定例記者会見 平成21年2月4日分
平成21年度予算の編成方針・概要
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| 「元気な区政を」と話す区長 |
平成21年度当初予算案がまとまりましたので、その概要についてご説明いたします。
まず初めに、予算編成の基本的な考え方について申し上げます。
昨年3月、本区の人口は45万人を突破し、さらに南部地域を中心とする人口増加は止まることなく継続しております。こうしたなか、12月には基本構想審議会から、概ね今後20年を展望した新たな基本構想の答申を受け取りました。今後、この基本構想答申の将来像を実現するため、さまざまな取り組みが必要になります。
来年度の予算編成にあたり、こうしたことをベースに作業を進めてきました。一般会計は1475億9300万円、前年度に対して81億8100万円の増で、率にして5.9%の増となっております。特別会計を合わせた予算総額は、2226億4400万円で、前年度に対し66億2200万円の増、率にして3.1%増の積極型予算といたしました。
次に、新たに挑戦するプログラムについてご説明いたします。
まず、「緊急経済対策・定額給付金支給・プレミアム付商品券の発行」についてです。
非常に経済状況が厳しいなか、区民生活を支えるため、中小企業者や失業した区民などへの多様な支援策を大胆かつスピーディーに実行して参りたいと思っております。
その1つとして、景気対策融資を実施します。緊急融資として本年3月まで実施しております「経営安定資金」に引き続き、「景気対策資金」を新設いたします。23区では一番早く、昨年8月から緊急融資を始めたわけですが、現在は、信用保証料については区が全額補助し、利子負担率を0.2%としているところです。この4月からは、信用保証料の全額補助に加え、1年目の利子負担率もゼロとし、区がバックアップしていきます。
2つ目は、緊急雇用対策です。今年2月から区臨時職員の採用を開始しまして、さらに21年度は、18の緊急雇用創出事業を実施し、延べ2万5000人、総経費約2億9000万円の新たな雇用を創出したいと思っております。
さらに、定額給付金の支給にあわせ、6億6000万円分のプレミアム付区内共通商品券を発行いたします。
本区が独自に行っているさざんかカード事業の協賛店と、商店街が行っている従来の区内共通商品券が利用できる店舗でこの商品券を使えるようにし、定額給付金をできるだけ区内でお使いいただいて景気回復に寄与したいと思っています。江東区では、定額給付金の支給額が約60億円強、その1割とプレミアム分の1割で6億6000万円分の商品券を販売し、定額給付金が皆様のお手元に渡ったら、ぜひとも地元でお使いいただけるよう、PRもしていきたいと考えております。
次に、容器包装プラスチックや発泡スチロールの資源化についてです。
地球環境にやさしい循環型社会づくりを目指し、容器包装プラスチック及び発泡スチロールの資源化に取り組みます。江東区は、35年間続けたごみ回収のルールがあり、区民の方々の協力で非常にスムーズな回収が行われてきたわけですが、3月30日からこの回収方法を変更いたします。これは、長年馴染んだ回収方法を変えるということで非常に大変なことではありますが、全庁を挙げてお知らせを徹底し、区民の皆さんのご理解を得て、一緒になって進めていきたいと考えております。
これにあわせて、区内のごみの集積所・約9000か所で、発泡トレイあるいは発泡スチロールなどを回収します。これまでは、一部の大型店舗やマンションなどで集めて回収していましたが、従来のごみ集積所でも行うことで相当数集められると思います。その集めた発泡スチロールなどをリサイクルするために、資源化施設を区内に設置し、あわせて障害者の雇用拡大やこどもの環境学習を推進していきます。このような形で発泡スチロール単体を回収し、資源化を行うのは全国で初めての試みです。ごみの自区内処理を長年言い続けてきた江東区が手本となれるよう、資源化施設を区内に設置し、ごみだけでなく資源化物の自区内処理も目指します。
次に、新型インフルエンザについてです。
昨日のニュースでは、東南アジアで鳥から人へのインフルエンザ感染が発生したそうです。これが人から人へということになると大変なことであり、迅速かつ慎重な対応が求められる課題です。
