表紙(全12ページ) UD TRY ユニバーサル・デザイン・トライ! あなたのまちにもユニバーサル・デザイン(UD)を広げていこう 江東区ロゴ(ハート型の中にカラフルな文字で「Sports & supports」 ハートの下に黒文字で「KOTO city in TOKYO スポーツと人情が熱いまち 江東区」) 2ページ 今日からあなたもUD TRY! 江東区では、高齢者、障害者、子育て中の人、外国人など、すべての人が使いやすいまちづくりを進めるために、ユニバーサルデザインまちづくり(以下「UD(ユーディー)」まちづくりといいます)に取り組んでいます。2ページの注釈1 平成28年度は、区民と区職員が参加して事業者と話し合いをしたり、商店街や金融機関に出向き、UDまちづくりを考えるワークショップを実施しました。2ページの注釈2 この冊子は、今年度の活動成果をもとに、参加者みんなで考えた「UDをまちに広げるために実践してほしい、ちょっとした行動」をまとめたものです。 誰もが使いやすいまちをつくるためには、多様な人への理解と、一人ひとりの行動が必要です。この冊子は、手に取った皆さんに、少しだけ勇気を持って新しい行動に挑戦(トライ)してほしいと願い、《UD TRY!》としました。UD TRY!で、あなたのまちでもUDを広げていきませんか。 2ページの注釈1の説明 ユニバーサルデザインまちづくり 年齢、性別、国籍、能力の違いにかかわらず、すべての人が出来る限り最大限に利用可能な生活環境をつくるため、区民と区および事業者が協働で行うまちづくり。 2ページの注釈2の説明 ワークショップ 少人数のグループに分かれて、体験をしたりアイデアを出し合う会議の方法です。平成28年度は8回実施しました。区では年度のはじめに、参加希望者を募集しています。 目次 2ページ 今日からあなたもUD TRY! 3ページ 声をかけることがUD TRYの第1歩 4ページ 商店街で働く人のUD TRY! 6ページ 金融機関で働く人のUD TRY! 8ページ みんなでやってみようUD TRY!(1) 商店街でUD買い物体験 9ページ コラム 事例紹介:まちづくり事業者と一緒に考えながら相互理解! 10ページ みんなでやってみようUD TRY!(2) 身近な金融機関の職員との交流型研修 12ページ UDは広がっています! 障害者権利条約と障害者差別解消法 目次ここまで 3ページ 声をかけることがUD TRY!の第1歩 3ページのイラスト1:困った顔をした男性(あなた) (あなたのつぶやき) あれっ、あの人、道に迷っているのかな? でも声をかけるのは勇気がいるな、、、 声かけは明るく、さりげなく お手伝いしたいけれど、知らない人に声をかけるのは、ちょっと勇気がいると思っているあなた。ぜひ、気軽に声をかけてください。 みんなの声 気軽にさりげない声かけを ・障害があってもなくても、困っているときに声かけするのはお互いさまです。 ・困っていそうな人がいたら、気軽にさりげなく声かけをしてください。 ・視覚障害者は、まわりにどんな人がいるかわからず、自分からは声をかけにくいので、まちで白杖を使っている人を見かけたら声をかけてください。 ・「何かお手伝いできることはありますか?」と声かけすると、お手伝いが必要でないときに断りやすいです。 ・何か頼まれたら、初めてのことでもあわてずに。「どうすればいいですか?」と相手に確認しながら頼まれたことをやりましょう。 ・お手伝いが必要でないときもあります。断られても気にせずに。次には必要としている人がいるかもしれません。 3ページのイラスト2:白杖を持って歩いている女性に声をかけている男性「何かお手伝いしましょうか?」「ありがとう」 4ページ 商店街で働く人のUD TRY! 4ページのイラスト1:困った顔をしたエプロンをした男性(商店主) (商店主のつぶやき) みんなにお店に来て欲しいけど、狭くて段差もある。 せっかく来てもらっても嫌な思いをさせてしまいそうだな・・・ お店の方へ 商店街は身近な生活の場 施設の整備は十分でなくても、店員さんの少しの工夫で使いやすくなります。 お店の人とのちょっとした会話も、お客さんにとっては楽しいもの。商店街にもUDを広げていきましょう。 