所信表明 平成19年6月13日発表分

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最終更新日:2012年04月17日 13時39分

4つの政策を公約

本日ここに、平成十九年六月十三日をもって、平成十九年第二回区議会定例会を招集いたしました。今定例会は、先の統一地方選挙並びに私の区長就任後、初の定例会でありますので、所信の一端を申し述べ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力を得たいと存じます。
 昭和二十二年三月に、いまだ東京大空襲により焦土と化した状況が続く中で江東区が誕生し、以来六十年の歳月が流れ本区は四十四万人の区民を擁する基礎的自治体となり、更に発展を遂げようとしております。この間、四代にわたる先代区長及び区職員の努力により、今日の江東区を築きあげてこられました。
 私は、その功績に対し、深甚なる敬意を捧げるものであり、それらを受けつぐ私にとって、その職責の重さを痛感し、身の引き締まる思いであります。同時に、室橋前区長をはじめとした、これまでの江東区政の実績を着実に継承し、さらに発展させるべく全力投球することを誓うものであります。
 また、輝かしい伝統と実績を誇る江東区議会の先人の方々の功績を肝に銘じつつ、新たに構成された区議会の皆様とともに、夢と希望に満ち溢れた江東区づくりに全身全霊をかけて取り組んでまいる決意であります。
さて、私は、これからの区政運営の基本方針として、「世界に誇れる江東区づくり」、「子どもや高齢者に対する支援強化」、「区内中小企業と商店街の活性化」の三点を掲げ、これらを実現するための四つの政策を公約いたしました。
 その第一は、子育てファミリーや高齢者、障害者への応援カードの発行であります。区内商店等の協力により、加盟店での買い物や食事の際の割引制度などを導入し、子育てしやすい環境をつくり、また高齢者がいつまでも元気で活動でき、誰もが住み続けたいと思う江東区とするとともに、区内中小企業の売り上げ増など、地域商業の活性化を図るものであり、早期の事業化に向けて、検討を開始したところであります。
 公約の二点目は、中学三年生までの医療費無料化と保育所待機児対策の一つとしての認定こども園の整備であります。このうち、医療費の無料化につきましては、子育て支援の柱と位置づけており、本年十月に実施するため、今定例会で補正予算案を提案したところであります。また、認定こども園の整備につきましても、その実現に向けて、鋭意検討を進めてまいります。
公約の第三は、学校教育におけるいじめや不登校対策、学力向上策への取り組みであります。すでに本区では一昨年度から「江東区まなびプロジェクト」を策定し、江東区独自の学力向上策を推進してこられましたが、私は、さらなる教育改革・充実を進め、知・徳・体の調和のとれた教育を推進し、人間性豊かな子どもの育成と健やかな成長を図ってまいります。
そして、第四は、二千十六年の東京オリンピックの開催と江東区の更なる発展であります。
都の計画では、選手村や各種の競技会場として本区臨海部が想定されております。このオリンピックの開催は、子どもたちをはじめ多くの人々に夢と勇気や感動を与えることになるばかりでなく、江東区のまちづくりにおいて懸案となっている地下鉄八号線延伸などの南北交通網の整備や臨海部開発などの解決にもつながるものと考えており、本区として、オリンピック・パラリンピック招致を全面的にバックアップしていく決意であります。
私は、区政推進の基本的姿勢として、「意欲」、「スピード」、「思いやり」を掲げ、区職員には、「チーム江東」として、この旗印の下、一体となってまい進することを訴えました。区議会の皆様とも区民本位の理念を共有して共に前進していきたいと思います。


基本構想・長期基本計画策定へ

それでは、今定例会に提案をいたしました、平成十九年度補正予算第一号について、ご説明いたします。
平成十九年度当初予算は、室橋前区長のもと、住民に身近な基礎的自治体として、行政サービスを遅滞なく提供し、区民福祉の向上を図る責務があるとの観点から、長期基本計画ならびに総合実施計画を着実に推進し、区民の福祉向上をはかる、いわゆる総合予算として、編成されたところであります。
そのため、私は、今回の予算編成におきましては、今後の区政の指針となる基本構想の策定調査のほか、特に緊急を要する項目に限り、補正を行いました。
以下、その内容についてご説明申し上げます。
はじめに、基本構想・長期基本計画策定事業であります。いうまでもなく、基本構想は本区まちづくりの最高方針であり、現在の基本構想は、平成十一年三月に区議会の議決をいただき、策定したものであると承知しております。
また、長期基本計画は、基本構想を実現するための方向性を示すものとして策定され、平成二十一年度がその最終年次であり、次期計画の策定が必要となっております。
さらに、ハード面でのまちづくりの基本方針となる都市計画マスタープランも、策定後約十年が経過し、改定を検討すべき時期となっていることは事実であります。基本構想は、今後十年の長期にわたるまちづくりの方針となる、これらの計画の前提となるものであります。
私は、南部地域を中心とした開発の進展と人口の急増、さらには豊洲新市場移転計画など、現基本構想が想定していなかった、本区を取り巻く状況の変化を勘案し、未来に向かって発展を続ける江東区のまちづくりを的確に進めるためには、新たな基本構想を策定し、将来の都市像を明確にする必要があると判断し、その準備のための調査経費を計上したものであります。


