所信表明 平成22年2月24日発表分
所信表明 平成22年2月24日発表分
本日、平成二十二年二月二十四日をもって、平成二十二年第一回区議会定例会を招集いたしました。開会にあたり、まず、ハイチ大地震の死傷者に対し、お悔やみとお見舞いを申し上げるとともに、一日も早くハイチのこども達とその母親に笑顔が戻るよう、心から復興を願うものであります。
次に、江東区政が当面する課題と、「未来の江東づくり」、十年後、二十年後のまちづくりを見据えた、あるべき区政運営について、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。
【平成二十二年度予算編成の大綱について】
まず、国や都の状況についてですが、我が国の経済は、海外経済の持ち直しなどを背景に景気が緩やかに回復していくものと期待されているものの、成長の基盤は脆弱であり、雇用不安や所得の減少傾向のために、その持続力は未だ限られている状況にあります。こうした経済情勢を踏まえ、政権交代後の国の平成二十二年度予算編成では、財政全体の見直しと財政規律の維持を図りつつも、国民生活に安心と活力をもたらす施策を充実させた「いのちを守る予算」としております。
この結果、一般会計は過去最大となる前年度比で、四・二%増の九十二兆二千九百九十二億円の増額予算となっております。
一方、歳入不足を補う新規国債発行額は、過去最大の四十四兆三千三十億円、三十三・一%と大幅な増額となっており、その結果、当初予算時点では、戦後初めて、国債発行額が税収を上回り、公債依存度は四十八・〇%と前年度と比べ、十・四ポイント上昇しており、国の財政は極めて厳しい状況に直面しております。
次に、東京都でありますが、急速な景気悪化の影響を受け、想定を超える大幅な税収入の減少に直面する中、一般会計は前年度比五・一%減、六兆二千六百四十億円で、二年連続の減となったものの、政策的経費である一般歳出は、これまで培ってきた財政の対応力を活用し、前年度比一・九%増の四兆六千二百八十九億円と、五年連続で増となっております。
予算編成に当たっては、大幅な税収減など、今後も厳しい財政環境が想定される中にあって、都財政の健全性を堅持するとともに、東京の「現在」と「将来」に対して、今日都が為すべき役割を積極的に果たす予算であるとしております。
しかしながら、都税収入はこの二年間で一兆一千億円もの過去最大の減収となり、十二・七%減の四兆一千五百十四億円で、そのうち法人二税については、単年度で五千二百三十億円の減となる、一兆二千五百七十四億円と大幅な減収となり、特別区に与える影響も甚大であります。
そうした中で、本区の財政についてでありますが、一昨年秋から始まった経済危機による景気の低迷が長引き、今年は景気の二番底についても不安視されております。このような状況の中で、区税収入については、平成二十二年度においても、納税義務者の増などはあるものの、景気低迷の影響を受け、前年度比〇・八%の微増である四百十九億円と見込んでおります。
また、特別区交付金につきましては、調整税等の財源である市町村民税法人分の大幅な減収により、当初予算では、前年度比で七・五%減の四百四十九億円を計上いたしました。
こうした交付金などの歳入環境への影響が深刻化する中、区では、これまで培ってきた基金や起債の財政余力を最大限に活用し、特に財政調整基金は、当初予算において、平成十七年度以来五年振りに繰入れを行い、厳しい財政状況下にあっても、引き続き、安定的な区民サービスの維持・向上に努めたところであります。
以上の財政状況下にありますが、本区の平成二十二年度当初予算編成では、新長期計画のスタートである未来の江東づくりに向けた第一歩として、重点プロジェクトである南部地域における総合病院の整備に向けた検討及び「清掃負担の公平」に伴う負担調整額を基金に積立て、緑化・温暖化対策の環境事業への活用を図るとともに、子育て、教育及び高齢者関連施設等の整備を推進してまいります。
また、南北交通の促進を図るため、地下鉄8号線延伸に向けた取り組みなどの新たな行政需要への対応に加え、現下の経済情勢を反映し、中小企業融資の充実、緊急雇用対策の継続及び児童・保育経費等扶助費の増額などの緊急課題にも対応する「区民生活重視型予算」といたしました。
その結果、平成二十二年度予算は、一般会計で、前年度に比べ、三・五%増の一千五百二十七億三千百万円で、過去最大規模となる予算を編成いたしました。
予算編成に当たっては、職員の定員適正化や民間活力の積極的な活用を図ることは勿論のこと、既存事業を徹底的に見直すことにより、事務事業の再構築を図るなど、財政健全化への取り組みも併せて進めております。
次に、特別会計について申し上げます。
まず、国民健康保険会計の予算規模は、四百八十億五千三百万円で、前年度と比べ、一・三%の減であります。
これは、前期高齢者交付金の概算交付額等が大幅な減となったためであります。
また、国民健康保険料については、診療報酬の改定や前期高齢者交付金の精算等により、大幅な上昇となることから、精算分等の二分の一を、一般会計からの繰出金で賄うことにより、保険料上昇幅の圧縮に努めております。
次に、老人保健会計の予算規模は、四千九百万円で、前年度に比べ、六十六・二%の大幅な減となっております。
これは、制度の廃止があるものの、医療諸費の精算分を計上していることによるものであります。
次に、介護保険会計の予算規模は、二百十五億二百万円で、前年度に比べ、六・〇%の増となっております。
これは、介護サービス利用者の増などにより、保険給付費が増となっていることによるものであります。
次に、後期高齢者医療会計の予算規模は、六十億九千六百万円で、前年度に比べ、二・九%の増となっております。
これは、療養給付費の増などにより、広域連合納付金の増が主な要因であります。
なお、一般会計と四つの特別会計を合わせた総予算規模は、二千二百八十四億三千百万円で、前年度と比べ、二・六%の増となりました。
以上、予算の大綱を申し上げましたが、私は、区民福祉の向上を推進していくためには、区民に最も身近な基礎自治体である、区の権限強化が重要であると考えております。区長として、今まで以上に、地域主権を掲げる新政府や東京都に対し、事務事業と権限、それに見合う財源移譲を強く求めていく所存であります。
