○環境清掃部に所属する清掃事業用車両の自動車事故に係る事務処理要綱
平成12年4月1日
江環清発第207号
1 目的
この要綱は、環境清掃部所属清掃事業用車両の運行による人身の死傷(以下「人身事故」という。)又は車両、家屋、構築物等の損壊(以下「物件事故」という。)(以下併せて「自動車事故」という。)が発生した場合の事故処理の方法、手続等について定め、適正な事務の執行を図ることを目的とする。
2 事務処理の基本方針
(1) 自動車事故の解決に当たっては、示談を原則とする。
(2) 人身事故にあっては、自動車損害賠償補償法第3条(運行供用者責任)及び民法第715条(使用者責任)の規定に基づき、その責任の範囲内で江東区が損害賠償を行う。
(3) 物件事故にあっては、民法第715条(使用者責任)の規定に基づき、その責任の範囲内で江東区が損害賠償を行う。
(4) 自動車事故の事故処理に当たっては、清掃事務所、清掃リサイクル課及び総務課が相互に連絡を密にし、共同して事案の解決に当たる。
3 事故の発生報告
(1) 清掃事務所への発生報告(運転者)
自動車事故が発生した場合、運転者及び同乗者は、所要の緊急措置を行った後、直ちに事故の概要を清掃事務所長(以下「所長」という。)に報告しなければならない。
(2) 環境清掃部長への報告(所長)
所長は、前項の報告を受けた後速やかにその事実を確認し、電話等により事故の内容を環境清掃部長あてに報告し、併せて事故速報(第1号様式)を提出しなければならない。
(3) 事故速報の内容
前項の速報内容は、次のとおりとする。
ア 発生年月日及び時刻
イ 発生場所
ウ 事故の種別(人身、物件、人身物件の別及び加害、被害の別)
エ 事故当事者の事項(区側及び相手方の運転者、同乗者、所有者等の住所、氏名、年齢、職業、職名、車種、車両番号等)
オ 損害、被害の程度
カ 発生状況及び発生原因
キ 処理状況
ク その他必要と思われる事項
4 資料の収集、作成
(1) 資料の収集、作成
所長は、事故発生後、事故内容を調査し、必要に応じ次の書類を収集、作成する。
ア 区側事故者のてん末書
イ 損害を証する書類(人身事故の場合の診断書、治癒診断書、診療報酬明細書、物件事故の場合の車両修理見積書、現場写真等)
ウ 相手方の権利関係を証する書類(印鑑証明、戸籍謄本、住民票、自動車検査証(写)、委任状等)
エ その他環境清掃部長等から請求のあった書類
(2) 事故発生報告書の提出
所長は、事故速報を提出した後、自動車事故報告書(第1号様式)及び前項アからエまでの書類を作成し、速やかに環境清掃部長に提出しなければならない。決裁後、総務部長(総務課)及び区長(職員課)に提出しなければならない。
5 弔慰金及び見舞金
自動車事故により死亡事故又は傷害事故等が発生したときは、「弔慰金及び見舞金の支給基準」(別記1)に基づき弔慰金又は見舞金を支給することができる。
6 入院等保証金
自動車事故により人身事故が発生し治療を受ける際、医療機関に保証金が必要なときは、「入院等保証金の支出基準」(別記2)に基づき保証金を支出することができる。
7 損害賠償額の算定
(1) 人身事故の算定
自動車事故による人身事故の損害賠償額の算定については、「過失相殺率の認定基準等」の事例を基準とする。また、契約損害保険会社(以下「保険会社」という。)の事例判断基準等も準用することができる。
(2) 物件事故の算定
自動車事故による物件事故の損害賠償額の算定については、「過失相殺率の認定基準等」の事例を基準とする。また、保険会社の事例判断基準等も準用することができる。
8 相殺
過失割合の認定については、「過失相殺率の認定基準等」を基本とする。
9 自動車任意保険契約
毎年4月から翌年3月末日までの1年間、損害保険契約を締結する。
(1) 示談代行交渉を含む損害保険に加入する。
(2) 契約した保険会社は、その支払責任を負う限度において、保険会社の費用で折衝及び示談の手続を行う。
10 保険会社との連携
(1) 人身事故の場合
区は、事故発生状況について、区と相手側の主張が食い違う場合や判然としない場合等に保険会社が実施する現場調査に協力をする。同様に区は、治療が長期にわたる場合の見通し、後遺障害の存否確認等の場合に保険会社が実施する医療調査に協力する。
(2) 物件事故の場合
区は、応急手当、護送その他緊急措置を除き、修理費の全部又は一部を保険会社の承認を得ないで承認してはならない。
(3) 事故解決については、契約保険会社が被害者の交渉窓口となるが、所長は、常に事故処理経過状況を把握しておく。
11 保険会社の支払責任
区が法律上の損害賠償責任を負担することによって被る損害に対して、保険会社は、保険契約約款に基づき保険金を支払う。
12 損害賠償額の決定
(1) 清掃事務所は、被害者が治癒した時点で、保険会社から提出された損害賠償金額の見積り及び支払根拠が分かる資料を総務課に報告する。
(2) 総務課は、区長の損害賠償交渉金額について、検討及び提示する。
(3) (2)の提示を受け、保険会社は、被害者と交渉し、損害賠償金額内諾報告書を清掃事務所経由で総務課に提出し、示談書を作成する。
(4) 総務課は、区長の専決処分に基づき賠償(示談)金額を決定し、示談書を清掃事務所経由で保険会社に提示する。
(5) 保険会社は、被害者と示談書を取り交わし、清掃事務所経由で総務課に提出する。