そこで、区民向けマスク225万枚の備蓄や初動対応職員用の防護服の備蓄、発熱外来施設の整備を行う予定です。さらに、行動計画に基づき、区長をトップとする新型インフルエンザ対策推進会議のもと、全庁的な推進体制を確立し事業継続計画を策定して参ります。新型インフルエンザは、こどもやお年寄り、病気の方などがかかりやすいということで、まずは早急にマスク225万枚を用意しておくことにいたしました。
次に、南部地域総合病院の整備についてです。
南部地域の人口急増、子育て世帯の増加に鑑み、区民の安心・安全な生活環境を守るため、地域医療の中核的機能を担う総合病院を、豊洲地区に整備いたします。
東京は7つの医療圏に分かれており、江東区は東部医療圏に属していますが、東部医療圏は10万人あたりのベッド数が最も少なく、診療所の数も最も少ない地域といえます。そのようなこともあり、昨年10月の妊婦搬送拒否問題のような忘れがたい事故が起こりました。これは、医師不足が大きな原因ではありますが、東部医療圏の弱さを感じ、総合病院を整備することを決意しました。
新病院は、産科・小児科・周産期医療に重点を置き、救急医療の機能も備えていきたいと思っています。また、区営ではなく事業者を誘致するかたちを想定しています。「女性とこども、そしてすべての区民に優しい病院」を目指し、1年でも早く開設できるよう努力していきたいと思っています。
次に、2016年東京オリンピック・パラリンピック招致についてです。
先月招致委員会が実施した世論調査では、支持率がようやく7割を超えました。昨年の6割から比べると1割アップしたわけですが、かなり努力した結果であると思います。
これまでも、こどもまつりや学校行事などに北京五輪や過去の大会のメダリストの方々にお越しいただき、オリンピック招致の機運を高める努力をしてきたところですが、今年も区民や区議会と共に頑張っていきたいと思っています。また、IOCが江東区を視察する際の招致応援活動についても知恵をしぼっているところです。東京都と連携をとりながらうまくやっていきたいと思っています。
最後に、新たな長期計画の策定です。
3月の議会で可決いただければ、新基本構想が4月からスタートします。新たな基本構想の答申に示された区の将来像は「みんなでつくる伝統、未来 水彩都市・江東」ですが、私は“みんなでつくる”ということが一番大切であると思っています。行政が区民の皆さんと一緒になって互いに力を合わせて努力しよう、そうすることで良いまちづくりができるという意味が込めらていると思います。あわせて基本理念の中には、「区民と区がともに責任をもって江東区をつくります」というフレーズがございます。“ともに責任をもって”というのは“みんなでつくる”ということにつながるわけで、これを実現するため、意欲を持って取り組んで参ります。
続いて、重点分野について概略を説明いたします。
※【環境】【まちづくり】【子育て】【教育】【産業・観光】【福祉】【安全・安心】【区政・PR】の8分野について、
それぞれ重点を置く主な事業の概要を説明。
詳細は、下記関連ページ「平成21年度予算案プレス発表」→「平成21年度予算案について」→「重点分野」
次に、平成21年度当初予算案の全体について申し上げます。
歳入については、主要財源である特別区税は、416億4600万円余、前年度に対し、9億700万円余の増となっております。これは、引き続く人口増による納税義務者の増により、増額となったものです。また、繰入金については、127億7000万円余、前年度に対して、約16億8500万円余の増となりました。これは、公共施設建設や学校施設改修、減税補てん債等の繰上げ償還を目的とした基金の取り崩しを行い、財源の有効活用と将来の財政負担の軽減化を図ったものです。
歳出については、総務費が前年度比で16億6200万円余、率にして9.2%の増となっておりますが、これは、総合区民センター等の改修に要する経費の増に伴うものです。また、民生費は前年度比で27億2700万円余、率にして5.1%の増となっておりますが、これは、先ほどご説明した保育所や児童・高齢者総合施設等の整備に伴い増となったものです。衛生費が、前年比で11億600万円余、率にして8.1%の増となっておりますのは、容器包装プラスチック等の資源回収費の増によるものです。さらに、教育費における35億5000万円余、15.4%の増は、小中学校等の耐震補強及び図書費の拡充など教育環境の向上に要する経費が主な要因となっております。