中学3年生までの医療費を全額助成

次に、子ども医療費助成事業につきましては、当初予算において、これまでの助成に加えて、中学三年生までの通院費の一割助成を計上しておりますが、さらに子育て家庭の経済的負担を軽減し、子育て支援を充実するため、この十月から、中学三年生までの約五万四千人の子どもたちの通院、入院等医療費を、所得制限なしで、全額助成するための経費を計上したところであります。


私立保育所の整備支援へ基金を増額

また、私立保育所施設整備資金融資事業と融資基金繰出金は、本区の緊急課題である保育所待機児の解消のため、区内で保育所を開設または開設しようとする社会福祉法人等に対し、施設整備費の一部を融資斡旋するための預託金となる基金の増額と、利子補給にかかる経費を補正するものであり、現在計画を進めている事業の、早期の開園を促すため、今回補正をお願いしたところであります。


真の地方分権改革実現へ

この結果、一般会計の補正額は二億二千三百万円となり、当初予算と比べて〇・二パーセントの増、総額千三百二十五億七千万円となりました。
次に、本区の主要課題とその取り組みについて、申し上げます。
はじめに、区政を取り巻く状況でございますが、国においては地方分権の流れのもと、
国と地方をめぐる税財政に関わる三位一体の改革により、国の負担金・補助金の削減に伴い三兆円が所得税から住民税に税源移譲されました。具体的には、今年度から、住民税の税率を三段階の超過累進税率から一律十%にフラット化するものであります。本区における歳入の根幹を成す特別区民税については、十%のフラット化や定率減税の廃止、納税義務者数の増加などにより一定の増が見込まれております。
また、昨年の地方分権改革推進法成立により、第二期の地方分権改革が新たな一歩を踏み出しました。真の地方分権改革を実現するため、国と地方の役割分担を見直し、国から地方への権限及び税財源のさらなる移譲などの改革を進めるものであり、今後も地方分権の趣旨に沿った改革を求めてまいります。


特別区の権限強化へ

次に、都区の関係では、都区財政調整制度において、三位一体改革の影響を配分率にどう反映するかの協議を続け、最終的には、三位一体改革の影響額に対応する二%と都補助金の振り替えで対応する一%を合わせ、三%を上乗せする内容で、都区合意をしたところであります。
また、都区間においては、事務事業をはじめとした役割分担や区域のあり方、税財政制度を検討する「都区のあり方検討委員会」が設置され、今後具体的な議論が始まります。私は、住民福祉向上のためには、基礎的自治体である特別区の権限強化が必要であると考えており、更なる事務事業と権限、財源の委譲を区長会とともに求めてまいりたいと考えております。


急速に進む区のまちづくり

次に本区のまちづくりについて申し上げます。
本区の臨海部では、昨年、ゆりかもめの豊洲延伸や、晴海大橋及び木遣橋の開通と晴海通りの有明地区までの延伸など、都市基盤の強化が急速に進み、これに伴い、まちづくりも著しく進展しているところであります。
特に豊洲地区は大規模開発が進み、昨年十月に開業した大規模商業施設の効果もあいまって、多くの方々がこの地区を訪れております。
また、豊洲埠頭地区では、築地市場の新豊洲市場への移転について、平成二十四年度の開場を目指し、準備が本格化しつつあります。本区は、新豊洲市場の受け入れを全都民的立場から了承する一方、地元区として交通問題・環境問題についての万全の配慮と、千客万来施設を通じた地域全体の賑わいの創出などを東京都に求めてきたことは承知いたしております。私も都議会において、本区の立場に立ってそれらを主張してきたところであります。
そのほか、有明北地区では大規模集合住宅の建設計画があり、これらの開発の進展に伴う急激な人口増や中央防波堤埋立地の帰属問題など臨海部における課題は、どれも本区の将来のまちづくりを左右する極めて重要な課題でありますので、今後とも議会と一体となって、よりよいまちづくりのための指導・誘導を進めていく所存であります。