次に、本区の主要課題とその取り組みについて申し上げます。
【長期計画について】
まず、新たな長期計画についてであります。
昨年三月、未来に向けて発展を続ける江東区の将来像を「みんなでつくる伝統、未来 水彩都市・江東」とする基本構想を定め、今年三月には、この基本構想の着実な実現に向け、新たな長期計画を策定いたします。
この計画では、三十四の施策からなる分野別計画にその目標となる百三十八の指標を掲げるとともに、計画実現の視点として、区民が区と共に地域課題の解決に取り組む「協働」の考え方や、さらなる行財政改革への取り組みとして、新たな定員適正化や、時代の要請に沿った組織・機構改革、アウトソーシングを積極的に取り入れた事業運営手法の改革等について、基本的考え方を明らかにしております。
【重点プロジェクトについて】
さらに、計画実現のため、特に重点的に取り組むべき六つの「重点プロジェクト」を掲げました。
まず第一は、南部地域における総合病院の整備についてであります。本事業については、私の政治信条である「意欲」と「スピード」を持って、全庁挙げて取り組んでおります。取得が困難とされていた病院用地については、東京都の協力もあり、昨年六月に、実に八ヵ月という異例のスピードで確保することができました。
事業者については、「学校法人昭和大学」を選定し、「女性とこどもにやさしい病院」の具現化に向け、現在協議中であります。
また、本事業に関する区の支援については、当面病院用地を十年間無償貸付するとともに、建設費の半額を上限とする補助を予定しています。
新病院は、周産期医療や救急医療など、急性期対応の総合病院として、区内ではじめてとなる病院です。加えて、災害時には拠点病院として機能するなど、区民生活の安心安全を確保すべく、公共性の高い病院として整備してまいります。
区民や区議会をはじめ、医師会など関係機関の皆様のご協力とご支援を是非ともお願いし、三月末までには、最終的な事業協定を締結のうえ、一日も早い病院の開設を目指してまいります。
次に、南部地域の拠点施設となる(仮称)シビックセンターの整備についてであります。区南部地域における急激な人口増に対応するため、文化センター、図書館のほか、区民に身近なサービスを提供する機能を持つとともに、区民が集い、憩うにふさわしい複合施設を整備する予定であり、平成二十六年度の完成を目指してまいります。
次に、緑化・温暖化対策の推進では、「清掃負担の公平」に伴う新たな財源により「江東区みどり・温暖化対策基金」を創設し、緑化の推進や街路樹の倍増等に活用いたします。これにより、緑の中の都市「CITY IN THE GREEN」の実現と、自然エネルギーや省エネルギー設備の導入促進による、地球温暖化の防止を目指し、区民一人ひとりが身近な緑を育み、環境に配慮する「品格あるまち」の実現を目指してまいります。
次に、子育て・教育環境の整備では、本区の最重要課題の一つである待機児童の解消に向けて、認可・認証保育所などの保育施設を前期五ヵ年で五十二箇所整備するとともに、人口増に対応するため有明小・中学校及び(仮称) 豊洲西小学校の整備を進めるほか、放課後子どもプラン「江東きっずクラブ」の、全小学校での展開に取り組みます。
また、二十三区初となる認定こども園と児童・高齢者総合施設の合築施設「グランチャ東雲」を来年四月に開設し、こどもと高齢者の交流や高齢者福祉を充実してまいります。
次に、高齢者・障害者関連施設の整備では、区内十四番目となる特別養護老人ホーム、七番目となる介護老人保健施設を計画化するとともに、認知症高齢者グループホームについては、前期五ヵ年で十箇所、小規模多機能型居宅介護施設については、四箇所の整備を着実に進めてまいります。
また、障害者及び保護者の高齢化等に鑑み、地域生活への移行・継続を支援するため、本区初となる障害者多機能型入所施設の整備に着手いたします。
六つの重点プロジェクトの最後、区の悲願である地下鉄8号線の延伸につきましては、昨年の地下鉄8・11号線促進連絡協議会において、三区一市間による豊洲・住吉間を第一段階として整備する首長合意が成されるなど、実現に向け着実な一歩を踏み出したところであります。
今後は、国や都、鉄道事業者等の関係機関を交えた協議の場の設置などにより、緊密な連携体制を構築し、本区の積極姿勢を明確に示すため、「江東区地下鉄8号線建設基金」を設置するなど、早期事業化に向けた要請を強めてまいります。
次に、新長期計画における五つの施策の大綱に沿って、来年度の主な取り組みを申し上げます。
【水と緑豊かな地球環境にやさしいまちづくりについて】
まず、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまちづくり」、についてであります。
区民に緑を育て、収穫する楽しみを身近に体験できる場を提供するため、区内三箇所目となる区民農園を新たに整備するとともに、区民の緑への愛着を育み、ヒートアイランド現象を防止することなどを目的に、学校や公園の芝生化を推進します。また、公共施設の建設計画にあわせ、二十二年度は三施設の屋上緑化や壁面緑化を行います。
環境対策については、新たに江東区の環境施策に関する総合的・長期的な方針を示す環境基本計画を策定、「江東エコライフ協議会」を設置するなど、区民・事業者と連携・協力を図りながら、環境保全活動を着実に実践してまいります。さらに、地球温暖化対策として環境基本計画に盛り込んだ「KOTO低炭素プラン」に基づき、地球温暖化防止設備導入助成の充実を図るとともに、運輸部門からのCO2排出対策として、本庁舎駐車場に電気自動車用急速充電器を設置し、区民への無料開放を行うなど、普及への基盤整備を行ってまいります。
清掃・リサイクル事業につきましては、リデュース、リユースなど5Rの推進による、環境負荷の少ない循環型社会の実現を目指すとともに、障害者の社会参加とこどもたちの環境学習の場とするため、全国初となるNPO法人との連携による、発泡スチロールのリサイクル施設を、本年四月に稼動させます。
また、廃蛍光管回収事業では、現在、区内四十九箇所で回収しておりますが、回収箇所の拡大を図り、区民の利便性の向上等に努めてまいります。
【未来を担うこどもを育むまちづくりについて】
