章 設置基準等
(設置基準等)
第3条 浄化槽を新たに設置するときは、別表第1で定める合併処理浄化槽とすること。
2 浄化槽を設置する場所は、次のとおりとする。
(1) 維持管理を容易に行えること。
(2) 敷地付近に放流先があること。ただし、設置場所周辺に放流できる水路等がない場合は、合併処理浄化槽、付加消毒装置等により、放流水を地下浸透させることができる。
(3) 雨水等により冠水しないこと。
(4) その他、生活環境の保全及び公衆衛生上支障のない場所であること。
3 放流先は次のとおりとする。
(1) 生活環境の保全及び公衆衛生上支障がなく、かつ、水量疎通が適当である水路等であること。
(2) 道路や河川等を使用する場合は、管理者の許可を得ること。
(設置等の手続)
第4条 浄化槽の設置等の手続及び届出書類等については、次の各号のとおり定める。
(1) 法の規定に基づく手続は、次のとおりとする。
ア 法第5条第1項の規定により浄化槽を設置しようとする者は、浄化槽工事の技術上の基準及び浄化槽の設置等の届出に関する省令(昭和60年厚生省・建設省令第1号。以下「共同省令」という。)第3条第1項の浄化槽設置届出書に別表第2に掲げる書類を添付し、区長及び区長を経由して特定行政庁に提出すること。
イ 法第5条第1項の規定により浄化槽の構造又は規模の変更をしようとする者は、共同省令第4条第1項の浄化槽変更届出書に別表第2に掲げる書類を添付し、区長及び区長を経由して特定行政庁に提出すること。
ウ 法第10条の2第1項の規定により浄化槽管理者は、浄化槽使用開始の日から30日以内に浄化槽使用開始報告書(規則第4号様式)を区長に提出すること。
エ 法第10条の2第2項の規定により政令で定める規模の浄化槽管理者は、技術管理者を変更した場合は、変更の日から30日以内に技術管理者変更報告書(規則第5号様式)を区長に提出すること。
オ 法第10条の2第3項の規定により浄化槽管理者が変更になった場合は、新たに浄化槽管理者となった者は、変更の日から30日以内に浄化槽管理者変更報告書(規則第6号様式)を区長に提出すること。
(2) 基準法の規定に基づく手続は、次のとおりとする。
ア 基準法第6条第1項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による建築確認申請又は同法第18条第2項(同法第87条第1項において準用する場合を含む。)の規定による計画通知において浄化槽を設置しようとする者は、当該建築確認申請書又は計画通知書に別表第2に掲げる書類を添付して建築主事に申請すること。
イ 建築工事の完了前に新たに浄化槽を設置する場合又は浄化槽の構造若しくは規模の変更をする場合には、あらかじめ建築主事に報告すること。この場合においては、別表第2に掲げる書類等のうち変更に係わる書類等を添付すること。
(3) 浄化槽管理者は、浄化槽の使用を廃止した場合は、法第11条の2の規定により、廃止の日から30日以内に浄化槽使用廃止届出書(環境省関係浄化槽法施行規則(昭和59年厚生省令第17号。以下「環境省令」という。)様式第1号)を区長に提出すること。
(関係者等の責務)
第5条 次に掲げる浄化槽関係者は、浄化槽の設置及び維持管理等にあたっては関係法令の規定のほか、次の各号について行わなければならない。
(1) 浄化槽管理者は、法定検査を受検し、維持管理を実施し、及び環境省令第1条の規定により浄化槽を使用するほか、次の事項を行うこと。
ア 既に単独処理浄化槽を設置している者は、合併処理浄化槽に転換するよう努めること。
イ 浄化槽の保守点検を委託する場合は、法第2条第11号に定める浄化槽管理士に委託すること。
ウ 浄化槽清掃を委託する場合は、法第35条第1項に基づく区長の許可を受けた浄化槽清掃業者に委託すること。
