○江東区文化財保護条例

昭和55年10月11日

条例第32号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 登録文化財(第4条―第9条)

第3章 指定文化財(第10条―第24条)

第4章 文化財保護審議会(第25条―第32条)

第5章 雑則(第33条・第34条)

第6章 罰則(第35条―第38条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき、江東区(以下「区」という。)の区域内に存する文化財について、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって区民の文化的向上に資するとともに、郷土文化の振興と発展に貢献することを目的とする。

(平17条例31・一部改正)

(定義)

第2条 この条例において「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で歴史上又は芸術上価値のあるもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)及び考古資料その他の学術上価値のある歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、歴史上又は芸術上価値のあるもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能、民俗技術で生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「無形民俗文化財」という。)及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で生活の推移の理解のため欠くことのできないもの(以下「有形民俗文化財」という。)

(4) つか、旧宅その他の遺跡(著しく原形が損なわれているもの、又は遺構が完全に消滅しているものを含む。)で歴史上又は学術上価値のあるもの(以下「史跡」という。)

(5) 庭園、橋りょう、海浜その他の名勝地で芸術上又は観賞上価値のあるもの(以下「名勝」という。)

(6) 動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)及び植物で学術上価値のあるもの(以下「天然記念物」という。)

(7) 地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの(以下「文化的景観」という。)

(平17条例31・一部改正)

(区等の責務)

第3条 区は、文化財が郷土の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであり、かつ、将来の文化の向上発展の基礎をなすものであることを認識し、文化財の保存及び活用が適切に行われるよう努めなければならない。

2 区民は、文化財の保護に努めるとともに、区がこの条例の目的を達成するために行う施策に誠実に協力しなければならない。

3 文化財の所有者その他の関係者は、文化財が郷土にとつて貴重な財産であることを自覚し、これを公共のために大切に保存するとともに、できるだけこれを公開する等その文化的活用に努めなければならない。

4 江東区教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、教育活動、広報活動等を通じて、文化財保護に関する知識の普及、情報の提供及び意識の高揚に努めるとともに、文化財の研究及び保護を行う自主的活動並びに地域文化活動の育成に努めなければならない。

5 教育委員会は、この条例の執行に当たつて関係者の所有権その他の財産権を尊重しなければならない。

第2章 登録文化財

(文化財の登録)

第4条 教育委員会は、区の区域内に存する文化財を調査し、必要と認めたものを江東区文化財登録台帳に登録し、次の各号の江東区登録文化財(以下「区登録文化財」という。)とすることができる。

(1) 江東区登録有形文化財(以下「区登録有形文化財」という。)

(2) 江東区登録無形文化財(以下「区登録無形文化財」という。)

(3) 江東区登録有形民俗文化財(以下「区登録有形民俗文化財」という。)

(4) 江東区登録無形民俗文化財(以下「区登録無形民俗文化財」という。)

(5) 江東区登録史跡、江東区登録名勝又は江東区登録天然記念物(以下「区登録史跡名勝天然記念物」と総称する。)

(6) 江東区登録文化的景観(以下「区登録文化的景観」という。)

2 区登録無形文化財を登録するに当たっては、教育委員会は、当該区登録無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。

3 教育委員会は、区登録無形文化財の登録をした後においても、当該区登録無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

4 第1項の規定による登録は、教育委員会がその旨を告示しなければならない。

5 第1項の規定による登録は、前項の告示があった日からその効力を生ずる。

(平17条例31・一部改正)

(登録の解除)

第5条 教育委員会は、区登録文化財が区登録文化財としての価値を失つた場合その他特別の事由のあるときは、その登録を解除することができる。

2 教育委員会は、区登録無形文化財の保持者が心身の故障により保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特別の事由のあるときは、その認定を解除することができる。

3 区登録無形文化財の保持者が死亡したとき又はその保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、区登録無形文化財の保持者のすべてが死亡したとき又はその保持団体のすべてが解散したときは、当該文化財の登録は解除されたものとする。

4 前3項の規定による登録又は認定の解除には、前条第4項の規定を準用する。

(文化財保護の奨励)

第6条 区は、文化財保護の奨励のため、区登録文化財の所有者、保持者又は保持団体で教育委員会が適当と認めるものに対して、予算の範囲内で奨励金を交付することができる。

(管理又は修理等に関する助言又は勧告)

第7条 教育委員会は、区登録有形文化財、区登録有形民俗文化財、区登録史跡名勝天然記念物又は区登録文化的景観(以下「区登録有形文化財等」という。)の管理が適当でないため当該区登録有形文化財等が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、その所有者に対して、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し必要な措置を助言又は勧告することができる。

2 教育委員会は、区登録有形文化財等がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、その所有者に対して、修理について必要な助言又は勧告をすることができる。