次に、「未来を担うこどもを育むまちづくり」、についてであります。
私は、区長就任以来この三年間で、認可保育所十一園、認証保育所二十七園と、都内最多の保育施設整備を進め、一千九百九十六名の定員増を図り、待機児童解消に積極的に取り組んでまいりました。しかし、一昨年からの景気の低迷等を受け、一旦は減少した待機児童数は平成二十一年度再び増加となりました。二十二年度の入所申込者数も、今年度を二百名以上も上回る状況となっており、引き続き積極的な保育施設整備に取り組み、認可・認証合わせて九園を新規開設、七百七名の定員増を図ります。
認可保育所は、四月に千田及び富岡、七月に亀戸、十月に南砂の各地区に新規開設、認証保育所も二十二年度に五園新規開設いたします。加えて六月には本区初の認可保育所分園を開設いたします。今後も長期計画に沿って、計画的な整備を進め、全力で待機児童の解消に努めてまいります。
また、子育て支援に関する総合的な計画である次世代育成支援行動計画の後期計画、「江東こども未来プラン」を三月に策定いたします。今後は、この計画の着実な実現に向け、学識経験者、区民代表の参加する地域協議会の意見を踏まえて、子育て支援に携わる地域活動との協働を推進し、江東区の子育て対応力の向上を目指してまいります。
他区の事例ではありますが、一月下旬に起きた両親による小学一年生暴行死事件は、誠に無念極まりなく、口惜しいばかりであります。そこで、来年度は、これまでの南砂子ども家庭支援センターを中心とする、要保護児童及び家庭に対する援助・指導に加え、保護者への助言、買い物、掃除、洗濯等の継続的家事支援の拡充を行い、養育困難世帯の養育力向上を図り、子育てにおいて見守りが必要な世帯への支援を強化いたします。
次に、教育についてであります。
私は、こども達の確かな学力と生きる力、そして多様な才能の発揮を目指し、全学級への小1支援員の配置や「カヌー部」、「女子サッカー部」の創設、「学校裏サイト」対策等、常に新たな取り組みを積極的に展開してまいりました。
二十二年度は、こうした確かな学力向上や不登校対策をより充実させるとともに、児童・生徒の体力の向上に向けて、全庁的な組織を設置し、体力向上プログラムを作成し、こども体力向上事業に取り組んでまいります。
また、全国学力学習状況調査については、新政権の事業仕分けにより、悉皆調査が抽出調査に変更となり、本区では、小学校四校、中学校六校のみの調査との報告がなされました。全国学力調査は、各学校の学力向上や、授業内容の改善に資するものとして有効なものであり、児童、生徒の学力向上を目指す本区としては、区費を投入して全区立小中学校で実施してまいります。
さらに、区民にとって魅力ある学校の創造に向けて、特色ある学校づくりを積極的に支援するとともに、これらの取り組みの指針となる、「教育改革江東・アクションプラン21」を改定してまいります。
学校施設の整備につきましては、二十一年度で全小・中学校の耐震工事が完了し、本年三月には第五砂町小が竣工します。二十二年度は第二亀戸中の改築及び、深川六中の大規模改修に着手するとともに、人口増に伴う収容対策として、豊洲小の増築に着手する予定であります。
放課後支援事業につきましては、昨年十月に策定した「江東区版・放課後子どもプラン」に基づき、げんきっずと学童クラブとの連携・一体事業である「江東きっずクラブ」を児童館、ウィークエンドスクール、合宿通学等との連携を図りながら推進してまいります。二十二年度は、豊洲小、第一亀戸小、第五砂町小及び北砂小の四校で実施し、今後十年を目途に区立小学校全校で順次事業展開していく予定です。学童クラブ機能のB登録は午後七時までの延長利用を行うほか、土曜日の児童館での実施は、二十三区初の取り組みとなります。
【区民の力で築く元気に輝くまちづくりについて】
次に、「区民の力で築く元気に輝くまちづくり」、についてであります。
まず、経済分野では、厳しい経済状況の中で、中小企業を資金面から支援するため、借換融資の創設と、小規模事業者経営改善資金に対する利子補助を、新たに開始するとともに、景気対策資金の貸付を九月末まで延長いたします。
また、マーケティング支援事業の開始、ネットワーク化事業の充実や、商店街に対する積極的な補助事業の実施などにより、中小企業振興を推し進めてまいります。
さらに、江戸時代から続く木材産業の振興を図るため、新たに木材総目録の発刊やホームページの作成などの木材関連産業振興事業について、支援を行ってまいります。
スポーツの分野では、平成二十五年に実施される東京国民体育大会の競技運営のため、実行委員会を発足します。本区では、辰巳国際水泳場で競泳、シンクロ、飛び込みが実施される他、新木場で射撃、若洲ではセーリング競技が実施されます。また、三十回目を迎えるシーサイドマラソン大会は、実行委員会方式に移行し、内容の充実と参加定員の拡大を図るとともに、スポーツ振興と地域発展につながる競技運営を目指します。
次に、観光振興についてであります。
亀戸周辺の観光資源を生かし、地域経済の活性化を目指して、二十二年度は、亀戸の香取大門通りに「観光レトロ商店街」づくりを進めるほか、東京スカイツリーの開業にあわせて、亀戸四丁目区有地の観光拠点としての整備を促進します。
また、今年度実施した観光動向調査の結果を踏まえ、「(仮称)観光推進プラン」を策定し、より具体的な施策を展開してまいります。さらに、地域文化を活かした観光資源の開発と発信、観光情報発信コーナーの設置や、観光ボランティアガイドの養成など、観光客の受け入れ態勢の整備も進めてまいります。
【ともに支えあい、健康で生き生きと暮らせるまちづくりについて】
次に、「ともに支えあい、健康で生き生きと暮らせるまちづくり」、についてであります。
まず、区民の健康を守る取り組みとして、細菌性髄膜炎を予防するため、乳幼児のヒブワクチン接種に対し、助成を開始いたします。
高齢者対策につきましては、区内六箇所目となる地域包括支援センターを開設し、相談・支援機能を強化するとともに、高齢者地域見守り支援事業を推進し、地域ネットワークの拡充を図ってまいります。また、介護基盤施設の整備では、今年三月、旧亀島小学校跡地に区内十三箇所目となる特別養護老人ホームを開設する予定です。