エ 建築基準法施行令第32条第1項に規定する処理対象人員が201人以上であって、その放流水が水質総量規制地域に流入する浄化槽施設の浄化槽管理者は、法第10条第2項に基づき、自ら技術管理者として浄化槽を管理する場合を除き技術管理者を任命し、当該浄化槽の保守点検及び清掃に関する技術上の業務を担当させること。
オ 共同で浄化槽を使用する場合又は浄化槽が設置されている建築物を賃貸借する場合は、維持管理主体を明確にすること。
(2) 技術管理者は、施設ごとの専従を原則とし、保守点検作業及び清掃作業の両業務を統括すること。
(3) 浄化槽清掃業者は、法第9条に基づき、環境省令第3条に規定する清掃の技術上の基準等に従って業務を行うことのほか、次の事項を行うこと。
ア 清掃の実施にあたっては、作業の安全と周辺の生活環境の保全及び公衆衛生に十分配慮すること。
イ 清掃の実施にあたっては、浄化槽管理者又はその代理人等に立会を求め、清掃終了後は確認を受けること。
ウ 清掃の実施にあたっては、別表第4に掲げる用具を用いること。
エ 清掃実施後は、清掃の記録を2部作成し、1部を浄化槽の浄化槽管理者に交付し、1部を自ら3年間保存すること。
オ 清掃の結果、浄化槽に異常を認めた時は速やかに浄化槽管理者に報告すること。
カ 浄化槽の清掃に関する実績報告は、浄化槽清掃実績報告書(別記第2号様式)により行うこと。
キ 浄化槽管理者が11条検査の受検手続を行っていない場合は、浄化槽管理者の委託を受けて手続を行うことができる。
ク 浄化槽の清掃に関する新しい技術について、積極的に取得に努めること。
(4) 浄化槽関係団体は、行政の施策に協力し、構成員に対し、社会的使命の重要性を認識させること。
附則
(施行期日)
1 この規程は、令和5年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この規程の施行の際、この規程による改正前の江東区浄化槽指導要綱の別記第2号様式による用紙で、現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。
別表第1(第2条、第3条関係)
合併処理浄化槽の設置構造指針
処理対象人員 | 構造 | 処理性能(mg/l) | |||
BOD | COD | T―N | T―P | ||
50人以下 | 建設省告示第1第6号に基づく構造を有するもの、又はこれと同等以上の効力を有するものとして国土交通大臣の認定を受けたもの | 20 | ― | 20 | ― |
51人から200人まで | 建設省告示第9に基づく構造を有するもの、又はこれと同等以上の効力を有するものとして国土交通大臣の認定を受けたもの | 10 | 15 | 20 | 1 |
201人以上 | 建設省告示第11に基づく構造を有するもの、又はこれと同等以上の効力を有するものとして国土交通大臣の認定を受けたもの | 10 | 15 | 10 | 1 |
備考
(1) 建設省告示とは、昭和55年建設省告示第1292号をいう。
(2) BOD除去率は、90%以上のものとする。
(3) 201人以上の浄化槽にあっては、あわせて放流水のBOD平均目標5mg/lも基準とする。
別表第2(第4条関係)
設置等の届出に添付する書類等
添付書類 | 部数 | |
確認申請等 | 設置届出書 | |
1 浄化槽法第13条の規定による国土交通大臣の認定を受けた浄化槽を設置し、又はその構造若しくは規模の変更をする場合 |
|
|
(1) 建築物の平面図(配置図及び配線図を含む。) | 2部 | 3部 |
(2) 付近の見取り図 | 2部 | 3部 |
(3) 工場生産浄化槽認定シートの写し | 2部 | 3部 |
(4) 共用下水道等を使用する場合は、その許可証等の写し (例:道路占有許可書、河川放流承認書等) | 2部 | 3部 |
(5) 区画整理等で区長等の許可等を必要とする場合は、その許可書等の写し | 2部 | 3部 |
(6) 浄化槽法第7条の規定による検査依頼書払込票兼受領証の写し | 1部 | 1部 |
(7) 浄化槽カード | 1部 | 1部 |