来年度は、都税収入の大幅な減に伴い、都区財政調整制度の交付金(※)は減ということになるでしょう。「事務事業評価システム」を積極的に活用した毎年度の見直しや職員の定員適正化など、引き続き行財政改革にも全庁を挙げて取り組んで参ります。
最後になりますが、本区が新たな基本構想のもと、更なる発展を継続していくため、今まで以上に区民の声にしっかりと耳を傾け、「スピード」と「企画力」そして「思いやり」を持って全力で区政運営に取り組んで参ります。
※都区財政調整制度とは、都区の事務配分に応じた財源の振り分けと、一定水準の行政サービスを提供できるようにするため、都と23区及び23区相互間の財源を調整する仕組み。
本来は市町村の財源となる税の一部を都が徴収し、都と区の事務分担に応じた一定割合を「特別区交付金(財政調整交付金)」として区に交付する。
<質疑応答>
【記者】
豊洲地区の病院誘致について
①東京都からの土地は、まだ取得していないのですか。
②江東区は、東西の交通軸はありますが南北交通に課題があり、区内の方が病院を利用しづらいのではないでしょうか。基本構想には南北交通の充実を図るということも盛り込まれていますが、それについてどのようにお考えですか。
【区長】
①まだ取得はいたしておりません。
②南北の交通軸ということでは、地下鉄8号線についてこれまでも努力してきたところです。これはできるだけ早期に実現できるよう、区としても力を入れて取り組まねばならないと思っています。鉄道だけでなく、バス路線についても南北が弱いという意見があるのも事実ですが、病院ができれば当然そこに南北の路線が必要になってくるわけです。せっかく病院をつくっても区民が行けないということではいけませんので、病院建設にあわせて努力していきたいと思っています。
【記者】
財調財源は減るということですが、特別区交付金は前年度に比べ7.3%増となっています。これはどういうことなのでしょうか。
【財政課長】
21年度の特別区交付金について、江東区の交付見込額は513億円で、そのうち追加需要に充てるため27億円の計上を保留し、当初予算への計上額は486億円としたところです。20年度につきましては、この見込額が546億円で、保留額は93億円、当初予算への計上額は453億円といたしました。
このため、当初予算額の比較では、21年度が前年度比で33億円増、率にして7.3%の増となっています。全体の見込みとしては、東京都のフレームと同様に6.1%マイナスという状況です。
【記者】
財源が減るなかで、なぜ積極型予算にされたのですか。区長の思いなどをお聞かせください。
【区長】
こういう今の経済状況を考えますと、元気なところを見せないと区民の皆様も心配します。当然切り詰めるところは切り詰めますが、病院の整備や教育・福祉の充実、保育待機児を減らすなど、やるべきこともたくさんあります。幸い基金もしっかりとキープしてある部分がありまして、あるから使っていいというわけではありませんが、将来のことを見据えながら、「元気だぞ、区も頑張るから区民の皆さんも頑張っていこう」という意気込みを見せたいと思いました。
【記者】
豊洲地区の病院誘致の件ですが、一番の問題である基準病床数をどうクリアしていくのですか。現時点で何か新しいアイデアや考えがあればお願いします。
【区長】
東部医療圏の病床数については、これをクリアするのは並大抵のことではないと思っています。ただ、10万人あたりのベッド数あるいは診療所数が7つの医療圏の中で最も少ないということ、また周産期医療体制が脆弱であることは社会的な問題にもなっています。
今後、東京都の計画の見直しもありますので何とかしたいと思っています。ベッド数についてはまだクリアすべきハードルがきついですが、世論に訴えるなど、私のやり方で東京都と調整、お願いしていきたいと思っています。
【記者】
プレミアム付商品券についてですが、具体的にどのような形で発行するのでしょうか。
【区長】