さらに、深刻化する福祉人材の確保及び定着を図るため、これまでの取り組みに加え、二十二年度は、新たに介護施設開設準備に係る経費助成を実施し、施設事業者に対する支援策を展開いたします。
障害者福祉の分野では、東京都補助事業として、二十三区初の取り組みとなる重度障害者等在宅リハビリテーション支援モデル事業を実施し、障害者の地域生活を支援してまいります。
さらに、経済状況の先行きが不透明な中、区民生活を守るセーフティネット、生活保護制度の役割は益々重要となっております。最低生活の保障と自立への援助に取り組むため、安定就労支援のための生活安定応援事業及び住宅手当緊急特別措置事業の、積極的な事業展開を図ってまいります。
【住みよさを実感できる世界に誇れるまちづくりについて】
次に、「住みよさを実感できる世界に誇れるまちづくり」、についてであります。
水彩都市づくり支援事業では、豊洲地区運河ルネサンス協議会への支援や、対象地域の拡大を図ります。また、本年三月には、豊洲運河に設置する船着場の完成を記念して、伝統ある深川地域と、新しいまちの豊洲を船でつなぐ、水彩都市づくりフェスタを開催するなど、魅力と賑わいのある水辺空間の拡充に努めてまいります。
一方、豊洲新市場予定地の土壌汚染については、生鮮食料品を取り扱う市場を整備する上で「食の安全」は何よりも確実に担保されなければなりません。移転予定地は本区の一部分であり、汚染に対する区民の不安を払拭するためにも、四十六万区民の長として、今後も東京都に対し、徹底した土壌汚染対策の確実な履行を、強く求めてまいります。
次に、本区の概ね二十年後の将来都市像を示す都市計画マスタープランは、本年三月に策定する基本的な方針を踏まえ、地区別のまちづくり方針を、区民や関係者のみなさんといっしょに策定してまいります。あわせて、各地区に点在している魅力ある資源を生かして、地域の活性化を図るための方策を検討してまいります。また、萬年橋周辺の景観重点地区内では、清澄二丁目公園の景観整備を進めるほか、引き続き景観計画に基づき、地域の特色を生かした魅力ある景観形成を展開してまいります。
住宅施策では、マンション対策として、地球温暖化への対応や緑化、災害・防犯対策、地域コミュニティへの配慮等について、新たな規定を条例等に盛り込み、より良い住環境形成を進めてまいります。また、建替えや計画修繕等のマンションの維持管理に対する支援についても、よりきめ細かな施策展開に努めてまいります。
都市計画道路の整備につきましては、補助二百号線の、平成二十四年度全線開通に向けた事業推進を図るとともに、補助一一五号線の未整備区間四百九十mにつきましても、事業化に向けて用地測量と詳細設計に着手いたします。
また、都市景観の向上や歩行空間の充実、災害時の救援、避難路の確保など、道路環境の総合的な改善を図るため、計画的に無電柱化を進めてまいります。現在整備を進めている富岡地区に続く次期路線として、亀戸地区及び豊洲地区の整備に着手いたします。
次に、安全・安心なまちづくりについてであります。
まず、新型インフルエンザにつきましては、引き続き区民の安全・安心を守るため、発生動向の監視と迅速な対応に、区を挙げて取り組んでまいります。さらに、二十二年度は、新たに危機管理室を設置し、インフルエンザ対策を始め、あらゆる危機に対応できるよう組織体制の整備を図ります。
防災対策については、首都直下地震に備え、地域を中心とした実践的な防災訓練を展開するとともに、高齢者や障害者など災害時要援護者への対策を進めてまいります。また、集合住宅等の防災対策の強化を図るとともに、上空からの救援活動の目印として、避難所となる小学校の体育館の屋根に、ヘリサインを整備してまいります。
さらに、全小・中学校の耐震化に引き続き、旧耐震基準により建設された防災上重要な公共施設のうち、耐震性能の低い建物については、江東区耐震改修促進計画に基づき、平成二十七年度までに百%の耐震化を目指します。
また、木造住宅、マンション等の民間建築物の耐震化については、木造住宅耐震改修助成額の増額を図るとともに、新たに、マンション等の耐震設計の助成などを実施してまいります。
今後、橋梁の老朽化が急速に進むことを受け、今年度策定中の橋梁長寿命化修繕計画に基づき、コスト縮減を図りながら橋梁の架替・修繕に取り組み、平成二十二年度は、大栄橋と三石橋の修繕設計を進めてまいります。
さらに、都市型水害からまちを守るため、公共施設や民間施設での雨水貯留・浸透施設の設置指導を行ってまいります。
【長期計画の実現に向けて】
次世代に誇れる江東区をつくるためには、あらゆる施策の展開に当たって、区民協働の推進とより一層の開かれた区政の実現が基盤となります。
まず、区民協働の推進については、多様化する区民ニーズに対応しながら、基本構想に掲げた区の将来像を実現するため、区民やNPO等市民団体、事業者が区とともに責任を持って、地域課題の解決と発展に取り組む体制作りが必要となります。
そこで、二十二年度は、全庁的な推進体制を強化するとともに、新たに区との協働事業提案制度を導入するなど、市民団体等の専門性や柔軟性を積極的に公共サービスに取り入れ、区民の満足向上を図る仕組みを推進してまいります。
次に、区報の全戸配布についてであります。
より一層の開かれた区政実現と、区政情報の共有化を図るため、区報の全戸配布を本年七月を目途に、加えて、選挙公報、区議会だよりの全戸配布も実施してまいります。
また、みんなでつくる未来の江東づくりに向けて、本区初となる住民参加型市場公募地方債を発行いたします。五億円の発行額はグランチャ東雲の整備に充当し、財政面での区政への区民参加を実現してまいります。
さらに、現下の厳しい経済状況、雇用環境の悪化に即応するため、二十二年度も引き続き、十七の緊急雇用創出事業を実施してまいります。
以上、基本構想が目指す概ね二十年後の江東区づくりに向け、江東区が当面する課題について、所信の一端を申し述べましたが、現下の厳しい社会経済状況の中、私は、区民の区政に対する期待をひしひしと感じております。新長期計画の初年度となる二十二年度を「新たな挑戦の年」と位置づけ、区民に最も身近な基礎自治体の長として、全力で区政運営に臨んでまいります。
そして、意欲とスピードと思いやりを持って「チーム江東」一丸となり、四十六万区民の期待と信頼に応えてまいります。