南北交通の整備へ調査研究

また、本区まちづくりの根幹をなす南北交通の整備に関しましては、地下鉄八・十一号線促進連絡協議会において、段階整備を前提とした調査研究を継続するとともに、庁内の「地下鉄八号線事業化検討委員会」での、豊洲・住吉間の建設実現に向けた研究を引き続き行ってまいります。


マンション対策として条例などのあり方を検討

さらにマンション急増問題につきましては、条例制定など一連のマンション対策の実施により、バランスのとれたまちづくりを誘導してこられましたが、本年十二月の条例の期限切れを前に、公共施設の受け入れ体制やマンション開発の動向などを勘案しつつ、条例・指導要綱のあり方についての検討を進めてまいりたいと存じます。


人口急増に対応するため小・中学校を整備

次に人口急増への対応であります。
本区では、南部地域を中心とした開発の進展に伴う人口の急増が続いており、小・中学校や保育園の収容対策をはじめとした公共施設の整備が求められております。
まず、小・中学校の児童・生徒の収容対策でありますが、本区としては二十六年ぶりの新設校となる、豊洲北小学校が四月に開校したのをはじめ、第五砂町小学校改築および明治小学校、元加賀小学校増築のための設計に着手するほか、有明地区新設小・中学校の地区整備計画の策定に着手いたします。


待機児解消に向け保育所を整備

また保育園につきましては、待機児の解消に向け、本年四月に認可保育所を民設民営で豊洲地域に二か所、認証保育所を六か所開設し、さらに今後、認可保育所を六か所、認証保育所を六か所整備していくことを計画しておりますが、残念ながら多くの待機児が発生しております。今後とも、保育需要の動向を見極め、認可保育所や認証保育所の増設や認定こども園の整備などにより、待機児の解消に努めてまいる所存であります。
このほか、臨海部の開発の進展に対応するための南部地域の施設整備につきましては、豊洲文化センター・図書館の改築の検討を進めるほか、中長期的な施設の整備計画を、次期長期基本計画において検討してまいりたいと存じます。


子育て家庭に経済的支援強化

次は子育て支援であります。
子育て世帯が急増している中、子育てを応援し、安心して子育てができる環境を整えることは、基礎的自治体として取り組まなければならない重要な課題であると考えております。
そのため、先ほども申し上げたとおり、子育て家庭や高齢者・障害者が区内商店で割引などのサービスを受けられるカードの発行を公約の第一に掲げ、早期の実施に向けて、検討を開始いたしました。また、これも公約とした、子ども医療費助成の更なる充実を補正予算において、計上したほか、本年四月から妊婦健康診査の助成金の増額とあわせ、子育て家庭の経済的支援の強化を図ったところであります。


放課後子ども教室を開始

さらに、子どもたちが地域の中で、心豊かで健やかに育つことのできる環境づくりを推進するため、小学校の教室などを活用し、児童が放課後や週末等に、学習やスポーツ、文化活動等に取り組める「放課後子ども教室」事業を開始し、学年の異なる子どもたちが共に交流・活動できる「居場所」の確保を進め、八名川小学校と毛利小学校で事業が開始されておりますが、本年度は新たに三校の実施を予定しております。
このほか、保育園や学童クラブなどの施設整備や子育て施設の安全・安心対策を今まで以上に強化するため、防犯カメラ、オートロックなどの設置を進めるなど、より一層良好な子育て環境の整備を進めてまいります。


区独自の学力向上策を推進

続いて、教育について申し上げます。
現在、児童・生徒の学力向上の問題が、保護者・区民の大きな関心事となっております。本区では独自の学力向上策を推進してこられましたが、今年度は学力強化講師の拡大や学習塾連携事業の一層の充実を図り、目に見える形で学力向上を進めてまいりたいと考えております。


いじめへの相談体制の整備

また「いじめ」の問題につきましては、いじめの実態調査や校内対策委員会の設置、教師のためのチェックリストの配布、教育センターいじめ相談窓口の開設などの相談体制が整備されてきたところであります。さらに子どもたち自身が自分の力でいじめの問題を解決するために、子どもたち自らが意見を発信する授業が全小中学校で実施されておりますが、より一層の充実を図ってまいります。