みんなの声 「お店の前も、あなたのお店」という気持ちで、通行人にも目配りを たとえば ・車いす使用者やベビーカーを押している人などは、お店の前に段差がある、ドアが重たいなどの理由で、お店に入れないことがあります。 ・視覚障害者は、お店の近くにいるのに、入口がわからず迷っていることがあります。 4ページの写真1:店に入ろうとしている男性の車いす使用者と男性店員 4ページの写真1の解説1:道路からも「何屋さんか」がわかるよう、「看板を大きく」「商品も見える」とわかりやすい。 4ページの写真1の解説2:入口の上部にある看板などに電話番号が書いてあると、店の前から電話してお手伝いのお願いができる 4ページの写真1の解説3:入口で音がなるとわかりやすい(チャイム、声かけなど) 4ページの写真1のセリフ:店前で出迎える店員:(店の外まで目配り)いらっしゃいませ 5ページ みんなの声 声かけは、普通にさりげなく たとえば ・無視されるのは困るけど、そばにずっとつききりは、お買い物しにくいかな。 ・「いらっしゃいませ、何かあったらお声がけください」というスタンスが嬉しいです。 ・全盲の人は声かけとお手伝いがないと買い物ができないので、必ず声かけをして必要な支援をお願いします。 5ページの写真1:店内にいる白杖を持った女性と、声かけしている女性店員 5ページの写真1のセリフ:「いらっしゃいませ、何かお手伝いしましょうか。」「はい、○○を買いたいのですが。」 みんなの声 お客さんも気を遣うこともあります たとえば ・店員さん忙しくないかな? お手数かけちゃうな、と少し遠慮していることもあります。 たとえば ・「いらっしゃい」と、どのお客さんにも声をかけていると、こちらも話しかけやすいです。 5ページの写真2:手で触って商品を確認している女性 5ページの写真2のセリフ:「可能なものは触らせれいただけますか?」「違いを触ってみてください」 5ページの写真3:男性の車いす使用者がお店に入ろうとしているのを、迎える男性店員 5ページの写真3のセリフ:「いらっしゃいませ」「こんにちは」 5ページの写真4:白杖を持っている女性におつりを渡している女性店員 5ページの写真4のセリフ:「おつりを渡しますね」「お札、硬貨、レシートは別々に、種類ごとに説明しながら渡していただけると助かります。」 こんな工夫もうれしいです ●車いす使用者 ・店内の商品を整理し、通路を確保してください。 ・棚の商品を、取ってもらうこともあります。 ●視覚障害(弱視) ・商品の値段は、手前に大きく表示してください。 ・ガラス張りはドアと勘違いしやすいので、入口をわかりやすくしてほしいです。 ●日本語がわからない外国人 ・メニューは写真付きに、値段などの数字は漢数字ではなくアラビア数字がわかりやすいです。 6ページ 金融機関で働く人のUD TRY! 6ページのイラスト1:困った顔をした制服を着た女性(金融機関職員) (金融機関職員のつぶやき) お客様への対応は、研修も受けているのでわかっているつもりだったのですが、時々とまどうこともあって・・・ 金融機関はよく使う窓口のひとつ 丁寧に対応しているつもりでも、人によっては困ってしまうことがあります。 ユニバーサルデザインの視点で接客を見直してみましょう。 みんなの声 大切なルールは周知徹底してください たとえば ・《代筆の対応方法》は、あらかじめ流れを確認してください。 ・《障害者手帳は本人確認書類》として使えることを徹底してください。 ・理由なく《同行者を求める》などの条件を付けないでください。 ・同行者ではなく、《本人》に話しかけてください。 6ページの写真1:金融機関窓口に来た女性と男性と、対応している女性職員 6ページの写真1のセリフ:「(どうするんだったかな?)確認いたします。少しお待ちください」「お待ちくださいって、もう30分待たされてるし、、、」 みんなの声 マニュアルに頼らず、その人にあった対応をお願いします たとえば ・《視覚障害者》が、「あちら」「そちら」など指示語を使って案内されると、わかりません。目をつぶって聞いてみると、とまどう気持ちがわかります。 6ページの写真2:白杖を持った女性と、案内する女性職員 6ページの写真2のセリフ:「あちらへどうぞ」「あちらってどちら?」 7ページ たとえば ・《聴覚障害者》と筆談をするときは、長い文を丁寧に書くよりも、要点だけを簡潔に。