より一層の議員各位のご理解・ご協力を、お願いする次第であります。
なお本定例会には、平成二十二年度当初予算及び平成二十一年度補正予算をはじめ、事件案件、条例案件等の三十九件を提案いたしております。
よろしく、ご審議の程、お願い申し上げまして、私の所信表明といたします。
次に、江東区政が当面する課題と、「未来の江東づくり」、十年後、二十年後のまちづくりを見据えた、あるべき区政運営について、私の所信の一端を申し述べたいと存じます。
【平成二十二年度予算編成の大綱について】
まず、国や都の状況についてですが、我が国の経済は、海外経済の持ち直しなどを背景に景気が緩やかに回復していくものと期待されているものの、成長の基盤は脆弱であり、雇用不安や所得の減少傾向のために、その持続力は未だ限られている状況にあります。こうした経済情勢を踏まえ、政権交代後の国の平成二十二年度予算編成では、財政全体の見直しと財政規律の維持を図りつつも、国民生活に安心と活力をもたらす施策を充実させた「いのちを守る予算」としております。
この結果、一般会計は過去最大となる前年度比で、四・二%増の九十二兆二千九百九十二億円の増額予算となっております。
一方、歳入不足を補う新規国債発行額は、過去最大の四十四兆三千三十億円、三十三・一%と大幅な増額となっており、その結果、当初予算時点では、戦後初めて、国債発行額が税収を上回り、公債依存度は四十八・〇%と前年度と比べ、十・四ポイント上昇しており、国の財政は極めて厳しい状況に直面しております。
次に、東京都でありますが、急速な景気悪化の影響を受け、想定を超える大幅な税収入の減少に直面する中、一般会計は前年度比五・一%減、六兆二千六百四十億円で、二年連続の減となったものの、政策的経費である一般歳出は、これまで培ってきた財政の対応力を活用し、前年度比一・九%増の四兆六千二百八十九億円と、五年連続で増となっております。
予算編成に当たっては、大幅な税収減など、今後も厳しい財政環境が想定される中にあって、都財政の健全性を堅持するとともに、東京の「現在」と「将来」に対して、今日都が為すべき役割を積極的に果たす予算であるとしております。
しかしながら、都税収入はこの二年間で一兆一千億円もの過去最大の減収となり、十二・七%減の四兆一千五百十四億円で、そのうち法人二税については、単年度で五千二百三十億円の減となる、一兆二千五百七十四億円と大幅な減収となり、特別区に与える影響も甚大であります。
そうした中で、本区の財政についてでありますが、一昨年秋から始まった経済危機による景気の低迷が長引き、今年は景気の二番底についても不安視されております。このような状況の中で、区税収入については、平成二十二年度においても、納税義務者の増などはあるものの、景気低迷の影響を受け、前年度比〇・八%の微増である四百十九億円と見込んでおります。
また、特別区交付金につきましては、調整税等の財源である市町村民税法人分の大幅な減収により、当初予算では、前年度比で七・五%減の四百四十九億円を計上いたしました。
こうした交付金などの歳入環境への影響が深刻化する中、区では、これまで培ってきた基金や起債の財政余力を最大限に活用し、特に財政調整基金は、当初予算において、平成十七年度以来五年振りに繰入れを行い、厳しい財政状況下にあっても、引き続き、安定的な区民サービスの維持・向上に努めたところであります。
以上の財政状況下にありますが、本区の平成二十二年度当初予算編成では、新長期計画のスタートである未来の江東づくりに向けた第一歩として、重点プロジェクトである南部地域における総合病院の整備に向けた検討及び「清掃負担の公平」に伴う負担調整額を基金に積立て、緑化・温暖化対策の環境事業への活用を図るとともに、子育て、教育及び高齢者関連施設等の整備を推進してまいります。
また、南北交通の促進を図るため、地下鉄8号線延伸に向けた取り組みなどの新たな行政需要への対応に加え、現下の経済情勢を反映し、中小企業融資の充実、緊急雇用対策の継続及び児童・保育経費等扶助費の増額などの緊急課題にも対応する「区民生活重視型予算」といたしました。
その結果、平成二十二年度予算は、一般会計で、前年度に比べ、三・五%増の一千五百二十七億三千百万円で、過去最大規模となる予算を編成いたしました。
予算編成に当たっては、職員の定員適正化や民間活力の積極的な活用を図ることは勿論のこと、既存事業を徹底的に見直すことにより、事務事業の再構築を図るなど、財政健全化への取り組みも併せて進めております。
次に、特別会計について申し上げます。
まず、国民健康保険会計の予算規模は、四百八十億五千三百万円で、前年度と比べ、一・三%の減であります。
これは、前期高齢者交付金の概算交付額等が大幅な減となったためであります。
また、国民健康保険料については、診療報酬の改定や前期高齢者交付金の精算等により、大幅な上昇となることから、精算分等の二分の一を、一般会計からの繰出金で賄うことにより、保険料上昇幅の圧縮に努めております。
次に、老人保健会計の予算規模は、四千九百万円で、前年度に比べ、六十六・二%の大幅な減となっております。
これは、制度の廃止があるものの、医療諸費の精算分を計上していることによるものであります。
次に、介護保険会計の予算規模は、二百十五億二百万円で、前年度に比べ、六・〇%の増となっております。
これは、介護サービス利用者の増などにより、保険給付費が増となっていることによるものであります。
次に、後期高齢者医療会計の予算規模は、六十億九千六百万円で、前年度に比べ、二・九%の増となっております。
これは、療養給付費の増などにより、広域連合納付金の増が主な要因であります。
なお、一般会計と四つの特別会計を合わせた総予算規模は、二千二百八十四億三千百万円で、前年度と比べ、二・六%の増となりました。
以上、予算の大綱を申し上げましたが、私は、区民福祉の向上を推進していくためには、区民に最も身近な基礎自治体である、区の権限強化が重要であると考えております。区長として、今まで以上に、地域主権を掲げる新政府や東京都に対し、事務事業と権限、それに見合う財源移譲を強く求めていく所存であります。
次に、本区の主要課題とその取り組みについて申し上げます。
【長期計画について】
まず、新たな長期計画についてであります。