定額給付金というのは、景気対策や地域の活性化という基本的な考え方がありますので、区民の皆様にはできるだけ区内でお使いいただきたい。そのためには、今までも区内商店街でやっているような共通商品券を発行し、例えば1万円なら1000円のプレミアム分を付けた商品券を、場所と日にちを決めて販売いたします。細かいところについては検討中ですので、近々お知らせしたいと思っています。
【記者】
病院の誘致に関連して
①昨年11月に発表されて以降、病院の事業者からの反応などはありますか。
②来年度の予算を計上していますが、具体的にどのようなことをするのですか。
【区長】
①事業者からは問い合わせもあり、意欲のあるところも出てきているようですので、よく話を聞き、我々の考えを伝え、こちらの思いが叶うような病院にしていきたいと思っています。
②調査費を計上しています。病院整備にあたっては、計画をつくるための資料を集めたり、診療科目はどのようなものが必要かなど調べなければいけないことがたくさんあります。これまでも調査してみると、形成外科など、区内に診療していない科目があることが分かりました。新しい病院は、そういったものを補う病院にしていきたいと思っています。
【記者】
23区で初めて学校裏サイトを監視するということですが、具体的にどのような専門業者に委託するのですか。
また、東京都教育委員会でも都内の公立校の学校裏サイトを監視するという方針を発表していますが、そちらとの連携やすみ分けはどのような形になるのでしょうか。
【学校教育部長】
業者については、学校裏サイトをチェックするような専門的な業者がいくつかあるということですが、まだ確定はしていません。
都教委でも同じような形のことをするということですが、まだ具体的なやり方などは話がきていない状況です。区教委が現状で国などに報告しているものとして、19年度の調査では、パソコンやメールによる誹謗中傷などが6件確認されています。現実問題としては、現場の教員が生徒たちから耳にした時点でサイト検索をしているという状況で、表にあらわれていない部分がかなりあるのではないかという問題提起がありました。そうしたことに緊急的に対応するために、区として独自に一歩踏み込んだかたちで、いじめの早期発見や不登校につながらないような対策を行っていきたいと考えています。
【記者】
昨今、各区で緊急経済対策や雇用対策が行われていますが、そのほとんどが非常勤などつなぎの雇用となるものです。介護従事者の確保を支援する事業では、就職合同説明会も予定されているようですが、今後、職業訓練につながるようなことや、職業訓練につながる研修費用の補助などの安定した雇用創出支援はお考えですか。
【保健福祉部長】
ここでの就職説明会というのは、事業者と就職希望者をつなげる場所を設定する段階でありまして、今回の予算では介護従事者がその職場に定着しやすいように家賃関係の補助をしようという趣旨となっています。職業訓練につながる研修補助等については、これからの課題としていきたいと思います。
【記者】
新型インフルエンザ対策についてですが、これは先進的な事例といえるのでしょうか。
【区長】
これは正直申し上げて、新型インフルエンザが発生した場合、どういう状況になるのか想定するしかありません。区民の皆さんに新型インフルエンザがどれだけ大変なことか理解していただくと同時に、区としてできることをとにかく早くやろうということで、マスク225万枚の備蓄を行うことにしました。発生したら家から出ないことが一番ですが、そうなると食料や水などの備蓄は各家庭で行っていただくことも必要です。そちらの啓蒙も必要になってきますが、まずはすぐにできることとして、マスクを備蓄することにしました。
【記者】
オリンピック招致に関連し、昨年、メディアセンターの予定地が、当初計画されていた築地から東京ビッグサイトへ変更になりました。大きなメディアセンターが区内にできるということで、区としてどのような対応をお考えですか。
【区長】
まだ東京でのオリンピック開催が決定していませんので、対応といっても何とも申し上げられませんが、私としてはオリンピック招致に勝てるというつもりでいます。
東京ビッグサイトは、世界的にみると国際展示場としては小規模であるため、なかなか大きな国際大会が開催されていないことから、今回築地からビッグサイトに変更になったことは、区としては歓迎すべきことであると思います。