文章が苦手な人もいるので、手話が必要になることもあります。 ・《外国から来た人》の中には、母国では通帳を発行しないことが一般的だったり、カードといえばデビットカードをイメージする人もいます。日本のシステムを当たり前と思わず、説明することが大切です。 ・《車いす使用者》が、「お掛けになってお待ちください」と言われることもあります。「すでに座っているのに」と感じる人もいます。また、車いす使用者が机に近づけるように、いすを移動させてください。 7ページの写真1:金融機関窓口に来た女性の外国人と、対応している女性職員 7ページの写真1のセリフ:「カードは発行されますか?」「カードって、カナダではデビットカードのことだけど、日本でも同じかな、、、」 7ページの写真2:金融機関窓口に来た男性の車いす使用者と、対応する女性職員 7ページの写真2のセリフ:「お掛けになって」って、すでに座ってる、、、、 みんなの声 自分達でも事前に使ってみてください。 たとえば ・ATMには、全盲の方も使える設備として「音声ガイダンスとテンキー」があります。どんなものなのか、一度使ってみてください。 7ページイラスト1:受話器付きATM こんな準備もあるといいですね 筆記用具の充実(筆談器、文鎮等)。7ページの注釈1 7ページの注釈2 「コミュニケーション支援ボード」の準備。7ページの注釈3 7ページの注釈1の説明 筆談器 聴覚障害者や言語障害者など、話し言葉が難しい人が使うことがあります。 7ページの注釈2の説明 文鎮 手が不自由な人が、書類を書くときに用紙を押さえることで書きやすくなります。 7ページの注釈3の説明 コミュニケーション支援ボード 話し言葉でのコミュニケーションが困難な人たちや、日本語がわからない外国人とのコミュニケーションを支援するためのものです。このボードを指さししながら会話をします。 7ページの写真3:コミュニケーション支援ボードを使って会話をしている風景 7ページの写真3の解説:コミュニケーション支援ボードはわかりやすい 7ページのイラスト2:文鎮、筆談器、スロープ 8ページ みんなでUD TRY! 8ページのイラスト1:考えている顔をしている男性(ある人) (ある人のつぶやき) 生活の中で声かけはするようにしているけれど、もう少しなにかできないのかな、、、。 みんなで参加! 商店街でUD買い物体験 目的 障害のある人が商店街に行くことが増えれば、お店の人は対応の仕方がわかってきます。お互いのコミュニケーションが増えることで、まちがもっと使いやすくなります。最初はすこしぎこちなくても、繰り返すことが大事。お店の人と顔見知りになれるといいですね。 ●事前準備 ・仲間を集めましょう。 ・月1回程度、UD買い物体験の日を決めます。(第1土曜日など) ・どこの商店街に行くかを決めます。 ●当日(2時間のプログラム例) (10分間)集合・事前準備      グループ分け(2人〜3人で1グループ)      UD買い物体験の目的を確認(P4~5参照) (1時間20分間)買い物。買い物中は、できるだけお店の人とコミュ二ケーションをとります。自分が「こうして欲しい」と思うことを伝えたり、気持ち良く対応してもらえたら「この対応は嬉しかった」ことを伝えましょう。 (30分間)体験の記録。買い物が終わったら、参加者で会議室や喫茶店などに集まって、「今日伝えられたこと、伝えられなかったこと」を話し合って記録しておき、次の活動につなげましょう。 8ページの写真1:これから買い物体験をするグループ 8ページの写真2:お店の人と話をしている車いす使用者 8ページの写真3:会議室に戻って話し合いをしている様子 9ページ 事例紹介 研究・製品開発をしている企業の人と、まちの中で意見交換! ねらい UDまちづくりにつながる「歩行者支援システム」の研究・製品開発をしている企業の方々とワークショップメンバーがまちに出て、ものづくりについての意見交換を行いました。 開催日時 第1回 平成28年10月29日 土曜日 午後1時30分から午後4時30分 第2回 平成28年11月13日 日曜日 午後1時30分から午後4時30分 プログラム 第1回 (1)まちにある「バリア」と「工夫」を書き出そう (2)まちを歩く時にどんな情報があると良いかを考えよう ・移動の障害となるもの(あると困る) ・移動を困難にするもの(ガマンしているけど、ちょっとイヤだ) ・移動を助ける工夫(あるとウレシい!) 