昨年三月、未来に向けて発展を続ける江東区の将来像を「みんなでつくる伝統、未来 水彩都市・江東」とする基本構想を定め、今年三月には、この基本構想の着実な実現に向け、新たな長期計画を策定いたします。
この計画では、三十四の施策からなる分野別計画にその目標となる百三十八の指標を掲げるとともに、計画実現の視点として、区民が区と共に地域課題の解決に取り組む「協働」の考え方や、さらなる行財政改革への取り組みとして、新たな定員適正化や、時代の要請に沿った組織・機構改革、アウトソーシングを積極的に取り入れた事業運営手法の改革等について、基本的考え方を明らかにしております。
【重点プロジェクトについて】
さらに、計画実現のため、特に重点的に取り組むべき六つの「重点プロジェクト」を掲げました。
まず第一は、南部地域における総合病院の整備についてであります。本事業については、私の政治信条である「意欲」と「スピード」を持って、全庁挙げて取り組んでおります。取得が困難とされていた病院用地については、東京都の協力もあり、昨年六月に、実に八ヵ月という異例のスピードで確保することができました。
事業者については、「学校法人昭和大学」を選定し、「女性とこどもにやさしい病院」の具現化に向け、現在協議中であります。
また、本事業に関する区の支援については、当面病院用地を十年間無償貸付するとともに、建設費の半額を上限とする補助を予定しています。
新病院は、周産期医療や救急医療など、急性期対応の総合病院として、区内ではじめてとなる病院です。加えて、災害時には拠点病院として機能するなど、区民生活の安心安全を確保すべく、公共性の高い病院として整備してまいります。
区民や区議会をはじめ、医師会など関係機関の皆様のご協力とご支援を是非ともお願いし、三月末までには、最終的な事業協定を締結のうえ、一日も早い病院の開設を目指してまいります。
次に、南部地域の拠点施設となる(仮称)シビックセンターの整備についてであります。区南部地域における急激な人口増に対応するため、文化センター、図書館のほか、区民に身近なサービスを提供する機能を持つとともに、区民が集い、憩うにふさわしい複合施設を整備する予定であり、平成二十六年度の完成を目指してまいります。
次に、緑化・温暖化対策の推進では、「清掃負担の公平」に伴う新たな財源により「江東区みどり・温暖化対策基金」を創設し、緑化の推進や街路樹の倍増等に活用いたします。これにより、緑の中の都市「CITY IN THE GREEN」の実現と、自然エネルギーや省エネルギー設備の導入促進による、地球温暖化の防止を目指し、区民一人ひとりが身近な緑を育み、環境に配慮する「品格あるまち」の実現を目指してまいります。
次に、子育て・教育環境の整備では、本区の最重要課題の一つである待機児童の解消に向けて、認可・認証保育所などの保育施設を前期五ヵ年で五十二箇所整備するとともに、人口増に対応するため有明小・中学校及び(仮称) 豊洲西小学校の整備を進めるほか、放課後子どもプラン「江東きっずクラブ」の、全小学校での展開に取り組みます。
また、二十三区初となる認定こども園と児童・高齢者総合施設の合築施設「グランチャ東雲」を来年四月に開設し、こどもと高齢者の交流や高齢者福祉を充実してまいります。
次に、高齢者・障害者関連施設の整備では、区内十四番目となる特別養護老人ホーム、七番目となる介護老人保健施設を計画化するとともに、認知症高齢者グループホームについては、前期五ヵ年で十箇所、小規模多機能型居宅介護施設については、四箇所の整備を着実に進めてまいります。
また、障害者及び保護者の高齢化等に鑑み、地域生活への移行・継続を支援するため、本区初となる障害者多機能型入所施設の整備に着手いたします。
六つの重点プロジェクトの最後、区の悲願である地下鉄8号線の延伸につきましては、昨年の地下鉄8・11号線促進連絡協議会において、三区一市間による豊洲・住吉間を第一段階として整備する首長合意が成されるなど、実現に向け着実な一歩を踏み出したところであります。
今後は、国や都、鉄道事業者等の関係機関を交えた協議の場の設置などにより、緊密な連携体制を構築し、本区の積極姿勢を明確に示すため、「江東区地下鉄8号線建設基金」を設置するなど、早期事業化に向けた要請を強めてまいります。
次に、新長期計画における五つの施策の大綱に沿って、来年度の主な取り組みを申し上げます。
【水と緑豊かな地球環境にやさしいまちづくりについて】
まず、「水と緑豊かな地球環境にやさしいまちづくり」、についてであります。
区民に緑を育て、収穫する楽しみを身近に体験できる場を提供するため、区内三箇所目となる区民農園を新たに整備するとともに、区民の緑への愛着を育み、ヒートアイランド現象を防止することなどを目的に、学校や公園の芝生化を推進します。また、公共施設の建設計画にあわせ、二十二年度は三施設の屋上緑化や壁面緑化を行います。
環境対策については、新たに江東区の環境施策に関する総合的・長期的な方針を示す環境基本計画を策定、「江東エコライフ協議会」を設置するなど、区民・事業者と連携・協力を図りながら、環境保全活動を着実に実践してまいります。さらに、地球温暖化対策として環境基本計画に盛り込んだ「KOTO低炭素プラン」に基づき、地球温暖化防止設備導入助成の充実を図るとともに、運輸部門からのCO2排出対策として、本庁舎駐車場に電気自動車用急速充電器を設置し、区民への無料開放を行うなど、普及への基盤整備を行ってまいります。
清掃・リサイクル事業につきましては、リデュース、リユースなど5Rの推進による、環境負荷の少ない循環型社会の実現を目指すとともに、障害者の社会参加とこどもたちの環境学習の場とするため、全国初となるNPO法人との連携による、発泡スチロールのリサイクル施設を、本年四月に稼動させます。
また、廃蛍光管回収事業では、現在、区内四十九箇所で回収しておりますが、回収箇所の拡大を図り、区民の利便性の向上等に努めてまいります。
【未来を担うこどもを育むまちづくりについて】
次に、「未来を担うこどもを育むまちづくり」、についてであります。
