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更新日:2023年5月12日

定例記者会見 令和5年5月1日分

区長就任挨拶

 皆さん、こんにちは。区長の木村弥生です。私は、4月23日の区長選挙で、これまでの区政のあり方、体質を変えると訴えて、7万5,906人の区民の皆さんからのご支持を得て当選させていただき、このたび第6代の江東区長に就任いたしました。

 はじめは大きな海に小舟でこぎ出すような選挙でございましたが、400回近くの街頭活動を続けていく中で、区民の皆さんからのご支援でここまでたどり着くことができました。今、改めてこの江東区政を預かる責任の重さを痛感し、身の引き締まる思いでございます。

 昭和22年3月、江東区の誕生から76年の歳月を経て、この間、5代にわたる区長の確実な歩みと、輝かしい業績がありました。とりわけ、山﨑前区長の功績には、敬意を表するものがあり、私も、今日までの江東区政の良いところは継承しつつも、時代の変化に対応した、多様性のある、開かれた新時代の江東区を皆さんと協働して創ってまいりたいと思います。

 これまでに看護師、保健師として勤務し、大学病院や保健所の臨時職員として働いてまいりました。また、国会議員として、政権与党の中で、子育て支援や、こどもの貧困、児童虐待や生きづらさを抱えておられる方々への支援などの政策に強い思いを持って取り組んでまいりました。私のこれまでのあらゆる経験を尽くして、生まれ育った大好きなまち江東区のために、そして、区民の皆さんのために働きます。

 江東区は、人口53万人を超え、多彩な魅力と高いポテンシャルを兼ね備えるまちです。お約束した政策・公約を実行し、「クリーンで開かれた区政」「一人ひとりに寄り添うぬくもりのある区政」「東京オリンピック・パラリンピックの開催地にふさわしい、躍動感のあるまちづくり」を実現していく使命があります。

 さて、私は、今般の区長選挙にあたり、「もっとよくなる江東区」をキャッチフレーズに、6つの政策を掲げました。

 第一は、「こどもまんなか江東区」です。子育てが楽しいと思えるまちにしたいと思います。そして、江東区のこどもたちが、生まれた家庭環境にかかわらず、すくすくと学び成長できるように、教育環境を整えてまいります。

 そのために、妊娠期から育児までの切れ目のない支援、学校給食費の無償化、学校の事務職員やICTの支援員増員をして、学校の先生の負担を軽減するなど、子育ての苦労のリアルを理解し、寄り添う体制を充実いたします。

 第二は、「クリーンで開かれた江東区政」です。区役所の外から、地域の皆さんや、民間の方も含めて、区政運営に貢献していただける方々を、積極的に登用してまいります。もちろん、長年の経験のある職員の皆さんとも協力しあいながら、縦、横、斜めにものが言いあえて、区民の皆さんからのお声にも共感力を持って耳を澄ます、風通しの良い区役所の組織を作ります。

 積極的な情報開示や、第三者機関を設置して、行政のチェック機能を強化してまいります。

 区長任期は長くても、3期12年までとします。区長の給与、退職金の2割カットは、早期に実現したいと思っています。私は、区長選挙に立候補を表明する直前まで、船橋市の保健福祉センターで、会計年度任用職員として働いてまいりました。その経験から、非正規職員の皆さんの処遇改善に何かしら充ててまいりたいと考えています。

 これまでの江東区の区長は年長で、政治経験の豊富な方が続けてこられた分、職員の皆さんには、遠い存在だったかもしれません。しかし、私には気軽に意見や提案を持ってきてほしいと思っています。フラットでオープン、多様性のある環境には、新しいイノベーションが生まれるといいます。職員の皆さんの能動性や提案力に期待していますし、待っております。

 そして私自身も、区長室に閉じこもるのではなく、現場主義、積極的にまちへ出て、皆さんの声を聞く区長でありたいと思います。タウンミーティングも出前型で、重ねてまいります。

 第三は、「つくろう、まちのデザイン」です。木のまち江東区として、木材利用ナンバーワンの自治体を目指すほか、南北をつなぐ次世代の交通対策や、ローカル5Gやドローンなどの情報通信技術を活用した災害対策、水辺とアートのまち構想など、住民が主体となり、産学官民連携で自由度のあるまちづくりを進めてまいります。