教育環境の向上へ校庭の芝生化や普通教室を冷房化

次に、学校施設の整備では、先ほどの収容対策に加えて、今年度末の完成をめざし、深川第三中学校の改築工事を進めるほか、この四月に統合して開校した大島南央小学校の校舎新築工事に着手いたします。
また、学習環境の向上とヒートアイランド対策をはかるための、校庭の芝生化と壁面緑化につきましては、今年度それぞれ二校で実施する方向で調整を進めているところであります。
さらに、耐震補強工事については、平成十七年度より五か年計画で三十三校の改修が実施されておりますが、今年度は、新たに臨海小学校など六校の耐震補強工事を実施し、災害に強い施設の整備をはかります。
そのほか、小中学校普通教室冷房化事業では、昨年度の中学校に引き続き、小学校普通教室の冷房化に取り組むなど、教育環境の向上に努めてまいります。


住み慣れたまちで住み続けられる江東区づくり

次に、高齢者対策について申し上げます。
高齢者対策につきましては、介護保険法の大幅な改正を受けて策定された、高齢者保健福祉計画並びに第三期介護保険事業計画に基づき、施策を推進してまいります。
まず、高齢化社会の進展に対応するため、地域包括支援センターを中心とした介護予防重視への転換、認知症高齢者を主たる対象とした地域密着型サービスの展開など、地域ケアの充実を図るほか、電話訪問事業やおはよう訪問事業などの安否確認事業を有機的に再編成した、「新たな見守りネットワーク事業」を構築し、住み慣れたまちでいつまでも住み続けられる江東区づくりを目指します。


旧亀島小跡地に介護基盤施設を20年度開設

介護基盤施設の整備では、区内十二か所目となる特別養護老人ホームが、本年四月東雲二丁目に開設されたほか、旧亀島小学校跡地には、二十年度開設を目指し区内六か所目となる老人保健施設と十三か所目の特別養護老人ホームの整備を進めてまいります。
一方、退職をむかえる団塊の世代のための総合的な対応として、就労支援、各種活動等に対する支援策など、いきがいづくりの事業展開を検討してまいります。
また、後期高齢者医療制度は、この三月に広域連合が設立されたところでありますが、新たな制度を適切かつ効率的に実施するための準備を進めてまいります。


地域防災計画を改訂・耐震改修促進計画を策定

次に安全・安心なまちづくりについてであります。
 区民の不安の第一は、地勢的に災害に弱い地域である本区の防災対策とともに、最近の、子どもが被害者になる事件や凶悪犯罪の増加などを背景とした、安心して暮らせるまちづくりであります。
まず、防災対策としては、昨年の東京都防災会議の首都直下地震の被害想定の見直しを受け、東京都が行う地域防災計画の修正を見据えながら、本区地域防災計画を改訂し、東京湾北部地震等に備えてまいります。
また、公共施設の耐震化につきましては、学校と橋梁の耐震化を計画的に進めてこられましたが、今後は学校以外の建物についても耐震化を計画的に進めることとし、本年から耐震診断に着手し、区施設の安全性を確保します。
さらに、建築物の耐震改修の促進に関する法律に基づき、地震による建築物の被害・損傷を未然に防ぎ、区民の生命と財産を守るため、住宅・建築物の耐震診断・耐震改修を計画的かつ総合的に促進することを目的として耐震改修促進計画を策定いたします。


安全・安心なまちへ

また、安心して暮らせるまちづくりとしては、防犯パトロールやこども一一〇番の家事業など、地域ぐるみの活動を展開してこられましたが、さらに防犯パトロール団体の助成やこども一一〇番の家の拡充に努めるなど、区民の安全を確保してまいる所存であります。
 以上、区政の主要課題についての取り組みを述べてまいりましたが、この他にも中小企業や商店街の振興をはじめ、放置自転車対策や路上喫煙対策、緑化推進など、多くの課題があり、住民の区政に対する期待も増大しております。
私は、住民にもっとも身近な基礎的自治体の長として、四十四万区民の期待を率直かつ謙虚に受け止め、その期待にお応えできるよう、スピードと企画力をもって、全力で取り組んでまいる所存でありますので、区議会議員各位のご指導と、区民の皆様のご理解・ご協力を、お願いする次第であります。
なお本定例会には、平成十九年度一般会計補正予算第一号のほか、事件案件、条例等を合わせて十四件を提案いたしております。
よろしく、ご審議の程、お願い申し上げまして、私の所信表明といたします。
 


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