3 教育委員会は、区登録無形文化財の保持者又は保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるもの及び区登録無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認めるものに対して、その保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。

(平17条例31・一部改正)

(保存の措置)

第8条 教育委員会は、区登録無形文化財又は区登録無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは、自ら記録を作成し、伝承者を養成し、その他保存のための適切な措置を執ることができる。

(公開)

第9条 教育委員会は、区登録有形文化財又は区登録有形民俗文化財の所有者に対し、6か月以内の期間を限つて、教育委員会の行う公開の用に供するため当該区登録有形文化財又は区登録有形民俗文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、区登録有形文化財若しくは区登録有形民俗文化財の所有者又は区登録無形文化財の保持者若しくは保持団体に対して、区登録有形文化財、区登録有形民俗文化財又は区登録無形文化財の公開を勧告することができる。

3 教育委員会は、区登録無形文化財又は区登録無形民俗文化財の記録の所有者に対して、公開の勧告をすることができる。

4 第1項の規定による出品のために要する費用は、区の負担とし、前2項の規定による公開に要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を区の負担とすることができる。

5 区は、第1項の規定により出品した所有者に対し、謝礼金を支給することができる。

6 教育委員会は、第1項の規定により区登録有形文化財又は区登録有形民俗文化財が出品されたときは、その職員のうちから当該区登録有形文化財又は区登録有形民俗文化財の管理の責に任ずべき者を定めなければならない。

7 第1項の規定により出品し、又は第2項の規定により公開したことに起因して当該区登録有形文化財又は区登録有形民俗文化財が滅失し、又はき損したときは、区は、所有者に対してその通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者の責に帰すべき事由によつて滅失し、又はき損した場合は、この限りでない。

第3章 指定文化財

(文化財の指定)

第10条 教育委員会は、区登録文化財(法及び東京都文化財保護条例(昭和51年東京都条例第25号。以下「都条例」という。)の規定による指定を受けた文化財を除く。)のうち区にとって重要なものを次の各号の江東区指定文化財(以下「区指定文化財」という。)に指定することができる。

(1) 江東区指定有形文化財(以下「区指定有形文化財」という。)

(2) 江東区指定無形文化財(以下「区指定無形文化財」という。)

(3) 江東区指定有形民俗文化財(以下「区指定有形民俗文化財」という。)

(4) 江東区指定無形民俗文化財(以下「区指定無形民俗文化財」という。)

(5) 江東区指定史跡、江東区指定名勝又は江東区指定天然記念物(以下「区指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)

(6) 江東区指定文化的景観(以下「区指定文化的景観」という。)

2 区指定有形文化財、区指定有形民俗文化財、区指定史跡名勝天然記念物及び区指定文化的景観(以下「区指定有形文化財等」という。)を指定するに当たっては、教育委員会は、あらかじめ当該文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし、所有者又は権原に基づく占有者の判明しない場合は、この限りでない。

3 区指定無形文化財を指定するに当たっては、教育委員会は、当該文化財の保持者又は保持団体を認定しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、教育委員会がその旨を告示するとともに、区指定有形文化財等にあっては当該区指定有形文化財等の所有者及び権原に基づく占有者に、区指定無形文化財にあっては当該区指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定しようとするもの(保持団体にあっては、その代表者)に、区指定無形民俗文化財にあっては当該区指定無形民俗文化財の保存に当たっている者又は団体(代表者の定めのあるものに限る。)があるときは、その者又はその団体の代表者に通知して行う。ただし、所有者及び権原に基づく占有者の判明しないときは、告示をもって足りるものとする。

5 第1項の規定による指定は、前項の告示があった日からその効力を生ずる。

6 教育委員会は、区指定無形文化財の指定をした後においても、当該区指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、そのものを保持者又は保持団体として追加認定することができる。

7 前項の規定による追加認定には、第4項の規定を準用する。

(平17条例31・一部改正)

(指定及び認定の解除)

第11条 教育委員会は、区指定文化財が区指定文化財としての価値を失つた場合その他特別の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 教育委員会は、区指定無形文化財の保持者が心身の故障により保持者として適当でなくなつたと認められる場合、保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなつたと認められる場合その他特別の事由があるときは、その認定を解除することができる。

3 前2項の規定による指定又は認定の解除には、前条第4項の規定を準用する。

4 区指定無形文化財の保持者が死亡したとき又はその保持団体が解散したときは、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき又はその保持団体がすべて解散したときは、当該文化財の指定は解除されたものとする。この場合には、教育委員会は、その旨を告示しなければならない。

5 区指定文化財が法又は都条例の規定による指定を受けたときは、当該文化財の指定は、解除されたものとする。

(所有者の管理義務等)