 第四は、「広げよう、KOTOブランディング」です。イノベーションを推進する支援体制の構築や、若手起業家を支援する「イノベーション立区・江東区」を立ち上げるほか、江東ブランドの強化など、産業振興に一層力を入れるとともに、江東区版ふるさと納税を実施し、地域の特色と強みを生かしたブランディングを展開いたします。

 広報活動にも力を入れてまいります。何よりも、私、区長みずからがPR隊長となって、国会議員時代の人脈を生かしながら、内外に向けた、江東区の知名度アップに努めてまいります。

 第五は、「健康都市江東区」です。医療と保健所の体制強化により、感染症対策やフレイルの予防を図るほか、地域包括ケアの進化や、これは深いという意味もあります、医療的ケア児とその家族へのサポート体制の充実、ゼロカーボンシティ江東区への取り組みなど、心も、体も、経済も、健康なまちを実現します。

 第六は、「つながろう、世代を超えて」です。様々な困難を抱えながら、行政に「助けて」と言えない人たちがいます。DX化を推進して、役所まで来なくても、書類をたくさん書かなくてもいい、「あなたにはこんな支援がありますよ」と、こちらからアプローチをしていくアウトリーチ型の福祉を目指します。多様性を認め、選択肢のある寛容な社会を目指す、ソーシャルインクルージョン(全ての人々を孤立や摩擦、排除などから援護し、共に生きていく考え方)の実現を推進いたします。

 本日、わざわざ区役所まで来て、私の初登庁を見守ってくださった大勢の区民の皆さんが、期待しながら、これからの江東区の船出を見ておられます。新しく選任されました区議会の皆さんとも十分な連携をとり、ご理解とご協力をお願いしてまいります。

 もっとよくなる江東区、わくわくするまちづくり、江東区新時代のページを、今、皆さんとともに前へ進めてまいります。

 メディアの皆さんにおかれましては、広報活動を強化してまいります。どうぞご協力をよろしくお願い申し上げます。

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(多くの報道陣を前に就任挨拶を行う木村区長)

質疑応答

【記者】(東京ベイネットワーク・宮田)

 1つ目は、今回、区長選に出ようと思ったきっかけを教えていただきたいです。

 2つ目は、「もっとよくなる江東区」というキャッチフレーズで、6つの政策を掲げていると思いますが、その中で特に注目して欲しい政策と、その具体的な取り組みがあれば教えていただきたいと思います。

【区長】

 まず、区長選に出馬するきっかけでありますが、6年間、京都という地縁も血縁もないまちで選挙をしてまいりました。2021年の衆議院選まで、私を支えてくれた京都の皆さんに、まず心から感謝を申し上げるとともに、様々な事情、特に家庭の事情で、ふるさと江東区に、昨年帰ってまいりました。

 こうした中で、保健所の臨時職員として働いておりましたところ、「木村弥生が帰ってきた」と、「話を聞いてみたい」といった有志の皆さんの勉強会に招かれまして、そこでは、今の江東区の実情、いろんなお話がありました。

 どうしても多選の中で硬直化した組織、こういった状況に関して、新しい風が必要だと有志の皆さんの本当にまちを思う想いに背中を押されて、大変厳しい選挙であるということは認識しておりましたが、生まれ育ったまちに帰ってきて、何かしらその選択肢の一つとして、そして女性の区長がちょうど昨年、お2人誕生されましたけれども、足立区そして杉並区、品川区とあった中で、女性の区長という期待もございました。

 こうしたお声に背中を押されての区長の出馬表明でございましたが、それ以外にも保健所で臨時職員として働いてきた中で、本当に、保健所の皆さんが、まだファクス文化の残る中、懸命に働いていて感銘を受けました。船橋の話ですけれども、おそらく江東区もそうだったと思います。自分が行政のトップとなって少しでもこうした方々の処遇改善等をと、そのようなことも含めて区長選への出馬表明となりました。

 大変厳しい選挙と承知しておりましたが、そういった皆さんの思いや、私の故郷を思う想いが出馬表明となった次第でございます。

 2つ目が、「もっとよくなる江東区」の6つの政策。まず、私が400回近い街頭活動の中で、1月からこの3ヶ月間で重ねてきた中で、たくさんの方からお声をいただきました。私は、今回の政党の推薦は一切なく、また組織や団体の支援もない中で、一部の声や一部の団体にではなく、北は亀戸から南は湾岸エリアに至るまで幅広い世代の方々からお声を、ご意見を伺っていく中で、一番多かったのがやはり子育て支援であります。

