○江東区墓地等の経営の許可等に関する条例
平成24年3月12日
条例第39号
(目的)
第1条 この条例は、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「法」という。)第10条の規定による墓地、納骨堂又は火葬場(以下「墓地等」という。)の経営の許可等に係る基準、手続等を定めることにより、墓地等の経営の適正化及び墓地等と周辺環境との調和を図り、もって公衆衛生その他公共の福祉の確保に寄与することを目的とする。
(用語)
第2条 この条例において使用する用語の意義は、法において使用する用語の例による。
(墓地等の経営主体等)
第3条 墓地等を経営しようとする者は、次の各号のいずれかに該当する者でなければならない。ただし、特別の理由がある場合であって、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(1) 地方公共団体
(2) 宗教法人法(昭和26年法律第126号)第4条第2項に規定する宗教法人で、同法に基づき登記された主たる事務所又は従たる事務所を江東区内に有するもの
(3) 墓地等の経営を行うことを目的とする公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)第2条第3号に規定する公益社団法人又は公益財団法人で、登記された主たる事務所又は従たる事務所を江東区内に有するもの(以下「公益法人」という。)
(墓地等の経営の許可等)
第4条 墓地等を経営しようとする者は、規則で定める申請書を提出し、区長の許可を受けなければならない。
2 墓地等の経営者は、墓地の区域、墳墓を設ける区域若しくは納骨堂若しくは火葬場の施設を変更する場合又は墓地等を廃止しようとする場合は、規則で定める申請書を提出し、区長の許可を受けなければならない。
3 区長は、前2項の規定による許可をするに当たっては、公衆衛生その他公共の福祉の見地から必要な条件を付することができる。
2 申請予定者は、墓地等の建設等の計画を変更したときは、速やかに標識の記載事項を変更するとともに、その旨を区長に届け出なければならない。
(説明会の開催等)
第7条 申請予定者は、当該許可の申請に先立って、説明会を開催する等の措置を講ずることにより、当該墓地等の建設等の計画について、規則で定めるところにより、当該墓地等の建設予定地の周辺の土地若しくはその土地の上の建築物の所有者、使用者等で規則で定めるもの(以下「周辺住民等」という。)又は当該墓地等の建設予定地に隣接する土地(隣接する土地と同等の影響を受けると認められる土地を含む。)若しくはその土地の上の建築物の所有者、使用者等(以下「隣接住民等」という。)に説明し、その経過の概要等を区長に報告しなければならない。ただし、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
2 区長は、申請予定者が前項の規定による説明を行わないときは、当該説明を行うべきことを指導することができる。
(事前協議の指導)
第8条 周辺住民等又は隣接住民等は、規則で定めるところにより、当該墓地等の建設等の計画について、次に掲げる事項について区長に意見を申し出ることができる。
(1) 公衆衛生その他公共の福祉の見地から考慮すべきこと。
(2) 構造設備と周辺環境との調和に関すること。
(3) 建設工事の方法等に関すること。
2 区長は、前項の規定による申出に正当な理由があると認めるときは、当該墓地等に係る申請予定者に対し、周辺住民等又は隣接住民等との協議を行うよう指導することができる。
3 前項の協議に当たっては、申請予定者は誠意を持って対応するよう努めるものとする。
(公表)
第9条 区長は、申請予定者が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を公表することができる。
(みなし許可に係る届出)
第11条 法第11条第1項又は第2項の規定により墓地又は火葬場の新設、変更又は廃止の許可があったものとみなされる場合は、その墓地又は火葬場の経営者は、規則で定めるところにより、速やかにその旨を区長に届け出なければならない。
(墓地の設置場所)
第12条 墓地の設置場所は、次に掲げる基準に適合しなければならない。ただし、第1号について、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(1) 当該墓地を経営しようとする者が所有する土地で、かつ、所有権以外の権利が存しないものであること(地方公共団体が経営しようとする場合を除く。)。
(2) 河川又は海から墓地までの距離は、水平距離20メートル以上であること。
(3) 住宅、学校、保育所、病院、事務所、店舗等及びこれらの敷地(以下「住宅等」という。)から墓地までの距離は、水平距離100メートル以上であること。
(4) 高燥で、かつ、飲料水を汚染するおそれのない土地であること。
(1) 墓地の区域内に規則で定める基準に従い緑地を設けること。
(2) 墓地の区域に隣接する住宅等と墓地との境界の内側に、規則で定めるところにより、緑地等の緩衝帯を設けること。
(3) 境界には、障壁又は密植した樹木の垣根を設け、その高さ及び色並びに植栽の配置、樹種、形状等は、周辺環境との調和に配慮したものとすること。
(4) アスファルト、コンクリート、石等堅固な材料で築造され、規則で定める幅員の通路を設けること。
(5) 雨水又は汚水が滞留しないように適当な排水路を設け、下水道、河川等に適切に排水すること。
(6) ごみ集積設備、給排水設備、便所、管理事務所及び規則で定める駐車場を設けること(これらの施設の全部又は一部について、当該墓地を経営しようとする者が、当該墓地の近隣の場所に墓地の利用者が使用できる施設を所有する場合において、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときを除く。)。
(7) 墓地及び駐車場の出入口は、道路(道路法(昭和27年法律第180号)第3条第2号から第4号までに規定する道路をいう。)に接していること。
(8) 墓地の出入口には、施錠できる門扉を設けること。
