江東区 UD TRY!6  ユニバーサル・デザイン・トライ!6 高校生といっしょに編 全16ページ 1ページ目(表紙) ユニバーサルデザイン(UD)まちづくりを広げよう! 1ページ画像1 車いす使用者とエプロンとバンダナをしている人が話しているイラスト、グループに分かれて話をしているイラスト、身振りで表現しているイラスト、白杖を持っている人をエプロンとバンダナをしている人がガイドしているイラスト。 1ページ画像2 赤い帽子をかぶった若者のイラスト。 1ページ画像2のキャプション 高校の授業でUDまちづくり講座を実践しながら、UDの理解を深めたよ。 1ページ画像3 江東区のマーク ハートマークの中にSPORTS&SUPPORTSの文字がデザイン。ハートマークの下にKOTOcity in TOKYO スポーツと人情が熱いまち江東区。 2ページ3ページ目 2ページ3ページ画像1 見開きで、十字路があるまちのイラスト。 ユニバーサルデザイン(UD※1)まちづくりってなんだろう? UDまちづくり※2とは、すべての人にとって使いやすいまちをつくること。 ※1 UD ユニバーサルデザインは英語の頭文字でUDと表現します。 ※2 ユニバーサルデザイン(UD)まちづくり 江東区では、「年齢・性別・国籍・能力などの違いを尊重しつつ、誰もが使いやすく安全で安心な環境をつくるため、住民と事業者および自治体が協働ですすめるまちづくり」と定義しています。 2ページ画像1 横断歩道があり、信号には音響式信号と書かれている。視覚障害者が歩道に立っているイラスト。 2ページ画像1のキャプション 視覚障害者にとっては、歩道から車道に少し段差があることで、車道に出たことがわかって安心。エスコートゾーン※3があると、横断歩道から外れずに渡れたり、信号機に音響があると、助けになる。 ※3 エスコートゾーン 視覚障害者が横断歩道から外れることなく道路を横断できるように横断歩道に設置された設備のこと。 2ページ画像2 エスコートゾーンの写真。 2ページ画像3 横断歩道の前で、車いす使用者が待っているイラスト。 2ページ画像3のキャプション 車いすを使っていると、できるだけ段差がないのが便利。 車いす使用者と視覚障害者とでは、意見が異なっています。両者の意見を調整して、歩車道間の段差は2cmを標準としています。 2ページ画像4 歩車間の段差の写真。 3ページ画像1 外国語表記のある掲示板を見ている人のイラスト。 3ページ画像1のキャプション マップに、外国語表記があると、日本語が苦手な外国人も読める。 3ページ画像2 ベビーカーで店に入ろうとしている人のイラスト。 3ページ画像2のキャプション 入口が自動ドアだとベビーカーでも入りやすい。 3ページ画像3 バス停でバスを待っている人のイラスト。 3ページ画像3のキャプション 「あと5分で●●行きが来る」電光掲示板があると確認ができて安心。 3ページ画像4 バス停の電光掲示板の写真。 3ページ画像5 赤い帽子をかぶった若者のイラスト。 3ページ画像5のキャプション いろいろ使いやすくなっていますが、まだ不便なこともあるんだって。 4ページ目 たとえば、まちであったこんなこと… 4ページ画像1 4コマ漫画  4ページ画像1のキャプション 仲間でランチをすることになりました。 1コマ目 仲間は3人。一人は車いすを使用している。 登場人物1 最近できた和食屋さんに行かない? 登場人物2 いいね! みなさんは、食べたいものを考えてお店を選びますよね。 2コマ目 登場人物3(車いす使用者) 店の入口に段差があったよね、中も狭そうで入るのが難しそう。行ってみたいけれど、僕はファミリーレストランにいくよ。 車いすを使っている人は、入れるかを考えてお店を選ぶことが多いです。 3コマ目  みんなでお店に入るための「やり方」を考えます。 登場人物1 あの段差、越えられないかな? 登場人物2 手伝い方、教えて。 登場人物3(車いす使用者) 1段だけだから、手伝ってもらったら越えられるかも。 4コマ目 登場人物4(店員)通路を広くしますね。イスも動かします。 登場人物1、2 手伝うよ!やり方、教えて。 行きたいと思ったお店でみんなで食べることができました。 5ページ目 目的は同じ、やり方が違う。 