提言「21世紀江東区の教育」
はじめに
21世紀における江東区の教育のあり方を考える懇談会は、平成12年6月19日、江東区長から諮問を受け、21世紀における江東区の教育のあり方について議論を重ねてきた。
諮問のテーマは、(1)特色ある江東区の教育づくり、学校づくり、(2)いじめ、不登校などのない江東区の学校づくり、地域づくりについてであった。
今日、教育改革は全国的規模ですすめられ、それは21世紀を迎えて大きなうねりとなっている。昨年12月、国においては教育改革国民会議から「17の提案」が報告され、都においても同年8月「心の東京革命行動プラン」が発表された。本懇談会は、このような国や都の動向を踏まえつつ、提言にあたっては、江東区における今後の教育改革の方向を探るとともに、江東区基本構想、長期基本計画が目指す方向や「水彩都市・江東」の地域特性をいかに学校教育の場に活かしていくか、それらを探ることに特に留意した。
本日、議論の結果をとりまとめ提言を行うが、併せて、本懇談会は、次に掲げる江東区の子どもたちの姿と学校・家庭・地域の姿を基本とし、「江東・教育都市21」(仮称)を宣言することを提案する。
この提言をもとに、保護者や学校関係者、さらには多くの区民が参加して、幅広く活発な意見交換が行われることを期待する。
そして,この提言を契機として、江東区の教育が今日の保護者・区民のニーズに応え、「教育の江東」を目指す新たな第一歩となることを切に望むものである。
諮問のテーマは、(1)特色ある江東区の教育づくり、学校づくり、(2)いじめ、不登校などのない江東区の学校づくり、地域づくりについてであった。
今日、教育改革は全国的規模ですすめられ、それは21世紀を迎えて大きなうねりとなっている。昨年12月、国においては教育改革国民会議から「17の提案」が報告され、都においても同年8月「心の東京革命行動プラン」が発表された。本懇談会は、このような国や都の動向を踏まえつつ、提言にあたっては、江東区における今後の教育改革の方向を探るとともに、江東区基本構想、長期基本計画が目指す方向や「水彩都市・江東」の地域特性をいかに学校教育の場に活かしていくか、それらを探ることに特に留意した。
本日、議論の結果をとりまとめ提言を行うが、併せて、本懇談会は、次に掲げる江東区の子どもたちの姿と学校・家庭・地域の姿を基本とし、「江東・教育都市21」(仮称)を宣言することを提案する。
この提言をもとに、保護者や学校関係者、さらには多くの区民が参加して、幅広く活発な意見交換が行われることを期待する。
そして,この提言を契機として、江東区の教育が今日の保護者・区民のニーズに応え、「教育の江東」を目指す新たな第一歩となることを切に望むものである。
21世紀における「教育の江東」
◎ 子どもたちの姿 「地域を愛し,郷土に誇りをもち、世界にはばたく
子どもたち」
○ 学 校 の 姿 「明日も行きたくなる学校」
○ 家 庭 の 姿 「何でも話し合える家庭」
○ 地 域 の 姿 「生き生きとした子どもを育てる地域」
江東区は,次代を担う子どもたちの健やかな育成を区政の重要課題と位置づけ、「教育の江東」を目指し、地域とともにその実現に力を入れてきた。これらの取り組みは、さらに発展させなければならない。われわれは子どもたちが、生まれ育った江東区を愛し、日本人としての伝統文化を身につけること、あるいは郷土に誇りをもち、世界にはばたこうとする姿に期待する。
その際、社会性や自律心、豊かな人間性、国際社会に生きる日本人としての自覚をはぐくむことは、教育の目標であり,基盤である。子どもは、幼児期から思春期を経て自我を形成し、自らの個性を伸長・開花させていく。このような成長過程をしっかりと支えていくには、幼児教育の重要性を改めて認識するとともに、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たし、これまで以上に連携することが重要である。
その中で学校は、地域に開かれた特色ある学校づくりを行っていく必要がある。そのためにも学校は、時代や保護者、地域、子どものニーズを的確に把握し、「わかりやすい」授業を展開していってほしい。そして、子どもたちには、自ら考え、判断し、行動する力を身につけてほしい。これが「明日も行きたくなる学校」の姿である。
家庭は、子どもが最初にものごとを教わる場であり、父母は、生涯を通じての最大の教育者・相談者・理解者である。子どもの行動は家庭を鏡のように映している。子どもの思いを知り、社会規範・自己責任を教えるためにも、家庭は何でも話し合える場でなくてはならない。