 特に、例えば、都が全額補助してくれるベビーシッターの助成金や、また、家事代行支援サービスが、江東区の負担がゼロにもかかわらずなかなか進んでいないと、そういったお声は、エリアを問わず要望がありました。このような当たり前の、他の区ではすでに行われているようなところからしっかり進めてまいりたいと思います。

 それ以上に、先ほど申しました、この国も江東区も、ずっと男性が政治の中枢、政策を担ってこられました。高度経済成長の戦後70年代の中で、その方が生産性が良かった時代もあったかもしれません。ただ、今これだけ人口構造がいびつになり、少子化が進んできた中で、やはり私は、これまで子育てや親の介護を配偶者に丸投げしていた、そのような方々が子育て支援の政策を作って、私は国政時代、「どこかずれているのではないか」と思ったことが多々ありました。

 国政時代に力を入れてきたことの一つが、やはり、こども家庭庁の設置の呼びかけでもありましたし、このような子育て世代への支援をしっかりと掲げてまいりたいと思っております。

 そして、もう一つ、たくさんやりたいことはあるのですが、「クリーンで開かれた区政」も同様に、様々な世代の方からご要望がありました。ここはしっかりと、江東区の組織体制が変わったと、皆さんに実感していただけるように、オープンで、そして多様性に満ちた、私が区長になったことで、おそらくこれから女性が意思決定の場で活躍する機会が増えるかと思いますが、そのようなことも期待していただきたいと思います。

 

【記者】(東京新聞・井上)

 「クリーンで開かれた行政」について、例えば、去年あった清掃の問題で新たに検証をやり直したり、具体的に何か考えたり取り組んだりする予定はありますか。

【区長】

 はい。たくさんのご意見を伺った中で、その件もありました。そのため、今回、私が情報開示、情報公開を積極的に進めていくということと、民間の方も入れた第三者委員会の権限をさらに強化していくということを公約にも掲げさせていただきました。今後の展開については、まず、そうした体制をしっかり整え、検討を進めてまいりたいと考えております。

【記者】(東京新聞・井上)

 また、選挙で掲げていた赤ちゃんポストの推進について、時期など具体的に教えてほしいです。

【区長】

 はい。まず、「赤ちゃんポスト」という名称に私は抵抗があります。「こうのとりのゆりかご」の東京版あるいは江東区版でもよいのですけれども、赤ちゃんをまるで投函するというようなこうした印象がある名称に対して少々抵抗があるので、それはそれでよろしいですかね。

 まずですね、妊娠の相談窓口です。特に望まぬ状況になった場合の相談支援体制を強化してまいります。それからアフターピルですね。緊急避妊薬のアクセス改善も国会議員時代から私は取り組んでまいりました。また、性教育ですね。心と相手と自分の体、尊厳を守る性教育というものは、幼児期から必要であると思います。加えて、そうした困難な状況の方々への支援を行うNPOとの連携体制というのも、これまであまり行政が取り組んでこなかった政策課題でありますので、それも進めてまいります。

 その上で「こうのとりのゆりかご」は、ないにこしたことがないです。そのようなものがない社会にしていきたいです。

 しかしながら現実に、どこにも相談できずに、そして自宅や商業施設のトイレでひとりで産んで、どうしていいかわからずにその手で殺めてしまい、本人の人生もその赤ちゃんの人生も台無しになっている。そのような報道が後を絶たない中でどうしたら、そうした事件を少しでも減らすことができるのかといったことに関して、先ほどの相談支援体制の強化というものがあります。

 熊本県の慈恵病院に私も昨年の2月、みずから視察に行ってまいりましたし、これまで国会議員時代に、児童虐待や特別養子縁組制度の民間のあっせん団体による、この議員立法の作成・成立にも力を尽くしてまいりました。

 こうしたことも含めて、慈恵病院のような、24時間365日の体制というのはなかなか難しいです。だからこそ15年間、ドイツでは90ヶ所、広がってまいりましたが、日本では慈恵病院1か所にとどまる結果となりました。

 しかしながら、例えば神戸には、「小さな命のドア」といって、保健師と助産師が中心となって、そうした行き場のない女性、妊娠している女性を、そこで安心して出産させ、そのあとしっかり社会復帰させるような機関もあります。