第2回 (1)こんな情報がほしい!という項目を考えよう (2)まちに出て、どこにどんな情報があったら良いか確認しよう (3)まちで確認した内容を整理しよう ワークショップ参加者から企業の方へ伝えたいこと ・研究、製品開発の早い段階で、当事者の意見を聞いてほしい。「きっと便利だろう」という思い込みが間違っていることもあります。 ・ものをつくる人が、障害のある人とお昼を一緒に食べたり、いろいろな生活の場面を一緒に過ごして、お互いの理解を深める機会を積極的に持つことで、より良い製品が生まれると思います。 企業の方の感想 ・様々な障害によって(当然のことながら)意見が違い、色々なアングルから見ることができて参考になりました。 ・製品の機能や性能のことばかり聞くのではなく、使う人がどんなことに困っているかを聞くことが大切だと思いました。 9ページの写真1:会議風景 9ページの写真1の解説:現場での気づきのまとめ 9ページの写真2:スマホを使ってまち歩きをしている風景 9ページの写真3:弱視の見え方が体験できるメガネをかけて、まち歩き 9ページの写真3の解説:弱視の見え方を体験 9ページの写真4:車いす使用者と、まちにある傾斜や段差を確認している風景 9ページの写真4の解説:車いすで超えられる段差や傾斜を確認 9ページの写真5:まちにある点字ブロックの距離を測っている風景 9ページの写真5の解説:視覚障害者に音声情報で交差点の位置を伝えるにはどれくらいの距離が良いか確認 10ページ みんなでUD TRY! 身近な金融機関の職員との交流型研修 目的 江東区が区民とともに実施する信用金庫などの窓口対応の研修に参加してみませんか。 信用金庫などの職員に窓口対応のシミュレーション体験をしてもらいます。障害者などの区民がお客さん役になって、必要な対応や接遇の方法を伝えます。どういうやり取りが良いのか、どんな伝え方が良いのかお互いに考えます。「やさしいまちづくり相談員」といっしょに体験してみましょう。10ページの注釈1 10ページの注釈1の説明 やさしいまちづくり相談員とは ユニバーサルデザインまちづくりを進めるために、江東区が障害当事者を含む区民等に依頼し登録します。当事者の視点で施設をみて、危険だと思うところ、こうした方がより使いやすいと思うところなどの意見を言ってもらったり、小学校への出前授業の支援をしています。 2時間のプログラム例 (5分間)集合、あいさつ (15分間)寸劇「ありがちな窓口対応の問題」 (10分間)参加職員のグループ分けと進め方の説明 (40分間)窓口体験 障害者などがお客さんになって、職員に窓口のやりとりを体験 (50分間)職員と一緒に意見交換 寸劇のシナリオ例(一部抜粋) 視覚障害者のシナリオ例 視覚障害者 (銀行に行ってお金をおろそう。入口を見つけたぞ。ドアが開いたかな?) フロア職員 いらっしゃいませ。 視覚障害者 (私に言っているのかな〜。遠くから言われてもわからないんだよね。) フロア職員 <近づいて真横で>いらっしゃいませ。 視覚障害者 (やっぱり私に声かけしていたのか。)お金をおろしにきたのですが。 フロア職員 <手で示して>こちらです。 視覚障害者 こちらって、どちらですか? フロア職員 <手で示して>向こう側です。 視覚障害者 こちらですか?<逆方向に歩く> フロア職員 あっ失礼いたしました。右斜め前です。ご案内いたします。 視覚障害者 (「あちらこちら」指示語は、わからないんだよね、、、) 解説:視覚障害者に「あちら、こちら」といった指示語で案内してしまうことがよくありますが、これでは伝わりません。自分でも目をつむって体験してみましょう。 11ページ 車いす使用者のシナリオ例 窓口職員 今日はどのようにご用件でしょうか? 車いす使用者 口座をつくりたいのですが。 窓口職員 ありがとうございます。本日、ご本人を確認できる処理をお持ちでしょうか。 車いす使用者 後ろのリュックに入っているのですが、手が不自由なのでとっていただけますか? 窓口職員 <後ろにリュックをかけたまま、本人確認書類を取り出し、本人に渡す>こちらでよろしいですか。 