地域は、学校・家庭の教育を支える場である。子どもたちを温かく迎え入れ、育てる場であること、それが地域の大切な役目である。子どもたちの姿は、とりもなおさず地域・社会の姿にほかならない。大人たちが率先して模範となること、そのことを通じて、まち全体で子どもたちを生き生きと育てていくことが大切である。
子どもたち」
○ 学 校 の 姿 「明日も行きたくなる学校」
○ 家 庭 の 姿 「何でも話し合える家庭」
○ 地 域 の 姿 「生き生きとした子どもを育てる地域」
江東区は,次代を担う子どもたちの健やかな育成を区政の重要課題と位置づけ、「教育の江東」を目指し、地域とともにその実現に力を入れてきた。これらの取り組みは、さらに発展させなければならない。われわれは子どもたちが、生まれ育った江東区を愛し、日本人としての伝統文化を身につけること、あるいは郷土に誇りをもち、世界にはばたこうとする姿に期待する。
その際、社会性や自律心、豊かな人間性、国際社会に生きる日本人としての自覚をはぐくむことは、教育の目標であり,基盤である。子どもは、幼児期から思春期を経て自我を形成し、自らの個性を伸長・開花させていく。このような成長過程をしっかりと支えていくには、幼児教育の重要性を改めて認識するとともに、学校、家庭、地域社会がそれぞれの役割を果たし、これまで以上に連携することが重要である。
その中で学校は、地域に開かれた特色ある学校づくりを行っていく必要がある。そのためにも学校は、時代や保護者、地域、子どものニーズを的確に把握し、「わかりやすい」授業を展開していってほしい。そして、子どもたちには、自ら考え、判断し、行動する力を身につけてほしい。これが「明日も行きたくなる学校」の姿である。
家庭は、子どもが最初にものごとを教わる場であり、父母は、生涯を通じての最大の教育者・相談者・理解者である。子どもの行動は家庭を鏡のように映している。子どもの思いを知り、社会規範・自己責任を教えるためにも、家庭は何でも話し合える場でなくてはならない。
地域は、学校・家庭の教育を支える場である。子どもたちを温かく迎え入れ、育てる場であること、それが地域の大切な役目である。子どもたちの姿は、とりもなおさず地域・社会の姿にほかならない。大人たちが率先して模範となること、そのことを通じて、まち全体で子どもたちを生き生きと育てていくことが大切である。
第1 特色ある江東区の教育づくり 学校づくりをすすめる
江東区は、東に荒川、西に隅田川、また小名木川などの豊かな水辺をもち、同時に、未来都市としての臨海部を有する「水彩都市」である。そして、継承すべき優れた文化や伝統を保持している。つまり、誠実で勤勉な心、お互いを思いやる心、人に優しい心、水や緑などの自然と調和する心、そして自然を利用する技術などは、いわゆる「下町気質」となって、代々われわれの生活の中で大切に守られてきた。そうした先人の努力、文化や伝統、「水彩都市」としての特色は、われわれの誇りとしてしっかりと次代を担う子どもたちに伝えていくことが大切である。
今日、江東区においても、核家族化や少子化の波が押し寄せている。地域における地縁的なつながりの希薄化もみられる。子どもの心を育てるべき大人社会のモラルの低下、しつけに対する自信の喪失など、克服すべき課題が少なくない。今こそ保護者や地域の大人たちの誰もが、勇気をもって模範となる行動を示すよう求められている。子どもたちの健全な成長を図っていくうえで大切なことは、学校・家庭・地域がそれぞれの責任を果たし、連携しあって、教育力の向上にむけた地域社会づくりへの取り組みをすすめることである。
いわゆる国際化、情報化が一層進展していくと予想される21世紀に生きる子どもたちには、国際性や情報を活用できる力を身につけることがさらに強く求められている。そのためにこそ教育に不易なものとして基礎・基本の徹底、学力の向上、自ら判断する力などの育成を図り、心身ともにたくましく、やさしく、社会性を身につけた子どもを育てることが重要と考える。
江東区は、英語教育、コンピュータ教育に先進的に取り組んできた。この成果の上に、成長過程や学校の実状に応じて、国際理解教育、情報教育、自然体験や社会体験などをさらに充実させていく必要がある。
また、教育は、単に学校教育だけで完結するものではない。子どもの願い、親の願い、地域の願い、教師の願いを率直に話し合い、親、地域、教師がそれぞれの役割を果たしながら、子どもたちの成長を見守り、励まし、支え合う中から、21世紀を担う子どもたちを育てることができる。