「行きたいお店で食べたい」という「目的」は、だれでも同じです。けれども、その目的を達成するのに、人により「やり方」が違うことがあります。その時に、「できなくても仕方がない」「余計な手間がかかる」とマイナスに考えるのではなく、その人の「やり方」を尊重し、工夫することで、目的を達成できます。みんながこのように考えることで、「だれもが暮らしやすいまちづくり」=「UDまちづくり」に近づけると考えています。 「同じ目的」を多様な人が達成したいと思っている ↓ 人により「やり方」に違いがある ↓ 社会や環境がいろいろな「やり方」に対応していない ↓ 「誰もが目的を達成」するために、検討・調整を経て、複数のやり方を用意したり、やり方を工夫する 5ページ画像1 上記の流れを目的別登場人物別にした一覧表 目的 行きたい店で食べる。 登場人物 いっしょにランチする仲間。 その人のやり方 歩いて店に入り、店のイスに座る。 社会や環境の現状 店を自由に選べる。 社会や環境に変わってほしいこと 不便を感じない、今のままで満足。 検討・調整 自分とは違うやり方の人がいた時、できることを考えてサポート。 結果 目的達成。 目的 行きたい店で食べる。 登場人物 和食屋に行きたい車いす使用者。 その人のやり方 車いすで店に入り、車いすで席につく(店のイスには座らない)。 社会や環境の現状 行ける店が限られる。 社会や環境に変わってほしいこと 店の整備|車いすのままで入れるようにしてほしい。人のサポート|車いすの移動の手伝いや、動きやすい環境づくりをしてほしい。 検討・調整 店の整備|段差解消や、スロープを用意する。テーブルを動かすなどして通路幅を確保する。車いすでつける席を確保する。人のサポート|車いすの移動や、通路幅などを確保する手伝いをする。 結果 目的達成 目的 掲示板で行き先を確認する。 登場人物 見えにくい人(弱視)。 その人のやり方 掲示板の盤面が、濃い地色に白文字だと読みやすい。目を近づけると読める。 社会や環境の現状 白地に黒文字の掲示板がある。近づけない場所に設置された掲示板がある。 社会や環境に変わってほしいこと まちの整備|濃い地色に白文字のデザインにしてほしい。目が近づける場所に、目の高さで設置してほしい。人のサポート|見つけにくい情報を伝えてほしい。 検討・調整 まちの整備|見やすい盤面のデザインを検討し、作成する。見やすい場所と、設置できる場所を調整して整備する。人のサポート|コミュニケーションをとりながら、必要な情報を伝える。 結果 目的達成。 目的 掲示板で行き先を確認する。 登場人物 日本語が苦手な外国人旅行者。 その人のやり方 掲示板に、母国語やローマ字の表記があると読める。 社会や環境の現状 日本語表記だけの掲示板がある。 社会や環境に変わってほしいこと まちの整備|日本語以外の表記を増やしてほしい。人のサポート|読めない情報を伝えてほしい。 検討・調整 まちの整備|表記が増えると読みにくくなるので、見やすさを検討しながら言語表記を増やす。人のサポート|コミュニケーションをとりながら、必要な情報を伝える。 結果 目的達成 6ページ目 これまでのUDまちづくり活動の歩み。 令和5年度は、高校生といっしょに取り組みました。 江東区では、区民と区が一緒に参加するワークショップを開催し、UDまちづくりを広げています。これまで、商店街や企業等に出向いて、店主さんや窓口スタッフの方々にどんな対応をしてもらいたいかを伝えたり、小学校でUD出前講座を行ったりしました。 今回は、高校生がワークショップに参加し、高校の授業でUDまちづくり講座を実践しました。 6ページ7ページ画像1 UDまちづくりワークショップから、活動が広がっている図 UDまちづくりワークショップ 6ページ画像1 ワークショップ風景の写真 6ページ画像1のキャプション 今年度は高校生も参加。 小学校の授業でUDを伝える「出前講座」を実施しています。 6ページ画像2 出前講座風景の写真や、関連した冊子の表紙とDVDの画像。 6ページ画像2のキャプション 小学校でのUD出前講座は、ワークショップから発展した取り組みです。令和4年度・5年度については、年間30校以上もの小学校に出向く活動を行いました。 