○江東区震災復興事業の推進に関する条例

平成25年3月28日

条例第24号

(目的)

第1条 この条例は、江東区が大規模な地震による災害(以下「震災」という。)を受けた場合において、区民(区内の土地又は建物に関し権利を有する者を含む。以下同じ。)、事業者及び区が協働して、震災復興事業を総合的かつ計画的に推進することにより、震災に強い活力のある市街地を形成し、もって区民生活の安定と回復を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において使用する用語の意義は、次に掲げるもののほか、建築基準法(昭和25年法律第201号)において使用する用語の例による。

(1) 建築物等 建築物及び建築物以外の工作物で規則で定めるものをいう。

(2) 土地区画整理事業 土地区画整理法(昭和29年法律第119号)第2条第1項に規定する土地区画整理事業をいう。

(3) 市街地再開発事業 都市再開発法(昭和44年法律第38号)第2条第1号に規定する市街地再開発事業をいう。

(4) 震災復興事業 震災を受けた市街地の復興を図るため、計画的に整備する事業をいう。

(復興の理念)

第3条 区民、事業者及び区は、市街地の復興に当たっては、協働して震災に強いまちづくりを促進するよう努めなければならない。

(区の責務)

第4条 区は、東京都及び関係する地方公共団体と連携を図り、被災後速やかに市街地の復興に関する基本的な方針(以下「江東区都市復興基本方針」という。)を策定し、これを公表するとともに、江東区都市復興基本方針に基づき、区民及び事業者と協働して、震災復興事業その他必要な事業の推進に最大の努力を払わなければならない。

(区民及び事業者の責務)

第5条 区民は、その日常生活において、震災に強いまちづくりについて理解を深め、被災後は、自らの生活の再建及び震災復興事業への協力に努めなければならない。

2 事業者は、事業活動を行うに当たっては、震災に強いまちづくりについて理解を深め、被災後は事業活動を通じて市街地の復興及び震災復興事業への協力に努めなければならない。

(復興本部の設置)

第6条 区長は、震災復興事業を速やかに実施するため、江東区震災復興本部(以下「復興本部」という。)を設置することができる。

(組織)

第7条 復興本部に本部長、副本部長及び本部員を置く。

2 本部長は、区長をもって充てる。

3 本部長は、復興本部を代表し、会務を総理する。

4 副本部長及び本部員は、職員のうちから本部長が指名する者をもって充てる。

5 副本部長は、本部長を補佐し、本部長に事故があるときは、その職務を代理する。

6 本部員は、本部長の命を受け、復興本部の事務に従事する。

(部の設置)

第8条 復興本部に部を置く。

2 部に部長を置く。

3 部長は、本部員のうちから本部長が指名する者をもって充てる。

4 部長は、本部長の命を受け、部の事務を掌理する。

(復興対象地区の指定)

第9条 区長は、次に掲げる地区を復興対象地区として指定することができる。

(1) 重点復興地区 震災により、建築物等の集中的倒壊若しくは面的焼失又は都市基盤施設の損壊等の壊滅的被害を受け、震災復興のための建築物等の更新(震災に強い市街地の形成を促進するため、耐震性及び耐火性の高い建築物等の新築、改築又は増築を行うことをいう。以下同じ。)及び都市基盤施設の整備(以下「都市基盤施設の整備等」という。)を緊急かつ重点的に行うことが必要な地区

(2) 復興促進地区 震災により、相当数の建築物等が倒壊又は焼失し、かつ、その地区内の一部の地域が、建築物等の集中的倒壊若しくは面的焼失又は都市基盤施設の損壊等甚大な被害を受け、当該地域を含めた都市基盤施設の整備等を一体的に行うことが必要な地区

(3) 復興誘導地区 震災により、建築物等が倒壊又は焼失し、当該建築物等の更新を誘導することが必要な地区

2 前項各号に規定する復興対象地区の指定の基準は、規則で定める。

3 区長は、第1項の規定により復興対象地区を指定した場合は、その旨を告示しなければならない。

(復興対象地区の変更等)

第10条 区長は、震災復興事業の進捗状況を考慮して必要があると認めるときは、前条第1項の規定による指定を変更し、又は廃止することができる。

2 前条第3項の規定は、前項の場合について準用する。

(都市復興基本計画の策定)

第11条 区長は、東京都都市復興基本計画との整合を図りつつ、江東区都市復興基本方針に基づき、区の震災復興事業を推進するための計画(以下「江東区都市復興基本計画」という。)を速やかに策定し、公表しなければならない。

2 区長は、前項の規定により、江東区都市復興基本計画を策定するに当たっては、区民及び事業者の意見を聴取し、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

(震災復興事業の推進)

第12条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区において、江東区都市復興基本計画に基づき、土地区画整理事業、市街地再開発事業等の整備事業の施行、道路、公園等の公共の用に供する施設の整備、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるものとする。

2 区長は、復興誘導地区において、江東区都市復興基本計画に基づき、地区計画等の決定、建築物等の不燃化その他の必要な措置を講ずるものとする。

3 区長は、震災復興事業の推進に当たっては、区民及び事業者の意見を聴取し、その意見が十分に反映されるよう必要な措置を講ずるものとする。

4 区長は、必要に応じ、震災復興事業を行う者に対し、江東区都市復興基本計画に基づく当該事業の速やかな推進を要請することができる。

(被災市街地復興推進地域の指定)

第13条 区長は、重点復興地区及び復興促進地区内において、土地の形質の変更又は建築物等の新築、改築若しくは増築を制限する必要がある地域については、被災市街地復興特別措置法(平成7年法律第14号)第5条第1項の規定に基づき、都市計画に被災市街地復興推進地域を定めることができる。

(建築行為の届出)

第14条 重点復興地区及び復興促進地区(前条の規定により被災市街地復興推進地域を定めた区域を除く。)並びに復興誘導地区内において、建築物等の建築をしようとする建築主は、当該建築物等の内容を区長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる建築物等については、この限りでない。

(1) 非常災害により必要な応急措置として建築するもの

(2) 国、地方公共団体等が震災復興事業として建築するもの

(3) 都市計画事業の施行として建築するもの及び都市計画に適合して建築するもの

(4) 自己の居住の用に供する住宅又は自己の業務の用に供する建築物(住宅を除く。)で、次に掲げる全ての要件に該当するもの

 階数が2以下であり、かつ、地階を有しないものであること。

 主要構造部が木造、鉄骨造、コンクリートブロック造その他これらに類する構造であること。

 容易に移転し、又は除却することができるものであること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、区長が特に震災復興事業の施行に支障がないと認める建築物等

2 前項の規定による届出の義務は、第9条第1項の規定により復興対象地区の指定をした日から起算して2年を経過した日に、その効力を失う。

(情報の提供及び協議)

第15条 区長は、前条第1項の規定による届出があった場合は、震災に強い市街地の形成を促進するために、必要に応じて、当該届出を行った建築主に対し、建築物等の耐震性及び耐火性を高めるための情報提供を行うものとする。

2 区長は、前条第1項の規定による届出に関して、当該届出を行った建築主との間において震災に強い市街地の形成を促進するための協議を行うことができる。

(復興本部の廃止)

第16条 区長は、震災復興事業が進捗し、復興本部設置の目的が達成されたと認めるときは、復興本部を廃止するものとする。

(委任)

第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

江東区震災復興事業の推進に関する条例

平成25年3月28日 条例第24号

(平成25年3月28日施行)