このような考えの下に、われわれは次のような提言を行いたい。
◎ 学校・家庭・地域で子どもを育てる教育
〈学 校〉
(1) コミュニティ・ボランティア1万人計画
学校と地域の人々が協力して子どもを育てる観点から、「コミュニティ ・ボランティア1万人計画」を推進する。先輩としての高校生・大学生,
高齢者、民間企業経営者、町会自治会役員、保護者など、地域のさまざま な人たちの授業や学校行事、学校図書館運営等への参加をすすめる。
(2) 体育学習の充実
小学校の体育の授業の状況に応じて、外部講師の活用を図るとともに、 体育の専任化について検討する。複数校による部活動制度の導入、地域人 材の部活動への活用等を工夫する。
また、区内に数多くあるスポーツ施設を利用した体育学習をすすめ、子 どもたちの体力・運動能力の向上を目指すとともに、生涯スポーツや競技スポーツとの連携を図る。
(3) 臨海部や河川を生かした教育の推進
青海、東雲、若洲地区などの臨海部や隅田川、荒川、小名木川、横十間 川、仙台堀川など水彩都市の特色を生かして、自然体験学習を充実する。
(4) 勤労体験の場としての農園づくり
勤労体験や自然体験を行うことを目的に,各小・中学校の校庭や屋上にミニ農園づくりをすすめる。
(5) 地域の文化や歴史の学習の実施
「ふるさと 江東」を愛する心を育てるため、それぞれの学校で地域の特色を生かし、江東区の歴史や伝統等の文化資源を活用した教育をすすめる。
(6) ボランティア活動の実施
地域の特別養護老人ホーム等の福祉施設を対象に、子どもたちのボランティア活動を充実させる。
また、まちを愛する心を育むため、総合的学習の交流授業等において、毎月1回程度、お年寄りと一緒になってまちをきれいにする活動を行う。
(7) 読書習慣の指導と学校図書館の充実
読書習慣を身につける指導を充実するとともに、自ら調べ判断する力や態度の一層の向上を図るため、学校図書館の充実と区立図書館とのオンラ イン化等、連携システムをつくる。
(8) アートスクールの設置
子どもたちの才能を生かし、新しい文化を創造する人間を育てるため、学校跡地施設等を活用し、美術・音楽・舞踊・映画・演劇などのアートスクールを検討する。
〈家 庭〉
(9) 家庭教育への支援・啓発
教育の出発点は家庭での教育であり、子どもの人格形成に家庭の果たす役割は極めて大きい。幼児期からの家庭での「しつけ」は重要である。そのことをここでも強調しておきたい。なおかつそれを学ぶ機会を充実し支援するため、パンフレットなどを活用しつつ、青少年団体等と協力して家庭教育の重要性を啓発していく。
(10) 幼児期からの読書習慣への支援
幼児期からの本・絵本への関心や家庭での読書習慣を支援するため、親子読書会の充実を図るとともに、読み聞かせをするボランティアの導入をすすめる。
〈地 域〉
(11) 地域での教育力の強化と親子清掃活動の推進
地域のなかでPTAなどと連携して、子どもたちの相談窓口の開設について検討する。また、すべての子どもたちが地域社会の一員として、「親子清掃活動」など参加しやすい地域行事の拡大を行う。
(12) 親子が参加する地域行事とスポーツ活動の推進
親子のふれあいの機会を確保するため、運動会、歩け歩け大会、盆踊り、餅つき大会など、親子で楽しめる地域行事やスポーツ行事の拡大を図る。
また、江東区の特性である水辺を利用した、マラソン、ボート、カヌー、ヨットなどのスポーツ活動を推進する。
(13) 地域スポーツクラブの養成
区内の各地域スポーツセンター等を中心に、子どもから高齢者まで気軽 にスポーツに親しめる地域スポーツクラブの養成を促進する。
(14) 「学校防災少年団」の組織化
各中学校ごとに在校生の組織「学校防災少年団」(仮称)をつくる。この少年団は、“備えあれば憂いなし”をモットーに災害発生時に、ボランティアとして救援活動に協力する。また、日頃は体育館等で、夏休みや防災の日などに避難宿泊訓練を行う。
(15) 共同体意識の向上を目指す「通学合宿」の実施
小学生が共同生活を通して、社会の中での共同体意識を高められるよう、地域の集会施設を利用し、そこから通学する「通学合宿」(仮称)を実施する。学校単位に1週間程度の宿泊体験を目指し、実施に際しては地域のボランティアの協力を期待する。
◎ 21世紀を迎え、
世界の人々と生きる子どもを育てる教育
(1) 基礎・基本の徹底と学力の向上
人としての豊かな教養と,情操の育成を目指すとともに、基礎・基本の徹底と学力の向上を図る。そのために、小学校における教科担任制や少人数学習・ティームティーチングなど、各学校が創意工夫を発揮できる教育の推進体制について検討する。