みんなが楽しいまち歩き 6ページ画像3 まち歩き風景の写真やイラスト、関連した冊子の表紙の画像。 「ボランティアを楽しむ」ことや「自然な声かけ」を実践しました。 6ページ画像4 まちで自然な声かけに取り組んだ写真や、関連した冊子の表紙画像。 買い物をしながら店員に「こんな対応してほしい」を伝えました。 7ページ画像1 店主から視覚障害者がおつりを受け取っている写真とイラスト。 銀行でも研修「窓口でこんな対応してほしい」を伝えました。 7ページ画像2 筆談やコミュニケーションボードを使っている研修風景写真と関連した冊子の表紙画像。 高校の授業でUDまちづくり講座を実践しました! 7ページ画像3 高校の授業で行った講座風景写真。 深川高校国際協力ボランティア部 国際協力に関わる活動をすることを目標にしています。 ・部活では、紅茶の茶葉を使ったクッキーを作り、フェアトレード※についてまとめたプリントと一緒に校内で配布しました ・ その他、商店街活性化を応援する取り組みをするなど、これまでにない活動にもチャレンジしています。 ※ フェアトレード 「公平公正な貿易」という意味で、発展途上国の原料や製品を適正価格で購入することで発展途上国の生活の改善などを促す活動です。 7ページ画像4 赤い帽子をかぶった若者のイラスト。 7ページ画像4のキャプション 今回、ワークショップに深川高校国際協力ボランティア部の生徒が参加したよ。高校生にどうやってUDを伝えたらよいかをいっしょに考え、深川高校の授業でUDまちづくり講座を実践しながら、UDの理解を深めたよ。 8ページ目 UDまちづくり講座の特徴。 1 感じて考えるプログラムです この講座は、専門家から知識を学ぶ講座とは少し違います。 ワークショップに参加している区民たちが「講座サポーター」として講座運営を担い、講座サポーター自身がまちで体験したことを伝えたり、講座サポーターとのコミュニケーションを体験してもらったりします。体を動かしたり、感想を共有したりすることを通じて、感じて考えながらUDの理解を深めます。 楽しく参加できる工夫をしていますので、積極的に体験や質問をしてください。 8ページ画像1 UDまちづくりワークショップと、UDまちづくり講座の関係図。UDまちづくりワークショップには、区職員、区民、高校生がいて、ワークショップ参加者と呼ばれる。このワークショップ参加者が、「講座サポーター」として講座を運営し、講座参加者に伝える。 8ページ画像2 赤い帽子をかぶった若者のイラスト。 8ページ画像2のキャプション 感じて考えることが大事なんだね! 2 素朴な疑問はとっても大事 気軽に質問してくださいといわれても、「UDなんて全然知らないよ、ヘンなことを言ったら大変」と思うかもしれません。しかし、知らないからこその「素朴な疑問」はとっても大事。講座参加者のみなさんにとっても、運営している講座サポーターにとっても、新たな気づきになることが多いからです。 「失礼にならないか?」「怒られないか?」などの心配は無用。「えっそうなの?」と思ったら、そのことを素直に伝えてください。素朴な疑問があれば、どんな質問でも大歓迎です。 3 「リアル」はありますが、「正解」はありません この講座は、だれかが実際に体験したことや、暮らしの中で感じていることをもとにしています。インターネット上の情報やだれかに聞いたことを、自分の話のように伝えることはありません。実際の体験だからこそ、状況や感じたことをリアルに伝えられ、その人に必要な対応をみんなで考えることができるからです。 ただし、それは1つの感じ方や、その状況でその人が必要とする対応方法であって、だれにでも当てはまる「正解」ではありません。別の感じ方をしたり、別の対応方法を望む人がいるかもしれません。そのため「その場その場で相手に確認することが大切」だということを伝える講座です。 4 プログラムの組み合わせいろいろ この冊子では5つのプログラムをご紹介します。 1から5までを最初から順番に行うのではなく、その時の参加者や、時間や会場などを考えて組み合わせます。いくつかを組み合わせても良いですし、1つだけ行っても良いプログラムです。 9ページ目 講座をはじめます。みなさんに簡単な質問をします。 〜アイスブレイク〜 9ページ画像1 4コマ漫画 1コマ目 登場人物は、白杖を持った講座サポーターと、複数の講座参加者。 