第12条 区指定有形文化財等の所有者は、この条例並びにこの条例に基づいて定める江東区教育委員会規則(以下「教育委員会規則」という。)及びこの条例に基づいてする教育委員会の指示に従い、区指定有形文化財等を管理しなければならない。

2 区指定有形文化財等の所有者は、特別の事情があるときは、専ら自己に代わり当該区指定有形文化財等の管理の責に任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 管理責任者には、第1項の規定を準用する。

(所有者変更等の届出)

第13条 区指定有形文化財等について、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める者は、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

(1) 区指定有形文化財等の所有者が氏名若しくは名称又は住所を変更したとき 所有者

(2) 区指定有形文化財等の所有者が変更したとき 新所有者

(3) 区指定有形文化財等の管理責任者を選任し、又は解任したとき 所有者

(4) 区指定有形文化財等の管理責任者が氏名若しくは名称又は住所を変更したとき 管理責任者

(5) 区指定有形文化財等が滅失し、き損し、又は亡失したとき 所有者(管理責任者がある場合は管理責任者)

(6) 区指定有形文化財又は区指定有形民俗文化財の所在の場所を変更しようとするとき 所有者(管理責任者がある場合は管理責任者)

(7) 区指定史跡名勝天然記念物又は区指定文化的景観の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったとき 所有者(管理責任者がある場合は管理責任者)

2 前項の規定にかかわらず、同項第6号に該当する場合で、教育委員会規則で定める事由に該当するときは、届出を要さず、又は所在の場所を変更した後届け出ることをもって足りる。

(平17条例31・一部改正)

(保持者等に関する届出)

第14条 区指定無形文化財について、次の各号の一に該当するときは、当該各号に定める者は、速やかに教育委員会に届け出なければならない。

(1) 区指定無形文化財の保持者が氏名、芸名若しくは雅号又は住所を変更したとき 保持者

(2) 区指定無形文化財の保持団体が名称若しくは所在地を変更し、又はその構成員に異動を生じたとき 保持団体の代表者

(3) 区指定無形文化財の保持団体の代表者に変更があつたとき 保持団体の新代表者

(4) 区指定無形文化財の保持者に当該区指定無形文化財の保存に影響を及ぼす心身の故障が生じたとき 保持者又は保持者の推定相続人

(5) 区指定無形文化財の保持者が死亡したとき 保持者の相続人

(6) 区指定無形文化財の保持団体が解散したとき 保持団体の代表者であつた者

(補助金の交付等)

第15条 区指定有形文化財等の管理又は修理につき多額の経費を要し、所有者がその負担に堪えない場合その他特別の事情がある場合には、区は、その経費の一部に充てさせるため、その所有者に対して、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

2 区は、区指定無形文化財の保持者若しくは保持団体その他その保存に当たることを適当と認めるもの又は区指定無形民俗文化財の保存に当たることを適当と認めるものに対して、その保存に要する経費の一部に充てさせるため、予算の範囲内で補助金を交付することができる。

3 前2項の規定により補助金を交付する場合には、教育委員会は、その補助の条件として管理若しくは修理又は保存に関し必要な事項を指示するとともに、必要があると認めるときは、当該管理若しくは修理又は保存について指揮監督することができる。

(補助金の返還等)

第16条 前条の規定による補助金の交付を受けるものが、次の各号の一に該当するときは、区は、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又はそのものに対して既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 前条第3項の補助の条件に従わなかつたとき。

(2) 不正の手段により補助金の交付を受け、又は受けようとしたとき。

(3) 補助金の交付を受けた目的以外の目的に補助金を使用したとき。

(4) 前各号のほか、管理又は修理に関し法令に違反したとき。

(修理等に関する費用負担)

第17条 区指定有形文化財等について第7条第1項及び第2項の規定による勧告に基づいて行う修理その他の措置に要する費用は、予算の範囲内でその全部又は一部を区の負担とすることができる。

2 前項の規定により区が費用の全部又は一部を負担する場合には、第15条第3項及び前条の規定を準用する。

(有償譲渡の場合の納付金)

第18条 区が管理又は修理に関し必要な措置につき第15条第1項の規定により補助金を交付し、又は前条第1項の規定により費用を負担した区指定有形文化財等のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者は、補助又は費用負担に係る管理又は修理に関し必要な措置が行われた後、当該区指定有形文化財等を有償で譲り渡した場合においては、教育委員会規則で定める金額を区に納付しなければならない。

2 補助又は費用負担に係る管理又は修理に関し必要な措置が行われた後、当該区指定有形文化財等を区に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、区は、前項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。

(現状変更等の制限)

第19条 区指定有形文化財、区指定史跡名勝天然記念物及び区指定文化的景観に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合及び保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合において、区指定有形文化財、区指定史跡名勝天然記念物及び区指定文化的景観の保護上必要があると認めるときは、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な事項を指示することができる。