 では、江東区でどこまでそれができるのかといったことですが、まだまだ理解不足であったりすることも多々あるかと思います。

 1つ言えることは、ないにこしたことがないけれども、現実問題、そうした状況があり、人生を台無しにしている母親、そしてせっかく命を授かりながらこの世の光や、自分の可能性を実現することもなく、母親の手によって殺められてしまう、そうしたこどもたちを1人でもなくしていきたい。この思いで、どのような状況にするのか、関係者の皆さんとともに話を進めてまいりたい。今の時点では、こういう状況でございます。

 

【記者】(熊本日日新聞・小多)

 赤ちゃんポストについて、区としてどう進めていくか、具体化していくか教えてください。

 また、内密出産に対する見解や区独自の児童相談所設置に関するご意見も教えてください。

【区長】

 はい、ありがとうございます。先ほど内密出産のことを言い忘れたと思ったので、ありがたいです。

 まずは、内密出産の問題があると思います。これは国でガイドラインを出しましたが、とても足りない、不十分だと思います。あれでは、施設の責任というか、そうしたものが大変曖昧になります。まずは国に内密出産の定義というものをしっかり整えてまいりたいということは申し上げたい。

 そこから熊本の慈恵病院のそもそもの沿革というか、ハンセン病の患者さんのための施設が病院になってといった、こうした地域の中で、まずそうした取り組みが理解されていた病院であり、また、私の看護の大先輩であります田尻由紀子さんが、先代の蓮田理事長とともに看護部長となって、本当に力を入れて取り組んでこられたといった、こうした経緯もよく存じ上げております。そして今、90人ぐらいのこどもたちを救ってきたと。

 そこを、では、江東区でどのようにしていくのかという中で、まず、例えば、地域の医療機関や行政との話し合いというのもまだされていない段階でありますので、そこの整理がまず大事ではないかと思います。

 児童相談所が江東区に設置されるということでありますけれども、これはまだ特に公約には入れておりませんでしたが、私が国会議員時代、常々、児童相談所に対して思ってきたのは、やはり、その職員の質の向上と人材確保というのがまだまだ不十分であるということです。国家資格化するべきだとかいう動きも国会ではあったのですけれども。

 まずは、都との連携体制をどうしていくのか、今まで広域にわたるからこそできたこともあれば、なかなかきめ細かい支援ができなかった部分もあったかと思います。私も、確か2015年に江東区の児童相談所を視察したことがございます。そのときに、家庭訪問をするのに、やはり広域にわたるので、もうマンパワー不足の中で、なかなか手が回らないといった話も伺ったので、そのきめ細かい支援ができる反面、結局、都内というのは、人口流出や流動がとても激しい地域でもある中で、2018年の結愛ちゃん(目黒女児虐待事件)、心愛ちゃん事件(野田小4女児虐待事件。正しくは、2019年1月に発生)、皆さんは覚えておられるでしょうか。あれは確か香川県から目黒区に引っ越したり、沖縄県から野田市に引っ越したりした中で、なかなかそうした情報の連携がうまくいかなかったことで、最悪のケースになったと記憶しております。

 そのような引っ越した後、あるいは転入したときに、それまでの情報をどこまで共有できるかといった部分も含めて、江東区独自ではなかなか限界があると思いますので、都との連携体制、そして、人材の確保というものがとても重要ではないかと思います。

 加えて、私は弁護士や医師の常駐というのが理想、あと警察との協力体制ですね、そのようなことも必要かと思います。

 これらはすべて私が衆議院議員時代、大変力を入れて取り組んでまいりましたことでありますので、そこのところは今後も進めてまいりたいと思います。

【記者】(熊本日日新聞・小多)

 熊本市あるいは慈恵病院に区の職員を派遣し、先行事例を学ばせるようなことを考えているか教えてください。

【区長】

 それは、熊本市の体制というのが、昨年に少し変わったと私は記憶しております。様々な葛藤もあったことだろうと思いますが、今後に関しては、私も就任したばかりでありますので、思いばかりが先走って、何か言うのは控えたいと思います。そうしたことも含めて今後、歩みを進めてまいります。

 

【記者】(朝日新聞・野田)