登場人物1(白杖を持った講座サポーター) 今日の朝ごはんは何でしたか?「和食」「洋食」「その他」「食べていない」4つから選んでください。ではいきますよ、「和食」だった人は? 2コマ目 〜静かに手をあげている人がいる〜 3コマ目 登場人物1(白杖を持った講座サポーター)もしかして、みなさん手をあげていますか?私は視覚障害者で見えないのです。「はい」と声も出してもらえますか? 4コマ目 講座参加者から「はい」「はい」「は〜い」と声が出ている。 登場人物1(白杖を持った講座サポーター)ありがとうございます。 10人くらいはいるかな。 〜視覚障害者は「音」が頼り。声をださないと伝わらないことがよくわかります。〜 アイスブレイクの特徴 アイスブレイクとは 上の4コママンガのように会議や研修をはじめる前に、簡単なゲームや自己紹介をして、本題に入りやすくすることを「アイスブレイク」といいます。緊張した固い雰囲気を氷にたとえて、それを壊すという意味です。 UDまちづくり講座でのねらい 参加者の雰囲気を和らげることに加えて、スタッフとのコミュニケーションの方法を学んでもらうことで、質問などの発言がしやすくなることもねらっています。 聴覚障害者とのコミュニケーションは、12ページから14ページをご覧ください。 10ページ目 プログラム1 寸劇 まちで起きたできごとを、見てもらいます。そのあと、問いかけをします。 10ページ画像1 4コマ漫画 ここはレストランです 1コマ目 登場人物3人(店長、店員、お客) 店長 この店はUDをめざしています。車いすを使っている方がいらしたら、段差のない広いスペースの席に案内にしてください。 店員 はい、わかりました。 2コマ目  店員 いらっしゃいませ。 お客 窓際の席を予約していた者です。 店員(心の声)(あっ車いすを使っている方だ!) 3コマ目  店員 広くて入りやすいお席をご用意していますので、そちらへどうぞ。 お客 窓側の席を予約していたと思いますが。今日は花火大会があるので、窓側を予約していたのです。 4コマ目  店員 店長に言われていた通りに案内したのに…。最初からお客様に希望を聞けばよかったな。 11ページ目 感じて考えよう! 11ページ画像1 赤い帽子をかぶった若者のイラスト。 11ページ画像1のキャプション 高校生はどんな感想を持ったかな? 問いかけ 店長さんはUDの店にしようと一生懸命考えましたが、予約のお客さんの希望とはズレがありました。 Q1 あなたが店員さんの立場だったらどうする? 高校生 お客さんの希望を聞いてあげたいと思います。 講座サポーター 店長から言われていたことと違う対応を、自分の判断だけでできるかな? 高校生 「店長に話しをしてから」窓際に案内したいです。 講座サポーター 店長から「安全を考え、やはり広いスペースへ」と言われたら、窓側への案内はあきらめる? Q2 車いす使用者のお客様の立場だったら、どうしてほしい? 高校生 花火を見るために来たので、少しくらい入りにくくても窓際に案内してほしいです。 講座サポーター ですよね。 まとめ だれのために、なんのために 店長さんは、車いすを使っている人は広いスペースが必要だと思い、良かれと思って店員さんにも伝えていました。しかし、車いすの人の希望は違いました。 良かれと考えて準備しておくことは大切です。しかし、希望が違う場合は、それに対応するための工夫が求められます。 常に、「だれのために」「なんのために」行うのかを考えながら対応することが大切なのです。 高校生の感想 劇で実際の状況を見ることができて、よくわかった。 すれ違いが印象的。 まずは、相手の意見、どうしたいのかをしっかり聞くことが大事。 その人のことを思ってしたことでも、相手からしたら嬉しいとは限らないこともある。 寸劇の特徴 寸劇とは 進行役が状況を説明したり登場人物がセリフを言ったりして、短い劇として状況を伝えることで、どんなことが起きているのかをわかりやすく伝えることができます。 UDまちづくり講座でのねらい ワークショップで出し合ったまちでの実際に体験をもとにシナリオをつくります。「起きた出来事」だけでなく、登場人物が「その時どんな気持ちだったか」も伝えます。 