○江東区手話言語の普及及び障害者の意思疎通の促進に関する条例

令和2年3月12日

条例第20号

全ての区民が障害の有無にかかわらず、社会活動に参加し、安心して心豊かに暮らすためには、互いの意思及び感情を伝え合う障害者の意思疎通を促進することが重要であり、日常生活及び災害時において、障害特性に配慮した意思疎通手段の利用環境を整備することが地域社会に求められている。

手話は、障害者の権利に関する条約の採択及び障害者基本法の改正により、言語として位置づけられている。

区は、区内に暮らす人及び働く人だけでなく、江東区を訪れる人たちも含めて円滑なコミュニケーションを図ることができるよう、手話を言語として普及するとともに、手話、要約筆記、点字などによる障害者の意思疎通を促進していく。

ここに、基本理念を明らかにしてその方向性を示し、全ての区民が障害の有無にかかわらず、互いにその人格及び個性を尊重しながら共生する地域社会を実現すべく、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、手話は言語であることを普及し、及び障害者の意思疎通を促進することについて、障害特性に配慮した意思疎通手段の利用環境を整備することにより、全ての区民が障害の有無にかかわらず、互いに分け隔てなく理解し合い共生する地域社会の実現を目指すことを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下これらを「障害」という。)のある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

(2) 社会的障壁 障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

(3) 意思疎通手段 手話、要約筆記、点字、音訳、筆談、代筆及び代読、重度障害者用意思伝達装置の使用その他の障害者が意思疎通を図るために必要とする手段をいう。

(4) 区民 区内に在住、在勤又は在学する者その他区内で活動する全ての者をいう。

(5) 事業者 区内において事業活動を行う個人又は団体をいう。

(基本理念)

第3条 区は、次に掲げる事項を基本理念とする。

(1) 手話は、言語であり、独自の言語体系を有する文化的所産であること。

(2) 障害の有無にかかわらず互いに理解し、その人格及び個性を尊重すること。

(3) 障害者の意思疎通を円滑に図る権利を最大限尊重すること。

(区の責務)

第4条 区は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)に基づき、手話は言語であることを普及するとともに、障害者が意思疎通手段を円滑に利用し、必要な情報を取得することができるよう、施策を推進するものとする。

(区民の役割)

第5条 区民は、基本理念に対する理解を深め、区が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第6条 事業者は、基本理念に対する理解を深め、区が推進する施策に協力するよう努めるとともに、手話は言語であることを普及し、障害者の意思疎通手段の利用環境の整備に努めるものとする。

(施策の推進)

第7条 区は、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) 障害者の意思疎通手段の普及のための啓発

(2) 障害者の意思疎通手段の利用に資する環境整備

(3) 障害者の意思疎通手段を習得する機会の提供

(4) 障害者の意思疎通手段による情報の発信等

この条例は、令和2年4月1日から施行する。

江東区手話言語の普及及び障害者の意思疎通の促進に関する条例

令和2年3月12日 条例第20号

(令和2年4月1日施行)

体系情報
第2編 生活情報/第6章 障害のある方
沿革情報
令和2年3月12日 条例第20号