(2) 「バイリンガル都市」江東
国際社会に活躍する江東区の子どもたちを育てることを目標に、日本語と外国語の2カ国語を話す「バイリンガル都市」を目指す。小学生の時から英語に慣れ親しむ教育を実施するとともに、中学校での英語教育を充実する。
(3) 外国人との交流事業の促進
外国の生活や文化などに触れる機会を充実させるため、区内在住、在勤の外国人の授業参加、世界の人々との交流事業や海外留学制度を促進する。
また、区民英会話教室の充実、各学校を紹介する英語パンフレットの整備をすすめる。
(4) IT先進区を目指す情報教育の推進
IT先進区を目指し、ホームページの開設やメールの使用を含め、子ども全員がコンピュータ操作に習熟できるように,機器の増設、教室への配置など校内LANの構築を全小中学校ですすめる。その際、特に倫理観の涵養に留意する。また、情報利用の利便性を高めるために学校内のコンピュータ室と図書室の一体化をすすめる。
(5) 子どもたちへのコピュータの開放
子どもたちがいつでもコンピュータを使えるように、区内公共施設にパソコンを設置する。
また、土曜日・日曜日に学校のコンピュータ室の開放をすすめる。
(6) 異年齢間交流の活発化と人に優しい人づくり
他者との関わりや相手を認める、思いやる等の心を育てるため、異年齢間の交流の機会を増やし、幼稚園・保育園、小・中・高等学校間の相互交流をすすめる。高齢者施設や盲・ろう・養護学校と小中学校の複合施設化など、交流しやすい教育環境をつくる。
今日、江東区においても、核家族化や少子化の波が押し寄せている。地域における地縁的なつながりの希薄化もみられる。子どもの心を育てるべき大人社会のモラルの低下、しつけに対する自信の喪失など、克服すべき課題が少なくない。今こそ保護者や地域の大人たちの誰もが、勇気をもって模範となる行動を示すよう求められている。子どもたちの健全な成長を図っていくうえで大切なことは、学校・家庭・地域がそれぞれの責任を果たし、連携しあって、教育力の向上にむけた地域社会づくりへの取り組みをすすめることである。
いわゆる国際化、情報化が一層進展していくと予想される21世紀に生きる子どもたちには、国際性や情報を活用できる力を身につけることがさらに強く求められている。そのためにこそ教育に不易なものとして基礎・基本の徹底、学力の向上、自ら判断する力などの育成を図り、心身ともにたくましく、やさしく、社会性を身につけた子どもを育てることが重要と考える。
江東区は、英語教育、コンピュータ教育に先進的に取り組んできた。この成果の上に、成長過程や学校の実状に応じて、国際理解教育、情報教育、自然体験や社会体験などをさらに充実させていく必要がある。
また、教育は、単に学校教育だけで完結するものではない。子どもの願い、親の願い、地域の願い、教師の願いを率直に話し合い、親、地域、教師がそれぞれの役割を果たしながら、子どもたちの成長を見守り、励まし、支え合う中から、21世紀を担う子どもたちを育てることができる。
このような考えの下に、われわれは次のような提言を行いたい。
◎ 学校・家庭・地域で子どもを育てる教育
〈学 校〉
(1) コミュニティ・ボランティア1万人計画
学校と地域の人々が協力して子どもを育てる観点から、「コミュニティ ・ボランティア1万人計画」を推進する。先輩としての高校生・大学生,
高齢者、民間企業経営者、町会自治会役員、保護者など、地域のさまざま な人たちの授業や学校行事、学校図書館運営等への参加をすすめる。
(2) 体育学習の充実
小学校の体育の授業の状況に応じて、外部講師の活用を図るとともに、 体育の専任化について検討する。複数校による部活動制度の導入、地域人 材の部活動への活用等を工夫する。
また、区内に数多くあるスポーツ施設を利用した体育学習をすすめ、子 どもたちの体力・運動能力の向上を目指すとともに、生涯スポーツや競技スポーツとの連携を図る。
(3) 臨海部や河川を生かした教育の推進
青海、東雲、若洲地区などの臨海部や隅田川、荒川、小名木川、横十間 川、仙台堀川など水彩都市の特色を生かして、自然体験学習を充実する。
(4) 勤労体験の場としての農園づくり
勤労体験や自然体験を行うことを目的に,各小・中学校の校庭や屋上にミニ農園づくりをすすめる。
(5) 地域の文化や歴史の学習の実施
「ふるさと 江東」を愛する心を育てるため、それぞれの学校で地域の特色を生かし、江東区の歴史や伝統等の文化資源を活用した教育をすすめる。