「どうするとよかったか」については、寸劇の中で伝えることもあれば、ロールプレイや意見交換の中で考えてもらうこともあります。 12ページ目 プログラム2 ロールプレイ 役の立場になって、演じてください。あなたならどうする? ミッション1 ここはファミリーレストラン。あなたは店員さんです。入ってきたお客様は、白い杖を持っています。 @入口から席まで案内してください。 Aイスに座ってもらってください。 B注文をとってください。 C運んできた食事の内容を説明してください。 ミッション2 混んできたので、順番待ちリストに記入をしてもらっています。次のお客さまを 呼んでください。 「○○様、お待たせしました」と呼んでも反応がありません。 @呼んでも反応がない時は、どうする? A席に案内してください。 B注文をとってください。 12ページ画像1 赤い帽子をかぶった若者のイラスト。 12ページ画像1のキャプション 高校生はどんなトライをしたかな? 感じて考えよう! ミッション1 のお客様は、白い杖を持っていました。 白い杖は、視覚障害のある人がまわりの環境を確認したり、自分が視覚障害者であることをまわりの人に伝えるたりする目的で使う杖。全盲の人だけでなく、弱視の(見えにくい)人も使います。 1 入口から席まで案内してください。 高校生のトライ! 肩を押す人、手を繋ぐ人がいました。後ろから押されたり、引っ張ったりされると、怖いです。 講座サポーターからのアドバイス 案内する人の肩か肘に手を置かせてください。案内する人が半歩前に立って歩いてもらえると安心です。 12ページ画像2 肘に手を置きガイドの半歩後ろを歩いて「肘をつかまらせてください」と言っている白い杖を持った人のイラスト 12ページ画像2のキャプション 人によりガイド方法は違うので確認してくださいね。 2 イスに座ってもらってください。 高校生のトライ!  良かれと思いイスを引いてくれる人がいましたが、気づかずに座ろうとすると危険です。 講座サポーターからのアドバイス イスの座面や背もたれを触らせてもらえると位置がわかります。 12ページ画像3 白い杖を持った人にイスの背もたれを案内しているイラスト 12ページ画像3のキャプション ここがイスの背もたれです 3 注文をとってください。 講座サポーターからのアドバイス メニューの説明が必要か確認してください。必要な場合、まず大きな項目、その後詳細を教えてください。 12ページ画像4 メニューのイラスト 12ページ画像4のキャプション まず大きな項目(食事、飲み物、デザートなど)を読みあげてください。 13ページ目 4 運んできた食事の内容を説明してください。 高校生のトライ!  「お水が入っています」など、倒すと困るものについて教えてくれた人がいました、助かります。 講座サポーターからのアドバイス テーブルに時計盤があるとイメージして伝える方法もあります(クロックポジション)。お箸などの位置も、声で伝えてください。 13ページ画像1  テーブルに時計盤があるとイメージして伝える方法(クロックポジション)のイラスト。 13ページ画像1のキャプション クロックポジションでは、「12時の方向に焼き魚があります」と説明します。 ミッション2 は、声をかけても反応がない時のことを考えます。 5 呼んでも反応がない時は、どうする? 講座サポーターからのアドバイス 呼んでも反応がない時は、もしかしたら「聞こえない」人かもしれません。聴覚障害者は、見た目ではわかりにくいです。 13ページ画像2  立っている人のイラスト。 13ページ画像2のキャプション 耳が聞こえないことは、見た目ではわかりにくい。 6 席に案内してください。 高校生のトライ!  身振りで「こちらへ」と案内してくれました。 講座サポーターからのアドバイス 身振りを恥ずかしがる人がいましたが、豊かな表現で伝えてくれた人もいたのは良かったです。 13ページ画像3  表現豊かに「こちらへどうぞ」の身振りをしているイラスト。 13ページ画像3のキャプション 豊かな表現の身振りはわかりやすい。 7 注文をとってください。 高校生のトライ!  メニューを指さして注文の確認をする人が多かったです。 講座サポーターからのアドバイス 伝え方はいろいろありますが、注文内容や金額など、大切なことは筆談で確認してもらえると助かります。 