 選挙戦について接戦だったと思いますが、どのような点が相手を上回ったと思っているか教えてください。

 また、今日の初登庁でたくさんの方に出迎えられた中、真っ先に柿沢未途氏から声をかけられていたと思いますが、どのような言葉をかけられていたのか教えてください。

 加えて、支援を受けていたという話もありますが、どのようなやりとりがあったのか教えてください。

【区長】

 はい。まず、選挙戦を振り返ってですけれども、大変厳しい選挙であると承知の上で立候補を表明いたしました。ほとんどの人が相手にしてくれませんでした。真冬の朝、1人で立って、やっていく中で、先ほど申しましたが、政党の推薦はおろか、支援団体、私はもともと看護の団体であって、衆議院議員に当選した経緯もありましたが、その支持母体すら支援のない中で、しかし私は400回の街頭活動で、区民の皆さん一人ひとりのご意見をきちんと政策に反映したという自負があります。

 そして、政党の幹部やそうした方々の応援もありませんでしたが、一緒に仕事をした衆議院議員時代の同期、特に女性議員が、手弁当で、リスクも承知で、応援に駆けつけてくれた。これは私にとって本当に何よりの励みになりましたし、そのうちに区民の皆さんも、陰ながらとか、表立っては応援できないけどというようなところがありましたけれども、少しずつ支援の輪が広がってきたという実感はありました。

 特に、街頭活動していると、子育て世代のお母さんたちが、自転車に乗りながら手を振ってくれ、こうした、今までおそらく選挙に無関心であった世代の方々から、確実に私設応援団というものができて、ツイッター上でも、本当に大きな応援をしてくれた。これまで自民党で選挙をしてきた中で、それとは違ったかたちでの選挙をしたと思っています。ボランティア中心の、本当にその辺は心細いというか、試行錯誤をしながらの選挙事務所すら、ほとんどみんなで掃除をして、私も雑巾がけをして、そして選挙事務所をつくってきたという、本当に手づくり感満載の選挙でありましたけれども、これからの選挙というのは、そうした一部の特定の団体や有力者ばかりの意見を聞く政治ではない。新しい政治が、江東区の新時代が、今ここで幕開けなのかもしれない、ということは強く意識しました。

 2つ目でありますが、お迎えしてくださり、握手を交わしましたけど、特に、おめでとうございますとか、そのような話があったかなと思います。

 3つ目でありますが、私は今回、本当に様々な方々に支援していただいた中で、代議士の後援会の方々もその支援者の中にはおられましたけれども、誰か特定の方にとか、そのようなものではなく、私は区民党だと、確か申し上げたと思います。

 今回、私を応援してくださったのは、無所属、あるいは立憲や他の政党の区議会議員の経験者の方々も含めて、シスターフッドで、応援してくださったところもあります。

 私、首長選挙は、そもそも、その政党だとか、右だとか左だとかイデオロギーを前面に出すものだとは思っておりません。皆さんのための、江東区民の皆さんと一緒につくる新時代でありますので、そこのところは区民党として、最後まで貫いてきたと自負しております。

 

【記者】(建設工業新聞・阪本)

 まず、江東区には、海抜ゼロメートル地帯が海沿いに広範にあり、津波や高潮で浸水すると、被害が長期化するという懸念があると思うのですが、こうした大規模自然災害対策に関してどのように対応していくお考えか教えてください。

 また、地下鉄8号線(有楽町線)の延伸が計画され、具体化してきているかと思うのですが、この沿線でどのようなまちづくりを展開していくか、加えて、延伸事業に対して、区としてどのように関わっていくか教えてください。

【区長】

 まず2つ目(正しくは、1つ目)の浸水リスクですね。私が亀戸出身でありまして、それも5丁目で、特に水害の際の浸水リスクの高い地域であります。

 そして、こどもの頃から、小学校3年生のときに社会科で、『私たちの江東区』というものが社会科の教科書だったのですけれども、そこで、そうした教育も大変ありました。

 従って、私の父が、やはり区議会議員時代から力を入れてきた、そうした防災対策、これまでの私の前の5代にわたる江東区長も力を入れてこられたと思いますが、ただただ堤防を、例えば、かさを高くするとかそういうものだけではなくて、先ほどもお話しました、情報通信技術、ローカル5Gやドローンを使った水位の見守りですとか、そして避難所の速やかな設置とともに、情報提供といったものにも特に力を入れてまいりたいと考えております。