(6) ボランティア活動の実施
地域の特別養護老人ホーム等の福祉施設を対象に、子どもたちのボランティア活動を充実させる。
また、まちを愛する心を育むため、総合的学習の交流授業等において、毎月1回程度、お年寄りと一緒になってまちをきれいにする活動を行う。
(7) 読書習慣の指導と学校図書館の充実
読書習慣を身につける指導を充実するとともに、自ら調べ判断する力や態度の一層の向上を図るため、学校図書館の充実と区立図書館とのオンラ イン化等、連携システムをつくる。
(8) アートスクールの設置
子どもたちの才能を生かし、新しい文化を創造する人間を育てるため、学校跡地施設等を活用し、美術・音楽・舞踊・映画・演劇などのアートスクールを検討する。
〈家 庭〉
(9) 家庭教育への支援・啓発
教育の出発点は家庭での教育であり、子どもの人格形成に家庭の果たす役割は極めて大きい。幼児期からの家庭での「しつけ」は重要である。そのことをここでも強調しておきたい。なおかつそれを学ぶ機会を充実し支援するため、パンフレットなどを活用しつつ、青少年団体等と協力して家庭教育の重要性を啓発していく。
(10) 幼児期からの読書習慣への支援
幼児期からの本・絵本への関心や家庭での読書習慣を支援するため、親子読書会の充実を図るとともに、読み聞かせをするボランティアの導入をすすめる。
〈地 域〉
(11) 地域での教育力の強化と親子清掃活動の推進
地域のなかでPTAなどと連携して、子どもたちの相談窓口の開設について検討する。また、すべての子どもたちが地域社会の一員として、「親子清掃活動」など参加しやすい地域行事の拡大を行う。
(12) 親子が参加する地域行事とスポーツ活動の推進
親子のふれあいの機会を確保するため、運動会、歩け歩け大会、盆踊り、餅つき大会など、親子で楽しめる地域行事やスポーツ行事の拡大を図る。
また、江東区の特性である水辺を利用した、マラソン、ボート、カヌー、ヨットなどのスポーツ活動を推進する。
(13) 地域スポーツクラブの養成
区内の各地域スポーツセンター等を中心に、子どもから高齢者まで気軽 にスポーツに親しめる地域スポーツクラブの養成を促進する。
(14) 「学校防災少年団」の組織化
各中学校ごとに在校生の組織「学校防災少年団」(仮称)をつくる。この少年団は、“備えあれば憂いなし”をモットーに災害発生時に、ボランティアとして救援活動に協力する。また、日頃は体育館等で、夏休みや防災の日などに避難宿泊訓練を行う。
(15) 共同体意識の向上を目指す「通学合宿」の実施
小学生が共同生活を通して、社会の中での共同体意識を高められるよう、地域の集会施設を利用し、そこから通学する「通学合宿」(仮称)を実施する。学校単位に1週間程度の宿泊体験を目指し、実施に際しては地域のボランティアの協力を期待する。
◎ 21世紀を迎え、
世界の人々と生きる子どもを育てる教育
(1) 基礎・基本の徹底と学力の向上
人としての豊かな教養と,情操の育成を目指すとともに、基礎・基本の徹底と学力の向上を図る。そのために、小学校における教科担任制や少人数学習・ティームティーチングなど、各学校が創意工夫を発揮できる教育の推進体制について検討する。
(2) 「バイリンガル都市」江東
国際社会に活躍する江東区の子どもたちを育てることを目標に、日本語と外国語の2カ国語を話す「バイリンガル都市」を目指す。小学生の時から英語に慣れ親しむ教育を実施するとともに、中学校での英語教育を充実する。
(3) 外国人との交流事業の促進
外国の生活や文化などに触れる機会を充実させるため、区内在住、在勤の外国人の授業参加、世界の人々との交流事業や海外留学制度を促進する。
また、区民英会話教室の充実、各学校を紹介する英語パンフレットの整備をすすめる。
(4) IT先進区を目指す情報教育の推進
IT先進区を目指し、ホームページの開設やメールの使用を含め、子ども全員がコンピュータ操作に習熟できるように,機器の増設、教室への配置など校内LANの構築を全小中学校ですすめる。その際、特に倫理観の涵養に留意する。また、情報利用の利便性を高めるために学校内のコンピュータ室と図書室の一体化をすすめる。
(5) 子どもたちへのコピュータの開放
子どもたちがいつでもコンピュータを使えるように、区内公共施設にパソコンを設置する。
また、土曜日・日曜日に学校のコンピュータ室の開放をすすめる。
(6) 異年齢間交流の活発化と人に優しい人づくり