4 第1項の許可を受けた者が前項の許可の条件に従わなかったときは、教育委員会は、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

5 第1項の許可を受けることができなかったことにより、又は第3項の許可の条件を付されたことにより損失を受けた者に対しては、その通常生ずべき損失を補償する。

(平17条例31・一部改正)

(修理の届出)

第20条 区指定有形文化財、区指定史跡名勝天然記念物及び区指定文化的景観を修理しようとするときは、所有者は、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第7条第2項の規定による勧告、第15条第1項の規定による補助金の交付又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行うときは、この限りでない。

2 教育委員会は、区指定有形文化財、区指定史跡名勝天然記念物及び区指定文化的景観の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し技術的な指導及び助言をすることができる。

(平17条例31・一部改正)

(現状変更等の届出)

第21条 区指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、あらかじめその旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 教育委員会は、区指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(公開に係る指揮監督)

第22条 教育委員会は、第9条第2項の規定による公開に係る区指定有形文化財の管理に関し必要な指示をするとともに、必要があると認めるときは、当該管理について指揮監督することができる。

2 第9条第2項の規定による公開の場合を除き、区指定有形文化財の所在の場所を変更してこれを公衆の観覧に供するため第13条第1項第6号の規定による届出があつた場合には、前項の規定を準用する。

(調査)

第23条 教育委員会は、必要があると認めるときは、区指定有形文化財等の所有者又は管理責任者に対し、当該区指定有形文化財等の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。

(所有者変更に伴う権利義務の承継)

第24条 区指定有形文化財等の所有者が変更したときは、新所有者は、当該区指定有形文化財等に関しこの条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による旧所有者の権利義務を承継する。

第4章 文化財保護審議会

(設置)

第25条 教育委員会に、江東区文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(平17条例31・一部改正)

(所掌事項)

第26条 審議会は、教育委員会の諮問に応じ、文化財の保護及び活用に関する事項を調査審議し、並びにこれらの事項について教育委員会に建議する。

(審議会への諮問)

第27条 教育委員会は、次に掲げる事項については、あらかじめ審議会に諮問しなければならない。

(1) 区登録文化財の登録及びその登録の解除

(2) 区指定文化財の指定及びその指定の解除

(3) 区登録無形文化財又は区指定無形文化財の保持者又は保持団体の認定及び追加認定並びにその認定及び追加認定の解除

(4) 前各号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める事項

(組織)

第28条 審議会は、文化財に関し広くかつ高い識見を有する者のうちから、教育委員会が委嘱する委員6人以内をもつて組織する。

2 特別の事項を調査審議するため必要があるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。

(委員の任期)

第29条 委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 臨時委員は、当該特別の事項の調査審議が終了したとき、解嘱されるものとする。

(会長及び副会長)

第30条 審議会に会長及び副会長各1人を置き、委員のうちから互選により定める。

2 会長は、審議会を代表し、会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるときは、その職務を代理する。

(招集)

第31条 審議会は、会長が招集する。

(議事)

第32条 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

2 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもつて決し、可否同数のときは、会長の決するところによる。

第5章 雑則

(標識等の設置)

第33条 教育委員会は、区指定有形文化財等のうち、区民の観覧のため必要があると認めるものについては、当該文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得て、標識又は説明板を設置し、これを当該文化財の所有者、権原に基づく占有者又は管理責任者に管理させることができる。

(委任)

第34条 この条例の施行について必要な事項は、教育委員会規則で定める。

第6章 罰則

(刑罰)

第35条 区指定有形文化財を損壊し、き棄し、又は隠匿した者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

第36条 区指定史跡名勝天然記念物の現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしてこれを滅失し、き損し、又は衰亡するに至らしめた者は、5万円以下の罰金又は科料に処する。

第37条 第19条の規定に違反して、教育委員会の許可を受けず、若しくはその許可の条件に従わないで、区指定有形文化財、区指定史跡名勝天然記念物若しくは区指定文化的景観の現状を変更し、若しくはその保存に影響を及ぼす行為をし、又は教育委員会の現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止の命令に従わなかった者は、3万円以下の罰金又は科料に処する。

(平17条例31・一部改正)

(両罰規定)

第38条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務又は財産の管理に関して、前3条の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

この条例は、教育委員会規則で定める日から施行する。

(昭和56年(教)規則第1号で昭和56年1月24日から施行)

(平成17年条例第31号)

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

江東区文化財保護条例

昭和55年10月11日 条例第32号

(平成17年4月1日施行)

体系情報
第2編 生活情報/第3章 生涯学習・文化/第3節
沿革情報
昭和55年10月11日 条例第32号
平成17年3月31日 条例第31号