 2つ目の地下鉄8号線でありますが、これまで山﨑区長が本当に力を入れてこられた、この8号線の延伸のめどが立った中で、江東区の南北の動脈周辺のまちづくりというのは、大変、令和の時代にふさわしい都市整備です。

しかし、それはやはり住民の皆さんとの話しあいによって作り上げるものであると思いますので、こうしたタウンミーティングも重ねていきながら、議会の皆さんとも一緒に考えていくものであると思います。

 

【記者】(TOKYO MX・稲垣)

 まず、公約にもある学校給食の無償化について、江東区ではほぼ実施される方向ですが、いつから始まるのでしょうか。

【区長】

 学校給食の無償化につきましては、私は最初、それよりも、教職員の負担を軽減する、事務職員の増員のほうに力を入れるべきだと思っておりましたが、400回にもわたる街頭活動や、タウンミーティング、子育て世代の皆さんからの大変強い要望がありました。そうした中でやはり学校給食の無償化というものが重要であると認識し、課題として掲げてまいりましたところ、区も、今回、19億円ぐらいするのですけれども、小・中すべて年度内を、というようなことは聞いております。

 しかし、まずそれを本当に恒久化していくかです。今、他の区、葛飾区や北区、荒川区で給食の無償化について打ち出しておられますけれども、区によっては、まず単年でやるといったところもあると聞いております。こうした中で江東区はどうしていくのかと、財源の確保をどうしていくのかという課題もあります。

 ただ、もう一点言いますと、私は、これは、住んでいる地域にかかわらず、国がやるべき課題であると思っております。学校給食の無償化というのは、どこに住んでいても、国でやるべき課題であり、自治体がすべきことは、もっと個別の、例えば、ひとり親の支援ですとか、そうしたきめ細かいところに行くのが筋ではないかと思いますが、まずは江東区での学校給食の無償化ということに関しては、コンセンサスを得たというところでありますので、引き続きもう少し詳しく皆さんに情報提供できるようにやってまいります。年度内、来年度というところも今から見直してやっていくということですかね。

【記者】(TOKYO MX・稲垣)

 もう1点、国会議員時代の旧統一協会との関わり方について教えてください。江東区新時代の会のフェイスブックに公式見解が挙げられていましたが、区長の口から改めてちゃんと説明をしていただきたいと思います。公式見解の中に様々なしがらみがあったという言葉があります。具体的に教えてください。加えて、現在直接的関わりは一切ない、とあります。間接的にはあるのかと疑ってしまうため、その点も含めてお願いします。

【区長】

 まず、直接的にも間接的にも一切ありません。はい。あとは、京都というところで、地縁も血縁もない中で、どうしても私の様々な支援者の皆さんからの、お誘いや働きかけがあった中で、名前を出したり、イベントに参加したりしたことはありました。当時は、あまり報道されているような認識がなく、大変認識が甘かったと、認識不足であったと、深く反省しております。

 ただ、当時から、衆議院の選挙の時にも、特に政策協定ということをしたこともなく、一貫して、私は、選択式夫婦別姓のことや、またパートナーシップ制度のことなどを、政策的には真逆の主張をしてまいりました。これはぜひ、ご理解いただきたいと思います。

 重ねて言いますが、直接的にも間接的にも、一切関係は現在ございません。

 

【記者】(日本テレビ・細川)

 赤ちゃんポスト構想につきまして追加でお伺いさせてください。当選後、実際に区内への設置を計画されている医療法人モルゲンロートの小暮理事長との具体的なお話や打ち合わせなどはありましたでしょうか。

 また、今後される予定があれば、そちらも教えていただければと思います。

【区長】

 それも含めて、今後どういうかたちでソフトランディングをしていくのか。熊本市の慈恵病院ほどの環境を整えようとしたらなかなかできないというのが、これまでの経緯であったかと思いますので、今の時代、今の状況でどこまでできるのかということを様々なところから平場でまず話していくことが重要ではないかと思います。

 

【記者】(日経新聞・森岡)

 木村区長は先日コロナに感染され療養されたと思いますが、5月8日にコロナが5類になることを踏まえ、不安や課題などありますでしょうか。

【区長】

 私、コロナ陽性になったのは2回目でありまして、8月に4回目のワクチンを打ったのですが、昨年の9月に一度陽性になりまして、従って、今回2回目の陽性ということで、症状がまた1回目の時と違ったものですから、2回かかることは本当にあるのだと思いました。