(8) 浄化槽の排水を再利用又は地下浸透する場合は、東京都環境局が交付する事前協議確認書 | 2部 | 3部 |
2 浄化槽法第13条の規定による国土交通大臣の認定を受けていない浄化槽を設置する場合 |
|
|
(1) 浄化槽の構造図、仕様書及び処理工程図 | 2部 | 3部 |
(2) 設計計算書 | 2部 | 3部 |
(3) 建築物の平面図(配置図及び配管図を含む) | 2部 | 3部 |
(4) 付近の見取図 | 2部 | 3部 |
(5) 共用下水道等を使用する場合は、その承諾書等の写し (例:道路占有許可書、河川放流承認書等) | 2部 | 3部 |
(6) 区画整理等で区長等の許可等を必要とする場合は、その許可書等の写し | 2部 | 3部 |
(7) 浄化槽法第7条の規定による検査依頼書払込票兼受領証の写し | 1部 | 1部 |
(8) 浄化槽カード | 1部 | 1部 |
(9) 浄化槽の排水を再利用又は地下浸透する場合は、東京都環境局が交付する事前協議確認書 | 2部 | 3部 |
備考
(1) 部数欄のうち、確認申請等は建築基準法第6条及び第18条による手続、設置届出書は浄化槽法第5条による手続の提出部数を示す。
(2) 確認申請等における手続で、他の書類で代用することのできる場合は、建築物の平面図等は省略できる。
別表第3(第5条関係)
浄化槽の水質管理項目
浄化槽の機能効率を正しく把握し、適正な放流水等の水質管理を行うため、次のとおり放流水等の水質検査、機能検査を実施する。
分類 | 検査項目 | 放流水水質検査 | 機能検査 | |||
流入水 | ばっき室(槽)内混合液 | 接触ばっ気室(槽)内液 | 回転版接触槽内液 | |||
A | 水温 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
色相 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
臭気 | ○ |
| ○ | ○ | ○ | |
透視度 | ○ | ○ |
| ○ | ○ | |
水素イオン濃度指数 | ○ | ○ |
| ○ | ○ | |
溶存酸素量 |
|
| ○ | ○ | ○ | |
汚泥沈殿率(SV) |
|
| ○ |
|
| |
亜硝酸性窒素 | ○ |
|
|
|
| |
残留塩素量 | ○ |
|
|
|
| |
塩素イオン濃度 | ○ |
|
|
|
| |
MLSS |
|
| ○ |
|
| |
B | BOD | ○ | ○ |
|
|
|
COD | ○ |
|
|
|
| |
大腸菌群数 | ○ |
|
|
|
| |
SS | ○ | ○ |
|
|
|
備考
(1) 分類Aについては、定期点検の都度行うこと。
(2) 分類Bについては、処理対象人員501人以上の浄化槽は毎月1回以上、処理対象人員201人以上500人以下の浄化槽は6月に1回以上測定すること。
(3) 単独処理浄化槽では、流入水の検査は行わなくてもよい。
(4) 合併処理浄化槽では、塩素イオン濃度の検査は行わなくてもよい。
別表第4(第5条関係)
浄化槽清掃作業用具一覧表
1 | マンホールふたあけ用具 | 10 | ヘルメット |
2 | スカム、汚泥厚測定器具 | 11 | 噴霧器、殺虫剤 |
3 | スカム破砕用具 | 12 | 浄化槽の機能点検を行うに適する用具、温度計、透視度計、水素イオン濃度指数測定器具、沈殿汚泥試験器具 |
4 | パイプ、スロット清掃用具 | ||
5 | ろ床等の洗浄用具 | ||
6 | 夾雑物かきあげ用具 | ||
7 | 自吸式ポンプその他汚泥の引き出しに適する用具 | 13 | 酸素濃度測定器具 |
8 | 送風機 | 14 | 硫化水素濃度測定器具 |
9 | ガスマスク | 15 | その他清掃作業に必要とする用具 |
別記第1号様式(第4条関係)
略
別記第2号様式(第5条関係)
略