(6) 保険に免責がある場合は、清掃事務所が免責分を支払う。
13 事故処理の予算、支出、支払、収納方法等
(1) 予算科目
事故処理のための予算科目(節)は、次のとおりとする。
ア 弔慰金の支出 報償費
イ 見舞金の支出 報償費
ウ 保証金の支出 補償補填及び賠償金
オ 損害賠償金の収入 弁償金
カ 保証金の収入 雑入
(2) 支出
ア 資金前渡による支出
弔慰金、見舞金及び保証金の支出は、原則として資金前渡により処理する。
イ 支払方法及び受領書の徴収
(ア) 損害賠償金は、保険会社が直接相手方に支払うことを原則とする。
(イ) 保証金の支払いに当たっては、原則として病院に直接現金をもって支払い、必ず受領書を徴しなければならない。
(ウ) 弔慰金、見舞金及び保証金の清算については、支払証明書をもって受領書に代えることができる。
(3) 歳入
区が損害賠償金を相手方から受領する場合は、原則として、環境清掃部長の発行する納入通知書による。
14 示談
(1) 自動車事故の事務処理は、迅速、公正及び的確に行い、被害者保護の精神をもって円満な示談成立に努力する。
(2) 自動者事故の示談成立の際は、必ず示談書を作成し、当事者が記名押印のうえこれを取り交わす。ただし、次の場合は免責証書により示談を成立させることができる。
ア 区側に一方的に過失が(100%)あった場合
イ 対人賠償額が自動車損害賠償責任保険の限度内の場合
15 自動車損害賠償責任保険金の請求
(1) 自動車損害賠償責任保険金(以下「自賠責保険」という。)の請求は、契約した任意保険会社が当該保険会社に請求する。
(2) 前項の自賠責保険加入名義者は、区長とする。
(3) 自賠責保険金の請求に必要とする書類は、「自動車損害賠償責任保険金請求実務様式」に基づき原本を提出する。
(4) 自賠責保険金の請求に当たっては、保険金請求・査定内訳書により整理しておく。
16 事務処理の記録
清掃事務所は、示談交渉等の進行を記録管理しておく。
17 準用
(2) 特例措置
所属不明清掃車両の起こした人身及び物件事故の処理については、この要綱を準用する。
18 適用除外
所属職員が自動車事故により業務上の災害を受けた場合は、原則として地方公務員災害補償法等に定めるところに従い別途に処理する。
19 その他
この要綱により難い事案は、環境清掃部長が処理する。
(別記1)
弔慰金及び見舞金の支給基準
1 基準の適用
環境清掃部所属車両の運行又は作業上の事故等によって、他人の生命又は身体等を害した場合は、次に定めるところにより、弔慰金又は見舞金を支給することができる。
2 弔慰金
弔慰金は、事故の状況その他の事情を勘案して支給するものとし、その金額は、対象者1人につき10万円以内(雇上の場合は5万円)において環境清掃部長が決定する。
3 法要経費
法要経費は、社会通念上必要な場合、2万円以内において環境清掃部長が決定する。
4 見舞経費
(1) 見舞金は、次のような場合に支給するものとし、その決定は、この要綱により環境清掃部長が決定する場合を除き、所長が行う。
ア 全面的過失によって相手方の身体を害した場合
イ 過失が大きく、相手方の身体を害した場合
ウ 過失が少なくても相手方の身体障害が大きい場合
エ その他社会通念上見舞金を支給することが妥当と考えられる場合
(2) 見舞金の額は、次のとおりとする。
ア 人身事故
(ア) 事故当初の見舞金の額
① 生命が危ぶまれる程度のもの 30,000円以内
② 自動車損害賠償責任保険に定める5級以上の後遺症が残る程度のもの 20,000円以内
③ 医師の当初の診断により入院治療1箇月以上を要すると認められたもの 15,000円以内
④ その他 10,000円以内
(イ) 第2回目以降の見舞金の額
第2回目以降の見舞金の額は、別に環境清掃部長が決定する場合を除いては各回5,000円以内とし、次のような場合に支給することができる。
i 第2回目
(i) 入院治療10日以上1箇月以内で退院する場合
(ii) 前①の場合を除き、入院治療1箇月を超え、又は通院実治療45日を超えた場合若しくは入院治療日数の1/2を加えたものが30日を超える場合
ii 第3回目
入院治療3箇月を超えた場合
iii 第4回目
入院治療6箇月を超えた場合
iv 第5回目以降
必要がある場合、環境清掃部長が支給時期及び支給額を決定する。
(ウ) 自宅においてが床治療の場合は、入院治療に準じて支給することができる。
イ 物件事故
社会通念上見舞金を支給することが妥当と考えられる場合 5,000円以内
5 準用
雇上車及び所属不明清掃車による事故についても、特に必要がある場合、この基準に準じて、弔慰金又は見舞金を支給することができるものとし、環境清掃部長がこれを決定する。
6 その他
この基準により難い場合は、環境清掃部長が決定する。
(別記2)
入院等保証金の支出基準
1 基準の適用
交通事故に起因した人身事故により、入院又は治療を受ける場合に、病院から請求されたとき、支出する。
2 保証金の性格
区の決定に基づく損害賠償金ではなく、治療費等の担保のための一時的な支出金であり、治療費等支払時には全額返還されるものである。
3 保証金の額
原則として、100,000円以内とする。
4 決定権者
保証金の額の決定は、清掃事務所長とする。
5 その他
この基準により難い場合は、環境清掃部長が決定する。
第1号様式
略
第2号様式
略