他者との関わりや相手を認める、思いやる等の心を育てるため、異年齢間の交流の機会を増やし、幼稚園・保育園、小・中・高等学校間の相互交流をすすめる。高齢者施設や盲・ろう・養護学校と小中学校の複合施設化など、交流しやすい教育環境をつくる。
第2 いじめ、不登校などのない江東区の学校づくり、地域づくり
江東区のいじめ、不登校の実情は必ずしも予断を許さない。報告されているいじめ件数は、平成8年をピークとして減少傾向にあるものの、その内容は陰湿化、長期化の傾向にあり、発見できないいじめの存在も否定できない。また、不登校は、全国で、平成11年度において調査以来初めて13万人を超える不登校児がいるとの報告が出され、大きな課題となっている。江東区でも、中学校では200名(年間で30日以上学校を欠席した生徒)を超え、小学校の児童にも年々広がりつつある。
この原因は、学校での教師や友人関係、教育内容、家庭における養育機能の低下、本人の意欲、意思など、さまざまな要因が複雑にからみあっていることが多い。加えて、無理に学校に行かせる必要はないといった考え方もあり、その対応は難しいのが実情である。
江東区では、このような認識の下に、家庭に対して理解・協力を求めてきた。また、本人の努力をも促しつつ、何よりもまず学校が、「明日も行きたくなる学校」となる必要があるとの視点に立って、学校教育の充実に取り組んできた。
その中で特に、いじめ、不登校の問題への取り組みとしては、これまで一人ひとりの子どもにあったきめ細かな対応を基本として、(1)担任まかせではなく全校が一丸となっての対策、(2)スクールカウンセラーなどの相談体制の整備、(3)適応相談員による訪問指導、(4)関係機関との連携を実施してきた。その結果、いじめが解消したり、不登校児が教室にもどり、学校に行く子どもが増えるなど、一定の成果をあげてきているものの、こうした取り組みの努力にもかかわらず、いじめや不登校を根絶するには至っていない。
そこで、われわれは、第1の「特色ある江東区の教育づくり、学校づくりをすすめる」で述べた諸提言に加えて、いじめ、不登校をなくすためには、第一に早期発見・早期対応、第二に全校あげての取り組み、第三に一人ひとりに応じたきめ細かな対応、第四に学校、家庭、関係機関の連携が大切であるとの観点に立って、さらに、次のような提言を行いたい。
(1) 「心の東京革命」推進モデル区
「心の東京革命」の推進モデル区として、人が生きていく上で当然の心得を大人が責任をもって伝えていく取り組みを、学校、家庭、地域が協力してすすめる。
(2) 情報の共有化と区民への公開
スクールカウンセラーや精神科医など専門家の協力を得て、いじめや不 登校などに関する情報を共有化し、全校あげて取り組むシステムをつくる。さらに、各学校や区教委の対応策等を広く保護者や区民に公開し、区民全体で共通認識をもち、根絶へ向けた取り組みをすすめる。
(3) きめ細かな体制の整備
教育センターの適応相談室に加えて、新たに適応指導教室を開設し、いじめ、不登校の個々のケースに対応するきめ細かな体制を整備する。
この原因は、学校での教師や友人関係、教育内容、家庭における養育機能の低下、本人の意欲、意思など、さまざまな要因が複雑にからみあっていることが多い。加えて、無理に学校に行かせる必要はないといった考え方もあり、その対応は難しいのが実情である。
江東区では、このような認識の下に、家庭に対して理解・協力を求めてきた。また、本人の努力をも促しつつ、何よりもまず学校が、「明日も行きたくなる学校」となる必要があるとの視点に立って、学校教育の充実に取り組んできた。
その中で特に、いじめ、不登校の問題への取り組みとしては、これまで一人ひとりの子どもにあったきめ細かな対応を基本として、(1)担任まかせではなく全校が一丸となっての対策、(2)スクールカウンセラーなどの相談体制の整備、(3)適応相談員による訪問指導、(4)関係機関との連携を実施してきた。その結果、いじめが解消したり、不登校児が教室にもどり、学校に行く子どもが増えるなど、一定の成果をあげてきているものの、こうした取り組みの努力にもかかわらず、いじめや不登校を根絶するには至っていない。
そこで、われわれは、第1の「特色ある江東区の教育づくり、学校づくりをすすめる」で述べた諸提言に加えて、いじめ、不登校をなくすためには、第一に早期発見・早期対応、第二に全校あげての取り組み、第三に一人ひとりに応じたきめ細かな対応、第四に学校、家庭、関係機関の連携が大切であるとの観点に立って、さらに、次のような提言を行いたい。
(1) 「心の東京革命」推進モデル区