13ページ画像4と画像4のキャプション  伝え方いろいろのイラストとキャプション 手話、文字を空中に書く(空書き)、スマホで文字を打って見せる、指さし身振り、筆談、話す口の形(口形) まとめ 相手が必要としていることを確認する 自分が良かれと思ってしたことと、相手が望んでいることが違ったかもしれません。「相手が必要としていることを確認する」コミュニケーションが大切です。 高 校 生 の 感 想 視覚障害者へは、まわりの状況を伝えることが大切。 聴覚障害者は見た目ではわからないので、「もしかしたら」と考えることが大切だ。 ロールプレイの特徴 ロールプレイとは 「役割(role)」と「演じる(play)」を組み合わせた言葉。登場する役の立場で、実際に発言したり行動したりすることで、その人だったらどう感じるかの理解を深めます。 UD講座でのねらい 寸劇を見てから寸劇の登場人物役を演じることもありますが、日常生活の中では初めて出会うできごとも多いと考え、予備知識なく役割を演じるプログラムも実施しました。 14ページ目 プログラム3 コミュニケーションゲーム 声や文字を使わないで、コミュニケーションをとってみよう! 14ページの画像1 4コマ漫画 1コマ目 登場人物3人 動物が描かれているカードを一人1枚、配ります。カードは10種類あります。自分と同じ動物を探して、仲間で集まってください。 登場人物1(講座サポーター) 同じ仲間を探して集まってください。10のグループができますよ。声を出さない、スマホを使わないでね。 2コマ目 登場人物2(講座参加者の心の声)えっ、どうやって表現しよう。 登場人物3(身振りをしている講座参加者を見て)あれ仲間? 3コマ目 カードを見せ合ってください。 登場人物2、登場人物3(2人の講座参加者)うんうん、仲間 4コマ目 今回の講座では「うさぎ/ぞう/キリン/牛/ゴリラ/サル/ネコ/ライオン/白鳥/カラス」を表現してもらいました。 高校生の感想 仲間探しをするミュニケーションゲームがとても楽しかった。 ジェスチャーだけでやるのは意外に難しかった。 コミュニケーションゲームの特徴 コミュニケーションゲームとは ゲーム感覚の体験を通して「会話すること・共有すること」「人と協力すること」などの重要性を理解するプログラムです。 UD講座でのねらい 聴覚障害者や外国人などと、話言葉や日本語によるコミュニケーションが難しい時でも、ジェスチャーを使うことで伝えられることを体験します。聴覚障害者とのコミュニケーションとして、「手話」「口形」「空書き」「筆談」「スマホに文字を打つ」「指さし身振り」などの方法があります。 15ページ目 プログラム4 新しいトライ (1)多様な立場からの話 エピソードトーク 「エピソードトーク」という、自分の体験を短時間で伝える方法にトライしました。今回は2つのエピソードを伝えました。 @ 脳卒中に罹患し、左半身麻痺と音や光、温度に対する感覚過敏の症状が残っている立場から、後遺症は人によって違うこと、サポートをする場合は、コミュニケーションをとりながらいっしょに解決方法を考えてもらうと助かることを伝えました。 A 子どもが高校の途中でろう学校へ移った母親の立場で、「身近な場所=学校」の中に聴覚に障害のある生徒がいるかもしれないことを伝えました。 この新しいトライは、UDをもっと理解することへと発展しました。 今回の講座では、グループに分かれて各コーナーを担当しました。講座終了後、他グループに参加していた聴覚障害者から「聴覚障害のある子どもについて、親が話すことを知らなかった」「親であっても話すべきではないのではないか」との発言がありました。 一方、「『子どもに障害がある親』という当事者の立場で話をして良いのでは」との意見も出ました。そこで、なぜ聴覚障害者が違和感を感じるのかについて意見交換をしました。 視覚障害者や車いす使用者の中には、親が自分のことを語った経験をした人もいて、事前の確認や話す内容を聞ける状態であればいいと思うとの話も出ました。一方、聴覚障害者の立場からは、「親子の合意のもと、親が障害のある子どものことを語ることもあるでしょう。しかし、聴覚障害者はコミュニケーションの違いがあります。