車いす使用者 (リュックを前に持ってきて、見える位置で証明書をとってくださいと伝えればよかったな、、、) 解説:肢体不自由の方から、荷物をとってくださいと頼まれることがあります。荷物の出し入れが本人から見えるようにしてお手伝いしましょう。 聴覚障害者のシナリオ例 フロア職員 <待合のイスを示す>11番のカードを持って、こちらでお待ちください。 聴覚障害者 <待っていると、窓口で番号が表示される> 窓口職員 いらっしゃいませ。 聴覚障害者 <身振りで、振込みをしたいと伝え、書類を記載する> 窓口職員 そちらでお待ちください。 聴覚障害者 <窓口前のイスに座る> 窓口職員 11番の田中さま、田中さま<音声のみ>、あれ、いらっしゃらないのかな? 聴覚障害者 (あっ、きっと私のことだ)あわてて窓口へ(最初は電光掲示版で番号が表示されたのでわかったけど、2回目は「声だけ」だったのか、、、) 解説:聴覚障害者は障害があることが見た目でわかりません。聞こえないとわかっていても、つい音声だけで案内してしまうことがありますが、それでは伝わりません。 窓口体験研修の進め方 「寸劇」を見てもらったうえで、障害のある人がお客さん役になって、職員が窓口業務の体験をします。数人が組になって、交代でいろいろな障害者との対応を体験します。対象職員が多い場合は、体験できる内容が限られますが、他の人が体験をしている様子を見ることも良い勉強になります。実際に体験してみると、頭でわかっていることと大きな違いを実感していただけるはずです。 11ページのイラスト1:窓口研修の机の配置の例 11ページのイラスト1の解説:テーブルが4つ、聴覚障害者のテーブル1つ、視覚障害者のテーブル2つ、車いす使用者のテーブル1つ。研修を受ける職員は4人で1グループで、1人が体験、3人は見学。 12ページ 江東区が目指す「障害者権利条約」時代のUDまちづくり 障害者権利条約と障害者差別解消法 2006年、国連で「障害者の権利に関する条約(障害者権利条約)」が採択され、世界中の国が次々とこの条例を受け入れています、日本では、2013年に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法)」を制定し(2016年4月1日施行)、2014年に条例を批准しました。 「障害」は社会によってつくられる 「障害」には二つの捉え方があります。ひとつは「医学モデル」と呼ばれ、その人に障害があるのが問題だとする考え方です。もうひとつは「社会モデル」といって、環境や制度が不十分であることが「障害」をつくっているという考え方です。今までは「医学モデル」の側面からばかり「障害」をとらえてきましたが、障害者権利条約では、「医学モデル」と「社会モデル」の両面から考えて、誰もが社会に関われるようにすることを必要としています。 UDまちづくりは、その人の目的を達成すること 実際のまちの中には多くのバリア(障壁)が残されています。誰もがその目的(例えば、買い物をする、自由に移動するなど)を達成するためには、さまざまな手法を複合的に使うことが必要であり、障害者権利条約では、「合理的配慮」という考え方を示しています。これは、「配慮をしてほしい」という本人の意思表明があった場合に、その人が目的を達成するため、社会的バリアを取り除き、必要で合理的な配慮を行うことを求めるもので、障害者差別解消法にも定められています(配慮する側が過重な負担にならない範囲でという条件があります)。 江東区が目指すUDあちづくりは、すべての人の平等を基本として、「社会モデル」の視点からまちの環境や社会の制度を改善する取り組みです。 奥付 編集 発行 江東区都市整備部まちづくり推進課 郵便番号135-8383 東京都江東区東陽4丁目 11-28 電話03-3647-9781 FAX03-3647-9009 作成 編集協力 場所づくり研究所プレイス 郵便番号156-0044 東京都世田谷区赤堤3-3-18 電話03-3324-0365 FAX03-3324-0376 アドバイザー 川内美彦(東洋大学教授) 協力 深川江戸資料館通り商店街 東京東信用金庫 内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) 平成29年3月発行 印刷物登録番号(29)22号