「心の東京革命」の推進モデル区として、人が生きていく上で当然の心得を大人が責任をもって伝えていく取り組みを、学校、家庭、地域が協力してすすめる。
(2) 情報の共有化と区民への公開
スクールカウンセラーや精神科医など専門家の協力を得て、いじめや不 登校などに関する情報を共有化し、全校あげて取り組むシステムをつくる。さらに、各学校や区教委の対応策等を広く保護者や区民に公開し、区民全体で共通認識をもち、根絶へ向けた取り組みをすすめる。
(3) きめ細かな体制の整備
教育センターの適応相談室に加えて、新たに適応指導教室を開設し、いじめ、不登校の個々のケースに対応するきめ細かな体制を整備する。
第3 これからの学校・教師・行政
学校教育が成果をあげるためには、学校に対する地域や保護者の理解と協力が不可欠である。このような観点から、これまでにも学校は、地域や保護者への情報発信に努めてきたが、時代の変化に即応して、なお一層、情報公開をすすめる必要があると考える。平成12年度に導入された学校評議員制度は、これまでの学校運営を大きく転換する可能性を秘めている。平成14年度からは、新学習指導要領が実施され、学校の完全週五日制も導入される。さらに、民間人の校長への登用や学校選択自由化などの取り組みも始まっている。
学校は基礎・基本の徹底、学力の向上に加えて、特色をどのように発揮し、ニーズに応えていくか、その手腕が問われている。学校を選びたいという親や子どもの願望は、ますます強くなるに違いない。こうした要請に応えるためには、学校は、その教育目標や活動状況、成果などの情報を積極的に公開し、これまで以上に説明責任を果たしていかなければならない。
また、教師の果たす役割は、ますます重要になると言わなければならない。思いやりにあふれ、豊かな心をもち、たくましく生きる人間を、自身の手で育むという自負と情熱、卓抜した指導力と確かな見識、豊かな人間性が求められている。
教師には日頃からの切磋琢磨と自己啓発の努力を求めたい。また、教師には学校を聖域として、その中に閉じこもるのではなく、時代の流れを敏感にキャッチするセンスや保護者のニーズを的確に汲み取る能力を一層強く求めたい。そのためには、いわゆる市場原理や経営感覚に目を向ける発想も必要であろう。
行政は、これらの学校や教師の教育改革への取り組みを支援し、積極的に具体的な施策をすすめなければならない。教育委員会は、地域の教育行政全般にわたる最も責任ある存在である。その責任を果たしていくために、時には既存の制度にとらわれず、思い切った改革に取り組むべきである。
また、これらの教育改革の推進のため、区においては、より積極的な財政措置を講ずることを望むものである。
このような考えの下に、次のような提言を行いたい。
(1)授業公開、情報公開で開かれた学校づくり
保護者や地域に子どもの現況や教育内容をいつでも公開できる体制づくりをすすめ、授業公開月間をすべての学校で行う。学校の外部評価を視野に入れ、自己評価制度を改善する。また、学校評議員制度を有効に活用し、学校の教育方針などの情報を公開し、説明責任を果たし、開かれた学校づくりをすすめる。
(2)新しい研修体制の確立
教育課題に対して広い視野から対応できる指導力を身につけた教師を養成する。そのため、教師自身が内容を企画し参加する研修や幼・小・中・高等学校間の合同研修、学校と行政の交流研修、区内民間企業への派遣研修等、区独自に新しい研修体制を確立し、内容の充実を図る。
(3) 時代の要請に適応した新しい校舎づくり
学校の校庭や屋上等を活用し、雨水利用やエコスペースなどの環境対応型校舎(エコスクール)づくり、バリアフリー化など、時代の要請に適応した新しい校舎づくりをすすめる。
(4) 通学区域の弾力的運用
区立小学校・中学校の通学区域制度については、学校の活性化と保護者の学校教育への関心を促す視点に立って、弾力的な運用を検討する。
(5) 教育改革に対応する教育委員会の体制の確立
教育委員会が、自主的判断のもとに学校を支援できる事業が展開できるよう、教育改革に対応する組織体制を確立する。また、予算制度に関し、独自に執行できる予算枠の設定の可能性を検討する。
学校は基礎・基本の徹底、学力の向上に加えて、特色をどのように発揮し、ニーズに応えていくか、その手腕が問われている。学校を選びたいという親や子どもの願望は、ますます強くなるに違いない。こうした要請に応えるためには、学校は、その教育目標や活動状況、成果などの情報を積極的に公開し、これまで以上に説明責任を果たしていかなければならない。