聴覚障害者は、手話通訳や音声認識アプリを介して話を聞くことになります。障害があっても聞こえる人は、親が話す内容を聞いて『それは違う』など比較的スムーズに反応することができるかもしれませんが、聴覚障害者はその場でリアルタイムに訂正したり対応しづらいことがあるのです。だから、親であっても聴覚障害の子どもについて話すことはより慎重であるべきではないか」という意見でした。 この議論はこれからも続けていく必要がありますが、聴覚障害者のコミュニケーションの違いについて理解を深める機会になりました。信頼して一緒に活動していくために、情報の共有についてより気をつける必要があることがわかりました。 こうした議論を恐れずできることが、UDまちづくりの基本となります。 15ページの画像1 エピソードトークの実施風景写真 (2)外国の文化を通じて、UDの理解を深めよう もう一つ、新しくトライしたことを紹介します。 ワークショップに参加している高校生に、韓国籍の生徒がいました。その生徒と友だちが韓国料理屋に行き、韓国式の食べ方を真似てもらうというロールプレイをしました。韓国では、食器を持たない、箸をタテに置く、食材を混ぜるなど、日本とは違うマナーや特徴があります。 日本と違うからと言って、「こちらが正解」「これは間違っている」と最初から決めつけないでほしいことを伝えました。UDを理解するとても大切な考え方を、わかりやすく実感してもらいました。 15ページの画像2 韓国式で食べるロールプレイの実施風景写真 プログラム5 これまでのトライ UD体験をしよう 2022年度に取り組んだ体験を、冊子や動画にまとめています。ぜひご覧ください。 15ページの画像3 冊子の表紙写真。区のホームページにアップされている動画のQRコード。 UDを「体験」して「感じて」みよう! 4つの体験レポート https://www.youtube.com/watch?v=_A4KgRQd8ro UDを「体験」して「感じて」みよう! 4つの体験レポート(音声ガイド付き) https://www.youtube.com/watch?v=an5RdWODrmE 16ページ目 あなたが暮らしの中でできるUDまちづくり やり方の違いを伝えたり、やり方の違いをいっしょに考え工夫すること UDまちづくりとは、すべての人にとって使いやすいまちをつくること。 あなたも今あるやり方では不便だと思ったことはありませんか?そんな時は自分にとって「不便なこと」や、そのときにしている「自分のやり方」をまわりの人に伝えてみてください。 自分とは違ったやり方の人がいないかを考えたり、やり方の違う人がいた時はどうしたらいいかをいっしょに考え、工夫するきっかけになるかもしれません。 「やり方」は人ぞれぞれ違うので最初はとまどうかもしれませんが、コミュニケーションをとりながら工夫していけばいいのです。 お互いを知り、理解を深めようとすることで、きっと良い解決策が生まれます。 あなたも、自分の身近なところでできることがたくさんあり、トライしていくことでUDまちづくりにつながっていきます。 気軽にUDトライ、していきましょう! 奥付 江東区 UD TRY! 6 高校生といっしょに編 ユニバーサルデザイン(UD)まちづくりを広げよう! 編集・発行 江東区都市整備部都市計画課       〒135-8383 東京都江東区東陽四丁目11-28 電話03-3647-9781 FAX03-3647-9009 作成・編集協力 場所づくり研究所プレイス       〒156-0044 東京都世田谷区赤堤3-3-18 電話03-3324-0365 FAX03-3324-0376 アドバイザー 川内美彦(アクセシビリティ研究所主宰/東洋大学人間科学総合研究所客員研究員)  デザイナー カタヤナギユウイチ  イラスト 絹村亜佐子 16ページの画像1 区のホームページにアップされている動画のQRコード。 16ページの画像1キャプション ユニバーサルデザインまちづくりを広げよう! 見て・演じて・感じるUDまちづくり講座ができるまで「高校生といっしょに編」 URL https://www.youtube.com/watch?v=1ijQBjNQ6do 2024年3月発行 印刷物登録番号(5)114号