 5月8日に2類から5類になると。本当に、国会議員の時代からもうそろそろ5類になってもよいのではないかということは、実は厚生労働委員会でもありましたので、このような話はしていたのですね。

 そのときに、今、全部無料になっているけれども、それでは無料のまま5類にするのかなど確かそのような議論がありました。

 しかしながらですね、あれから3年、2019年の終わりから2020年ですね、ダイヤモンドプリンセスがあって、もう3年間の色々な空白というか様々なことがあった中で、いよいよ経済をまわしていくと。今やっとインバウンドも好調で、ゴールデンウィークも、今、大変あちらこちらでにぎわいが戻ってきているといいます。

 コロナとの共生社会ですよね。ウィズコロナの時代の経済をどうまわしていくのかということを、国でも取り組んでいる中で、江東区は、それにより身近な区政の中でどうしていくのかというところが、私はまだ今日、保健所の所長と会議を通してしかお目にかかっていなかったので、ぜひそうした話もこれからしてまいりたいと思います。

 何といっても医療職でありますので、そこはパンデミックというのは、このコロナが収まっても、また10年後にはあると思うのですね。前回はMERS(中東呼吸器症候群)とSARS(重症急性呼吸器症候群)がたまたま日本にあまり入らなかったという点で、だからこそ感染症対策が遅れてしまったといった反省もあります。

 次回、このパンデミックが起きたときに、ファクスではなく、保健所が疲弊へいしないデジタル化を進めていき、職員や区民の皆さんの負担軽減をしていく。これは感染症対策に限らずですけれども、まずそこの準備からではないかと思います。

【記者】(日経新聞・森岡)

 来年2月あたり、豊洲ににぎわい施設である「千客万来」が開業することになります。あわせて、東京ガスが、豊洲エリアにおいて遊休地を使って開発するというような話をしていたかと思います。そのような豊洲での再開発への期待感について教えてください。

 また、江東区のマンション規制などで、今まではファミリー向け住宅の建設を抑制するような政策をとっていたかと思います。しかし、今年の1月頃に方針を転換し、規制は残す一方で、ワンルームの上限をつけ、むしろ逆に家族向けの部屋を増やすようなものになったかと思います。

 こども中心というような話ですが、江東区にこどもを流入させることについてどのようにお考えなのでしょうか。

【区長】

 まず豊洲に関してですが、今度また、豊洲のエリアの皆さんから、視察に来てほしいとうご要望もいただいておりますので、それも含めて、考えていきたいと思います。

 今までどちらかというと、豊洲にお住まいの方々からのご要望が一番強かったのはやはり子育て支援で、特に一時保育の預かりがとても枠が少なくプラチナチケット並み、全然利用できないといったご要望ですとか、あるいは、区の公共施設が少ないということですとか、割とそうしたことが中心でありましたが、この豊洲という地域は本当に、この20年の間に随分と拓けて、人口も大変増えてきた中で、まだまだ発展性のある地域だと思っております。

 それも含めて、今後どのように豊洲のまちづくりをしていくのかということは、先ほどの8号線もそうでしたけれども、まず、地域の皆さんとの話しあいからだと思います。受け身ではなく、一緒に自分ごととしてまちづくりをしていくということを、この江東区政、これからやっていきたいと思っております。

 2つ目の、こどもの流入というか、私は「こどもまんなか」と掲げておりますが、だからと言ってこども以外の方たちに、なにかこどもばかりと言われることもあったりするのですけれども、やはり子供がたくさんいて、笑顔があって、にぎわいのあるまちというのは、先ほど多様性の話もいたしましたが、多様性が認められて誰も排除しない、どんな生き方も否定しない、その社会、まちというのは必ずにぎわって、また新しいビジネスチャンスも生まれてくると思っています。

 よって、私はこのワンルームの上限を設けて、マンションのファミリータイプをということに対して、特に異論はありません。

 もちろんワンルームもあっていいと思いますが、要は、やはりまちづくりというのは、皆で同じ時代に同じエリアで、縁あって生活をしているというところです。共同でのまちづくりというのに、ワンルームマンションに住んでいる方々にも、そうした意識を持っていただけるようなまちづくりを進めていきたいと思います。

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郵便番号135-8383 東京都江東区東陽 4-11-28

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ファックス:03-5634-7538

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