私は、区長就任以来この三年間で、認可保育所十一園、認証保育所二十七園と、都内最多の保育施設整備を進め、一千九百九十六名の定員増を図り、待機児童解消に積極的に取り組んでまいりました。しかし、一昨年からの景気の低迷等を受け、一旦は減少した待機児童数は平成二十一年度再び増加となりました。二十二年度の入所申込者数も、今年度を二百名以上も上回る状況となっており、引き続き積極的な保育施設整備に取り組み、認可・認証合わせて九園を新規開設、七百七名の定員増を図ります。
認可保育所は、四月に千田及び富岡、七月に亀戸、十月に南砂の各地区に新規開設、認証保育所も二十二年度に五園新規開設いたします。加えて六月には本区初の認可保育所分園を開設いたします。今後も長期計画に沿って、計画的な整備を進め、全力で待機児童の解消に努めてまいります。
また、子育て支援に関する総合的な計画である次世代育成支援行動計画の後期計画、「江東こども未来プラン」を三月に策定いたします。今後は、この計画の着実な実現に向け、学識経験者、区民代表の参加する地域協議会の意見を踏まえて、子育て支援に携わる地域活動との協働を推進し、江東区の子育て対応力の向上を目指してまいります。
他区の事例ではありますが、一月下旬に起きた両親による小学一年生暴行死事件は、誠に無念極まりなく、口惜しいばかりであります。そこで、来年度は、これまでの南砂子ども家庭支援センターを中心とする、要保護児童及び家庭に対する援助・指導に加え、保護者への助言、買い物、掃除、洗濯等の継続的家事支援の拡充を行い、養育困難世帯の養育力向上を図り、子育てにおいて見守りが必要な世帯への支援を強化いたします。
次に、教育についてであります。
私は、こども達の確かな学力と生きる力、そして多様な才能の発揮を目指し、全学級への小1支援員の配置や「カヌー部」、「女子サッカー部」の創設、「学校裏サイト」対策等、常に新たな取り組みを積極的に展開してまいりました。
二十二年度は、こうした確かな学力向上や不登校対策をより充実させるとともに、児童・生徒の体力の向上に向けて、全庁的な組織を設置し、体力向上プログラムを作成し、こども体力向上事業に取り組んでまいります。
また、全国学力学習状況調査については、新政権の事業仕分けにより、悉皆調査が抽出調査に変更となり、本区では、小学校四校、中学校六校のみの調査との報告がなされました。全国学力調査は、各学校の学力向上や、授業内容の改善に資するものとして有効なものであり、児童、生徒の学力向上を目指す本区としては、区費を投入して全区立小中学校で実施してまいります。
さらに、区民にとって魅力ある学校の創造に向けて、特色ある学校づくりを積極的に支援するとともに、これらの取り組みの指針となる、「教育改革江東・アクションプラン21」を改定してまいります。
学校施設の整備につきましては、二十一年度で全小・中学校の耐震工事が完了し、本年三月には第五砂町小が竣工します。二十二年度は第二亀戸中の改築及び、深川六中の大規模改修に着手するとともに、人口増に伴う収容対策として、豊洲小の増築に着手する予定であります。
放課後支援事業につきましては、昨年十月に策定した「江東区版・放課後子どもプラン」に基づき、げんきっずと学童クラブとの連携・一体事業である「江東きっずクラブ」を児童館、ウィークエンドスクール、合宿通学等との連携を図りながら推進してまいります。二十二年度は、豊洲小、第一亀戸小、第五砂町小及び北砂小の四校で実施し、今後十年を目途に区立小学校全校で順次事業展開していく予定です。学童クラブ機能のB登録は午後七時までの延長利用を行うほか、土曜日の児童館での実施は、二十三区初の取り組みとなります。
【区民の力で築く元気に輝くまちづくりについて】
次に、「区民の力で築く元気に輝くまちづくり」、についてであります。
まず、経済分野では、厳しい経済状況の中で、中小企業を資金面から支援するため、借換融資の創設と、小規模事業者経営改善資金に対する利子補助を、新たに開始するとともに、景気対策資金の貸付を九月末まで延長いたします。
また、マーケティング支援事業の開始、ネットワーク化事業の充実や、商店街に対する積極的な補助事業の実施などにより、中小企業振興を推し進めてまいります。
さらに、江戸時代から続く木材産業の振興を図るため、新たに木材総目録の発刊やホームページの作成などの木材関連産業振興事業について、支援を行ってまいります。
スポーツの分野では、平成二十五年に実施される東京国民体育大会の競技運営のため、実行委員会を発足します。本区では、辰巳国際水泳場で競泳、シンクロ、飛び込みが実施される他、新木場で射撃、若洲ではセーリング競技が実施されます。また、三十回目を迎えるシーサイドマラソン大会は、実行委員会方式に移行し、内容の充実と参加定員の拡大を図るとともに、スポーツ振興と地域発展につながる競技運営を目指します。
次に、観光振興についてであります。
亀戸周辺の観光資源を生かし、地域経済の活性化を目指して、二十二年度は、亀戸の香取大門通りに「観光レトロ商店街」づくりを進めるほか、東京スカイツリーの開業にあわせて、亀戸四丁目区有地の観光拠点としての整備を促進します。
また、今年度実施した観光動向調査の結果を踏まえ、「(仮称)観光推進プラン」を策定し、より具体的な施策を展開してまいります。さらに、地域文化を活かした観光資源の開発と発信、観光情報発信コーナーの設置や、観光ボランティアガイドの養成など、観光客の受け入れ態勢の整備も進めてまいります。
【ともに支えあい、健康で生き生きと暮らせるまちづくりについて】
次に、「ともに支えあい、健康で生き生きと暮らせるまちづくり」、についてであります。
まず、区民の健康を守る取り組みとして、細菌性髄膜炎を予防するため、乳幼児のヒブワクチン接種に対し、助成を開始いたします。
高齢者対策につきましては、区内六箇所目となる地域包括支援センターを開設し、相談・支援機能を強化するとともに、高齢者地域見守り支援事業を推進し、地域ネットワークの拡充を図ってまいります。また、介護基盤施設の整備では、今年三月、旧亀島小学校跡地に区内十三箇所目となる特別養護老人ホームを開設する予定です。
さらに、深刻化する福祉人材の確保及び定着を図るため、これまでの取り組みに加え、二十二年度は、新たに介護施設開設準備に係る経費助成を実施し、施設事業者に対する支援策を展開いたします。
障害者福祉の分野では、東京都補助事業として、二十三区初の取り組みとなる重度障害者等在宅リハビリテーション支援モデル事業を実施し、障害者の地域生活を支援してまいります。