また、教師の果たす役割は、ますます重要になると言わなければならない。思いやりにあふれ、豊かな心をもち、たくましく生きる人間を、自身の手で育むという自負と情熱、卓抜した指導力と確かな見識、豊かな人間性が求められている。
教師には日頃からの切磋琢磨と自己啓発の努力を求めたい。また、教師には学校を聖域として、その中に閉じこもるのではなく、時代の流れを敏感にキャッチするセンスや保護者のニーズを的確に汲み取る能力を一層強く求めたい。そのためには、いわゆる市場原理や経営感覚に目を向ける発想も必要であろう。
行政は、これらの学校や教師の教育改革への取り組みを支援し、積極的に具体的な施策をすすめなければならない。教育委員会は、地域の教育行政全般にわたる最も責任ある存在である。その責任を果たしていくために、時には既存の制度にとらわれず、思い切った改革に取り組むべきである。
また、これらの教育改革の推進のため、区においては、より積極的な財政措置を講ずることを望むものである。
このような考えの下に、次のような提言を行いたい。
(1)授業公開、情報公開で開かれた学校づくり
保護者や地域に子どもの現況や教育内容をいつでも公開できる体制づくりをすすめ、授業公開月間をすべての学校で行う。学校の外部評価を視野に入れ、自己評価制度を改善する。また、学校評議員制度を有効に活用し、学校の教育方針などの情報を公開し、説明責任を果たし、開かれた学校づくりをすすめる。
(2)新しい研修体制の確立
教育課題に対して広い視野から対応できる指導力を身につけた教師を養成する。そのため、教師自身が内容を企画し参加する研修や幼・小・中・高等学校間の合同研修、学校と行政の交流研修、区内民間企業への派遣研修等、区独自に新しい研修体制を確立し、内容の充実を図る。
(3) 時代の要請に適応した新しい校舎づくり
学校の校庭や屋上等を活用し、雨水利用やエコスペースなどの環境対応型校舎(エコスクール)づくり、バリアフリー化など、時代の要請に適応した新しい校舎づくりをすすめる。
(4) 通学区域の弾力的運用
区立小学校・中学校の通学区域制度については、学校の活性化と保護者の学校教育への関心を促す視点に立って、弾力的な運用を検討する。
(5) 教育改革に対応する教育委員会の体制の確立
教育委員会が、自主的判断のもとに学校を支援できる事業が展開できるよう、教育改革に対応する組織体制を確立する。また、予算制度に関し、独自に執行できる予算枠の設定の可能性を検討する。
おわりに
本懇談会は、この提言を検討するにあたって、中長期的な視野に立って21世紀の教育のあり方を展望した。同時に、江東区としての取り組みの実施可能性ということに意を用いた。それだけに、本懇談会はこの提言が速やかに実現されることを切に望むものである。
しかしながら、今日の教育課題には江東区のみならず、広く全国的、全都的課題も多く、区段階では解決し得ないものがあることも事実である。例えば、校長のリーダーシップ発揮のための権限の拡大や校長への民間人の登用、公立の中高一貫校の設置、少人数学級の実施やティームティーチングのための定数配置基準の見直し、教師の男女バランス、若手教員の採用などは国や都の施策に待たなければならない。こうしたものを含めて、江東区の教育の充実のため、国や都に対しては従来にも増して施策の充実を要望しておきたい。
なお、懇談会では多くの貴重な意見が出されたが、提言にいたらなかったものもある。これらは、資料として添付してあるので参考にされたい。
21世紀のスタートに際し、全国の教育改革の流れを見すえつつ、江東区が全国・全都に先駆けて、大胆かつ清新な施策を推進されるよう改めて望んでおきたい。
しかしながら、今日の教育課題には江東区のみならず、広く全国的、全都的課題も多く、区段階では解決し得ないものがあることも事実である。例えば、校長のリーダーシップ発揮のための権限の拡大や校長への民間人の登用、公立の中高一貫校の設置、少人数学級の実施やティームティーチングのための定数配置基準の見直し、教師の男女バランス、若手教員の採用などは国や都の施策に待たなければならない。こうしたものを含めて、江東区の教育の充実のため、国や都に対しては従来にも増して施策の充実を要望しておきたい。
なお、懇談会では多くの貴重な意見が出されたが、提言にいたらなかったものもある。これらは、資料として添付してあるので参考にされたい。
21世紀のスタートに際し、全国の教育改革の流れを見すえつつ、江東区が全国・全都に先駆けて、大胆かつ清新な施策を推進されるよう改めて望んでおきたい。