(9) 防犯上必要な場所には、防犯灯を設けること。
2 墳墓を設ける区域を変更しようとする場合の構造設備基準は、前項の墓地の構造設備基準に準ずる。
(納骨堂の設置場所)
第14条 納骨堂の設置場所は、次に掲げる基準に適合しなければならない。ただし、第1号について、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(1) 当該納骨堂を経営しようとする者が所有する土地及び建物で、かつ、所有権以外の権利が存しないものであること(地方公共団体が経営しようとする場合を除く。)。
(2) 寺院、教会等の礼拝の用に供する施設又は火葬場の敷地内であること(地方公共団体又は公益法人が経営しようとする場合を除く。)。
(1) 壁、柱、はりその他の主要な部分は、耐火構造にすること。
(2) 床面は、コンクリート、タイル、石等堅固な材料で築造すること。
(3) 納骨堂の設備は、不燃材料を用いること(納骨堂内で火気を使用しない場合を除く。)。
(4) 必要な換気設備を設けること。
(5) 出入口及び窓には、防火戸を設けること。
(6) 出入口及び納骨装置は、施錠ができる構造であること(納骨装置の存する場所への立入りが納骨堂の管理者に限られている納骨堂の納骨装置を除く。)。
(7) 納骨堂内は汚水が滞留しない構造とすること。
(8) ごみ集積設備、給排水設備、便所及び管理事務所を設けること(これらの施設の全部又は一部について、当該納骨堂を経営しようとする者が、当該納骨堂の近隣の場所に納骨堂の利用者が使用できる施設を所有する場合において、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときを除く。)。
(9) 利用者に必要な駐車台数を有する駐車場を設けること。
(10) 納骨堂内に墓石等を設ける場合は、屋外から見えにくい構造とすること。
(火葬場の設置場所)
第16条 火葬場の設置場所は、住宅等から水平距離250メートル以上離れていなければならない。
2 火葬場内において当該火葬場の施設を増築し、又は改築する場合その他特別の理由がある場合で、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、前項の規定は、適用しない。
(火葬場の構造設備基準)
第17条 火葬場の構造設備は、次に掲げる基準に適合しなければならない。
(1) 境界には、障壁又は密植した樹木の垣根を設けること。
(2) 出入口には、門扉を設けること。
(3) 火葬炉は、5基以上設けること(地方公共団体が設ける火葬場を除く。)。
(4) 火葬炉には、防じん及び防臭の十分な能力を有する装置を設けること。
(5) 収骨室及び遺体保管室を設けること。
(6) 収骨容器等を保管する施設を設けること。
(7) 残灰庫を設けること。
(8) 管理事務所、待合室及び便所を設けること。
(9) 利用者に必要な駐車台数を有する駐車場を設けること。
(管理者の講ずべき措置)
第18条 墓地等の管理者は、次に掲げる措置を講じなければならない。ただし、第5号について、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(1) 墓石が倒壊し、又はそのおそれがあるときは、速やかに安全措置を講ずるか、又は墓石の所有者に同様の措置を講ずることを求めること。
(2) 納骨堂及び火葬場の施設の点検を行い、当該施設が老朽化し、又は破損したときは、速やかに修復等を行うこと。
(3) 墓地等を常に清潔に保つこと。
(4) 墓地等においては、何人に対しても、死者又はその遺族に対して礼を失する行為をさせないこと。
(5) 墓参集中時には、交通誘導員を適切に配置すること。
(6) 夜間等の防犯対策を講ずること。
(7) 植栽等の管理を適切に行うこと。
(8) 衛生管理を行うための管理人を常駐させる等の措置により、墓地を適切に管理すること。
(焼骨以外の埋蔵又は埋葬の禁止等)
第19条 墓地の経営者は、当該墓地において、焼骨以外を埋蔵し、又は埋葬させてはならない。ただし、区長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めて許可したときは、この限りでない。
2 前項ただし書の規定により焼骨以外の埋蔵又は埋葬を行う場合の墓穴の深さは、2メートル以上としなければならない。
(無縁の焼骨の保管等)
第20条 墓地又は納骨堂の管理者は、無縁の焼骨等を、次に定めるところにより保管し、又は埋蔵しなければならない。
(1) 無縁の焼骨を発掘し、又は収容したときは、1体ごとに陶器等不朽性の容器に納め、その容器には、死亡者の氏名、死亡年月日、改葬年月日その他必要な事項を記載しておくこと。
(2) 無縁の遺体又は遺骨(焼骨を除く。)を発掘したときは、火葬に付した後、前号に定めるところにより保管すること。
(委任)
第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例(昭和59年東京都条例第125号。以下「都条例」という。)第4条第1項又は第2項の規定によりなされている申請に係る墓地等について、墓地等の経営の許可、墓地の区域若しくは墳墓を設ける区域の変更の許可又は納骨堂若しくは火葬場の施設の変更の許可を行う場合は、都条例の基準による。
3 施行日前に都条例第17条第1項の規定により隣接住民等への説明及び区長への報告を行った墓地等の建設等の計画については、第7条の規定は適用しない。ただし、隣接住民等への説明が完了していないと区長が認めるときは、この限りでない。
4 施行日前に都条例第18条の規定により隣接住民等との協議及び区長への報告を行った墓地等の建設等の計画については、第8条の規定は適用しない。ただし、隣接住民等との協議が完了していないと区長が認めるときは、この限りでない。
5 この条例の施行の際、現に存する墓地及び納骨堂並びに附則第2項の規定により経営の許可等を受けた墓地及び納骨堂については、墓地の区域を拡張しようとする場合及び拡張した墓地の区域内において墳墓を設ける区域を拡張しようとする場合を除き、条例第12条から第15条までの規定は適用せず、なお従前の例による。