さらに、経済状況の先行きが不透明な中、区民生活を守るセーフティネット、生活保護制度の役割は益々重要となっております。最低生活の保障と自立への援助に取り組むため、安定就労支援のための生活安定応援事業及び住宅手当緊急特別措置事業の、積極的な事業展開を図ってまいります。
【住みよさを実感できる世界に誇れるまちづくりについて】
次に、「住みよさを実感できる世界に誇れるまちづくり」、についてであります。
水彩都市づくり支援事業では、豊洲地区運河ルネサンス協議会への支援や、対象地域の拡大を図ります。また、本年三月には、豊洲運河に設置する船着場の完成を記念して、伝統ある深川地域と、新しいまちの豊洲を船でつなぐ、水彩都市づくりフェスタを開催するなど、魅力と賑わいのある水辺空間の拡充に努めてまいります。
一方、豊洲新市場予定地の土壌汚染については、生鮮食料品を取り扱う市場を整備する上で「食の安全」は何よりも確実に担保されなければなりません。移転予定地は本区の一部分であり、汚染に対する区民の不安を払拭するためにも、四十六万区民の長として、今後も東京都に対し、徹底した土壌汚染対策の確実な履行を、強く求めてまいります。
次に、本区の概ね二十年後の将来都市像を示す都市計画マスタープランは、本年三月に策定する基本的な方針を踏まえ、地区別のまちづくり方針を、区民や関係者のみなさんといっしょに策定してまいります。あわせて、各地区に点在している魅力ある資源を生かして、地域の活性化を図るための方策を検討してまいります。また、萬年橋周辺の景観重点地区内では、清澄二丁目公園の景観整備を進めるほか、引き続き景観計画に基づき、地域の特色を生かした魅力ある景観形成を展開してまいります。
住宅施策では、マンション対策として、地球温暖化への対応や緑化、災害・防犯対策、地域コミュニティへの配慮等について、新たな規定を条例等に盛り込み、より良い住環境形成を進めてまいります。また、建替えや計画修繕等のマンションの維持管理に対する支援についても、よりきめ細かな施策展開に努めてまいります。
都市計画道路の整備につきましては、補助二百号線の、平成二十四年度全線開通に向けた事業推進を図るとともに、補助一一五号線の未整備区間四百九十mにつきましても、事業化に向けて用地測量と詳細設計に着手いたします。
また、都市景観の向上や歩行空間の充実、災害時の救援、避難路の確保など、道路環境の総合的な改善を図るため、計画的に無電柱化を進めてまいります。現在整備を進めている富岡地区に続く次期路線として、亀戸地区及び豊洲地区の整備に着手いたします。
次に、安全・安心なまちづくりについてであります。
まず、新型インフルエンザにつきましては、引き続き区民の安全・安心を守るため、発生動向の監視と迅速な対応に、区を挙げて取り組んでまいります。さらに、二十二年度は、新たに危機管理室を設置し、インフルエンザ対策を始め、あらゆる危機に対応できるよう組織体制の整備を図ります。
防災対策については、首都直下地震に備え、地域を中心とした実践的な防災訓練を展開するとともに、高齢者や障害者など災害時要援護者への対策を進めてまいります。また、集合住宅等の防災対策の強化を図るとともに、上空からの救援活動の目印として、避難所となる小学校の体育館の屋根に、ヘリサインを整備してまいります。
さらに、全小・中学校の耐震化に引き続き、旧耐震基準により建設された防災上重要な公共施設のうち、耐震性能の低い建物については、江東区耐震改修促進計画に基づき、平成二十七年度までに百%の耐震化を目指します。
また、木造住宅、マンション等の民間建築物の耐震化については、木造住宅耐震改修助成額の増額を図るとともに、新たに、マンション等の耐震設計の助成などを実施してまいります。
今後、橋梁の老朽化が急速に進むことを受け、今年度策定中の橋梁長寿命化修繕計画に基づき、コスト縮減を図りながら橋梁の架替・修繕に取り組み、平成二十二年度は、大栄橋と三石橋の修繕設計を進めてまいります。
さらに、都市型水害からまちを守るため、公共施設や民間施設での雨水貯留・浸透施設の設置指導を行ってまいります。
【長期計画の実現に向けて】
次世代に誇れる江東区をつくるためには、あらゆる施策の展開に当たって、区民協働の推進とより一層の開かれた区政の実現が基盤となります。
まず、区民協働の推進については、多様化する区民ニーズに対応しながら、基本構想に掲げた区の将来像を実現するため、区民やNPO等市民団体、事業者が区とともに責任を持って、地域課題の解決と発展に取り組む体制作りが必要となります。
そこで、二十二年度は、全庁的な推進体制を強化するとともに、新たに区との協働事業提案制度を導入するなど、市民団体等の専門性や柔軟性を積極的に公共サービスに取り入れ、区民の満足向上を図る仕組みを推進してまいります。
次に、区報の全戸配布についてであります。
より一層の開かれた区政実現と、区政情報の共有化を図るため、区報の全戸配布を本年七月を目途に、加えて、選挙公報、区議会だよりの全戸配布も実施してまいります。
また、みんなでつくる未来の江東づくりに向けて、本区初となる住民参加型市場公募地方債を発行いたします。五億円の発行額はグランチャ東雲の整備に充当し、財政面での区政への区民参加を実現してまいります。
さらに、現下の厳しい経済状況、雇用環境の悪化に即応するため、二十二年度も引き続き、十七の緊急雇用創出事業を実施してまいります。
以上、基本構想が目指す概ね二十年後の江東区づくりに向け、江東区が当面する課題について、所信の一端を申し述べましたが、現下の厳しい社会経済状況の中、私は、区民の区政に対する期待をひしひしと感じております。新長期計画の初年度となる二十二年度を「新たな挑戦の年」と位置づけ、区民に最も身近な基礎自治体の長として、全力で区政運営に臨んでまいります。
そして、意欲とスピードと思いやりを持って「チーム江東」一丸となり、四十六万区民の期待と信頼に応えてまいります。
より一層の議員各位のご理解・ご協力を、お願いする次第であります。
なお本定例会には、平成二十二年度当初予算及び平成二十一年度補正予算をはじめ、事件案件、条例案件等の三十九件を提案いたしております。
よろしく、ご審議の程、お願い申し上げまして、私の所信表明といたします。